退行ってどんなこと?症状と原因は?

「自己防衛反応」や「防衛機制」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。それらの言葉の意味は、欲求不満から生まれる不安や、緊張から自我(※)を守るために自然起きる働きのことです。
具体的には、合理的解決、抑圧、合理化、同一視、投影(投射)、反動形成、逃避、退行、代償、昇華、近道反応など様々な現れ方があります。
今回は退行について詳しく見ていきましょう。

退行とは

自分の心を守る無意識の行動を「防衛機制」と言いますが、その中の一つである「退行」
退行とはどのようなことをいうのでしょうか。

■退行

実際の年齢よりもかなり幼い行動や表現をするのが特徴です。それまでの発達状態から後退して戻ってしまうことを意味します。よく聞く「赤ちゃん返り」や「幼児退行」もこの退行が原因の一つとされています。防衛機制=自己防衛反応と置き換えて考えてもよいでしょう。

退行の症状と原因

■退行の代表的な症状

・第二子が生まれたことで、第一子が急に赤ちゃん返りするようになる
・お酒に酔うと誰にでも甘えてしまう大人
・家の中でパートナーから片時も離れることができない
・本来は一人で出来るはずの着替えやお風呂、食事を誰かに手伝ってもらうようになる

■退行の原因

退行の原因は、現実に行き詰まり、不安になった自我が、自分の過去に救いを求めることにあります。
例えば、日常的に私たちに起こる問題は様々で、簡単に解決できる事から、そうではなく長期化してしまう事まで。その問題に直面したとき、自我が元気な状態であれば、問題や要求を適切に処理することができます。たとえ長期化したときにも、段階的に解決していくことや時間をおいて解決のチャンスを待つことができます。しかし、自我が未成熟であったり、弱っていたりすると、耐えることができずに危険信号を発信してしまいます。この危険信号によって、自分ではどうすることも出来ないと心が判断した時、自我は内部で変化を起こします。この変化こそが例えば幼い子供に変わることで、危険を脱しようとする退行です。

退行の対処と予防

■退行の対処方法

1.怒らない

退行では、執着する相手に対して、わざと困らせるような言動が見られます。しかし、「困らせようとしている」「恥をかかせようとしている」というわけではありません。
自分に目を向けて欲しい、構って欲しいという気持ちからの行動なのです。
そのため、「もう、大人でしょ」「なんで、そんなことをするの」「恥ずかしいでしょ」などと怒っても、逆効果です。余計に酷くなったり、心を閉ざしてしまう可能性があるので怒らないようにしましょう。

2.認める声がけをする

「自分は何の役に立たない人間だ」「いない方がいいと思われている」と心の中で感じながら、でも愛してもらいたいという気持ちから赤ちゃん返りのような言動を引き起こす退行。それでも、何らかの言動の中に認めてあげることを意識しましょう。周りから見ると
「当たり前」だと思っていたことにも、「ありがとう」や「すごいね」と声をかけてあげることで、自己肯定感が高まるそうです。
今の自分を認めてもらったと感じることで、気持ちが落ち着きやすくなります。

3.マンツーマン・1対1で関わる時間を持つ

例えば、赤ちゃん返りで良くありがちな、下の子が産まれると、これまで一人っ子で愛情独り占めだった第一子が、急に弟や妹というライバルが出現したことになり、急に不安になることがあります。そして、お母さんの愛情を独り占めしたいという欲求から、自分でできることをしなくなったり、駄々をこねたり、赤ちゃんのする行動を真似たりしてしまいます。
上の子をお父さんや祖父母等に預けて、下の子をママが見るということでは解決になりません。少しの時間でも、下の子を他の人に任せて、赤ちゃん返りしている上の子の「一人っ子タイム」をつくってあげましょう。100%構ってあげられる時間をもつことで、子どもの欲求が満たされることもあります。
これは大人の場合でも同様で、「今この時間は、一人のあなたにだけ向き合っている」と感じてもらうことが重要です。関わってほしいと思っている相手が自分に100%気が向いている、と感じる時間を実感できることで安心感が生まれ、気持ちが落ち着きます。

4.スキンシップを多くする

最近では、スキンシップによってオキシトシンというホルモンが分泌され、それが親子の愛着だけでなく、「人への信頼感」をはぐくむということがわかってきました。
できるだけスキンシップを増やしてあげると、「大切にされている」と実感しやすくなるそうです。

5.できるだけ要求を認めてあげる

退行している人が甘えてくることに、単に甘やかすのはよくないのでは、と感じるかもしれませんが、スキンシップなど情緒的な要求に応えてあげるのは、「甘えを受け止める」といって、いくらやっても害にはならない大切なことだと言われています。
また、本来は自分でできる身の回りのことなどは出来る限り本人にやらせるということは重要ですが、「能力的にはできるけど、今は精神的にできない」ということを受け止めてあげるようにしましょう。できないことに対して、一時的に助けてあげた方が、精神安定上はよいと言われています。
但し、自分でやろうという気持ちがあって、何とかしようとしていることまでやってしまうことや、欲しい物を際限なく与えてしまうのは過保護であり過干渉でもあるので、あまりよくない甘やかし方だと言えます。

退行のポイント

では、最後に大人における退行についてのポイントを知るべく、セルフチェックを紹介します。以下の項目に当てはまるかをチェックしてみましょう。

退行をセルフチェック

□ 大人として自立や責任を求められ、社会生活をすることにストレスを感じている
□ 赤ちゃんのように守られたい、母親のそばで安らぎたいという思いがある
□ 家族や恋人など、甘えさせてほしいと思う人・受け止めてくれる人がいる
□ 状況によって、自分でできるはずのことができなくなり、人にやってもらうことがある

自分が特定の相手に子どもっぽく甘えてしまう、家族の行動がおかしくなったと困っている方、セルフチェックで気になる人は、精神科や心療内科に相談してみましょう。

まとめ

ここまで、退行についてみてきました。わざと子供っぽくふるまうことで自分を守る働きである退行。例えば失恋したときに部屋に閉じこもって布団をかぶって泣きじゃくり、そのまま寝てしまうという行動も退行の一つです。
急に話し方やしぐさが幼くなってしまった人が周囲にいたとすると、もしかしたら退行することによって、何か辛い事や受け止めがたいこと、自分では解決できないことから心を守っている可能性があります。

【参考~心理学における自我と、エス、超自我との関係は~】

防御規制の一つである退行を知る上で、退行が自我を守るための働きであることから心理学や精神医学上の「自我」という意味について知っておくとよいでしょう。簡単にまとめておきますので参考にしてください。

オーストリアの精神医学者、精神分析学者、精神科医であるフロイトは、「自我」「エス」「超自我」という構造論を展開しました。

■エスとは

「エス」は快楽優先で無意識的に、体の内部から湧き出てくる本能的な欲動です。「エス」が「快楽優先なのに対し「超自我」は道徳的な規律に従う無意識的な存在です。

■超自我とは

親からの価値や規律を、まだ「自我」が確立する前に心の中に形作られます。常に道徳的、意識的であろうとする部分が超自我です。「超自我」は「エス」との間にどちらが優先されるべきか葛藤が起こることがあります。この葛藤を調整しコントロールするのが「自我」です。

■自我とは

無意識に属していて、外の現実の世界を理解し調整することができます。つらい思いをした時に、無意識に防衛する機能が働き、心を守ってくれることがあります。
自我は内部の調整も行っています。私たちの心の中は、そのまま社会に見せるには問題のあることがあります。「自我」が「エス」と「超自我」の仲裁役のように働いてバランスを取り、心を健康に保つ役割をしています。

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