社会問題の「介護離職」をデータから大解剖!!

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最近よく耳にする「介護離職」

それは、企業の従業員が両親の介護や世話を理由として離職に至る社会問題のことです。

総務省によれば、介護離職件数は年間10万人以上に上り、今後も増加していくと見込まれています。

厚生労働省の調査によると、2025年の高齢者数は3,600万人、そのうち約18%の約650万人が介護を必要とするという試算です。

リクルートによる調査で、2025年の就業者が約6,100万人になるだろうことを考え合わせると、従業員の10人に1人以上が、介護をしながら働く、いわゆる“介護離職予備軍”になると考えられます。

では、介護離職はどういう影響を及ぼすのか、何が課題なのかを、仕事を辞めざるを得ない介護者、辞められる会社に分けて見ていきましょう。

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離職者への影響、課題

まず、なぜ「介護離職」に追い込まれるかを考えてみましょう。

もちろん、親が子供に介護してほしくて、施設に預けられたくないという場合もありますが、施設に預けてほしいと望んだ場合も入所は簡単ではありません。

働きながら介護する人は、自身は若くて健康です。そのため、ただでさえ介護施設が不足している状況で、介護を受ける人が一人暮らしの場合や、介護する人も高齢者の“老々介護”の場合に比べて、入所が後回しにされます。では、「介護離職」によってどんな影響があるのでしょうか?

金銭面での影響が一番大きいです。再就職が難しかったり、仮にできたとしても年収が下がったり、正社員になりにくかったりします。

 

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出典:明治安田生命福祉研究所

このグラフによると、「介護転職者」の年収は、男性で4割、女性で5割減っていることがわかります。

 

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出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

 

このグラフによると、「介護離職」した後、正社員として再就職できている人は、全体の半分に止まっています。

 

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出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

 

このグラフによると、介護離職した後再就職までに1年以上かかった人は男性で約40パーセント、女性で半数以上もいることがわかります。

このように、仕事や金銭面で課題を抱えてしまう離職者が多いです。

 

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企業への影響、課題

企業への影響は、計り知れません。

理由は2つあり、

1つ目は全く予期できないことです。前もって準備できないので、代理の人を当てられないなど、仕事を潤滑に回すのに支障が出ます。

2つ目は、介護者(この場合は特に離職者)は、30代〜50代が圧倒的に多いことです(介護者は60~80代が多いので)。30代〜50代というと、会社では、課長や部長、役員など中核ポストで働いている場合が多いので、企業に与える影響はますます大きくなります。新卒採用1人当たりのコスト約150万円、育成コスト約1,500万円(日経新聞調査)、中途採用コスト約350万円(マイナビ調査)というデータもある通り、機会損失は甚大です。

また、企業の課題も2つあります。

1つ目は復帰の見通しが立たないため、休業、副業をサポートしづらいことです。介護は、育休と違い、終わる目処は立たないのです。

2つ目は,介護の専門知識がなく相談窓口など社内支援を構築できないことです。ケアワーカーなどと、企業との関わりは、現状ではほとんどありません。
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資料出所:総務省『就業構造基本調書(平成24年)』から作成

まとめ

介護離職は、企業にとっても、就業者にとっても悪いことしかありませんね。

では、この状況に対して、どういう対策が取られているのか?

それはまた別の記事でご紹介いたします。

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