介護保険と医療保険の違いってなに?効果的な使い方は?

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介護保険と医療保険は似ていて紛らわしいと感じることがあるかもしれません。高齢者の体調がわるくなったら病院なの?介護施設なの?しかしよく内容を見てみれば違いがよくわかります。介護保険と医療保険を比較して確認してみましょう。

介護保険と医療保険の違いとは

ここでは公的な介護保険と医療保険についてまとめています。民間の保険とは内容も趣旨も異なります。

目的の違い

介護保険と医療保険は使う目的が違います。介護保険は高齢で常時生活に介護(支援)が必要になった場合の保障です。医療保険は病気やケガの治療のための保障です。
しかしリハビリや療養のサービスはその行為だけ見ていると曖昧でわかりにくい場合があります。迷ったときは目的を確認しましょう。
高齢者の生活を重視して支援のためのサービスを受けたい場合は介護保険です。病気やケガの治療を目的とする場合は医療保険にということなります。

自己負担額の違い

介護保険も医療保険も全額給付ではなくその割合に応じた自己負担があります。基本的な自己負担割合として介護保険の自己負担は1割、医療保険の自己負担は3割負担となります。
医療保険は年齢によって負担割合が異なり、義務教育就学前は2割負担、70歳から75歳未満は2割負担、75歳以上は1割負担となります。
介護保険、医療保険いずれも所得などにより負担割合が変わる場合があります。

保障額の違い

医療保険は通院や入院にかかった金額に対して給付を受けられます。それに対して介護保険は「要介護認定」によって認定された「要介護度(要支援)」によって利用できる金額の範囲があらかじめ決められています。決められた金額の中から必要な介護を選ばなくてはなりません。決められた金額以上のサービスを受けることも可能ですが全額自己負担となります。

保険対象者

医療保険には年齢の制限がないのに比べて介護保険は「老いによって介護が必要な状態になったとき」という条件があり、40歳以上の人が対象になります。
40歳以上でも65歳未満の人は指定された病気(特定疾病)が原因で介護が必要になった場合以外で介護保険を利用することはできません。
65歳以上はそういった決まりはありませんが、いずれも介護保険を利用するには「要介護認定」を受ける必要があります。

保険の使用条件

医療保険が病気やケガなどほぼ無条件に利用できるのに対して、介護保険は「認定調査」を受けて「要介護認定」を取得しなければ利用できません。認定された「要支援・要介護度」に応じて受けられるサービスの種類や範囲、利用可能な金額などが変わってきます。

介護保険と医療保険の違いまとめ

保険利用状況の違い

医療保険は治療が済めば終わるのに対して、介護には終わりがありません。医療のサービス提供は治療をしている短時間ですが、生活の支援が必要なので1日中長時間のサービスが必要になってきます。
医療が突発的で短期間の保険利用が多いのに対して、介護保険は必然的で長期間の保険利用が多くなります。病気やケガは誰でも起こりうることですが全体からするとわずかな割合です。人が生きていれば必ず高齢になり、高齢になればなるほど介護が必要な割合が増えていきます。長年介護が必要になった場合その負担は結果的に大きなものとなります。

家族の負担軽減

介護は医療に比べて単純な作業が多いため軽視されがちですがサービス提供以外の負担は全て家族にかかってきます。医療保険は主に患者である本人のためのサービスであるのに対して、介護保険は介護をする家族の負担軽減も考えられています。
家族の介護環境は介護を受ける本人にも大きな影響を与えます。家族の介護環境が悪化すると、暴力や放棄(ネグレクト)などの虐待、ひどいケースは心中や殺害に及んでしまう事例もあります。そうした背景から、介護保険は家族の負担軽減も重要視しています。

介護保険が簡単に使えない理由

医療行為には専門的な知識や資格が必要ですが、介護は医療に比べて必要な専門知識は軽く資格も必要ありません。そのため出来ることはなるべく家族や地域で支えて欲しいという考えがあります。この背景には拡大する社会保障費の問題もあります。病気やケガと違い、介護が必要な状態というのは曖昧な部分が多く希望されるものを全て支給するわけには行きません。そのため認定調査や保険の利用に関して医療保険よりも制限が多くなっています。

介護保険と医療保険の効果的な使い分け

併用は不可

介護保険と医療保険で同じサービスを併用することはできません。
介護保険と医療保険を同時に利用可能でどちらを使うか迷うという場面は限られています。一人暮らしが難しくなったからといって医療保険は使えませんし、風邪をひいたからといって介護保険から薬は出ません。

目的に合わせてサービスを選ぶ

治したいのであれば医療保険、生活をしたいのであれば介護保険を利用するのがそれぞれの保険の目的とも合致している効果的な方法です。
例えば、心臓病を抱えていて介護施設入所を考えている場合。
医療優先:心臓病を治したい、病気の治療を第一にしたいというのであれば医療保険で入院になります。入院の場合、心臓病の治療は進みますが生活を主体としていないためベッドで寝たきりや認知症などがある場合は治療のための一時的処置として拘束される場合もあります。
介護優先:心臓の病気と付き合いながら、生活していくことを主体としていくのであれば介護保険で介護施設入所となります。施設入所の場合、生活を優先しますのでできる限り普通の生活ができるように支援してくれますが、心臓病の治療は難しく医療行為が必要な場合は医療機関とのやり取りや通院などが必要になります。
それぞれの状態と目的にあったサービスを選ぶことが最も効果的な利用方法になります。

注意点

専門職と相談をする

どんなサービスを選ぶべきか、家族だけでは見えない部分もたくさんあります。それぞれの専門職の特徴を知って相談することで、効果的な保険利用に繋げることができます。
医師:病気やケガなどの現状、治療方法などをよく知っていますが患者の生活詳細についてはあまり知りません。医療的立場(治療するかしないか)というアドバイスが多くなります。
看護師:医師よりは患者の生活や希望について情報を持っています。どちらかというと医療寄りの目線でのアドバイスが多くなります。
介護職員:関わっている時間が長いほど患者(利用者)の生活の様子や希望などの情報を多く持っています。医療的な目線より生活や生きることについての目線でのアドバイスが多くなります。
介護支援専門員(ケアマネージャ):施設では相談員、在宅ではケアマネージャ、地域包括支援センターの職員などにあたります。患者(利用者)に直接関わる時間は少ないのですが地域の介護サービス、医療機関などの情報を多く持っています。患者(利用者)の状況がよくわかっている状態で、どのようなサービスがあるのか、なにを利用したらよいのかを相談するのに適しています。

リハビリは医療か介護か

高齢者が足を骨折して歩けるように戻るためにリハビリを受けたいという場合、医療保険なのか介護保険なのかという疑問が沸いてきます。
どちらを利用する場合も医師の指示書が必要になります。
一般的なリハビリ方針の違いとして、医療のリハビリは治療を目的として失われた機能を取り戻す為のリハビリを行います。介護のリハビリはADL維持(日常生活で自立してできることの維持)を目的として生活の中で緩やかなペースで行います。

民間の保険で足りないところをカバー

公的な保険は全てを保障してくれるわけではありません。自費負担の他、保障対象外の消耗品やサービス費がかかってきます。長期の入院や介護は経済的にも大きな負担となります。これを民間の医療・介護保険でカバーすることもできます。必要に応じてさまざまな保険が販売されていますのでそちらと上手く併用することも効果的です。

まとめ

介護保険と医療保険の大きな違いは利用目的が違うという点です。実際に同じようなサービス内容であっても、それぞれの目的に合わせて優先されることが変わってきます。わからないときは専門職に相談しながら適切なサービスを受けられるようにしましょう。

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