高齢になると物覚えが悪くなり、認知症になる可能性があります。認知症予防のためには、考える、想像する、感情を表現するなどが予防できる1つのポイントになります。料理をする、人と話をする、絵を描く、音楽を演奏する、ウオーキングをする、運動をするなど、日常に多くのことを取り入れることで認知症を予防することができます。認知症を予防するための一つの方法として、頭の体操について紹介します。
Contents
高齢者の頭の体操とは
高齢者の頭の体操とは、頭に刺激を与える体操のことで、脳の機能低下を防ぎ、活性化すると効果的です。高齢者になるとやる気がなくなり、何もしたくなることが在りますが、活性化できるようにするものが頭の体操です。
デイサービスや施設では、レクリエーションを取り入れて、高齢者に色々と工夫した頭の体操をして、認知症の予防や認知機能の向上に努めています。それによって、デイサービスや施設での生活が楽しみにしている人も見受けられました。
頭の体操は、ドリルの計算をするような物もありますが、編み物や縫物のような手先を使うこと、クイズ形式やパズル形式、トランプのようなゲーム感覚でできる体操、体を動かしながら考えることもできる楽しい頭の体操などがあります。
高齢者の頭の体操の効果
頭の体操をすると、楽しくできるので違和感なく頭を活性化することができます。
考える力が衰えない
退職後、家で刺激のない生活を送り、テレビと友達の生活をしていると、受け身の生活になり、自分で考える力が養われ、次第に脳の働きが悪くなります。すると、認知症へと急速に進みます。
脳の体操を取り入れることは、使われない脳に刺激を与え、考える力が衰えていくことを防ぎます。ゲーム感覚でできる脳の体操は、楽しく行うことができます。
記憶力低下を防ぐ
短期記憶を呼び起こす頭の体操は、直近のことを忘れてしまいがちなことを思い起こし、短期記憶力を高めます。毎日、今日あったことを呼び起こすだけで短期記憶は高められます。記憶力低下を予防するだけでなく、習慣化することで脳は活性化します。
楽しくできて、やる気につながる
ゲーム感覚で頭の体操を行い、楽しくできるので、それがやる気につながります。デイサービスや施設ではレクリエーションの一環としてゲームを取り入れています。次第に、やる気も失せてきて、何をするにも人任せになります。
頭の体操をすることで、楽しみが増えて、出来たという満足感やもっとやろうというやる気がでてきます。
人との関わりで社会性が培われる
デイサービスや高齢者福祉センターなどで人と関わることにより社会性ができてきます。体を動かし、頭の体操もできるので、家でテレビを見ているより活性化します。人と話すことにより頭で考え、言葉に出すという作業が行われます。社会性ができるので楽しみが増えてきます。
高齢者の頭の体操の種類
頭の体操は色々な方法で行うことができます。これらはすべて脳に刺激を与えて、活性化するものです。
指先の体操
指先を動かすことは認知症予防にいいとされています。指を動かすような編み物、折り紙、切り絵など、指先を動かすのでいい体操となります。このような指先を動かすものがいいのは、指先を動かすだけでなく、考えながら指先を動かすからです。
例えば編み物では、次の段はいくつ減らして、何段目から変わり編みを入れるかなど、数を数えながら編み込んでいきます。その考えるところが、編み物をするうえで効果的です。指先を動かすことは以前から脳の活性化にいいとされてきました。
左手を使うと右脳が刺激され、右手を使うと左脳が刺激されます。編み物のようなことが苦手な人は、ピアノを弾く、文字を書いて指を使うこともいい頭の体操です。
考える機能を高める体操
考えることは脳の活性化になります。考えることを頭の体操に取り入れて、ゲーム感覚で行うと自然に考える力がつきます。連想ゲーム、穴埋めクイズやクロスワードパズルシルエットクイズ(シルエットを見て、何か充てるクイズ)などのクイズ形式のものは考えて楽しめます。
他に、読書をすると、次のストーリーや登場人物など、想像しながら読むことで、自然に考えることができます。想像力が豊かになり、左脳、右脳の両方が活性化されます。
記憶を高める体操
年齢を重ねていくと、短期記憶が苦手になり、昨日、何があったかを思い出すことができなくなり、昔の懐かしい記憶は覚えていても、新しい記憶が失われていきます。そのため、短期記憶を高める体操を取り入れて記憶中枢を刺激します。
短期記憶を高めることで楽しくできるゲームは、昔からあるトランプの神経衰弱や名前当てクイズなどが短期記憶を高めることができます。毎日、日記を書くことで、今日会ったことを思い起こすことが短期記憶を高めることになります。
