高齢者の転倒は危険!?転倒の怪我の種類は?防止するには?

高齢者の転倒による怪我が年々増えてきています。
平成28年厚生労働省「国民生活基礎調査」によると介護が必要になった原因として 第1位認知症18% 第2位脳血管疾患16.6% 第3位高齢による衰弱13.3% 第4位骨折・転倒12.1% 第5位関節疾患 10.2% と骨折・転倒がワースト4にあげられています。
ちょっとした事故でその後の生活まで左右される恐れもあります。
転倒の原因、怪我の種類、予防や注意点についてまとめました。高齢者にとって転倒はとても危険なことです。暮らしの中で転倒に気をつけながら安全な毎日を送りましょう。

 

高齢者の転倒とは

高齢者の転倒の原因は、筋力低下など身体的な内的要因と住宅など生活環境によって起こる外的要因が考えられます。

内的要因

転倒につながる原因としては、本人の年齢や運動機能の低下、病気、過去に転倒したことがあるなどがあげられます。また薬の副作用によって足元がふらつくことも転倒の原因になります。高齢者は複数の薬を飲んでいたり、体調の変化がわかりにくいとき、認知障害などの精神的機能によって転倒する場合もあるので注意が必要です。

外的要因

自宅内には転倒につながる外的な原因がたくさんあります。
室内の転倒場所では、平成22年内閣府「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」によると「居室・茶の間・リビング」20.5%、「玄関・ホール・ポーチ」17.4%「階段」13.8%、「寝室」10.3%、「廊下」8.2%、「浴室」6.2%の順になっています。
普段なら段差と認識しない程度の敷居であっても歩幅の小さい高齢者にとってはつまずく原因になります。その他、滑りやすいフローリングや浴室、古い家屋に多い急な階段・上がり框の高い玄関など室内には危険な箇所が多く潜んでいます。

また内的要因と外的要因のどちらかだけでなく、両方の要因が重なって転倒の危険性が高まります。

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高齢者の転倒で起きる怪我の種類

転倒で起きる怪我の種類

①打撲

全体の32.3%にあたります。
打撲は身体に外部から強い衝撃が加わることで起こります。
傷口がなく、皮下組織や筋肉などの南部措置期の損傷です。打撲で血管や神経が損傷した場合は、皮下組織に血腫ができ、赤から青紫、茶色、黄色などの外見上の変化が現れます。組織の腫れが血管や神経を圧迫すると、痛みやしびれの症状もみられます。
湿布薬などの外用薬で手当をします。

②すり傷、切り傷

全体の25.6%にあたります。
擦り傷は日歩の一番外側にある皮膚がこすり取られ、はがれた状態になる浅い傷です。皮膚の浅いところには神経がたくさんあるため、多くの場合、ヒリヒリとした痛みが続きます。切り傷は表皮が切り裂かれた傷です。
擦り傷、切り傷ともに必要に応じた手当をしないと細菌などに感染して化膿することもあります。

③ねんざ、脱臼、突き指

全体の9.7%にあたります。
ねんざは転倒時、関節に強い力が加わって損傷してしまうことでひねったり強くぶつけたりして起こります。ねんざをすると患部が腫れたり痛んだりします。酷いねんざになると力が加わったときに内出血を起こして、打撲のようにあざになることがあったり、じん帯が切れて歩けないほどの痛みが伴ったりすることもあります。ねんざの手当は「安静」、「冷やすこと」、「圧迫すること」、「心臓よりも高い位置に持ち上げること」です。
脱臼は、関節がはずれて骨の位置が関節からずれてしまった状態です。転倒したときの衝撃によりずれてしまうため、強い痛みや関節の変形が生じます。すぐに病院を受診し、骨をもとの関節の位置に戻すことが必要です。ほとんどの場合、1~2週間ぐらい固定しておくことで回復しますが、治療しないでそのままにしておくと手術が必要なることもあります。
突き指は指先に強く物があたるなどして腱や関節などを痛める怪我です。転倒時に手のつき方によって指先に強い衝撃があたってなることがあります。突き指は指の関節まわりのじん帯や筋肉自体が傷むため、腫れたり、患部が熱を持ったりしてきます。手当は冷やすことと、テーピングを巻いて関節の動きをサポートすることです。

④下半身の骨折

全体の5.6%にあたります。
下半身の骨折は、腰椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折が多いです。大腿部頚部骨折は太もも付け根の骨の骨折です。下半身の骨折の大部分を占めており、歩く能力が回復するまでに時間がかかり、そのまま寝たきりになる可能性もあります。大腿部頚部骨折の場合、年齢や持病によっても異なりますが骨接合術または人工骨頭置換術を行うことが多いです。骨折が疑われる場合は、すぐ病院へ受診に行く必要があります。

