高齢者は皮膚が弱い⁉特徴は?気をつけたいポイントは?

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高齢になると皮膚トラブルのリスクは高まります。
低栄養や脱水、感染力の低下により、高齢者は縟瘡(じょくそう)だけではなく様々な感染症にもかかりやすくなります。
縟瘡とは見たことがある方ならわかると思いますが、とても痛々しいものです。
感染症も若い人ではあまり馴染みのないものかもしれませんが、やはり見ていて痛々しいものです。
そうなる前に高齢者の皮膚はどのようなものか介助にあたる者は理解しておく必要があると思います。

高齢者の皮膚とは

皮膚は上から順に表皮、真皮、皮下組織がありそれらを外皮と言いその下に筋肉と骨があります。

表皮

表皮は下から順に基底層 有棘層 顆粒層 角質層の4つの層から成り、基底層から角質層まで約一か月で新陳代謝が行われます。
表皮には皮膚の免疫を守るランゲルハンス細胞と色素を生産するメラノサイトがあります。

真皮

乳頭層 網様相からなり
ストレスや紫外線や加齢と共に減少し、肌のシミやかさつきの原因となるコラーゲン、肌の張りや弾力を保つエラスチンがあります。

高齢者の皮膚は保湿が大切

皮膚の表面には皮脂膜があり、高齢になると、この皮脂膜が減少し、かゆみを感じる事が多くなります。
高齢者の皮膚が若い人よりも乾燥し潤いが無いのはこのためです。
常に保湿クリームを塗るなどして皮膚の保湿を維持していく必要があります。

高齢者は身体の状態が皮膚の色に出やすく日頃から注意が必要となります。
・黄疸 目の白目や皮膚が黄色くなる 肝臓が悪い。
・真皮の血管が透けて見える 血流の具合がわかる。
・唇の色が紫になる(チアノーゼ) 血液中の酸素が足りない。

皮膚には汗腺がありエクリン線とアポクリン汗腺があります。
エクリン線(小汗腺) 体温調整に関係し高齢と共にエクリン線の数が減少する。
アポクリン汗腺(大汗腺) 脇の下や外陰部など特定の部分に存在し体温調整とは関係しない。

 

高齢者の皮膚の特徴

高齢者に起こりやすい症状

高齢者はあらゆる疾患により皮膚の健康維持が難しくなります。

低栄養

食事摂取量の低下、生理的変化、様々な疾患、本人を取り巻く環境や社会的要因により高齢者は十分に栄養を摂取出来ない状態になりやすくなります。
たんぱく質やエネルギー低栄養状態(PEM)

脱水

高齢者は意識して水分摂取をしなくなり、下痢や発熱、高血糖につながります。

フレイル、サルコペニア

加齢や病的老化、低栄養などから起こります。
フレイル 高齢になり筋力や活動が低下
サルコペニア 加齢に伴う骨格筋量の減少

廃用症候群

心身の機能を十分に使わないために、身体的だけでなく精神的にも低下した状態であり寝たきりの原因となる。

これらの状態が続くと皮膚疾患に感染しやすくなり、縟瘡などの皮膚トラブルの原因となります。

認知症の皮膚トラブル

認知症の方は徘徊や失禁を繰り返すため、介助者が注意して観察していかないと知らないうちに出来た怪我により皮膚が傷つきやすくなります。
ベッド上でも手すりや柵へ身体をぶつける事により負傷し皮膚が傷つきます。
また、認知症の方だけではなく高齢者は、寝ている時に意識して身体の向きを変える事をしない場合が多いために縟瘡の原因にもなります。失禁により衛生面での皮膚トラブルも起こりやすくなります。

高齢者の皮膚疾患の症状

皮膚疾患の症状・特徴

疥癬(かいせん)

ヒゼンダニ(害虫)が皮膚表面の各層に寄生して起こる。
ヒゼンダニの数が極めて多い状態をノルウェー疥癬(角化型疥癬)という。
激しいかゆみ、赤いぼつぼつ、手や足に疥癬トンネルという細長い発疹が見られる。
外用薬や内服薬による治療の後も完全にダニを除去できない場合もあり、また精神的にかゆみを長期にわたり感じる場合もある。

