まだ皆さんは「私はまだ介護の必要はない」等と思われていませんか?
介護が必要な状態になるのはいつかは誰にもわかりません。もし、介護が必要な状態になっても、介護の状態も様々で重度な介護状態にならない為に「予防的介護」として介護保険の認定の中に「要支援」という区分があります。
今回はその中の要支援2という区分を紹介させて頂きます。
Contents
要支援2とは
要支援2という介護保険の認定区分を紹介する前に、殆どの方は次のような疑問を持たれる事だと思います。
それらの疑問にお答えすれば「要支援2」というものは何かということが理解していただけると思います。
要支援2の一般的な疑問
- 認定は「どこで」「どうしらとれるのか」
- 費用はいくらくらいかかるのか。
- 要支援2の認定をとるとどんなメリットがあるのか?
- 要支援2になると介護保険料はいくら払うのか?
- 特別擁護施設等も入所できるのか?
介護保険については殆どの方は40歳から保険料が引かれ、65歳になると介護保険が使える程度の事はご存じかもしれません。しかし、ご自身や家族の方が介護が必要になったときに、どのようにしていいかは大半の方はわかりません。実際介護保険に携わっている専門職の人も改正が多い介護保険については「難しい」と言われるようなものです。ここでは色々な疑問にお答えさせていただき、介護保険と要支援2というもに対してご理解してください。
要支援2の申請から認定まで
介護が必要になり介護サービスをうける為には..介護保険の認定区分の資格を取得する必要があります。その区分は全部で7段階あり、申請者の体の状態によって認定区分の決定が異なり、認定後に受ける様々サービスや利用内容が違って来ます。
[認定区分] 1.要支援1~2 2.要介護1~5 計7区分認定取得迄の流れ
ステップ① | [申請をしましょう」 | *必要書類 ・介護保険認定申請書 ・介護保険被保険者証 ・本人個人番号確認書類 ・本人身元確認書類(個人番号カード、免許証) |
ステップ② | [心身の状況等の調査] | *認定調査 ・市町村から委託を受けた調査員が心身の状況を調査 |
ステップ③ | [主治医に意見書を求めます] | *担当の主治医に作成依頼 担当の主治医がいない場合市町村が紹介してくれます。 市町村に依頼すれば費用はかかりません。 |
ステップ➃ | [専門家が審査] | *介護認定審査会 調査員の報告と意見書に基づいて各分野の専門家による審査 |
ステップ⑤ | [認定結果のお知らせ] | *認定結果の通知 審査会の結果に基づき、本人へ通知。7段階の区分通知 |
ステップ⑥ | [ケアプランの作成] | 地域支援センターでケアプランを作成して介護サービスをうける |
以上のような一連の流れで介護認定は決定します。
その決定区分のひとつに「要支援2」の区分があります。
要支援2ってどんな状態で認定?
要支援1と比べて、IADL(手段的日常生活動作)を行う能力がわずかに低下し、機能の維持や改善のために何らかの支援が必要な状態。日常の生活は大半自立できる
要支援2で受けることができるサービス
認定の申請を行い審査会も無事通過して、「要支援2」の認定が通知されました。次は申請者本人の体の状態に合ったどんなサービスが受ける事が出来るか費用はどのくらいなのか等を紹介します。
要支援2のサービスを受けるには
「要支援2」の利用者が受ける事ができるサービスは「介護予防サービス」といって将来的に介護状態にならないために、予防的に行われるサービスで、利用者本人も要介護者のように、常に介護が必要な状態ではないのでサービスも限定されてきます。
サービスの流れ
基本的には担当のケアマネージャーがいれば、ケアプランの作成、サービス内容、事業所との連絡、契約等全て行ってもらえます。
■[ケアプラン作成費用]
要支援1~2 10割負担:4,781円 利用者負担:0円(全額保険で給付)
■[サービス利用の仕方]
※担当のケアマネージャーがいない場合
(地域包括センターに相談) ⇒ (介護予防担当者による課題分析) ⇒ (ケアプランの作成) ⇒ (サービス事業所との契約) ⇒ (介護予防サービス利用)
要支援2のサービス内容
[訪問介護・訪問型サービス]
◾介護予防型訪問サービス
訪問介護員(ホームヘルパー)が身体介護や生活援助を行います。
◾生活援助サービス
各市町村の研修を修了した従事者が生活援助を行います。
サービス費用(10割) | 利用者負担(1割) | 利用者負担(2割) | |
介護予防型訪問サービス (週1回程度の場合) | 12,988円 | 1,299円 | 2,598円 |
生活援助サービス (週1回程度の場合) | 9,785円 | 979円 | 1,957円 |
※2級地大阪市での参考事例
◾訪問入浴介護
寝たきりの利用者の為に介護職員が移動入浴車で入浴介護を行います。
サービス費用(10割) | 利用者負担(1割) | 利用者負担(2割) | |
訪問入浴介護 (1回あたり) | 9,274円 | 928円 | 1,855円 |
◾訪問看護
床擦れの手当や点滴等を医師の指示に基づき看護師が訪問してお世話します。
サービス費用(10割) | 利用者負担(1割) | 利用者負担(2割) | |
訪問看護 (1回あたり30以上1時間未満) | 9,051円 | 906円 | 1,811円 |
◾訪問リハビリ