⑤縫うことが必要な怪我

全体の3.6%にあたります。
転倒の衝撃により深い切り傷を負った場合はすぐ病院を受診し、縫う必要があります。

⑥上半身の骨折

全体の3.1%にあたります。
上半身の骨折は、上腕骨頚部骨折や橈骨骨折が多いです。下半身の骨折と同様に病院の受診が必要ですが、ギブスで固定して折れた骨がくっつくのを待つことがほとんどです。

高齢になると筋力低下などで転倒しやすくなるだけでなく、骨粗しょう症で骨がもろくなっていることも骨折など治療の必要な怪我につながっています。

高齢者の転倒を防止するには

①転倒しにくい住宅環境を考える

自宅内での転倒は、住宅環境を整えることで簡単に取り除くことができることもあります。歩くときに障害になるものがあれば片付けを行ったり、動作がしやすいように介護用品を活用できます。廊下や浴室に手すりを設置するや床の段差解消を改修することも有効です。介護保険を利用して必要な期間だけ借りたり、住宅改修の一部を補助してくれる制度もあります。お住いの市区町村窓口で相談することをおすすめします。

②筋力やバランス感覚を強化する

【筋力を強化する運動】

・太ももの筋肉トレーニング

太ももは立ったとき膝を曲げずに身体を支える筋肉です。
背もたれのないイスに腰掛け、片脚をあげつま先を立てて約5秒間キープします。
片脚をあげるときは90度になるように意識しましょう。
左右5~10回を目安に行います。

【バランス力を強化する運動】

・片脚立ち

バランスを強化するには、片脚で立つ運動を行います。
片脚立ちを行うときは、転倒しないように必ずつかまるものがある場所で行いましょう。
床に脚がつかない程度に片脚をあげます。
支えが必要な人はかかりつけの医師に相談して机に手や指をついて行います。
(日本整形外科学会:ロコモティブシンドローム2015参照)

※どちらも転倒を予防するための運動ですが、ご自分の体調や体力を考えて無理のない範囲で行ってください。一度にたくさん行うより毎日継続することが身体に負担がなく続けられ、転倒予防につながります。

③薬が転倒の原因になっている場合は病院へ相談する

服用している薬によって眠気、ふらつき、注意力が低下する、めまいが起こるなどの症状が現れることがあります。ご自身でこのような症状が出るように感じたらかかりつけの医師に相談してください。

高齢者の転倒時の注意点

暮らしの中で、「転倒しない」ために下肢の筋力低下を予防したり、住宅環境を整えますが、気をつけていても転倒事故は起きてしまうことがあります。
いざ転倒してしまった場合に大切なことはそのあとの対処になります。
慌てることなく適切な対応ができるように考えていきましょう。

【転んでしまったときに介護者としてできること】

声をかけて意識があるかを確認します。
この時点で意識がない場合は救急車の要請など必要なところに連絡します。

本人に意識がある場合は、声をかけながら見た目で怪我がないか確認します。
この場合、見た目でわからないことが起こっている場合もあるため、すぐに動かさず、転倒したままの姿勢でいてもらいます。
またしゃべり方やいつもの様子と変わりがないか、吐き気などはないか観察します。

落ち着いたら痛いところや転んだときのことをできるだけ詳しく聞きます。
ゆっくりひとつずつ確認していくことが大切です。特に何をしようとして転んでしまったのか、どのような態勢から転んだのかを確認することは怪我の部位や状態を予測するための情報につながります。落ち着いてからでかまいませんので状況を把握しましょう。

どうしたら良いか判断に困る場合は、かかりつけの医師に連絡を取って、今すぐ病院に行ったほうが良いか、救急車を呼んだほうが良いかなどその後の対応を相談することをおすすめします。
普段から困らないようにかかりつけの医師に転倒した場合にどうしたら良いか聞いておくと安心ですね。

【動けない場合はどうしたら良いか?】

痛くて動けない、意識がもうろうとしているなど動けない場合はその場で楽な姿勢でいてもらい、動かさずに救急車を呼ぶなどして医療機関に受診する必要があります。

【頭を打っている場合はどうしたら良いか?】

高齢者は若い時とちがい、転倒したときにすぐに手をつくことができず、顔や頭を直接打ってしまうことがよくあります。脳にダメージを受けると命にかかわることも多いので頭をぶつけていたら早く病院を受診して、検査をしてもらいましょう。
頭を打った直後は何ともなくても何日か経って突然意識を失うなどの症状が出る硬膜下血腫の恐れもあります。
検査の結果、異常がない場合でも頭痛や吐き気はないか、歩き方は以前と変わりないかなど観察が必要です。

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まとめ

高齢者の転倒が危険であることは事実です。だからといって本人の意思や自立を抑制することで高齢者が幸せに暮らせるでしょうか。高齢者が生きがいを持って生活できるためは周りが転倒の危険を理解し、できる限りの予防に努めていくことが大切です。いつまでもイキイキと暮らしていける環境を一緒に考えていきたいですね。

 

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