褥瘡(じょくそう)の意味をわからない方が殆どだと思われます、では床ずれといえばいかがですかこれは殆どの方はご存知です。今回は身内の方で自ら寝返りをする事の出来ないような長期の闘病生活になられた時、褥瘡にはガンなど同じようにステージと呼ばれる状態を示すランクがあります。そのステージについ紹介いたします。
褥瘡ステージとは
褥瘡つまり床ずれは何故起きるのかと言うと次のような事が原因とされています。
- 病気などで長期間寝返りを自らできず同じ体制で寝ている。
- 長期間同じ体制でいるとベットと体の接触面で圧迫されるところがあります。
- 圧迫される事で血行が悪くなります。
- 血行が悪くなることでその部分の皮膚の細胞が壊死してしまいます。
- 壊死によって皮膚が剥がれてしまいます。
- 最終段階で骨も見えてしまいます。
このようになって褥瘡になり当事者は激痛とも言える痛みに耐えなければいけません。現在褥瘡を治療する方法としては4つ方法があります。
■塗薬
当事者の状況に合わせた下記の塗薬うを使用します。
分類 | 種別 | 薬剤の種類 | 外用剤 | 薬効成分 |
油脂剤 | 動植物性 | 白色ワセリン、フラスチベース 単軟膏亜鉛華軟膏 | 亜鉛華軟膏・ アスdorechinoノール軟膏0033%・ プロスタンテイン軟膏0.003%
| 酸化亜鉛・ ジメチルイソプロビルアズレン アルプロスタジルアルファテクス |
乳剤性 | 水中油型 (O/W型) | 親水軟膏、バニシングクリーム | オルセノン軟膏0.25% ゲーベンクリーム1% | ドレチノイントコフェリン
|
水溶性 (基剤)
| マクロゴール軟膏
マクロゴール軟膏(+白糖) マクロゴール600(+ビーズ) マクロゴール(+耐水性ポリマー マクロゴール(+ビーズ) | アクトシン軟膏3% アルキサ軟膏2%
プロメライン軟膏5万単位/g ユーバスタコーワ軟膏 デブリンサンペースト ヨードコート軟膏0.9% カデックス軟膏0.9% | アクラデシンナトリューム アルミニュームクロロビト ロキシアラントイネード プロメライン 精製白糖+ポピドンヨード テスルファジアジン銀゙キストラノマー ヨウ素 カデキンマー+ヨウ素 |
http://www.jspu.org/jpn/patient/cure.html
■創傷被覆材(ドレッシング材)
傷を保護して適度な湿り気を保ちます。
■消毒・洗浄
細菌感染の為に行われる事があります。
■外科的治療
死んだ組織をメスなどで取り除いたり、皮膚の移植を行います.
褥瘡のステージ
引用先:厚生連高岡病院
褥瘡のステージ度合いは一般的には深度で分類されます。世界 にはDanie、,Campbell等の分類表がありますが特に利用者が多いのが米国褥瘡諮問委員会のNational Pressure Ulcer Advisory Panelの提唱するステージ分類が多く、その背景には褥瘡の患者の治療方法が褥瘡の深度により変わってきて適切な治療を行うための判断基準になるからです。
褥瘡患者は上記グラフでもお分かりのようにか常に400人以上の患者が褥瘡の痛みに耐えた生活をしています。その為には適切な治療が最大の方法でもありステージによる判断っ基準は重要な治療の第一歩でもあります。
褥瘡のステージの分類
褥瘡分類は深度で重症度で判定します。先の項目でも紹介いたしました世界で褥瘡の基準分類があります。その中で米国褥瘡諮問委員会(NPUAP)が提唱するステージ分類ではステージⅠの「消退しない赤発」からステージⅣの「骨、腱、筋肉の露出を伴う全層組織欠損」まで分類されます。それではステージ分類表の内容を紹介いたします。
「米国褥瘡諮問委員会/欧州褥瘡諮問委員会による褥瘡の分類