体を使う体操
体を使いながら、頭の体操もできる後出しじゃんけん(二人の人が向かい合って座り、一人の人が出したじゃんけんを見て、後から勝つように、あるいは負けるようにじゃんけんをするゲーム)まねっこ体操(数人の人が輪になり、真ん中の人の動きのまねをする体操)など身体を使う体操は、体と頭と両方動かすので取り入れたい体操です。
高齢者の頭の体操をホワイトボードを使ってやるには
ホワイトボードを活用する利点
紙などを使って個々で行う頭の体操は好きな人であれば集中できますが、楽しさに欠ける点があります。ホワイトボードというアイテムを使うことで複数の人たちが同じ方向を見て連帯感が生まれます。また輪になって行うレクリエーションのような場合、個々の能力の差が分かりやすく、コンプレックスのある人は参加しにくかったり、できない誰かを責めるということも起きたりします。ホワイトボードを活用すればそれぞれできることを行い、個々の能力差も目立ちにくいため参加しやすくなります。
ホワイトボードを使った頭の体操の例
漢字しりとり
熟語の末字をつなげてしりとりを行います。普通のしりとりですと子供っぽいですが漢字の場合はその抵抗が減ります。また漢字はいろいろな言い方ができるので記憶や発想力を使い発言者の個性が出ることも多く大人でも楽しく行えます。
例:料理 → 理科 → 科目 → 目玉 → 玉砕
虫食いクイズ
ことわざや慣用句、物の名前、四字熟語など参加者の個性やレベルに合わせた言葉を選び、途中の言葉を抜いてそこを埋めてもらいます。
例:○からぼたもち →正解 棚
○肉○食 →正解 弱、強 (焼肉定食なんていう定番のネタも)
レベルに合わせてヒントを加えたりもできます。
例:食べ物です
○んご →正解 り
○○○○菜 → チンゲン菜、くうしん菜(など複数出ることも)
仲間探しゲーム
ジャンル、テーマを決めてそれに関する言葉を並べていきます。
例:テーマは野菜です。
人参、キャベツ、じゃがいも、きゅうり いちご などなど
この場合「いちご」が実は野菜だということを知っている人が出たり個性的な発想をひきだすことにもなります。
レベルに合わせてチーム分けをしてどちらがたくさん言葉を出せるか競うとより白熱したゲームになります。
高齢者の頭の体操の注意点
体調が悪い時はやりたい意志があるときでも無理をしない
高齢になると、体調の変化がかなりあります。そのため、その日によって体を動かすような頭の体操が出来ない場合もあります。本人はやる気があり、やりたいと思っていても体調が悪いときは休息させてあげましょう。
本人が嫌がるときも無理強いしない
高齢者は、その日の体操をなかなかしたがらないことがあります。頭の体操は頭で考え、記憶を呼び覚ますので、しんどいことがあります。すると、頭の体操をしたくないという意思を示すことがあります。
そんな時は、無理強いしないで様子をみて待っていると、自分からやる気がでて頭の体操に参加することがあります。
一緒に楽しむ
施設に高齢者を元気づけ、皆を元気づけることが上手な人がいました。その人は、大きな声で自らゲームを説明して、一緒にゲームをして楽しみました。すると、高齢者の人も活気づいて、ゲームに参加して楽しい時間を過ごしたのです。
周りが盛り立てて楽しむことで、意欲が掻き立てられ、頭の体操を積極的にすることができて、より脳が活性化してきます。
習慣的に頭の体操をする
デイサービスや施設などで頭の体操を取り入れている所に行っている人は、自然に習慣になっていますが、一人で頭の体操を行っている人は、なかなか長く続けることが難しくなります。ある高齢者の方は、デイケアでもらった頭の体操の紙を台所に貼っていつでも行えるようにしています。
趣味を広げて、絵画教室や音楽会、読書、日記を書くことなど、習慣的に出来るような場面に自分を置くことも頭の体操になります。いつまでも元気な高齢者でいるために頭の体操を取り入れて認知機能を活性化させましょう。
まとめ
頭の体操は脳の機能を高めることが実証されています。脳は使えば使うほど活性化していきます。頭の体操には、考える力を高める体操、記憶を高める運動、指先や体を使う体操などがあります。習慣的に行えるよう、頭の体操を見易いところに貼付けたり、好きな編み物を編んだり、絵画を描いたりして個々に合った体操で、脳を活性化させ、認知機能低下を防ぎましょう。
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