高齢者の運転免許証、注意点は?認知機能検査ってなに?

最近ニュースで頻繁に流れている高齢者による交通事故は、近年件数もかなりの増加傾向にあります。事故の原因をみても高齢者特有のものが大半で、事故を起こすと自分だけでの被害ではすみません、本人も一瞬にして加害者として残り少ない人生を生きていかなければいけません、今回は高齢者の免許証について論点を考えてみましょう。

 

高齢者の運転免許証とは

現在政府も交通事故に対しての安全防止策を、官民一体となって取り組んできました。その努力の成果が結果として現れ昭和45年(1970年)に1万6765人の交通事故死者件数が平成28年(2016年)には3904人と4千人を下回る成果を上げてきましたが、一方で高齢者による交通事故死は交通事故死全体の半数をしめる状態まで増加してきています。現状高齢者の運転免許の実情はどのようになっているかを紹介いたします。

高齢者ドライバーの現実と将来

現在では,急速に高齢化が進み,平成28年10月1日現在,65歳以上の人口は3,459万人となり,総人口に占める割合(高齢化率)は27.3%と約4人に1人となってきています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば,今後高齢化率は,総人口が減少する中で高齢者人口が増加することにより引き続き上昇し,48(2036)年には,33.3%と3人に1人となり,54(2042)年以降高齢者人口が減少に転じた後も上昇を続け,77(2065)年には38.4%に達すると推計されています。そんな高齢者の増加する社会環境の中で、高齢者に与えられる運転免許も並行して増加してきています。平成28年末の運転免許保有者数は約8,221万人で,27年末に比べ約6万人(0.1%)増加しています

このうち,75歳以上の免許保有者数は約513万人(75歳以上の人口の約3人に1人) で,27年末に比べ約35万人(7.3%)増加し,今後も増加すると推計されえいます。

高齢者の加齢に伴う具体的な特性

高齢者は加齢により,動体視力の低下や複数の情報を同時に処理することが苦手になったり,瞬時に判断する力が低下したりするなどの身体機能の変化により,ハンドルやブレーキ操作に遅れが出ることがあるなどの特性が

見られます。また,加齢に伴う認知機能の低下も問題となり,警察庁によれば,平成28年に運転免許証の更新の際に認知機能検査を受けた75歳以上の高齢者約166万人のうち約5.1万人は認知機能が低下し認知症の恐れがある第1分類と判定されています。

■認知症対策推進総合戦略(新オレンジプラン)」及び同プランに基づく取組み

厚生労働省では,平成24年9月に公表された「認知症対策推進5か年計画」(オレンジプラン)の着実な実施を図り,認知症対策が加速するため,27年1月に「認知症対策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」を関係府省庁と共同で立案されました。また,この企画に当たって,認知症対策推進関係閣僚会合が開催され,関係府省庁が一丸となって認知症対策に取り組んでいくことが確認されました。

これはいわゆる団塊の世代が75歳以上となる37年を目指し,認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を実現すべく事で認知症対策を総合的に推進していくもので29年度末を当面の目標年度として対策ごとの具体的な数値目標などが定められています。具体的には以下のように考えられます。

①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進,
②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供,
③若年性認知症施策の強化,
④認知症の人の介護者への支援,
⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進,
⑥認知症の予防法,診断法,治療法,リハビリテーションモデル,介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進,
⑦認知症の人やその家族の視点の重視の7つの柱に沿って対策を推進している。

 

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道交法は高齢運転者に厳しくなっている

交通事故の総件数が9年連続で減少する中、65歳以上の高齢ドライバーが起こす事故はここ15年で倍増と、増え続けています。大きな要因が「実際の運転能力と自己認識のズレ」が原因と思われます。加齢とともに視野や動体視力などの認知機能は衰え、標識の見落としや対向車のスピード読み間違えに繋がりやすくなり。そのしくみは最近、より詳細にわかってきました、多くの高齢者は昔の70代80代に比べて体力に自信があり、車なしでは生活に支障をきたすと考えるため、免許の自主返納は一向に進んでいません。正しく認知機能の状態を伝えて本人の自覚を促していこうという自治体の取り組み、弱体化した機能を補完する車の開発、安全な電気自動車を貸与して安全ゾーンを市街地に設定する町づくりの動きなど、高齢者の運転による事故対策を各方面で進めています。このように高齢者の運手に対しての対策が急務な理由としては次のような原因が考えられます。

