高齢者の肺炎にご注意!対策は?予防は?

厚生労働省の平成28年人口動態統計によると、肺炎は死因の第3位になっています。それは高齢者の死因に肺炎が多いからです。実に肺炎で死亡した人の約92%が高齢者です。では、高齢者の肺炎はどのような症状なのでしょうか。

その原因と早期に発見するにはどうしたらいいのでしょうか。

 

高齢者の肺炎とは

肺炎は細菌やウイルスなどの病原体が肺胞に感染して炎症を起こす病気です。
症状としては風邪をこじらせたように咳がでて発熱します。ただ、高齢者の肺炎で多いのは誤嚥性肺炎が一番多いですが、沈下性肺炎や細菌性肺炎などもリスクも高いです。

誤嚥性肺炎とは

のどにある管として気道と食道があります。
気道は肺に空気を送り込み、食道は胃に食べたものを送り込みます。食べる時は脳からの指令で気道の弁はふさがれ気管や肺に食べ物が入らないようになっています。もし入った時は、咳が出て食べ物を出そうとします。
高齢になると、食物を噛む力や食物を飲み込む力(嚥下機能)が弱り、嚥下障害が起き、唾液や食べ物と一緒に細菌も器官や肺に入ってしまう誤嚥が起こります。また、気道に入った食べ物を出そうとする力も弱くなるため、誤嚥性肺炎になる確率が高くなります。特に脳梗塞や脳血管障害を起こした人は嚥下機能の低下や咳をして物を出す力が低下しているので注意が必要です。また、高齢者の場合、免疫力も低下しているため、肺炎にかかりやすくなります。

沈下性肺炎とは

長期間寝たきりの人は仰向けでいることが多く、分泌液や血液が肺の後ろ下部で鬱滞し、炎症を起こして細菌が繁殖しやすくなり起きる肺炎を沈下性肺炎と言います。また、仰向けで寝ていると、気管に痰や唾液、細菌が入りやすくなり、肺炎を起こす場合があるので注意が必要です。

感染性からくる肺炎とは

インフルエンザや感冒など様々な感染症から、抵抗力が弱い高齢者は感染症にかかるリスクが高いです。抗生物質の発達で細菌性の死亡率は減りましたが、高齢者の場合は冬の感染性の病気がる流行している時は要注意です。

 

 

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高齢者の肺炎の特徴

初期の咳・痰がでない場合もある

高齢者がかかる肺炎は、咳、発熱、痰などが軽微で気づきにくい場合があります。肺炎にかかった時は、はじめは痰や咳が出ますが、高齢者の場合は痰や咳が出ない場合が65歳以下の人に比べて20%も多いというデータがあります。そのため、回りも本人も気が付きにくくなっています。

発熱なく倦怠感、食欲不振、意識障害などが起きる

高齢者の場合は発熱する場合が少なく、特に誤嚥性肺炎の場合、症状が出にくいです。
体がだるい、食欲がない、のどがごろごろして痰が詰まっているような音がする、意識がもうろうとしているなどの症状があったら肺炎になっている場合があります。水分をとりにくくなるため脱水になる場合があります。その上、低酸素血症も重なって意識障害が出てきます。脱水は肺炎になっている人に多く見られる症状です。

糖尿病や心疾患などを患っている場合

糖尿病や心疾患などの場合は、肺炎になりやすい因子を持っているので、肺炎になると急に重症化する可能性があります。

 

高齢者の肺炎の原因と予防

誤嚥性肺炎の原因と予防

誤嚥性肺炎は唾液や食べ物と一緒に細菌も飲み込んで、気管に入り、肺に入って肺炎を起こします。
誤嚥性肺炎の予防には次のようなことに気を付けます。
①食後は口の中に食べ物を残したままにしておくと雑菌が繁殖するので、食後は歯磨きや入れ歯の洗浄、うがいなどの口腔ケアをする
②食後、30分は座位保持で胃液の逆流を防ぐ
③嚥下機能が低下している場合は、食材を細かく切り、とろみをつけて飲み込みやすくする
④舌を動かす運動、歯茎のマッサージ、発声練習などの口のリハビリを行い、嚥下機能を高める
⑤食べる時は少し前にかがんだ姿勢で食べる