退院したあとに自宅でリハビリを続けたい利用者に理学療法士が訪問。
サービス費用(10割) | 利用者負担(1割) | 利用者負担(2割) | |
訪問リハビリ (1回あたり20分間) | 3,285円 | 329円 | 657円 |
[施設利用]
介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などは利用できません。入所条件としては要介護3以上です。
[その他のサービス]
デイケアやショートステイーは受ける事が出来ます。お分かりいただけましたでしょうか、要支援2で受けれるサービスと費用について紹介させていただきましたが、後の項目で説明しますが今後の介護保険の改正で要支援は事業再編になる可能性があり、サービス内容もそれと共に変わってくる事が予想されます。
要支援2のケアプランとは
1ケアプランの作成
ケアプランとは、その対象者の状態に合わせてどのような介護サービスをどの程度の頻度で利用するかを決定する計画のことです。このケアプランに則って、介護保険サービスを利用することができます。
要介護状態の対象者の場合は、居宅介護支援事業者(専門員)または施設の介護支援専門員がこのケアプランを作成しますが、要支援対象者は介護予防サービスの一環として市町村がその主体となる地域包括支援センターに介護予防ケアプランの作成を依頼することができます。
2.介護予防ケアプラン
要支援者が受けることのできる介護予防ケアプランは、原則としてケアマネジメントの基本原則である「自立支援」この視点が特に要求されるものです。特に要支援2の対象の場合は、要介護と要支援の狭間である場合も多く特に注意が必要なケアプランになります。
勿論、原則は自分の事は自分でできるのが一番ですので、致し方ないところではありますが・・・。
3. 介護予防ケアプランの原則
「高齢者が要介護状態になることを出来る限り防ぐ」「要支援・要介護状態になっても悪化をさせないようにする」このために、地域において高齢者自身が自立した日常の生活を送れるように支援するものであります。
4.介護予防ケアプランの基本的考え方
本人の意欲を引き出す目標の設定とこれに則り、本人が今出来ることそして頑張っていることを伸ばしていくこれが基本的な考え方であります。単純に本人の困りごとに支援やサービスを充填するのではないということの認識は必要です。
要介護者のための毎日の生活に必要な介護とは、基本的に異なってまいります。
要支援2とデイサービス
基本的には介護保険法では要支援の方のデイサービス(通所介護)利用回数の上限回数は規定されていません。しかし、各事業所などで大体週2回までと決まっている事が多くなっています。要支援の認定を受ける程度の方であると自立していることが多いのでそこまでサービスの利用が重要視されていないのが、週2回までしか利用出来なくなっている理由になっています。
週2回利用の値段で45000‐50000円になることが多いです。自己負担が原則1割なので4000‐5000円になります。しかし、別途で昼食費やおやつ代金、レクリエーション費などがかかってくる場合が多いです。昼食費になると1回300‐500円程度、おやつ代金だと1回100-200円程度になります。
レクリエーション費は内容によって様々ですが1回1000円は超えない程度に収まることが多いです。
平成29年4月から 要支援1・2の利用者の通所介護(デイサービス)は次の3種類のサービスとなりました
要支援1~2の[通所介護(デイサービス)]
◾介護予防型通所サービス
入浴、食事、レクレーション、機能訓練など3時間以上のデイサービスを行います。
◾ 短時間型通所サービス
入浴、食事、レクレーション、機能訓練など3時間以上のデイサービスを行います。
◾ 選択型通所サービス
短期間で集中的に運動機能向上、口膣機能向上、または栄養改善プログラム
行います。※短時間型通所サービス、選択型通所サービスは1回でも利用されると月額の利用者負担が必要になります。
□[サービス費用] | サービス費用(10割) | 利用者負担(1割) | 利用者負担(2割) | |
---|---|---|---|---|
◾介護予防型通所サービス(週1回程度の場合) | 17,655円 | 1,766円 | 3,531円 | |
◾ 短時間型通所サービス(週1回程度の場合) | 12,349円 | 1,235円 | 2,470円 | |
◾ 選択型通所サービス(プログラム毎) | 4,330円 | 433円 | 866円 |
要支援2と限度額について
要支援2においで受けれる介護サービスやその費用について紹介してきましたが、では毎月どのくらい利用できるか、上限額としていくらのあるかについて紹介します。介護保険においては基本的にはサービスが単位数で表します。単位数は全国 一律ですが、それを換算する単価は各地域によって掛け率が変わってきます。その結果認定区分でも、住む地域によって上限額の総額が変わってきます。
■[利用限度単位数]10,473単位 [利用限度額]104,730円
※1単位数10円で計算東京、大阪等は11円~12円の間で単価は地域で格差があります。
介護サービス地域区分別加算単価
(単位:円) | 1級地 | 2級地 | 3級地 | 4級地 | 5級地 | 6級地 | 7級地 | その他 |
