高齢者の睡眠について教えて!改善方法は?

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人間の基本的な欲求である睡眠。睡眠は人間にとって生活の質を左右するとても重要な要素です。よく眠れた次の日は気分よく活動的に過ごせますよね。しかし、子供の頃や若いころは一般的によく眠れますが、年齢とともに睡眠の質に変化が生じ、多くの高齢者が睡眠に問題を抱えている現状があります。高齢者の睡眠についてみていきましょう。

 

高齢者の睡眠の基本

子供の頃や若いころは一般的に寝付きがよく、深く眠ることができ、良い睡眠をとることができます。しかし30代、40代、50代と年齢がすすむにつれてだんだんと眠りの質が低下し、60代以上の高齢者になると寝付きが悪くなり(入眠障害)、夜中に何度も目覚めることが多く(中途覚醒)、一方で朝は早く起きてしまうということ(早朝覚醒)が多くみられます。眠り自体も深い睡眠がとれなくなり、眠りが浅くなる傾向があります。

このような年齢による睡眠の質の変化はどうしておきるのでしょうか?
一つ目の原因は成長ホルモンと睡眠の関係にあります。育ち盛りの子供の頃や活動が活発な若い頃は骨や筋肉を成長させ免疫力を高める成長ホルモンを日々増強させる必要があります。そのため成長ホルモンを出すためノンレム睡眠(深い眠り)がたくさん必要となるのです。しかし、高齢者になると成長の必要がなくなり、運動量も減るため自然と深い眠りを必要としなくなるのです。

また、高齢になると一日の最高体温が低下することが寝付きの悪さに関係しています。人間は日中活動して体温が高まっていき、夜寝るころになると徐々に体温が下がり身体と脳が休むモードになります。人間は体温が大きく下がるときに眠気を感じるようになっているのです。高齢者は体温の変動が小さくなるため、寝付きが悪くなってしまうのです。

もう一つ大事な要素として、メラトニンの減少もあげられます。メラトニンは睡眠を促す働きがある重要なホルモンですが、高齢になると加齢によってメラトニンの分泌量が減ってしまいます。

また、加齢とともに多くの薬を服用するようになっていると、薬に睡眠を妨げる成分が含まれているために不眠が引き起こされている場合もあります。(このような時は処方してもらっている医師に相談し薬を調整してもらいましょう)

このように高齢者の睡眠の質の低下は加齢による自然な現象でもあるため、ある程度はしかたのないことです。それでもやはり良い睡眠がとれないことはご本人には辛いものでしょうし、睡眠の不足が及ぼす影響も気になりますね。次の項で詳しくみていきましょう。

 

 

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高齢者の睡眠状態が悪い場合

慢性的な睡眠不足は高齢者の心身に様々な影響を与えます。

精神面では夜間十分な眠りがとれないため、日中の活動に集中ができず、判断力も低下します。また、気分の落ち込みやイライラがみられることもあります。日中ぼんやりとして活動が減るために夜間に寝ることが出来なくなり、睡眠のサイクルが乱れてしまうことにもつながます。昼夜逆転を起こす場合もあります。

身体的にも深刻な影響があります。夜間に何度も起きたり、深い睡眠がとれないと眠りの質が悪くなり、脳が覚醒してしまっている状態が続いてしまいます。その結果、交感神経が優位となり日中同様の血圧の高さになってしまいます。このような夜間/早朝高血圧は「心筋梗塞」や「脳卒中」のリスクを高めます。高血圧の方には降圧薬を服用しても血圧が下がらない方が以外に多いと指摘されていますが、そのような方の中には十分な睡眠がとれていない方が多くみられます。

糖尿病も日本人には多いですが、糖尿病の95%を占めるⅡ型糖尿病にも睡眠不足は大きく影響を及ぼします。睡眠不足はインスリンの効きを低下させてしまうので、血糖値のコントロールが出来なくなり、糖尿病につながってしまうのです。

また、睡眠時間が短くなると、食欲を抑える働きのあるレプチン(満腹ホルモン)が減り、食欲を促すグレリン(空腹ホルモン)が増えて食欲亢進につながります。急激に体重が増えた場合は睡眠が足りていない可能性もあります。

この他にも、免疫機能の低下、食欲がなくなる、などの症状が見られることもあります。高齢者の様々な病気や急激な体重の変化などの後ろには睡眠不足が関連していることがあります。介護する側はこのことをしっかりと念頭において介護することが大切だといえますね。

 

改善方法

高齢者の睡眠の質を改善するにはどうしたらよいのでしょうか?以下に効果的な方法をご紹介します。

1、体温を上げる

■入浴により体温を上げる

人間は夜体温が下がるときに眠気を感じるということはすでに説明したとおりです。そこで、入浴によって体温を大きく上げておけば入眠しやすくなります。入浴によって気分もリラックスし気持ちよく眠れるという効果も期待できます。

