高齢者の脱水症状には気をつけたい!原因は?対策は?

地球が誕生してから約6億年後、今から約40億年前に生命が誕生したと言われています。生命は海で誕生し、当時生命が存在できる環境は海中のみでした。人間の体液の成分が海水の成分と似ているのはその名残だとも言われています。人間が生きるために欠かせない水。今回は体の水分が不足すると生じる、脱水症状についてお話したいと思います。

 

高齢者の脱水症状とは

人間の体は成人で体重の60%、高齢者では50%が体液からできています。体液は各細胞へ栄養や酸素を送ったり、老廃物を運び出したり、体温を調整するなど重要な役割を担っています。その体液量は体内の環境を一定に保つため、体内へ入って来る水分量と体外へ放出される水分量を加味し、適度なバランスが保たれるようになっています。体内にて蓄積されている水分より多くの水分が放出されるなどし、このバランスが崩れて体液量が不足した状態を「脱水症状」と言います。
体液は細胞の内側にある細胞内液(体液の3分の2)と細胞の外側にある細胞外液(体液の3分の1)とに分けられ、それぞれ水分や濃度を保つ電解質(ナトリウム・カリウム・その他)などが含まれています。脱水症状はこれらのどの成分がより多く失われたかにより、3種類に分類する事ができます。

水分が不足する脱水(水欠乏性脱水=高張性脱水)

ナトリウムより多くの水分が失われた脱水。濃度を保つナトリウム量に比べ水分量が少なくなるので、体液の濃度が高くなります。水欠乏性脱水は発汗などにより大量の水分が放出されたのが要因となり起こります。発熱・口渇・意識障害などの症状が見られます。

ナトリウムが不足する脱水(ナトリウム欠乏性脱水=低張性脱水)

水分より多くのナトリウムが失われた脱水。水分量に比べ濃度を保つナトリウム量が少なくなるので、体液の濃度が低くなります。ナトリウム欠乏性脱水は発汗などにより大量の水分とナトリウムが放出されたにも関わらず、水分のみを過剰に摂取したのが要因となり起こります。だるさ・吐き気・痙攣などの症状が見られます。

水分とナトリウムが不足する脱水(混合型脱水=等張性脱水)

水分とナトリウムが同じ割合で失われた脱水。水分量と濃度を保つナトリウム量が同時に少なくなるので、体液の濃度は変わりません。混合型脱水は嘔吐や下痢・出血などにより水分とナトリウムが同時にかつ大量に放出されたのが要因となり起こります。口渇・食欲不振・倦怠感などの症状が見られます。

 

 

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高齢者の脱水症状の原因

体内の水分やナトリウムが不足し、またはそれらのバランスが崩れるには、様々な原因が考えられます。気温の上昇や運動による過度の発汗、下痢や嘔吐による水分の排出、水分補給不足など。それにより体液を成す水分やナトリウムなどが必要量保持できていない状態になります。さらに高齢者が脱水症状になるには、高齢者ならではの特性が原因として追加されるため、特に陥りやすいと言えます。その特性を踏まえた上で、原因をいくつか挙げてみましょう。

体液量の減少

高齢者は細胞量が少ないため元来保有している体液量が少なく、また食欲の減退から食事量が減少すると、水分補給不足を引き起こします。さらに体液を多く含んでいる筋肉量も減少するので、体液量の減少に繋がっています。

感覚機能の低下

高齢者は様々な感覚機能が低下しているため、喉が渇いている事に気づきにくく、そのため体液量が減っているにも関わらず長時間水分摂取をせず、脱水症状に至るケースがあります。このように自分では気がつかないうちに脱水症状になる事を「隠れ脱水症状」と言います。

腎臓の機能低下

腎臓の働きの1つは、体内の老廃物を排出する事です。その機能が低下すると老廃物を運ぶ際、必要となる水分量が増し、過剰な水分が尿として排出されてしまいます。また腎臓は必要な電解質を吸収し、濃度を一定に保つ役割も担っているため、その機能低下は体液の濃度上昇をも引き起こします。

薬の影響

高齢になると代謝機能が低下するため、薬の影響を受けやすくなります。中でも高齢者がよく服用している降圧薬(血圧を下げる薬)は体内の塩分を排出するために利尿作用があります。したがって尿の量や回数が増え、水分が失われる事になります。

自ら水分摂取を控える

また失禁やトイレに行きたくない・行かれないなどの理由から、トイレが近くならないように自ら水分を摂らないようにしている場合、当然必要な水分が不足してしまいます。

 

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高齢者の脱水症状の予防と対策

脱水症状は重度になると非常に危険で死に至る事もあります。したがって起こらないように予防する事が最重要と言えます。日頃から脱水症状の危険性を把握し、適切な方法で予防すれば事態を回避する事ができます。それでも万が一脱水症状の疑いが生じた場合は、どのように対応すれば良いのでしょうか。脱水症状の予防と対策に分けて、考えてみたいと思います。

脱水症状の予防1「必要な水分量を知る」

1日に必要な水分量は体重にもよりますが、食事以外から1~1.5Lの水分が必要だと言われています。暑い日や運動などにより通常時より多くの汗をかいた場合は、さらに多くの水分が必要となります。また糖尿病により利尿剤を服用している方は、尿として普通の方より多くの水分が失われるため、必要な水分量は多くなります。

脱水症状の予防2「定期的な水分補給」

水分は一度に多くを摂取すると尿などにより排出されやすくなります。そのため、一日を通して小まめに水分補給をする事が重要です。特に運動前後・入浴前後・起床後・就寝前は水分補給をするようにします。また喉が渇き始めたら脱水症状が始まっているので、喉が渇いてから飲むのではなく、定期的に一定量の水分を補給する事により、効果的に体内の水分量を保つ事ができます。

