皆様は、安否確認という言葉をご存知でしょうか?
ピンとこない方もいらっしゃることと思います。では、高齢者の方の孤独死という事件はご存知でしょうか?
この二つは、深い繋がりがあります。また、高齢者の方の孤独死を防ぐやめにも、安否確認というものは重要なものになります。今回は、この安否確認についてご紹介したいと思います。
Contents
安否確認とは
安否確認とは高齢者の方の状態を確認し、問題がないかどうかをチェックすることを言います。
これは、高齢者の方に焦点を当てた場合の安否確認です。その他にも、例えば災害などが起こってしまった時、友達や家族などの安否確認を行う場合もありますが、高齢者の方の場合の安否確認は少し意味合いが違います。高齢者の方の場合は、非常時以外にも見守る必要があるからです。高齢者の方の一人暮らしの場合、例えば足が不自由な方が転倒していた場合など、救助を求めることが出来ません。若い方であれば自力で対処できる事態でも、高齢になるにつれ難しくなっていくのです。
何かあってからでは遅いのです。また、病院や老人ホームなどの施設でも、夜間帯は必ず見回りをして安否確認を行います。少しの体調や様子の変化でも、高齢者の方の場合は命の危険がある場合があります。
また、夜間は視界が悪くなる為、転倒のリスクが高まります。定期的に安否確認をし見回ることで、こういうリスクを減らすことが出来るのです。
安否確認のポイント
では、実際に安否確認をする際のポイントについてお話ししたいと思います。
① 危険なことはないか確認する
安否確認とは、今現在の状態が安全であれば良いという訳ではありません。今後起こりうるかもしれない危険も予測してチェックする必要があります。例えば、転倒の危険に繋がりそうなものはないか、事故に繋がりそうなものはないかまで確認する必要があります。安否確認は、24時間行えるものではありません。だからこそ、今だけではなく、安否確認後のことも考えなければならないのです。また、もし高齢者の方と会話ができる状態であれば、何か不自由なことや困っていることはないか、してほしいことはないか訊ねてみると良いでしょう。
② 信頼関係を築く
安否確認は、高齢者の方との信頼関係がなければ行えるものではありません。なぜかと言うと、一人暮らしの高齢者の方の場合、それほど親しくない人間を家に入れたいと思わないからです。これは、私たちもそうではないでしょうか?病院や老人ホームなどの施設の場合も同じことです。安否確認を行う際には、その高齢者の方の部屋に入る必要があるからです。そのためにも、日頃からよくコミュニケーションをとる必要があります。また、どういう不安があるのか、どういうことに困っているのか、また持病などがある場合は必ず把握しておく必要があります。
③ 安否確認だけで終わらせない
夜間は別ですが、「無事ですね、ではさようなら」という安否確認はいかがなものかと思います。それでは、高齢者の方がどういう状態なのか把握することができません。もちろん、今無事なのかどうかを確認することも大切なことですが、この機会にたくさんコミュニケーションを取ってください。そうすれば、信頼関係を築くことができますし、介護などが必要になった場合、高齢者の方の抵抗も少なくて済みます。世間話しでも構いません。そういったことの積み重ねが、より良い関係を築いていくきっかけになるのです。
安否確認の流れ
ここでは、安否確認の流れについてご紹介したいと思います。
流れの事例
(一人暮らしの高齢者の場合)
① 訪問
まず、高齢者の方の家に訪問することから始まります。この時、家族であれば鍵を持っている方もいるでしょう。家族の場合出会っても、必ず挨拶をして家の中に入りましょう。
② 状態確認
一番重要なことです。高齢者の方の状態を確認します。熱はないか、体調に変化はないか、心配なことはないか、実際に聞き取りをし、また目視で確認をします。何か異常が見られる場合は、病院への受診を勧めましょう。高齢者の方が、何か異常が見られても自覚がない場合もあります。そういう時こそ、コミュニケーションや信頼関係が必要になります。少しの変化に気がついてあげられるようになる為にも、毎日の状態を知っておく必要があるのです。
③ コミュニケーションをとる
状態確認と重複してしまいますが、何か不安なことなどはないか確認します。また、緊急時の連絡の取り方なども確認すると良いでしょう。また、高齢者の方が服薬している薬などがある場合は、飲み忘れなどがないか確認します。
(病院や施設などの場合)
① 訪問
高齢者の方の部屋を訪問します。夜間の場合は、就寝中のことが多いかと思いますので、高齢者の方の睡眠を邪魔しないようにしましょう。ライトなどを持っている場合は、絶対に高齢者の方の顔に直接当てないように気をつけてください。
② 安否確認
体に異変はないか、表情を確認します。病院の場合は特にですが、急変する高齢者の方も多いのです。呼吸などに乱れはないか注意深くチェックします。施設の場合は部屋にナースコールが取り付けられていることが多いので、緊急時は高齢者の方本人が知らせてくれることも多いですが、もし話せる状態であれば何か困ったことはないかどうかも確認する必要があるでしょう。
安否確認サービス
