認知症になり、外出せずに自宅で過ごす時間が多くなると極端に他人と話す機会が減ります。また歩く距離や視覚や嗅覚・聴覚に与えられる刺激も極端に減少するので身体能力や機能の低下を招きます。
また、筋力が低下するように刺激が足りないと脳機能も使わなければ低下していきます。季節を肌で感じたり、人とあいさつを交わしたり会話をすることで脳に数多くの刺激を受けることができます。
外出や活動の機会が少ない高齢者が外出するための手段として介護保険サービスのデイサービスなどがよく活用されます。
認知症とデイサービスについてみていきましょう。
Contents
認知症専門のデイサービス
認知症専門のデイサービスは、「認知症対応型通所介護」と呼ばれ、日帰りで認知症を患っている人に特化したデイサービスです。他の利用者と同じ場と時間を共有しながら、認知症に対応した介護や機能訓練をすることのできるサービスです。「認知症対応型デイサービス」、「認知症デイ」とも呼ばれています。
少人数制なので、家庭的な雰囲気の中、手厚いサービス受けることができます。
認知症対応型通所介護は、介護が必要になっても、住み慣れた地域で生活できるように支援する事を目的とした「地域密着型サービス」です。原則として住所のある市区町村内の施設を利用することになります。
認知症型デイサービスと通常デイサービスの違い
一般通所介護と認知症対応型通所介護の違いはいくつかあります。
つ利用できる地域の制限
認知症対応型通所介護は介護保険上、地域密着型サービスとされその区市町村住民でなければ利用できないとされています。
■認知症の診断が必要
認知症対応型通所介護を利用するには、「認知症の診断が必要な人」という定義があります。この定義や利用に際して必要な条件は区市町村によって異なりますが「認知症日常活自立度がⅢ以上」などと具体的に掲げられていることもあります。
■活動内容が異なる
活動としては、一般デイサービスは生活支援を中心に入浴や食事の提供をして、機能訓練を活動の中に入れて体操やレクリエーションを実施していまことが一般的です。
認知症対応型通所介護は、利用日都度「今日のお昼は何を食べる?」から始まり買い物や食材の下ごしらえや調理を職員と利用者と共同作業として行うことが多いです。
入浴を行う方は、自分で着てきた服を自分で洗濯機で洗う、干すなどの作業を行い、帰りに洗濯物を畳んで次回に着ることができるように整えておくなどし、デイの中で家事の延長をしています。
認知症があっても役割を見出すことや、新たな活動の獲得、失った活動の再獲得を目指します。そのために、利用者本人の認知症の症状やこれまでの生活歴、生活背景に応じて個別のプログラムを準備、計画して関わるような場面も多いです。
認知症型デイ サービスのメリット
認知症対応型通所介護のメリットをいくつかあげてみます。
■少人数で家庭的
少人数で家庭的な雰囲気の認知症対応型通所介護は、利用者は自分の好きな過ごし方ができますので認知症を患っている方とそのご家族におすすめのデイサービスです。
利用者は自分の好きな過ごし方ができますので集団で取り組む体操やレクリエーションに気が進まなければ参加しなくてもかまいません。
■認知症の方が落ち着いて過ごすことができるならではの工夫、考え方
例1)
利用者一人一人の日々の気分、体調により居心地よく過ごすことができるように、テーブル、ソファー、ベット、畳などを工夫して設置しています。
例2)
今まで「出来た事」をゆっくりする。「出来ない」のではなく、時間がかかるだけと捉えてスタッフが対応してくれます。「自分で出来る」喜びは認知症進行に効果があります。
例3)
生活の中でのリハビリを意識。日々の生活の中にこそリハビリがあります。食器を洗う、拭く、洗濯を干す・たたむ、植物を植える・収穫する。少人数だからこそ出来る生活リハビリがたくさんあります。
■グループホームの体験ができる(共用型)
認知症対応型通所介護には3種類あります。
共用型・・・認知症の方たちが生活介助を受けながら泊まっているグループホーム等の居間で行う共用型
併設型・・・特別養護老人ホームなどに併設されているタイプ
独立型・・・単体のタイプ。
中でもグループホームの共用型は、認知症に対応している施設のデイサービスという専門施設ならではの安心感があります。また、グループホームの雰囲気を知る、体験しておくという意味では入居に向けてのトライアルにもなります。
注意点
認知症対応型通所介護を利用するときの主な注意点は2つです。
注意点1
医師による認知症診断が必要です。また認知症の日常生活自立度で条件を設定している自治体もあります。
注意点2
「地域密着型サービス」という区分のため、原則として住んでいる市町村にある事業所のみの利用になります。
知症対応型通所介護の利用対象者は?
原則は住まいの地域にある事業所を利用しますが、ご家庭の事情などにより他の地域の事業所を利用しなければならない場合には、他の地域の事業所を利用することができることもあります。
ただし地域や事業所によって利用条件が異なりますので、詳しくは市町村、事業所に直接お問い合わせください。
利用条件
下記の条件に全て当てはまる方が対象となります
•認知症の方
診断書が必要な場合があります
•要介護(1~5)と認定された方
40~64歳までの方については要介護状態となった原因が、16種類の特定疾病による場合が認定の対象となります。
※要支援(1~2)の方は 介護予防通所リハビリテーションなどの対象となります
まとめ
認知症対応型通所介護に通う方は、一般のデイサービスなどを利用してみたがなじむことができなかったという場合もあります。よく聞かれる話としては、朝から夕方までの長い時間に耐えられない、拒否が強くて(実際には不安感)朝に送迎車に乗ることができないなどです。認知症のために不安感や戸惑い、混乱が生じている場合はやはり専門的に対応している認知症対応型通所介護の利用が有用と思われます。
専門的な対応の一例としては、例え記憶にとどめることができなくても朝の迎えをいつも同じ介護スタッフが同じ時間、同じ調子で迎えにいくという対応をしてくれる事業所もあります。
認知症の方は正確に記憶にとどまらなくとも、「何となく知っている」「自分にとって安心できそうな相手」という感覚を抱くことはできますので通うことができるようになる期待は大きいです。
対応が症状に対して適切であることは認知症の方にとって「安心感」を得るきっかけになります。このかけがえのない「安心感」を得ることができることが認知症の人が認知症に特化したデイサービスに通う最大のメリットでしょう。
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