理学療法士って国家試験?合格率は?

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医学の父と呼ばれる古代ギリシャの医師であったヒポクラテス(紀元前460年頃-紀元前370年頃)が、 怪我の治癒や痛みの軽減に、日光や水、温めた石などの熱を利用したり、回復を早めるための療法としての運動を取り入れたことが理学療法の起源であることが通説となっています。
今や、基本動作の回復のプロである理学療法士は医療・福祉の場にとどまらず産業や科学の場と広い分野で必要とされています。
これからもますますそのニーズが高まっていくと考えられる理学療法士。理学療法士になるためには国家試験に合格しなければなりません。
国家試験について詳しくみていきましょう。

 

理学療法士の国家試験になった経緯

我が国で理学療法士国家試験が制定される以前、アメリカにおける理学療法の始まりは19世紀末とされています。19世紀末、アメリカにおいて最初のリハビリテーションの組織ができ、20世紀初頭には、理学療法協会が結成されるなど、近代医療としての発展の契機となりました。当時の会員のほとんどが女性であったとされています。以降、アメリカでは、Physical Therapy 、イギリスでは、Physiotherapy と称し、学問としての体系化、職業としての認可と自立が進み現在に至っています。

■理学療法の発展、日本では・・・

日本での理学療法の発展は世界保健機構(WHO) に日本が加盟した1951年(昭和26年)頃より、欧米先進国への視察や研修により、 日本国内でのリハビリテーション医療の立ち遅れが指摘され、専門職養成の必要性から「リハビテーション委員会」を設置(昭和31年)したことに始まります。その後理学療法に対する教育の必要性が高まり、日本で理学療法士教育が初めて開始されたのは昭和38 年。国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院が開校されてからでした。
学院がスタートしたときには卒業生に対する身分を保証する制度は何もなく、一期生が卒業する直前の昭和40年に「理学療法士及び作業療法士法」が制定、交付され国家資格となりました。

理学療法士の国家試験内容と日程

では、理学療法士の国家試験について詳しく見ていきましょう。

■試験日

毎年2月下旬に実施されます。2月最後の日曜日というのが近年の傾向です。
※点字試験受験者については試験日程が二日間あり、一日目は一般試験同様筆記試験、二日目は口述試験及び実技試験が行われます。

■試験会場

試験は全国各都道府県全てであるわけではなく会場のない都道府県の方は、定められた地域の試験会場まで行く必要があります。
筆記試験の全国指定された会場は以下のようになっています。

~理学療法士国家試験 指定会場~

北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県、沖縄県
※点字試験受験者については二日目に東京都にて口述試験及び実技試験が行われます。

■試験問題数

試験問題は全200問です。
一般問題及び、実地問題に分けられます。

①一般問題

1問1点の問題。問題数は160問。
解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法。

②実地問題

1問3点の問題。問題数は40問。
運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法

※ 点字試験受験者に対しては、実地問題については行われず、翌日の口述および実技試験にてその内容を補います。その他、視覚障害者に対しては、弱視用試験又は点字試験による受験が認められており、点字試験受験者に対しては、試験問題の読み上げの併用による受験が認められています。

■試験時間

試験時間は午前午後ともに2時間40分です。
問題数は午前100問。午後100問。
問題の内訳は、午前午後ともに一般問題80問。実地問題20問となります。
また、問題は五肢択一問題が多いですが、近年五肢択二問題が増えてきています。

理学療法士の合格率、合格人数の推移

■過去5年間の理学療法士国家試験合格者数と合格率

以下のような結果になっています。

合格者数     合格率
平成25年   10,115人     88.6%
平成26年   9,315人     83.7%
平成27年   9,952人     82.7%
平成28年   9,272人     74.1%
平成29年   12,388人     90.3%

参考までに合格基準を見ていきましょう。

■合格基準

合格基準1

•一般問題を1問1点(計160問160点満点)
•実地問題を1問3点(計40問120点満点)
これに加えてさらに下記の条件を満たした者を合格としています。

合格基準2

•総得点 満点280点に対し、168点以上
•実地問題 満点120点に対し、43点以上
つまり、大事な事として、上記2つの条件を満たさなければならないということです。仮に総得点が170点だとしても実地問題が40点以下なら不合格ということになります。

理学療法士の合格率のこれから

理学療法士の国家試験の合格率はおおむね高い水準で推移しています。これは、難易度がいつも低いということでも、年度によって難易度が大きく変わるというわけでもないでしょう。
要は、受験生が学校でしっかり学び国家試験対策をしっかりしてから試験に臨んでいるかです。
専門分野の内容が問われるので、養成施設の授業には専門分野が含まれていて、授業で学んだことが試験にも出ます。だからと言って、自分で勉強をしなければ専門性が高い国家試験に合格はできません。
平成28年の合格率が比較的低く、翌年の平成29年の合格率が高くなったのは、受験生が平成29年の試験に向けて勉強したことが今回の合格率の高さになったと考えられます。
理学療法士の国家試験の難易度はその専門性を保持するため、十分な知識と理解が求められていることから今後も十分に勉強しないと合格しないような現在の難易度を維持していくことと思われます。

参考までに理学療法士、作業療法士、言語療法士の数、役割をみていきましょう。

~理学療法士、作業療法士、言語療法士~

■理学療法士

physical therapistPT 約9.0万人
身体の機能回復や、基本動作(立つ、歩く、座る等)を支援する。

■作業療法士

occupational therapist OT 約6.6万人
食事、更衣、入浴等の応用動作ができるように支援する。

■言語聴覚士

speech-language -hearing therapist ST 約2.4万人
話すことができる、聞いて理解できる、食べることができる(飲み込める)ようになるたの
支援を行う

まとめ

最後に、理学療法士のこれからとして、健康長寿を目指す社会である現在、介護予防において理学療法士が担う役割や周りの期待は大きいと思われますので介護予防と理学療法士についてまとめて述べておきます。

~介護予防の分野での活動~

高齢者を対象とした地域支援事業を中隔にする市町村の予防事業、要支援1, 2 を対象とした介護予防などを行います。介護予防認定理学療法士研修により約2,000名を育成しています。さらに、一方で特定健診、特定保健指導を中隔にした生活習慣病予防の観点からの、とくに糖尿病に対する運動療法への理学療法士の参画はニーズが高まっていくとみられ一方で制度や報酬が定まっておらず今後の重要な課題となっています。

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