今は、自分の親戚や家族が遠くにいる場合、また忙しくて安否確認が難しい場合の為に、代わりに安否確認を行ってくれる所もあります。そのやり方は様々です。
① 安否確認アプリ
スマートフォンが普及している現代ならではのサービスです。一定時間スマートフォンにアクセスがなければ知らせてくれたり、注意のメールを送信してくれるサービスです。
② セキュリティ会社によるサービス
有料にはなりますが、緊急センサーの設置や、一定時間人の動く気配がない場合に見回りをしてくれるサービスです。また、心配事などの相談も受け付けています。
③ 電話での安否確認サービス
毎日の電話での安否確認を行います。また、メールの場合もあります。もし電話やメールに返信のない場合に連絡が来るようになっています。
安否確認システムの比較
一人暮らしの高齢者とその家族が少しでも安心して暮らすことができるよう「安否確認システムの設置」は広がりを見せています。その取り組みや種類は様々です。
市町村主体のものや民間企業が取り扱っているものなど、いくつか比較していきましょう。
■自治体が主体となっていて費用がかからないシステム
<h4<①「一人暮らし高齢者安否確認システム」 種子島 西之表市
条件:固定電話があること
費用:無料
【システムの概要】
家の中に取り付けたセンサーが設定した時間内(10時間程度)に1回も反応しないとき(家の中で人の動きが検知されない状態)、予め登録されたご家族の携帯電話などに、自動的に異常を知らせる緊急電話をかけ、音声アナウンスで異常を報せます。また、アナウンスの後、電話をかけ直して、安否の確認をすることができます。
システムの詳細のホームページ
http://www.musen-yobidasi.com/koureisyaanpi/index.htm
②「まちなかミマモルメ」 伊丹市※阪神電気鉄道との連携で進めている事業
条件:ビーコン発信機、スマートフォンに専用アプリ
費用:初期登録料 2,382円(税別)、毎月の利用料 400円(税別)
※但し、条件を満たせば助成金が交付されます
【システムの概要】
子どもや高齢者にコイン型電池で長期間使えるビーコン発信機を持たせ、発信機を持った子どもや高齢者が設置された受信機に近づくと、通過履歴がサーバーに送られます。市民ボランティアが持つスマートフォンも受信機にできるので、幅広い範囲で通過履歴を得ることができます。
システムの詳細のホームページ
http://www.city.itami.lg.jp
■民間企業から導入するシステム
①「見守りホットライン」 象印マホウビン株式会社
条件:専用ポット、インターネット回線
費用:初期費用:5,000円(ポット1台につき)、月額費用:3,000円(ポット1台につき)
【システムの概要】
高齢者側:無線通信機を内蔵した ポットを利用した見守り・安否確認
見守者側:使用状況を、1日2回メール通知
無線通信機(工事不要)を内蔵した「i ポット」をお年寄りが使うと、その情報がインターネットを通じて、最新のポット使用状況が1 日2 回ご家族にメールで送られます。
また、急な外出には「おでかけ」ボタンを押すだけで、外出や帰宅を家族に知らせることができるので安心です。
システムの詳細のホームページ
http://www.mimamori.net/
②見守り情報配信サービス HOME ALSOK
条件:コントローラー×1 / ペンダント型非常押しボタン×1
費用:工事費用:11,000円 、月額費用はお買い上げ、レンタル等で費用は異なります。
【システムの概要】
体調が悪いなと感じたときは、コントローラーのボタンを押すだけでALSOKのガードマンがご自宅へ急行し、預かっている
鍵を使って状況を確認し対処します。健康について気になることがあれば、ボタンを押すだけで、24時間ALSOKヘルスケアセンターとつながります。持病やかかりつけの病院などの情報を、予め登録し救急車による搬送が必要になった場合、救急隊員への引継ぎに役立てます
システムの詳細のホームページ
注意点
① 高齢者の方のことを第一に考える
安否確認は、高齢者の方の異変がないか確認するものです。しかし、目的がそれだけになってはいけません。高齢者の方の意思を尊重することはとても大切なことです。もし、安否確認を断られてしまった場合、無理やりに行うのではなく、どうして嫌なのかをきちんと話し合う必要があるでしょう。
② ルールを守る
もしどこかの会社に安否確認を依頼する場合、その会社のルールは必ず守らなければなりません。例えば、スマートフォンでの安否確認の場合は、家族側も高齢者の方も電源を入れていなければ意味がありません。それぞれの会社に注意事項がありますので、必ず確認するようにしてください。
③ プライバシーに配慮する
安否確認をするからと行って、高齢者の方の全てを監視するようなことは絶対にしてはいけません。信頼関係を失う原因となってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
高齢者の方の不安を取り除く為にも、安否確認は大切なことです。コミュニケーションをとるだけでも構いません。定期的に接する機会を作ることが大切なのではないでしょうか。
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