■適度な運動をする

運動をすると体温は上昇します。日中に適度な運動をすることで体温を上げておき、夜寝る時に自然と体温が下がることによってスムーズに入眠できるようになります。
例)夕食の90分後に軽く運動する(スクワット、ストレッチ、柔軟体操)
日中に散歩をする、身体を使うレクリエーションをおこなう
いずれも少し疲れを感じるぐらい行うことが大切です。

2、メラトニンの体内生産を増やす

■太陽光にあたる

メラトニンを増やすには太陽光にあたることがもっとも簡単な対策となります。窓際で日光浴をするだけでも大丈夫ですが、屋外を散歩するなどすると運動の効果もあり効果的です。時間は午後が効果的です。太陽光にあたることにより体内でメラトニンが作られます。

■食事から摂取する

高齢者はメラトニンの生産量が少なくなっているので、食事からの摂取も大切です。メラトニンの原料となる、必須アミノ酸のトリプトファンを多く取るとよいでしょう。トリプトファンは、大豆や肉、乳製品、バナナなどに多く含まれています。
また、メラトニンの成分に近いラクッコピコリンという物質を多く含むレタス(特に芯にある白い汁)を積極的に食べるというのも効果が期待でます。

3、昼寝をしすぎない

夜間の眠りが良くないと日中に眠気を感じやすくなります。また、高齢者は日中、比較的自由な時間があるために思うままに昼寝をしてしまいがちになります。昼寝をしすぎると夜の寝付きの悪さにつながり、また夜に眠れないという負のサイクルになってしまいます。特に夕方に仮眠をとることは夜の睡眠への影響が大きいので注意が必要です。昼寝をする場合は早めの時間に短時間ですませましょう。

4、カフェイン、アルコールを控える

加齢によって、カフェインの覚醒作用の影響が強く作用するようになります。夜寝る前5時間以内のカフェインを含むのみもの(コーヒー、紅茶、ココア)を摂取しないようにしましょう。緑茶、ほうじ茶はコーヒーに比べるとカフェインの量は3分の1程度ですが、夕方以降に大量に摂取することは頻尿にもなるのでおすすめできません。また、麦茶はカフェインが入っていません。
アルコールは寝付きを良くしてくれますが、反面眠りを浅くする作用があり、熟睡することが出来なくなります。摂取は控えましょう。

 

注意点

高齢者の睡眠の質の低下は自然なこととはいえ、前の項で紹介したような改善方法を取り入れても、なかなか解消されないようでしたら睡眠障害による不眠症であることも考えられるので、一度専門医に相談された方が良いでしょう。睡眠時無呼吸症、むずむず足症候群、睡眠時ミオクローヌス症候群も一定の確率でみられています。
また、神経痛や関節痛などの痛みや循環器疾患などの身体疾患やうつ病、認知症などの精神疾患などの影響で不眠の症状がでてくることも多いので注意が必要です。特に認知症の方は夜間に目を覚ましたときに見当識障害よって、場所や時間がわからずに不安感から徘徊の症状がでることも多いので対応に注意しましょう。

病院で睡眠薬を処方してもらい、服用する際にも注意する点があります。現在一般的に使用されているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、以前によく使われていたバルツビール酸系の睡眠薬のような副作用(強い依存性や耐性、大量服用による呼吸抑制)はなく、医師の処方に従って服用している限り安全性が高いものです。しかし、高齢者が服用する際には以下の点に注意しましょう。

睡眠薬の服用の注意点

■高齢者は若い人に比べて体内での薬の分解スピードが遅く、薬の作用が長く残ってしまうことがある。(朝起きられない、午前中の眠気など)
■夜間のトイレの際に薬の作用で足元がふらつく、転倒するなどのリスクがある。
■睡眠薬を服用してから寝るまでの記憶がなくなる「健忘」が生じることがある。(「健忘」を防ぐためには服薬後はそのまま起きているのではなく、すぐに就寝をすることが重要です)

このようなことが起きた場合には早めに担当医に相談し、薬の量を減らす、種類を変えるなどの対応をしてもらいましょう。

 

 

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まとめ

睡眠の質が大きく低下することは様々な影響を高齢者に与えます、また不眠は危険な病気の兆候でもあるのです。睡眠に問題がある場合は一人で悩まずに、適切に医師などの専門家に相談するなどの対策も大切です。
睡眠の質をよくすることで日中の活動的に生活することが出来るようになり、それによってまた夜によく眠れるようになります。良い生活サイクルをなるべく維持していきたいですね。

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