カテゴリー/ステージⅠ 消退しない発赤 | 通常骨突出部に限局された領域進退しない発赤を伴う損傷のない皮膚、色素のない黒い皮膚には明白な進退は起こらないが周囲の皮膚と色がことなる事があ周囲の組織と比較して疼痛を伴い、硬い、柔らかい、塾感や冷感がある等の場合が、カテゴリーⅠで皮膚の組織が濃い患者は困難なことがありリスクがある患者とみなされる可能性があります。 |
カテゴリー/ステージⅡ 部分欠損
| 黄色壊死組織(スラフ)を伴い創底が薄赤色で現れる欠損、皮膚が破れていないもしくは開放/破裂血清で満たされた水泡を破裂させる事もありスラフ又は皮下出血を伴わず光沢や乾燥した浅い腫瘍がみられる皮下出血は深部組織損傷を示しています。
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カテゴリー/ステージⅢ 全層欠損
| 全層組織欠損、皮下脂肪は視認できるが骨、腱、筋肉は露出していない組織欠損の深度が分からなくなるほどでではないがスラスが付着している事があるカテゴリーⅢの褥瘡の深さは解剖学的位置により様々です。耳介部、後頭部、等には皮下脂肪組織がなくステージⅢの褥瘡は浅くる可能性があります。反対に皮下脂肪組織が厚い部位ではステージⅢの褥瘡は非常に深い褥瘡が生じる可能性がある骨/腱は視認できず直接触知できません。
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看護での褥瘡ステージ
ステージⅠ 消退しない発赤の対応
看護では褥瘡をこの段階で食い止めることが最も重要です。褥瘡により皮膚細胞の壊死が始まると長期化しやすくなります。ステージⅠで対処することで褥瘡を短期間に、最も軽い状態で治療することができます。介護やリハビリなど他職種と連携してステージⅠの早期発見と早期治療を行います。
ステージⅡ 部分欠損の対応
この段階では皮膚の壊死が始まっていますが、比較的浅く、表面の組織がダメージを受けている状態です。この段階に進んでしまったら「かなり危険な状態」というシグナルとして捉えて他職種との連携を見直して傷の清潔、保護、回復に全力で取り組みます。排泄物や体液、ホコリ等を洗い清潔を保持して、軟膏やドレッシング剤の利用や体位交換、ポジショニング技術を活用して患部がこれ以上圧力やダメージにさらされないようにして皮膚が回復できる環境を整えます。
ステージⅢ 全層欠損の対応
ここまで進んでしまった褥瘡は自然には治りにくく傷口の大きさや深さから感染症などもお越しやすくなります。褥瘡対応の継続の他壊死した部分を切除して回復を図る手術なども検討します。また別の場所の皮膚を壊死した部分に移植する再建手術などが行われる場合もあります。しかし患者の年齢や体力的な問題などもありここまで褥瘡が進んでしまうととても治りにくい状態です。褥瘡はこのような状態になる前に食い止めるということが看護において大切な考え方です。
褥瘡のステージのポイント
病院で入院して褥瘡になった場合は看護師が褥瘡の手当行って貰えますが自宅で寝たきりの方もおられます。
そのような自宅療養では治療は看護師並みには勿論できません、そこで治療の為に考えられた方法が前の項目で紹介しました外用薬をどう選んで、どのように使うか褥瘡の治療方法の基本を考えられた「褥瘡の治療のポイント」がありますので紹介いたします。
【古田メソットによる褥瘡治療ポイント】
難冶性褥瘡を治りやすくする為の方法
褥瘡を治すための基本的知識
急性期褥瘡は原因を除去してドレシング剤を貼って経過をみます。
慢性期褥瘡は「浅い褥瘡」と「深い褥瘡」では治療法が変わる
ちょっと難しいけど理解すべき創面環境調整(WBP)とTIME
◆薬剤が効果的に作用する為には
① 湿潤状態を適切にする
② 薬剤選択を使用
③ 薬剤が創内に滞留する
① 湿潤状態に対応した主剤・基剤の相談、水分コントロールに基づく湿潤調節
② 創を固定して、創の変形による薬剤滞留障害の防止
在宅での褥瘡の治療でのポイント