沈下性肺炎の原因と予防

長期間仰向けで寝たままの姿勢でいたことが原因で、血液がうっ血し肺炎になったものです。予防には体位交換をすることや車いすへ移動が可能なら、離床する時間を作るなどが必要です。それが、褥瘡予防にもなります。

感染症からくる肺炎の原因と予防

インフルエンザや感冒の流行している時に、病院や大勢人がいる場所にいくと、抵抗力の弱い高齢者は感染して肺炎になるリスクがあります。

予防のポイント

①外出時はマスクをつける
②外出から帰宅した時は手洗い・うがいをする
③少し変わったことがあれば早めに医療機関を受診する

 

 

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高齢者の肺炎での急変

高齢者は、肺炎をおこしていて肺炎特有の症状が出にくく悪化するまで周りが気が付かない場合があります。肺炎と言えば、高熱や痰がらみの咳、肺の雑音などが肺炎症状とされますが、実際には何の症状もなく、定期検査で胸のレントゲンを撮ったら肺炎になっていたという方もいるのです。
高齢者の肺炎での急変をみていきましょう。

■高齢者の肺炎での急変

・高齢者が肺炎で急変する理由

免疫力の低下した高齢者は肺炎が重症化することが多くあります。更に、糖尿病や心臓疾患、呼吸器疾患などの合併症があると、さらに重症化の原因となってしまいます。風邪に似た症状を呈しているので様子を見ている間に急激に悪化してしまう可能性があります。風邪症状が3~4日治まらない、倦怠感が強い、食欲が低下していくなどの症状がみられたら、肺炎を疑って検査しましょう。

・高齢者に多い誤嚥性肺炎

肺炎にはいくつかの種類がありますが、特に高齢者が気を付けたい肺炎は「誤嚥性肺炎」です。食事をする時に、本来なら食道へ送られる食べ物や唾液が、誤って気管に入ってしまうことが原因になります。気管に入った食べ物や唾液に細菌が増殖して肺にまで到達してしまうと、炎症を起こして誤嚥性肺炎を引き起こしてしまいます。食べ物だけでなく、歯周病や入れ歯の手入れ不足などが口腔内の雑菌を繁殖させてしまい、それが原因で誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。本人の状態に合わせた食事の提供と介助、口腔ケアで誤嚥性肺炎を要望しましょう。

・インフルエンザからの二次感染で重症肺炎になりやすい

また、インフルエンザの流行期になると毎年ニュースで耳にするのが高齢者の死亡です。免疫力が低くなっている高齢者は、インフルエンザにかかってしまうと肺炎が重症化しやすい状態と言えます。
予防ワクチンの接種の他、うがい・手洗い・手指消毒・マスクの着用などを心がけて、肺炎の原因菌となる細菌やウィルスが体内に侵入しないようにしましょう。周囲が除菌に勤めた環境作りをすることも重要です。

 

高齢者の肺炎の対策

高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期摂取

65歳以上の高齢者に平成26年10月1日から肺炎球菌ワクチンの定期摂取が義務付けられました。また、60歳~65歳未満の人で心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方対象とされています。
定期摂取で使用される「ニューモバックスNP(23価肺球莢菌膜ポリサッカライドワクチン)」は23種類の血清型に効果があります。肺炎をおこす菌の30%が肺炎球菌からなるので、予防接種をすることによって肺炎を軽減することができます。
高齢者の肺炎の対策は、外出時のマスク着用と外から帰った時は手洗いとうがいをすること、食後の口腔ケアや口のマッサージや発声練習、食後の座位保持や出来るだけ離床することなどの予防をすることは大切です。
また、体の免疫力を高めるためには、日ごろの生活習慣を改める必要があります。規則正しい生活をすることや喫煙をしない事、軽い体操など適度な運動をすること、持病は医療機関で治療して健康維持に努めることなど生活習慣を改めることによって体の免疫力を高められます。

 

沈下性肺炎の看護計画

沈下性肺炎の原因は?

