訪問介護事業所には、管理者やサービス提供責任者、訪問介護員、事務職などの常勤の人や非常勤の人がいて、他にヘルプサービスとして、サービス時間のみ働いている大勢の登録ヘルパーがいます。今回の記事では、訪問事業所の基準や管理者の役割りなど事業所で勤務するためにどうしたらいいかなど、訪問介護事業所で働きたい人は知っておきましょう。
Contents
- 1 訪問介護事業所とは
- 2 訪問介護事業所の人員、運営基準
- 2.1 訪問介護の人員基準
- 2.2 訪問介護事業所の運営基準
- 2.3 内容及び手続の説明及び同意
- 2.4 提供拒否の禁止
- 2.5 サービス提供困難時の対応
- 2.6 受給資格等の確認
- 2.7 要介護認定の申請に係る援助
- 2.8 心身の状況等の把握
- 2.9 居宅介護支援事業者等の連携
- 2.10 居宅サービス計画に沿ったサービスの提供
- 2.11 居宅サービス計画等の変更の援助
- 2.12 身分を証する書類の携行
- 2.13 サービス提供の記録
- 2.14 保険給付の請求のための証明書の交付
- 2.15 指定訪問介護の取り扱い方針
- 2.16 訪問介護計画の作成
- 2.17 同居家族に対するサービス提供の禁止
- 2.18 緊急時等の対応
- 2.19 介護の総合的な提供
- 2.20 勤務体制の確保
- 2.21 秘密保持等
- 2.22 事故発生時の対応
- 2.23 記録の整備
- 3 訪問介護事業所の管理者の役割
- 4 訪問介護事業所に入所するには
- 5 まとめ
- 6 介護の相談を受けて報酬がもらえるサービス?
訪問介護事業所とは
訪問介護事業所の構成員
訪問介護事業所の構成員はこの図のように管理者がいて、サービス提供責任者が利用者の人数に応じて配置します。サービス提供責任者は、ヘルパーのシフト管理、利用者の契約や訪問介護計画書の作成、ケアマネージャーと連携、苦情処理、訪問介護など、仕事は多岐にわたります。
訪問介護員は主に利用者宅を訪問する介護員で常勤か非常勤として働いています。訪問介護員は、フルで利用社宅を回っている職員です。登録ヘルパーは利用者の所に入る時間のみ働いているホームヘルパーのことです。他に管理者がいて事業所を管理しています。
訪問介護のホームヘルプサービスとは
訪問介護は利用者の自宅を訪問して、自立して生活できるように、身の回りの世話や介護をすることです。訪問介護には、身体に直接接触して行う身体介護と日常生活の援助をする生活援助があります。
身体介助
身体介護には、入浴介助、身体清拭、部分浴、食事介助、排泄介助(トイレ介助、おむつ交換など)、外出介助、通院介助、起床・就寝介助、服薬介助などで、利用者が身体状態の維持または向上するために支援することです。
生活援助
掃除、洗濯、調理、配下膳、衣類の整理、買い物、薬の受け取りなどのサービスで、独り暮らしの利用者や、家族が病気や他の理由で家事を行うことが困難なために行われるサービスです。
利用者は、介護保険で認定された要介護1~5、または要支援1、2の人です。利用料金は次のように決められていて、ケアマネージャーがケアプランをたてて、それに沿って訪問介護サービスに入ります。
時間 | 利用者の自己負担額 | |
身体介護 | 20分未満 | 1回165円 |
20分以上30分未満 | 1回245円 | |
30分以上1時間未満 | 1回388円 | |
1時間以上 | 1回564円 | |
1時間半以上 | 1時間30分以上は、30分増すごとに80円プラス | |
生活援助 | 20分以上45分未満 | 183円 |
45分以上 | 225円 | |
通院の乗降、降車介助 | 片道97円、往復194円 |
身体介護に続いて生活援助を行った場合の自己負担額は生活援助20分ごとに1回67円を身体介護料金に追加します。例えば、身体介護が30分生活援助を30分行ったとすると、388円+67×2=455円で、1回455円の料金になります。
これは、1単位10円として計算したもので、地域により加算が付くので金額が若干変わります。
訪問介護事業所の人員、運営基準
訪問介護の人員基準
訪問介護の人員基準は満たしていないといけない基準です。
常勤の管理者 1人
訪問介護事業所の責任者で、管理者職務に常勤の者です。但し、業務に支障がない場合は、他の職務と兼務も構わないとされています。例えば、サービス提供責任者との兼務や同じ敷地にある居宅介護事業所の管理者との兼務は可能です。
サービス提供責任者
サービス提供責任者になることができる資格は、
・介護福祉士
・実務者研修修了者
・旧・介護職員基礎研修課程修了者
・旧・ホームヘルパー1級
・3年以上介護等の業務についた介護職員初任者研修課程修了者(旧・ホームヘルパー2級も含む)但し、この場合は介護報酬が減算になります。
サービス提供責任者の配置人員は、利用者40人またはその端数を超えるごとに1人以上配置しなくてはいけません。利用者数は、前3か月の利用者数の平均の人数です。利用者40人以下は1人、41人~80人は2人、81人~120人は3人となります。
訪問介護員
訪問介護員になることができる資格は、
・介護福祉士
・実務者研修修了者
・旧・介護職員基礎研修課程修了者
・旧・ホームヘルパー1級
・旧・ホームヘルパー2級
・看護師・准看護師
訪問介護員は常勤換算で2.5人以上必要です。
・常勤換算の計算方法
常勤換算数=従業員の勤務延べ時間数h÷常勤勤務者の勤務時間数h
訪問介護事業所の運営基準
訪問介護事業所を運営していくにあたって、運営基準が決められています。主な運営基準をあげてみます。
内容及び手続の説明及び同意
サービスを提供にあたっては、利用者及び家族に対して運営規定の説明、不問介護員の勤務体制を説明し、重要事項説明書の交付をして同意を得なくてはならない
