認知症を判断する目安はいくつか存在します。
あくまで医師の意見を聞いてからの始まりですが、要介護申請を行う段階で既に家族が疲弊しきっている場合もあります。
そうなる前に、又はそうなってしまってから社会の関わり方が重要になってきました。
介護保険制度は地域へ認知症を理解し認めてもらうように働きかけています。
果たしてうまくいくのでしょうか?
Contents
認知症レベルとは
認知症レベルはⅠⅡⅢⅣⅯで分類されるものがあります。
ⅠⅡⅢⅣⅯ分類
Ⅰ 何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している
Ⅱ 日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少みられても、誰かが注意していれば自立できる。
Ⅱa家庭外で上記の状態が見られる。(たびたび道に迷うとか、買い物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ等)
Ⅱb 家庭内でも上記の状態が見られる。(服薬管理ができない、電話の応対や訪問者との応対など一人で留守番ができない等
Ⅲ日常生活に支障を来たすような症状・行動や意志疎通の困難さが見られ、介護を必要とする。
Ⅲa 日中を中心として上記の状態が見られる。(着替え、食事、排便・排尿が上手にできない・時間がかかる。やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等)
Ⅲb夜間を中心として上記の状態が見られる。(症状、行動はⅢaに同じ)
Ⅳ 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。
M 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。(せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態等)
認知症のレベルはまずこの基準で考えられます。
要介護認定にも使われる目安です
認知症レベルの判断要因
認知症レベル
Ⅰ 自立可能レベル
在宅生活や独居生活も可能な範囲であり、訪問介護員や相談員の見守りの範囲で対応できるレベル
Ⅱ 何らかの支援が必要なレベル
日内変動もあり、一人暮らしには支援が必要になる。
帰り道がわからなくなる等、いつもやれていた事が出来なくなる時がある。
出来ない時は無理をせず介助者の支援を求めるように心がける。
Ⅲ 一人暮らしは危険、介護を必要とするレベル
日常生活に支障を来す。徘徊などの問題行動も目立つようになり、介護が必要になる時間が増え、一人暮らしは困難、夜間の支援も必要になる。
Ⅳ 常に介護が必要な状態なレベル
日常生活が困難になり、意思の疎通も出来なくなる。問題行動も多くなり自宅での介護が困難になる。家族の介護力が弱い場合は施設での生活が必要になる。
M 医療が必要なレベル
せん妄 興奮、暴力による自傷他害、により施設でも対応が困難になり、専門的な医療が必要になるレベル
介護支援専門員はこの基準で自立生活へのプランを検討します。
もちろん認知症の診断は医師がするものですが、本人の認知症レベルと家族の介護力、居住環境、社会との関係(孤立しているのかどうか)などを考慮してサポートにあたります。
認知症レベルと生活自立度
生活自立度にはJABCに分類されるランクがあります。
JABCのランク
J 何らかの障害を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
J1.交通機関等を利用して外出する
J2.隣近所へなら外出する
A 屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
A1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
A2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
B 内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ
B1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
B2.介助により車いすに移乗する
C 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
C1.自力で寝返りをうつ
C2.自力では寝返りもうてない
これらと認知症自立度ランクを考慮し、ADL(日常生活動作)IADL(手段的日常生活動作)を考えます。
認知症であっても自立した生活が出来るなら可能な限り尊重されます。
介護予防支援において
元気 弱りつつ 要支援 要介護
ケアプランはこの一連の流れで一貫性と連続性がないといけません。
要支援から弱りつつ、へ移った場合は施設や病院といったものよりも身近な地域支援事業がサポートしてくれます。
そして、弱りつつから元気を目指します。
また社会福祉士および介護福祉士法第44条の2でも
「介護福祉士は、その担当するものが個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその業務を行わなければならない。」とされています。
注意点
わが国では2015年の法改正で団塊世代が後期高齢者となる2025年へ向けて地位子包括ケアシステムの構築が始まりました。
30分以内の地域で1介護 2医療 3予防 4住まい 5生活支援
それらの地域包括的なケアが行われる事を目標としています。
新オレンジプラン
・認知症への理解の普及啓発推進
・認知症の容態に応じた適時適切な医療介護の提供
・若年性認知症施策強化
・認知症の介護者支援
・認知症高齢者へやさしい地域づくり
・認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリモデル、介護モデルの研究開発および成果の普及促進
認知症施策推進事業では、認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進委員などにより早期治療と一般からの参加を促し、世の中に認知症への理解を求めています。
しかしながら、高齢者を叱りつけてしまう一般の方がいるなどトラブルも絶えません。
問題は山積みですが、今は地域社会へ認知症への理解を求めている段階であり、専門職は今後、一般への説明と理解を求めることが益々必要になって来ます。
まとめ
かつて、認知症の徘徊と言えば、歩き回っている所を近所の人に知らせてもらい家族が慌てて迎えに行くといった穏やかなものでした。
ところが今の高齢者は車で徘徊をします。
もう昔ながらの対応では済まなくなってきています。
車の必要がない生活づくり、地域の支えあい。
出来ることはやはりクラシカルな支えあいです。
自動運転の車やAIの時代がすぐに来てくれるわけでは無いのですから。
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