沈下性肺炎では肺からの分泌物の滞留、血液のうっ滞による細菌の増殖が原因として挙げられます。これらが起きる大きな原因として「長時間、長期間臥床している」ことが挙げられます。つまり沈下性肺炎の多くは長期間臥床している「寝たきり状態」が影響していることが多く、その状態をどうやって改善していくかが看護計画のポイントになります。

沈下性肺炎の看護

沈下性肺炎を起こす要因として「ずっと同じ姿勢で寝ている」ということが挙げられます。
自分で動くことができない場合は定期的な体位変換を行います。
呼吸状態や欠ガス検査結果の数値をもとに必要に応じて痰の吸引や酸素吸入の有無を検討します。
投薬と共に体の免疫機能を維持するために、口渇の状態や尿量を確認して水分不足になっていないか、定期的な検温を行い熱発していないかなど体調の変化に気をつけます。

沈下性肺炎の予防

沈下性肺炎を起こす根本的な原因は「寝たきり」つまり「廃用症候群の予防」が沈下性肺炎の予防につながります。
ベッドだけの生活を避けて「臥床と離床」のメリハリがある生活を心がけます。
食事や排泄、入浴など体を起こして姿勢を変える機会を日常から探していきます。
安静が大事な状態であっても過安静は体の機能を低下させて違うリスクが発生します。看護や介護が積極的に関わって寝たきりにさせない生活を支援する計画を立てます。

沈下性肺炎の看護計画での注意点

すでに寝たきり状態になっている人や病気やケガのために体の機能が落ちている人の場合、起居動作時に血圧の急激な変動が起こる場合があり、注意が必要です。
下肢筋力や心配機能が低下していると血圧の維持が難しくなっていることもあります。
高齢者の場合は特にいろいろな持病が原因になっていることもあります。医療スタッフ間で相談、連携し、患者の様態を確認しながら行うことが大切です。

 

高齢者の肺炎の注意

肺炎になると、普通は咳、発熱、痰、胸の痛みなどがあります。
これらの症状がでると、医療機関を受診するのですが、年齢が上がるほど、熱も咳もないけれど体がだるい状態がずっと続く、食欲がないなどの症状が出ていることがあります。
高齢者の肺炎は症状があまりはっきりと出ない場合があるので、気が付いた時には重症になっていることがあります。体がだるい、食欲がないなどの症状が出た場合は身近な医療機関を受診してください。

肺炎の治療は、例え、インフルエンザの予防接種や肺炎球菌ワクチンを接種していたとしても他の病原菌で肺炎が起きることがあります。受診すると、内臓の働きをみて肺炎の重症度を調べます。その後、どの菌にかかっているのかを調べ、抗生物質による治療が始まります。時には入院になることもあります。
細菌では抗生物質に対する耐性菌が出てきているので、原因となる菌を特定することは容易ではありません。まず、大切なのは肺炎にならないように菌を体の中に入れないような予防をすることと免疫力を高めるような対策を行うことです。

それ以外に誤嚥性肺炎にならないようにするためには、飲み込みやすく細かく切って調理法に注意することが大事です。粉になったとろみをつけるものが薬局等に売っているので、食事やお茶に少し振りかけてとろみをつけると飲み込みやすくなります。むせやすいのは、酸味のあるジュースやお茶、味噌汁などです。
わかめやこんにゃく、のり、御餅などは飲み込みにくいので気を付けた方がいい食材です。ラーメンやスパゲッティ、パンなどの弾力の強いものや硬いせんべいなどは食べにくいものです。

 

 

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まとめ

高齢者の肺炎で最も多い肺炎は誤嚥性肺炎です。高齢になると、嚥下機能が低下し食べ物や唾液と共に細菌が肺に入ってしまい、それが肺炎を起こす原因となります。誤嚥性肺炎を防ぐためには口の中を清潔に保つことや飲み込む力を高めること食後の座位保持、離床時間を長くするなどが必要です。

それ以外にも肺炎にならないように予防、対策をすることが大事です。

 

 

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