訪問介護~介護や予防など | 11.4 | 11.12 | 11.05 | 10.84 | 10.70 | 10.42 | 10.21 | 10.0 |
(単位:円) | 1級地 | 2級地 | 3級地 | 4級地 | 5級地 | 6級地 | 7級地 | その他 |
通所リハ~施設利用 | 11.1 | 10.88 | 10.83 | 10.66 | 10.55 | 10.33 | 10.17 | 10.0 |
(単位:円) | 1級地 | 2級地 | 3級地 | 4級地 | 5級地 | 6級地 | 7級地 | その他 |
福祉用具貸与 | 全国一律 10.0 |
介護サービス地域区分
◾1級地 東京23区、狛江市、多摩市
◾2級地 神奈川県、横浜市、川崎市、大阪市、千葉市、八/王子市、武蔵野市、府中市、調布市、小金井市
全国を7つの地域に区別されそれぞれの単価が決まります、例えば東京、大阪等は同じ地域でも市によって単価が違って来ます。
介護保険における介護報酬とは
介護報酬とは、介護施設や介護事業者が介護サービスを提供した「報酬」として、国から支払われるお金のことを言います。例えば、介護事業者Aが、利用者のBさんに、訪問入浴介護のサービスを提供したとします。
すると国は、介護保険法で定められた12,340円を介護施設に支払うことになります。ただし、介護報酬の計算は「サービス1回につき●円」という風に定められているわけではなく、前の項目で説明しましたように「単位」というものをを元にして計算します。
例えば、先ほどの「訪問入浴介護」の場合。訪問入浴介護は、一回につき「1234単位」(※2015年時点)が国から支払われると定められており地域で計算すると。
1級地東京23区 1234単位x11.40円=14,068円
2級地大阪市 1234単位x11.12円=13,722円
7級地浜松市 1234単位x10.21円=12,599円
が介護報酬として国から事業所に支払はれます。自己負担はこの金額の1割から2割の負担になります。
このように介護保険では各認定区分により上限額が設定されていますので、その範囲内で利用者にあった適切なサービスを受けるようにしてください。細かなサービスの内容については担当のケアマネージャーに相談されることをお勧めします。
要支援2の注意点
今要支援も含め最も注意すべき点は、今後の介護保険の動向です。前回の介護保険の見直しでは利用者に厳しい改正でした。それが次回の改正以降もますます厳しくなっていくという方針が財務省から示されています。
次回2018年の介護保険の改正ではさらに厳しい改正になる見込みです。その中の一つは要支援の国から地方への移行で、要支援に関しては国の統一した規制から地方自治へ移行されることにより、内容も各地で異なってくるかもしれません。現在国は高齢化が進み社会保障の財源不足が大きな問題となっており、さらに認知症施設やマンパワーの確保といった社会保障の充実のための費用が不足しているのも現実です。
団塊の世代が後期高齢者になり始める2020年代には社会保障関係費はさらに増えていきます。そこで財務省は今から予算を絞り込みの為、介護現場の増加の割合を押さえて行こうとしているので。2015年10月財務省はそのための社会保障改革工程表を発表しました。
工程表の具体的な内容
[検討実施時期]
◾2016年末までに出来る限り早い時期に具体的な内容について結論を出して速やかに実施する.
◾ 2016年度末までの出来る限り早い時期に結論を出して2017年の通常国会に法案提出する。
◾ できるだけ早い時期に具体化の方策を取りまとめる
[介護保険関係の改革及び改性]
◉ 軽度者対象の 福祉用具貸与・住宅改修の価格などの見直し。
◉ 高度介護サービス費の見直し(利用者負担額の引き上げ)
◉ 65歳から74歳までの自己負担を原則2割りに
◉ 要支援1、2要介護1、2について自治体の予算の範囲内で実施する仕組み(地域支援事業)へ移行する
◉ 要介護認定率や一人当たりの介護給付について地域型を分析を実施
◉ 75歳以上の自己負担率は原則2割にする。
◉ 要介護認定や一人当たり介護給付について地域差の分析を実施する。
今回の改革で特に大きな影響を受けそうなのは軽度介護者、訪問介護の生活援助が自費化され、通所介護が介護保険から外され、要支援、要介護1、2の自治体へ移行する案が示されています。財務省の案通りに実施されれば制度改正でサービスが削減されるだけではなく、市町村の指導による削減も増える可能性は大いにあり得ることだと予想されています。
また、市町村にも給付の適正化を求めていく方針が出されています。現在は介護認定率や利用者1人りあたりの給付費については地域によってばらつきがありますが、認定率が低く、給付費も低い地域に合わせる「低減化による適正」を図っていく方向性が強くなり、利用者側は、保険料の増額、自己負担の増額、サービス内容の低減など益々厳しい「国の借金」を負担する事になっていきます。
まとめ
要支援2と介護保険について、色々な疑問を想定しましたが理解できましたでしょうか。いまや介護保険は危機的な状態といっても決して、過言ではないくらいに厳しい状態です。
今後介護サービスが必要となったときに利用者の為の「本当の介護」ができるのかが心配されます。
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