①高齢者ドライバーによる事故での被害が大きい

・ブレーキとアクセルの間違いによるコンビニの店内への突入による店の破壊
・異常な行為による歩道への突入
・高速道路の逆走

一般的な事故に比べて被害が甚大であり、警察も政府もこの状態に対して「免許の自主返納」や免許更新時の認知症の検査などを取り入れ対策を行っていますが、結果は期待に反して事故の件数は増加する一方です。そこでいよいよ法律を改正して高齢者ドライバーに運転免許取得を厳しくする事で事故の軽減を目標にしました。

道路交通法改正による高齢者への注意

認知症の疑いのある後期高齢者の運転者に医師の診断を義務つける道路交通法の改定があり、2016年3月から施行されました。
今までは、以下の2つが重なると医師の診断を求められ認知症と診断されると免許の取消になりました。
①75歳以上の高齢者が免許更新時の後期高齢者講習で「記憶力・判断力が低くなっている」と判別
②更新の前後で一時停止や信号無視、逆走などの18の交通違反がある
2016年3月からは、各々単独で医師の認知症診断が義務付けられ認知症と診断されると免許の取消になります。

■認知症検査の判別

75歳以上の運転者は、3年に1度の免許更新時に「認知症検査」を受けます。認知症検査は、記憶力と判断力を調べる筆記式のテストで以下の判別を受けます。
• 1分類:各能力が低い
• 2分類:少し低い
• 3分類:問題ない

■認知症が原因で起きる交通違反

以下に示す交通違反は認知症と関連が深いと判断されます。交通違反にとらわれるだけでなく高齢者ドライバーの運転する自動車の同乗者は、この違反に注意して認知症の可能性があれば認知症の診断を受けるように勧める必要があります。
1.一時停止
2.信号無視
3.一方通行の道路の逆走などの通行
4.逆走や歩道通行
5.わき見や操作ミスなど
6.黄線を超えてレーン変更する違反
7.右折レーンからの直進
8.横断歩道で一時停車しないで歩行者の横断を妨害
9.横断歩道のない交差点で歩行者の横断を妨害
10.交差する優先道路の車の運行を妨害
11.直進対向車があるのに右折するなど交差点での優先車妨害
12.ウインカーを出さないで右左折
13.禁止場所で回転するなどの横断等禁止違反
14.徐行しないなど交差点で右左折する際の方法違反
15.徐行すべき場所で徐行しない違反
16.環状交差点内の車などの通行妨害
17.徐行しないなど環状交差点を通行する際の方法違反

このような道交法を改正して高齢者の事故の減少に勤めていますがそれでも、65歳以上の高齢者の運転免許保有者数は1,640万人で保有者全体の20%(5人に1人)を占めるまでに高齢化が進んでいます。2014年に死亡事故を起こした75歳以上の運転者の内約4割が認知症検査で1分類か2分類に認定されました。2015年の検査では、5万人強が1分類と認定されていますので、今後免許停止になる後期高齢者ドライバーが増えそうです。

 

高齢者の免許更新の認知機能検査

認知症の人は自分で認知症であることを自覚することが難しく、認知症になった高齢者ドライバーによる交通事故が後を断ちません。そうした背景から「75歳以上」のドライバーは免許証取得、更新時や違反・事故時に「認知機能検査」が義務付けられるようになりました。認知機能検査は「時間の見当識」「手がかり再生」「時計描写」の3つの項目で行われます。

時間の見当識

検査時の「年」「月」「日」「曜日」「時間」について聞かれます。「年月日曜日時間」それぞれに配点があり正解か不正解で採点されます。認知症の人でなくても間違えるような多少のズレは配点でも考慮されています。認知症の特徴としては「年号を間違える」「月を大幅に間違える」と言うような間違いは点数が低くなります。たとえば平成30年10月を昭和30年4月というような場合です。認知症である場合時間の見当がつかないなど「見当識障害」が起きているのでそれを検査しています。軽い認知症であれば感覚で答えるので季節感から秋である10月を春の4月頃かなと予測することもあります。

手がかり再生

4つの絵を見てそれがなんであるかを覚えます。その後に覚えたこととは全く関係ない作業を挟んで覚えた内容について答えます。認知症である場合「短期記憶障害」のため印象の弱い短い間に起きたことを覚えにくいという症状があります。答えが全く出てこなかったりひどい場合は怒り出してしまったりすると認知症の可能性があります。ただし「絵」を見て応えるため、受け取り方が様々です。その絵がそう見えたというような連想ができる答えであれば正解になります。

