相続放棄の手続きはどうすればいいの?流れは?依頼できる職種は?

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遺産相続には様々な手続きがあり専門的な知識がないと、何をどうしてよいのか見当がつきませんね。「相続を放棄する」ということを聞いたことはあるでしょうか。
遺産相続の際に借金などの負債が含まれている場合には、相続放棄をすることによって相続を避けることができます。しかし、相続放棄をするとプラスの財産も受け取れなくなりますし、手続きには期限もあるので注意が必要です。
今回は、相続放棄についてみていきましょう。

 

相続放棄の手続きとは

相続放棄の手続きに至るまでのことを先ずは考えていきましょう。
相続放棄すべき事案としては、遺産トラブルにかかわりたくないケースがあります。
複数の相続人がいて遺産分割協議をしないといけない場合、トラブルになる例が多いです。故人が存命の時は家族皆が良好な関係であり、親せき、親族で良い関係で過ごしてきても、遺産が発生することで、「骨肉の争い」と言うような激しい争いを繰り広げて、これまではとは異なった憎しみ合うような関係に至ることも珍しくありません。
そもそも自分の相続分が少ない場合などには、このような遺産トラブルに最初から関わりたくないことが多いでしょう。
相続手続きは非常に面倒なことが多いです。遺産分割協議ができたとしても、銀行で預貯金の払い戻し手続きをしたり、不動産の名義書換をしたりしないといけませんし、そのためには膨大な量の事前に準備すべき書類が発生してしまいますね。
関係する人すべての戸籍謄本類の取り寄せなども必要になります。
相続放棄の手続きをすると、自分ははじめから相続人ではなかったことになるので、遺産分割手続きに参加する必要がなくなりますし、遺産相続に関連する手続きをしなくてよくなるので、余計なストレスと手間が省けます。

 

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄の手続きと全体の流れは以下のようになります。

①相続放棄にかかる費用を準備する

収入印紙(800円)や切手代(裁判所によって金額が異なります)などの実費費用を準備しましょう。

②相続放棄に必要な書類を用意する

必要な書類は以下の3種類です。
・相続放棄申述書(※)(相続放棄の意思表示を記した書類)
・被相続人の住民票除票又は戸籍附票
・申し立てる人の戸籍謄本
※相続放棄申立人である相続人と被相続人との関係によって必要となるので確認しましょう。

③相続放棄の申し立ての準備完了

① 、②の必要な費用・書類が準備できたら家庭裁判所で相続放棄を行います。

④財産調査を行う

相続人となったらまずは相続財産の調査を行いましょう。相続をするかしないかの判断は、相続財産の内訳でプラスとマイナスどちらの方が多いのかがポイントとなります。
被相続人が利用していた金融機関や所有している不動産などの調査を念入りに行いましょう。

⑤家庭裁判所に相続放棄を申し立てる

財産調査の結果、プラスの相続財産より、マイナスの相続財産が多ければ、「被相続人の住民票の届出のある場所を管轄する家庭裁判所」へ相続放棄を申し立てましょう。

⑥相続放棄申立後に照会書が届く

家庭裁判所に相続放棄を申立てると、約10日後に家庭裁判所から相続放棄に関する照会書が送付されます。送付書には回答を記入する点があり、必要事項を記入し家庭裁判所へ再送する必要があります。

⑦相続放棄が許可されれば相続放棄申述受理通知書が届きます

その後約10日間が経過すると、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が送付されます。これにより、相続放棄が正式に認められたことになります。

 

相続 放棄 手続きのポイント

相続放棄の期限は3か月とされています。
これは、基本的に、相続放棄の申し立てを行う期限は相続の開始を知って(被相続人が亡くなった日)から3ヶ月以内になります。
この期限が手続きのポイントになってきますのでまとめていきましょう。