脱水症状の予防3「何から水分を摂取するか」

一般的に水分補給と言うと、水を飲む事が良いとされています。コーヒーや緑茶は利尿作用があるため、尿として排出されてしまうため適さないという見解もありますが、飲料の種類によって水分補給の効果の指標に相違がなかったという実験結果も報告されています。よって水分の摂取源よりも水分自体を補給する事に意義があり、その習慣を身に付ける事の方が重要であると言えます。好みの飲料を常備しておいたり、すぐに水が飲めるようにウォーターサーバーを設置したりするのも良いでしょう。また飲料からだけではなく、水分の多い果実や野菜・ゼリーやスープなどから摂取するのもバリエーションが増え効果的です。

脱水症状の予防4「適切な温度と湿度を保つ」

室温が高過ぎれば必要以上に汗をかき、体内の水分は放出されます。室温が低くても湿度が高ければ、汗が蒸発しづらく体温が下がりにくくなります。よって室温と湿度のバランスが重要であり、室温は28℃前後、湿度は50~60%に保つよう心がけます。

脱水症状の予防5「周囲の人による管理」

高齢になると口渇を感じにくくなります。同時に、温度を感知する機能も低下します。また「飲料を用意するのが億劫」など、心理的にも意欲低下が見られる場合があります。本人に管理能力が認められなければ、周りの人が脱水症状に留意し、水分補給を促したり室内環境を整えたりするようにします。

脱水症状の対策1「軽度の場合」

軽度の脱水症状の場合、大量の発汗・めまい、ふらつき・筋肉痛などの症状が見られます。皮膚や口の中が乾燥してきて、爪を押してもすぐに色が戻らなくなります。早急に水分と電解質を摂るようにします。
最近では「経口補水液」という食塩とブドウ糖を水に溶かした飲料が市販されていて、水分と塩分を効率的に吸収するのに役立ちます。症状が出てから4時間以内に2L(体重50kgの場合)の経口補水液を飲みましょう。経口補水液の代替えとして自宅で作る事(水1L・砂糖20~40g・塩3g・レモン適量)もできます。経口補水液の利用について、食事指導を受けている方は医師に相談しましょう。

脱水症状の対策2「中度の場合」

中度になると次第に汗は出なくなり、体温は上昇し、頭痛・嘔吐などの症状が出始めます。症状が出てから4時間以内に5L(体重50kgの場合)の経口補水液を飲みましょう。嘔吐や下痢がある場合は、排出された分を加えた量を飲むようにします。症状が治まったら、軽度の場合の対応に変更します。

脱水症状の対策3「重度の場合」

さらに症状が進み重度に及ぶとさらに体温が上がり、痙攣・意識障害や昏睡などが起こります。この状態だと口からの摂取だけでは足らず、またそれが困難になります。速やかに医療機関に連絡し、指示を仰ぎましょう。

 

高齢者の脱水症状の注意点

高齢者は脱水症状になりやすく、また特有の疾患などにより厳重な注意が必要です。以下、高齢者の脱水症状についての注意点をまとめてみます。

認知症の脱水症状

感覚機能の低下は口渇に気づかず脱水症状を起こしやすい事は既に述べましたが、認知症の方はそれに加え水分を摂取したかどうかを忘れてしまう事があります。水分摂取を促しても言われた事を忘れてしまい、飲んでいる行動そのものを周囲の人が目で確認しなければなりません。さらに重度の認知症の方は飲み物、または飲むという行為自体についての認識が乏しいため、やはり周囲の人のサポートが必要です。

脱水症状から熱中症へ

脱水症状が原因で熱中症は引き起こされる事はよくあります。熱中症とは高温多湿の環境の下、身体に及ぶ障害の総称です。気温が高いと体温が上がり、その体温を下げるために汗をかきます。大量に発汗すると体液が不足し、人間の体は汗が出るのを制御するようになります。汗が出せなくなると体温が下げられなくなり、異常に上昇してしまいます。体温の上昇は臓器に障害をもたらし、深刻な熱中症は脳機能障害などの後遺症を残す危険性があります。

夏だけとは限らない脱水症状

夏は暑いしよく汗をかくので意識して水分補給に努める人は少なくないでしょう。しかし、脱水症状は身体上の異変なので、季節に関係なく起こります。冬は空気が乾燥している上に、暖房により室温が必要以上に高くなる事があります。冬だからと安心していると危険信号。室内にいてもジワジワ体の水分が失われていくので、注意して水分を補いましょう。

不適切な水分補給

汗などを大量にかいた際は水分に加え、ナトリウム(塩分)も失われています。その状態で水分だけ摂ると血液のナトリウム濃度が下がり、人体はこれ以上濃度が下がらないように水を飲みたい気持ちを抑えます。これを「自発的脱水」と言います。それと同時に濃度回復のため、水分と尿として排出しようとするので、体液はさらに減少する事になります。よって運動後や暑い時は、水分とあわせて塩分も摂取するようにします。

 

 

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まとめ

認知症と水分とは密接な関係にあるという説があります。認知症とは認知機能の障害で、意識がぼんやりするという症状があります。体内に十分な水分がないと細胞が正常に機能しなくなり、意識が朦朧とします。それが物忘れに繋がり認知症が始まるという所見です。飲水量が多い人ほど覚醒水準が高いという事も健康実態調査により立証されています。年齢に関わらず水分を摂る事は人間にとって不可欠であり、また若いうちから身につけておくべき習慣であると言えるでしょう。

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