妄想の対策を教えて!種類は?原因は?

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認知症になるとよく「財布を家族に盗られた」、「夫が浮気をしている」などと訴える人がいます。それらは実際とは異なることのですが、本人にとっては確信があるので不安や不満、怒りの気持ちに支配されてしまっています。
このような状況は「妄想」と呼ばれるものであることが多いです。妄想について詳しく見ていきましょう。

妄想とは

妄想とは病的状態から発生する根拠のない確信です。実際には事実でないことに対して根拠がないにもかかわらず確信をもって想像してしまうことです。
また、妄想と相反する事態に直面したり,他人に説得されても訂正はできない精神状態にあると考えられます。種々の精神疾患にみられる妄想内容によりいくつかの種類に分けられます。

 

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妄想の種類と症状

妄想にはいくつかの種類があります。
まずは妄想が多く出現しやすいとされる認知症や統合失調症において双方の妄想の違いを簡単に説明します。

■認知症の人の妄想

認知症の人は妄想の出現頻度が比較的高いです。認知症の人の妄想の特徴は、被害的な内容が多いのですが、特に自分の財布や貯金通帳が盗まれたと訴えることがよくあります。身近な人やよく関わっている人に対して物盗られ妄想を抱くことが多いです。

■統合失調症の人の妄想

統合失調症では、間違った考えが固定しているので、妄想の内容が常に同じであることが特徴的です。

次に妄想の種類と症状についてみていきましょう。

【被害妄想】

被害妄想は、誰かが自分に危害を加えられるのではないか、自分にとって不利益を与えているのではないかといった妄想です。
周囲のなんでもない出来事や振る舞いを脅かしや迫害と受け取り、悪口やうわさをいいふらされる,監視されていると思いこんでしまいます。統合失調症、認知症共によくみられます。

・物盗られ妄想

「財布を盗まれた」など、自分の大事な物を誰かに盗まれたと訴える妄想です。認知症にみられやすく、家族や介護職員など日常的に身近な人が疑われることがあります。

・嫉妬妄想

「夫(妻)が浮気している」といった妄想を抱き、激しい嫉妬がみられます。認知症などで見られることがあります。

・注察妄想

「盗撮されている」「誰かから見られている」「盗聴されている」など、自分が何らかの手段で監視されていると思い込んでしまいます。

【誇大妄想】

自己を過大に評価してしまう妄想で、躁状態や統合失調症でみられます。

・恋愛妄想

芸能人や身近な異性が「自分に好意がある」と思い込むものです。相手が嫌がっていたり、拒絶していたりするにも関わらず、自分に好意があるという妄想を持ち、しつこく言い寄ったりします。

・血統妄想

自分が天皇家や貴族などの、高貴な血筋だと信じ込んでしまいます。

【微少妄想】

自分を過剰に小さく評価してしまう妄想で、微小妄想は重度のうつ病。

・貧困妄想

実際はそうではないのに、お金や資産が無くなってしまい、破産した、または貧乏になったと思い込む妄想です。

・心気妄想

体のどこかが悪くなった、大きな病気にかかったと確信する妄想です。医師が繰り返し身体に異常のないことをその人に保証しても、ありもしない病気を悲観し続けてしまいます。

妄想の原因と対策

妄想の原因

■妄想の原因となる精神疾患

妄想の原因となり得る疾患には統合失調症や躁うつ病、妄想性障害、認知症、せん妄といった精神疾患が挙げられます。

■精神疾患以外でも妄想は出現する

また、妄想が出たから何らかの精神疾患であるというわけではなく脳炎や脳腫瘍といった脳の病気、甲状腺などの内分泌疾患、膠原病などの身体疾患でも妄想がみられることがあります。