■ポイント1:3ヶ月の期限を過ぎそうな場合

財産調査が困難、難航するなどのやむをえない事情によって3ヶ月以内に相続放棄の判断が難しい場合には、「相続放棄のための申述期間伸長の申請」を家庭裁判所へ行いましょう。3か月の期限を延長すると考えて問題ありませんがこの申請は相続することを知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。
相続放棄のための申述期間伸長の申請」に必要な書類は以下のとおりです。

•申立書
•被相続人の住民票除票又は戸籍附票
•利害関係人からの申立ての場合は利害関係を証する資料(親族の場合、戸籍謄本等)
•伸長を求める相続人の戸籍謄本

■ポイント2:3ヶ月の期限を過ぎてしまった場合

申請期間である3ヶ月を過ぎてから相続放棄を行うことは、基本的には困難です。しかし、事情によっては相続放棄が認められる可能性があるため、弁護士などの専門家に相談しましょう。
ちなみに期限の三ヶ月を過ぎてからマイナスの遺産があるのを初めて知ったときなどは以下のように判例があり特別な事情として加味されていますので参考までに確認しておきましょう。

相続放棄の判例

【判例:裁判年月日 昭和59年 4月27日 事件番号 昭57(オ)82号】
熟慮期間は、原則として、相続人が前記の各事実を知った時から起算すべきものであるが、相続人が、右各事実を知った場合であつても、右各事実を知った時から三か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があつて、相続人において右のように信ずるについて相当な理由があると認められるときには、相続人が前記の各事実を知った時から熟慮期間を起算すべきであるとすることは相当でないものというべきであり、熟慮期間は相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算すべきものと解するのが相当である。
裁判年月日 昭和59年 4月27日
裁判所名 最高裁第二小法廷 裁判区分 判決
事件番号 昭57(オ)82号
事件名 貸金等請求事件
参考:文献番号 1984WLJPCA04270006

 

相続放棄の手続きを依頼出来る職種

相続放棄の手続きの依頼ができる専門家としては、弁護士と司法書士があります。相続放棄における弁護士と司法書士の違いをみていきましょう。

■弁護士と司法書士で異なる点

弁護士と司法書士では、代理権の範囲が異なります。弁護士であれば完全な裁判代理権がありますが、司法書士の場合には、書類作成の代理権しかありません。

このことから、司法書士に相続放棄の申述手続を依頼した場合、書類の作成はしてくれますが、書類にはすべて申述人本人の署名押印が必要になり、申述手続きは本人申立扱いになります。
また、相続放棄照会書や回答書の送付先も申述人宅になりますし、これらの書類についても作成名義人は申述人本人になります。

相続放棄の手続きの一切を専門職にお任せしたいとなると完全な代理権がある弁護士に相続放棄の申述手続きを依頼する方がよいでしょう。
完全な代理権があることで弁護士名で申述をしてくれて、事件は弁護士申立扱いになるからです。すると、相続放棄照会書や回答書などの書類も弁護士事務所に送られてきて、これらの書類作成も弁護士名でできるので、申述人自身が対応する必要はありません。

 

注意点

遺産相続の注意点として、「プラスの資産の遺贈を受けて、借金だけを相続放棄することはできるのか」ということについて触れておきます。
プラスの資産のみを遺贈によって相続しながら、一方で相続放棄によって借金の支払だけを免れることは認められない可能性が高いので、覚えておきましょう。
借金を相続した場合には、承認して引き継ぐか、相続放棄をして免れるのか(ただしプラスの資産もあきらめることになる)、限定承認をして差引のプラス部分だけを相続するのかから選んで手続きをすすめましょう。

まとめ

相続放棄をする場合には、正しい手続き方法により期限内に行う必要があります。
相続放棄とその手続き方法、期限、費用、必要書類について詳しくみてきました。親や配偶者が死亡すると、今回紹介した相続放棄に限らず様々な相続手続きに直面します。
手続き先も登記所(法務局)、税務署、金融機関などさまざまで、提出書類も多くあります。スムーズに手続きが進む点やトラブルを回避する意味でも相続に関する手続きは、弁護士や司法書士、税理士ら専門家を活用するメリットは高いと言えるでしょう。

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