夕方になると「足がむくんでしまった」という経験をしたことがある人は少なくないと思います。むくみは高齢者にも多く見られる症状です。高齢者の場合、何かしらの病気によって引き起こされていることがあるため注意が必要となります。なぜ、高齢者のむくみに注意が必要なのか。今回は浮腫になったときの対処についてご紹介させていただきます。
浮腫とは
浮腫(ふしゅ)とはむくみの医学的用語であり、一般的には「むくみ」と言われています。顔や手足などの末端が体内の水分により痛みが伴わずに腫れる症状のことを言います。
浮腫の定義
浮腫とは細胞外液の組織間液(組織の間にある水分)が増加することにより、局部あるいは全身が対表面から腫脹して見える状態のことであり、毛細血管からこし出されて再吸収され一部はリンパ液にもなります。これらのいずれに障害があると浮腫となります。
浮腫が起きやすい箇所
一般的には浮腫は顔や手、足に症状が現れます。むくみは「血液が流れにくいところ」に出るのが特徴的であるため、朝は顔や手がむくみ、夜は足がむくみやすくなってしまうのです。また、寝たきりの高齢者などは手足ではなく、背中や仙骨(尾てい骨周辺)にむくみが見られるようになります。
浮腫とは細胞と細胞の間の水が以上に増加した状態を言うため、急に体重が増えたなどの症状も現れます。また、浮腫になると指で浮腫んでいる箇所を触ると触れた場所がへこみしばらく消えません。酷い浮腫になると体重が10kgも増加することもあります。見た目が棒状になってしまうため、「ゾウ足」ともたとえられることがあります。
浮腫の原因と症状
人間の体は心臓から血液を通り全身へと届けられ、最終的には心臓へと戻っていきます。足から心臓へと血液が戻るときには重力に逆らう形で流れなければなりません。足の末端から心臓に戻るときにはふくらはぎがポンプの役割を果たすのです。何らかの理由で上手くいかなくなると、血液が心臓に戻ることが出来なくなり浮腫むようになるのです。
浮腫の原因
浮腫の原因にはいくつもの病気が考えられます。リストアップしましたのでご紹介させていただきます。
1. 心臓病
心不全などにより起こる浮腫
2. 腎臓病
腎炎や腎不全により起こる浮腫
3. 肝臓病
肝硬変により起こる浮腫で、腹水が伴うことが多い
4. 内分泌性浮腫
甲状腺機能低下症により硬い浮腫がある
5. 栄養障害性浮腫
食事が摂れなくなり、血液中のたんぱく質が低下したときに起こる浮腫
6. 薬剤性浮腫
薬の副作用で浮腫が起こることがあります
7. 妊娠
妊娠による体の変化により浮腫が起こる
8. 突発性浮腫
原因不明ではあるが良性の浮腫で中年女性に多い
以上などが原因として挙げられています。
浮腫の原因は人によって異なることがわかるかと思いますが、どの病気にも心当たりがない場合は8番の突発性浮腫が考えられますが、高齢者には1番~6番の何らかの病気で浮腫になっていると考えられます。
浮腫の症状
上記の「むくみの原因」であげさせていただいたのを元に詳しく症状の説明をさせていただきます。
1. 心臓病(心性浮腫)
足を中心とするむくみで夕方強くなります。また、呼吸困難にもなってしまう場合があります。
2. 腎臓病(腎性浮腫)
顔や手足にむくみが出て、尿が出にくくなります。また、血圧の上昇も見られます。
3. 肝臓病(肝性浮腫)
多くは下肢(膝から下)がむくみ、腹痛や黄疸、意識障害が出るようになります。
4. 内分泌性浮腫
目の周りや顔、手足がむくみ、汗をかかなくなるほか、寒がりになります。
また、顔がむくんで赤ら顔や手足が細くなる一方、お腹は太るようになります。
5. 栄養障害性浮腫
全身のむくみの他、腹痛や下痢などが起こります。
また、しびれや動悸も症状として出てくるようになります。
以上などが上げられます。また、その他の症状としても考えられる病気別で現れる症状も変わってくるのです。
浮腫と高齢者
浮腫と高齢者は切り離せないものとなっています。高齢者は様々な病気を抱えています。その病気から浮腫症状が出てくるのです。高齢者の浮腫には注意が必要です。なぜ、高齢者の浮腫に注意が必要なのでしょうか。
高齢者の浮腫は注意が必要
高齢者の浮腫の原因は様々な病気が原因と考えられます。心臓病や腎臓病を抱えている高齢者は数多くいます。内臓の不調により血流が滞ってしまうことにより足の浮腫になってしまうことが多々あります。基本的には浮腫には痛みを伴うことはありませんが、一部の高齢者からは痛みの訴えをすることが稀にあります。足が「ゾウ足」になったり、腹部の張りが見られたりし始めたら浮腫と疑ったもよいと言えます。
寝たきりになる可能性もある?