白癬(はくせん)

白癬菌(細菌)による感染。
足、爪、股、体幹などの皮膚の最も外側にある各層に白癬菌が感染して発症、水虫とも言われる。
外用薬による治療が基本、重傷の場合は内服薬による治療

カンジダ症

カンジダ菌(細菌)による感染
外服薬による治療が基本、重賞の場合は内服薬による治療

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

水ぼうそう・帯状疱疹ウイルスによる感染
子供の頃にかかる水ぼうそうと同じウイルス、高齢に伴い免疫力の低下により身体に潜んでいたウイルスが再び活性化して帯状疱疹を起こします。
主に身体の右または左半身に痛みを伴う。小さな水ぶくれができる。
抗ウイルス剤や外用処置、疼痛治療を行う。

薬疹(やくしん)

薬剤のアレルギーによる発疹
薬剤の使用後1~2週間後に発疹することが多い。
症状が現れたらすみやかに医師へ相談しましょう。

皮脂欠乏症

乾燥などの理由で、皮膚表面の皮脂が減少しかゆみなどの症状が起こる

湿疹

皮膚表面の炎症、赤みのある発疹やかゆみが生じる

皮膚掻痒(ひふそうよう)症

皮膚疾患などさまざまな原因で起こるかゆみ。
多くは冬季に発症する。
肝臓、腎臓の疾患の場合もあるので、皮膚の発疹が無いのに過度にかゆみを訴える場合は注意しましょう。

縟瘡(じょくそう)

体重による圧迫が骨の突起部に継続的に加わる事により、皮膚の血流が途絶えて、皮膚が壊死(えし)し、潰瘍(かいよう)を生じるもの。
皮膚の不潔、湿潤、栄養状態の悪化も原因となります。

高齢者の皮膚で気をつけたいポイント

十分な栄養が必要です

高齢者は低栄養や脱水などになりやすく、アルブミン値へ気をつけて、必要がある場合は管理栄養士などの専門職から指導を受けましょう。
また、高齢者は喉の渇きを感じにくくなるので、意識してこまめに水分摂取も行いましょう。
低栄養や脱水症状は皮膚トラブルの原因となり、回復を遅らせます。

縟瘡

縟瘡のできやすい人

1 麻痺や認知症などで寝返りができない人
2 感覚障害がある人
3 やせている人
4 腰をあげられない人
5 失禁がある人
6 栄養状態が悪い人
このタイプの人は常に縟瘡に注意しましょう。
一度、縟瘡が発症すると、身体の状態的にも回復が難しくなります。
とにかく、縟瘡は予防介護と早期発見が大切になります。

縟瘡ができた時の注意

・縟瘡初期は発赤が見られますが、その部分へ直接のマッサージは厳禁です。
・縟瘡の処置は介護職だけでは不可能です。医療職と連携を取りましょう。
・十分な栄養が必要になります。栄養士との連携を取りましょう。

縟瘡と介護

・圧迫を避けるためにこまめな体位交換を行いましょう。
・不潔・湿潤に注意
清潔保持のために入浴、清拭をこまめに行いましょう。
失禁の有る方へはこまめに排泄介助を行いましょう。
寝具や寝衣は常に清潔にしましょう。
・摩擦の少ない寝具や車いすなどを心がけましょう。
・栄養不足に気をつけましょう。

まとめ

高齢者の皮膚トラブルの原因は、孤独による発見の遅れや介護力不足による予防や発見の遅れが多いのではないでしょうか?
「自分は大丈夫だから」と思って生活していても低栄養や脱水は起こるものですし、高齢者のみで生活をされている方には、縟瘡や感染症の発見はやはり遅れてしまうもので、ステージが進んでからでは回復も難しくなります。
そうなる前にデイサービスや地域包括支援センター等との連携を意図的に行う事は高齢者にとってあるゆる面で有益なものになります。

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