現在国の基本方針として施設から住み慣れた街や自宅での生活を基本におき2025年団塊の世代が70歳前後のなった時は要介護者の在宅比率は更に高くなってきます。当然のように褥瘡患者も在宅治療が多くなってくる事だと予想されます。その時に対応できるように在宅での褥瘡での扱い方を少し学んでおきましょう。
■褥瘡での薬剤
創傷の中で,治りにくいものの代表が褥瘡です。それは,他の創傷とは違い圧迫が要因で発生するため,必然的にダメージが全層へ加わり深い創になりやすく,圧迫を完全に取り除きがたい状況が続くこと,さらに,修復に必要な十分な栄養状態でないケースが多いことも要因です。
そのため,創に対して理想的とされる完全閉鎖密閉湿潤療法が,最良の方法とならない状況が発生します。
大量の壊死組織が存在する場合は,細菌感染を併発しやすい危険な状況であるため,この状況で完全閉鎖密閉湿潤療法を行うと,創の悪化が予測されます。
また,ヨウ素含有製剤などは細胞障害性があるので,治癒に向かっている再生期に入った創へは悪影響がありますが,壊死組織が多く細菌感染が併発している場合には,有効な薬剤となります。
[薬 剤]
・ドレッシング材は,創の自然治癒過程を妨げる要因を取り除き,治癒過程を促進させ,最良の環境を保持できるものを選択する必要があります。創傷治癒過程を基本に,個々の症例での創状態,創への圧迫の程度,栄養状態を考慮して,適切な創傷治療法を決定することが要求されます。
褥瘡のステージの注意点
褥瘡に限らずどんな傷でも傷口を清潔にできないと小さな傷でもそこから色々と感染する可能性が発生します。褥瘡基本的には同じで薬剤やドレシング等は治すという意味では効果は期待できると思われますがいくら薬剤が効
果を出しても創(傷口)の部分が不衛生ではいくら高価な薬剤を使用しても効果は半減しますそのような結果にならない為に最も重要な事が創の洗浄と消毒です。在宅では家族がやらなければいけない時もありますその為には次に挙げる事を最低限注意して行うようにしていきましょう。
■消毒・洗浄
治療において大事なことのひとつに、きずとその周りをきれいにすることが挙げられます。きずに汚れやばい菌がたくさんくっついている状態では、うまく治りません。そのため、きずとその周りの汚れやばい菌を洗い流してしまうことが大事です。洗い流すにあたっては、『十分な量の生理食塩水または水道水を用いて洗浄します』水道水と聞くと不安に思われる方もおられるかもしれませんが、きれいな水道水であれば特に問題はありません。また、せっけんを用いて洗っても構いません。ただし、せっけんがきずに残らないようにしましょう。洗う頻度は1日1回程度でよいことが多いですが、きずの状況によってさまざまです。ばい菌を減らす目的で、昔はきずに対して消毒を頻繁に行っていました。褥瘡治療の研究データの中にも、消毒液のひとつであるポピドンヨードで消毒した場合のほうが治療経過がよいとする報告がいくつかあります。しかし、ほとんどの消毒液はばい菌だけでなく人間の細胞に対しても毒性をもっています。また、洗浄のみでも十分にばい菌を減らすことが出来ます。これらのことから最近消毒は『通は必要ない』とされています。ただし、『明らかな創部の感染を認め滲出液や膿苔が多いときには洗浄前に消毒を行ってもよい』と言われています。褥瘡は本人も痛みや治療に耐えなければいけませんが、これから在宅療養が主流になってくると家族の方も負担がより多くなってきます。
まとめ
褥瘡の原因となる寝たきり状態の方は褥瘡のステージが上がるにつれて自分を襲ってくる痛みの恐怖と完全に耐えるか自分自身が体を動かせる状態になるかですが認知症やパーキンソン病のような現在の医学では完治できない病気ではなく治療とリハビリ、薬剤で回復する可能性はありますので希望をもって頑張ってください
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