時計描写

丸の中にアナログ時計の絵を書きます。初めはそこに時計版の数字を書き込み、その後で指定された時刻を書きます。認知症である場合「空間認識障害」が起きるため時計版に正しい数字を配置することが難しくなります。偏った配置や順番がバラバラ、数字が抜けているなどおかしな時計版ができます。時針分針を描くのも真ん中から針が出ていなかったり全く違う位置を示していたり、時針分針の長さが逆であったりという特徴を判定されます。

 

高齢者が運転免許を保持する上の注意点

高齢者が免許を自主返納しないで免許をもち続ける最も多い理由でもあり、注意点でもある「高齢者という事を忘れた自信過剰」が最大の注意点です。
1.自分はまだ大丈夫
2.若い者に負けない
3.若いころから運転には自信がある

等の年と共に衰えてくる体の機能の低下が出てくる事に気付いていないことに最も重大な注意点だということを忘れています。高齢者自身が、自分の加齢による衰えを自覚できていない点に問題が集約されます。高齢者の交通事故が増えている大きな原因は、この「自身過剰」に尽きるのではないでしょうか、1997年に道路交通法が改正され、75歳以上の高齢者ドライバーには、「高齢運転者標識」というシールを車に貼って運転することが決まりました。自分自身が若いと思っていても体は加齢に伴っていろいろな機能が低下して運転に必要な「瞬発力」「思考能力」「判断力」「視力」「聴覚」等は加齢とともに自然い低下してきます。それは人間の自然の法則です。これらの機能が低下してきたと思われた時には事故の加害者になる前に自主返納を行うことを自分や家族の為に行ってください。

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高齢者の免許が取り上げた場合は?

現在、自動車運転免許の自主返納制度はありますが、強制返納はありません。しかし、年々高齢者による危険運転や事故が増加していることから「認知症に限らない運転技能検査の義務付けと強制返納の仕組み作りが急務」という声が高まっています。

■高齢者だからという理由で免許が取り上げられるしくみはない

運転免許証を取り上げられるしくみについては、単に高齢者であるからということでは存在せず、「繰り返し交通違反を犯し、累積点数や前歴が基準に到達した場合」「重大な交通事故を起こした場合「重い罪となる交通違反を犯した場合」に免許取消しとなります。
また、交通違反、交通事故以外に以下の場合も免許取消しの対象となります。
① 運転に支障を及ぼすおそれがある病気が判明したとき
② 認知症であることが判明したとき
③ 失明や両上肢の肘関節以上を失うなど、安全に運転できない体の障害が判明したとき
④ アルコール、麻薬、覚せい剤などの中毒者であると判明したとき

以上の中で①、②、③について高齢者に当てはまる場合が多いかもしれません。

■自主返納へ導いた事例

認知症の症状があっても、仮に運転免許更新の際に認知症診断テストに合格してしまうなど家族にとっては大きな不安を抱くケースもあります。家族の説得に応じて素直に自主返納されるケースの方が少ないかもしれません。
周囲との連携で自主返納に導くことができた事例を紹介します。

・事例: 医師の診断書を警察に提出~本人が相談に行ったケース~

家族が止めるが納得できない高齢者の方。運転免許更新する気満々です。家族が、本人の状態をよく知る主治医に事情を離し、予め診断書を準備することにしました。診察の際に医師から本人に説得もしてもらいました。しかし、「生活の足」を失うことは何より避けたいという思いが強く、この時点ではまだ納得されませんでした。
そして、運転免許更新する前に診断書を持参して警察に、本人から相談に行ってもらいました。警察からは、高齢者の交通事故が多いとや返納した場合に得られる各種サービスの説明を受けました。
そして、診断書を持参して相談に来たことは良いことであると褒められ、「自主返納をするのは立派なこと」「自主返納した場合に受けることができる特権が沢山ある」と受け止め、自主返納に至りました。

 

まとめ

車が趣味の高齢者もおられ運転は生きがいというような方も、今運転して事故を起こしたら60年か70年無事に過ごせて来た事がもし事故をお起こして加害者になられたら残りの短い人生が暗闇の世界になる事をよく理解してください

 

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