■アルコールや違法薬物による妄想の出現

また、アルコールによる影響や違法薬物を使用することでも妄想が出現します。
その他にも内服した薬の副作用が原因となることもあります。

妄想への対策

■統合失調症の妄想とその対策

統合失調症の妄想は、一次妄想といい、うつ病、や認知症の場合の妄想と異なります。なぜそのように思い込んだのか理解できない、想像もつかないような突飛な内容の場合があります。
自分が病気であるという自覚が薄いため、病院を受診させることが難しいことが多いのですが治療は幻覚妄想を和らげる抗精神病薬を用います。

■うつ病、及びうつ状態の妄想とその対策

うつ病、うつ状態では、気分が落ち込むことで、自分に関係する全てのことがうまくいかないように感じられます。うつ病で妄想が見られた場合には、うつ病に用いる抗うつ薬に抗精神病薬を追加して治療を行うことがあります

■躁状態の妄想とその対策

躁状態は気分が病的に高揚する爽快気分が主体となる躁状態と、気分が病的に落ち込む抑うつ気分が主体となるうつ状態の、対照的な二つの気分の状態が見られる病気です。

躁状態では、うつ状態とは逆に、願望が確信に至る誇大妄想が見られることがあります。
典型的な躁状態の場合、自分が病気であるという認識が全くないので自分の意に添わないことに対して強い反発や激怒することがあります。
そのため、治療は困難で、入院治療が必要となることがあります。治療では、躁状態で誇大妄想にまで至った場合には、気分を安定させる気分安定剤に加え、抗精神病薬が必要になります。

■認知症の妄想とその対策

認知症では記憶障害に伴う被害妄想が見られることがあります。特にアルツハイマー型認知症では記憶障害のために、自分で置いた物の場所が分からなくなり、家族や身近にいる人に盗られたと思い込む被害妄想を抱くことが多くあります。
対策としては、一般的な認知症の方への「否定しない」「受容する」という適切な対応の他、副作用に十分注意しながら、必要最小限の抗精神病薬を用いることもあります。

注意点

最後に、妄想に対する対応の注意点として「妄想に対して否定はしないが同意もしない」という方法についてまとめておきましょう。

注意点1:妄想自体は否定しない~否定すると不信感が募る~

妄想を持っている本人は、妄想に確信を持っているので、その妄想を否定する人に不信感を抱きます。しかし、妄想によって日常生活に支障をきたしたり、苦しめられていることがあります。訴えに傾聴し、「辛いね」「大変だったね」と、不安や苦しみに共感することが大切です。
妄想を否定してしまうと、「自分が何を言ってもこの人はわかってくれない。」と、訴え自体を諦めてしまうことがあります。そのため、患者さんの精神状態を把握するためにも、妄想を否定せず、話しやすい関係を保っておく必要があるのです。

注意点2:妄想の内容には同意しない

妄想は否定してはいけませんが、その内容に同意したり肯定したりする必要もありません。例えば「〇〇さんが私の悪口を言っている。」と被害妄想に対して「そのかもしれない」と言えば、妄想についての確信やこだわりを更に強めてしまうことになりかねません。
妄想に伴う不安や苦しみには共感しますが、その内容が事実かどうかは自分には分からない、といった中立的な姿勢が望ましいでしょう。

 

 

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まとめ

妄想は事実ではありません。しかし、妄想によって毎日不安や苦しみの想いを抱いて過ごさなければならない人がいることは事実です。妄想を否定することも肯定することも、苦しみからの解放にはならないですが、その妄想に傾聴し苦しみに共感することが大切です。また。妄想の内容を一緒に確かめる方法で妄想が一時的に解消されることがあります。
例えば、「財布を盗まれた」と訴えている人には「一緒に探しましょう」と声をかけ、財布を探し、盗まれていないことを確認します。妄想に基づく不安に寄り添い、一緒に確かめてくれる人がいることに、安心感を持ってもらうことができます。
一時的であっても安心感を持つ時間が多くなっていくことが大切です。医療のお世話になっていくケースが多いのですが、常に気持ちに寄り添う人の存在はとても貴重です。

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