提供拒否の禁止
正当な理由がなく、指定訪問介護の提供を拒んではならない
サービス提供困難時の対応
人員不足などでサービスの提供が難しい場合は、居宅介護事業者への連絡や他の訪問介護事業所への紹介等の措置を講じる
受給資格等の確認
被保険者証で認定日、要介護認定の有効期間を確認
要介護認定の申請に係る援助
要介護認定を受けていない利用者に対して、本人の希望により認定が行われるように援助し、認定前でも必要な認定を受けなくてはならない
心身の状況等の把握
利用者の心身の状態はサービス担当者介護等を把握しなくてはならない
居宅介護支援事業者等の連携
居訪問介護サービスを提供にあたり、利用者や家族に対して適切な指導を行い、序油法の提供や居宅介護支援事業者やその他のサービスとの密接な連携をしなくてはならない
居宅サービス計画に沿ったサービスの提供
訪問介護事業所は居宅サービス計画に沿った訪問介護を行わなくてはならない
居宅サービス計画等の変更の援助
利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合は、利用者に係る居宅介護事業者への連絡や必要な援助を行う
身分を証する書類の携行
訪問介護員は身分証を携帯し、初回に身分証を利用者及び家族に見せなくてはならない
サービス提供の記録
サービスを提供した日付やサービス内容など、利用者の居宅サービス計画を記した書類またはそれに準ずる書面に記録を取る
保険給付の請求のための証明書の交付
法定代理受領サービスに該当しない指利用料の支払を受けた場合は、提供した指定訪問介護の内容、費用の額その他必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を利用者に対して交付
指定訪問介護の取り扱い方針
訪問介護を提供する際に、目標を設定し、計画的に行い、訪問介護の質の法かと改善を図る
訪問介護計画の作成
サービス提供責任者は訪問介護計画書を作成し、利用者及び家族に説明し、同意を得て交付しなくてはならない。
同居家族に対するサービス提供の禁止
訪問介護員に利用者の同居家族に対するサービスを行わせてはならない
緊急時等の対応
利用者に病状の急変が生じたときに速やかに主治医に報告し、必要な処置を講じる
介護の総合的な提供
事業の運営にあたり、身体介護や生活援助を常に総合的に提供するものとし、偏ってはならない
勤務体制の確保
利用者に適切な訪問介護が提供できるような勤務体制を組むこと。訪問介護員の質の向上のための研修等を行う
秘密保持等
正当な理由なく、利用者や家族の秘密を漏らすようなことがあってはならない。サービス担当者介護等で個人情報を用いる場合は利用者や家族の同意を得る
事故発生時の対応
訪問介護の提供により、事故が起こった場合は、市町村、当該利用者の家族、当該利用者に係る居宅介護支援事業者等に連絡する。賠償すべきことが起こった場合は、損害賠償を行わなくてはならない
記録の整備
従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備し、2年間保存する
訪問介護事業所の管理者の役割
訪問介護事業所の管理者は、事業所の責任者として行う仕事があります。
・日々の勤怠管理
・定期人事考課面談
・人員募集と採用面接
・人員基準や設備基準、運営基準が遵守されているか。実地指導で指導が入る前にチェック
・給与の計算
・業務内容の見直し
・運営規定の見直し
・経営状態の把握、
・事業計画作成
・従事者の相談にのる
管理者の役割は、事業所の経営が安定して行われるように把握し、先を見通した年間計画をたて、従業者が法令や運営規定を遵守しているか管理するなど、介護事業所として長く続けられるように管理者として介入する必要があります。
サービス提供責任者と兼任している場合は、登録ヘルパーのシフト管理や利用者の契約、苦情処理などすることは山積しています。
訪問介護事業所に入所するには
訪問介護事業所に入所するには、訪問介護事業所の募集があった時に採用されて入所する場合がほとんどです。時には、入所したいと思う訪問事業所に直接募集していないかできます。
登録ヘルパーの場合は、どこの事業所も不定期に採用しているところが多いです。ちらしやハローワークに募集が出ていなくても登録ヘルパー募集という張り紙が常時張り出してあるところもあります。
訪問介護事業所に入所するには、少なくとも訪問介護員としての資格である介護福祉士、実務者研修修了者、旧・介護職員基礎研修課程修了者、旧・ホームヘルパー1級、旧・ホームヘルパー2級のいずれかの資格を持っている必要があります。
サービス提供責任者として入所を希望している場合は、募集がないと採用は難しいです。サービス提供責任者としての採用は、資格だけでなく、前の勤務していた場所での経験がものを言います。サービス提供責任者として働いていた経験があるなら、より採用されやすくなります。
まとめ
訪問介護事業所は、管理者やサービス提供責任者や訪問介護員、登録ヘルパーなどで構成されている事業所で、決められた人員基準や運営基準などで運営されています。
訪問介護員は利用者宅を訪問し、身体介護や通院介護を行います。登録ヘルパーは、ケアマネージャーが作成したケアプランに沿った時間の間、利用者宅で介護を行います。登録ヘルパーや訪問介護員のシフト管理をしている人がサービス提供責任者で、管理者は訪問介護事業所全体の責任者です。
今後、在宅介護の需要が高まることが予想され、ますます訪問介護事業所の役割りが必要とされるでしょう。
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