高齢者に浮腫が出来ると最悪寝たきりになる可能性もあります。浮腫が寝たきりになると想像したことないかもしれませんが、可能性はゼロではありません。なぜ、高齢者の足が浮腫で腫れあがると寝たきりになる可能性が出てくるのでしょうか。それは、「歩かなくなる」からです。
高齢者が浮腫で足が腫れると、人によっては「歩きにくい」と訴えるようになります。元々、若者と比べて足腰が弱っていて普段の運動量が減ってきます。利尿剤を使って排尿量を増やすことによって浮腫が悪化しないようにしますが、運動することが少なく浮腫状態を継続してしまうかもしれません。高齢者にとって歩くことはとても大切な運動になりますが、それをしなくなることにより歩けなくなり最悪寝たきりにまでなってしまう場合があります。
浮腫の対策と予防
浮腫の対策と予防についてご紹介させていただきますが、これは老若男女問わずに出来る対策だと思います。運動するだけではなく、違う角度から対策をすることが出来ます。
浮腫に効果的な栄養素と食べ物
普段、浮腫に悩まされていたとしても運動する時間が取れないのが現状だと思います。また、付き合いでお酒も止められないかもしれません。浮腫に効果がある栄養素とそれを多く含む食べ物があるのをご存知でしょうか。
① カリウム
アボカドやバナナ、ホウレン草など
② クエン酸
グレープフルーツやレモンなど
③ ビタミンE
プルーンやモロヘイヤ、アボカドなど
④ サポニン
キュウリやスイカなど
⑤ ポリフェノール
赤ワインやブルーベリー、カカオなど
⑥ ビタミンB1
豚肉、豆腐、カボチャなど
⑦ ビタミンB6
鶏肉、大豆、鮭など
以上の食材を食べることにが浮腫に効くと言われています。「バランスの摂れた食事を」ということがわかるかと思います。
足の浮腫をとる方法
足が浮腫になってしまった原因のひとつに「足を降ろしている状態が長かった」からと言うのがわかったと思いますが、対策としてはその反対をすればいいのです。
動くことももちろん大切であり、運動したりホルモンバランスを整えたりして浮腫対策をするのも大事ですが、そうもいかないことがあると思います。その時は「足を心臓より高くあげること」が重要となってきます。足を心臓より高い位置にあげることによって、重力で血液が戻りやすくなります。寝ている時、座っている時、それはいつでも出来ると思います。足を上げるだけでも足の怠さからも解き放たれるでしょう。
注意点
ここでは浮腫の注意点について挙げさせていただきます。
浮腫にも危険な病気が隠れているサインがあるかもしれません。高齢化の浮腫には注意が必要であることが分かったと思います。どのように注意をした方が良いのかをご紹介させていただきます。
慢性化させない
むくみと聞いて「また足がむくんだ」と軽視している人も多くいると思います。どんな症状であれ、注意することが大切となってきます。慢性化させないように努力をしていくのも大切です。浮腫が目立つようであれば、早急な医師への相談が必要となります。何科に言ったらよいのか悩むかもしれませんが、まずはかかりつけ医を訪れて、相談することが大切となってきます。
無理をしない
浮腫が目立つようになってきて、無理して運動しすぎたり食生活を気にしすぎたりすると、却ってよくありません。気にしすぎてストレスが溜まってしまうと、次にホルモンバランスが悪化してしまいますので、医師の指示のもとで少しずつやっていくことが大切です。ホルモンバランスが乱れてきてしまうと、次は精神系の病気にも繋がりかねません。程よい状態でバランスの取れた生活を心がけることが良いとされています。
まとめ
今回は浮腫と高齢者の繋がりついてご紹介させていただきました。浮腫は気を付けていてもなってしまいます。30分くらい足を上げるだけでも少し楽になります。高齢者の浮腫には隠された病気がありますので、医師への相談や浮腫を理解することで改善されていく事が多くあります。
何事にも無理は禁物です。程よく行っていくことを推奨いたします。
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