胃婁ってどんなこと?介護をする時の注意は?

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日本は超高齢化社会となっていて、在宅医療の推進から他の国に比べ胃瘻が普及している国と言えます。今後さらに進む高齢化に伴い、認知症や虚弱の高齢者も増加していくと予測さえ胃瘻はますます増えていくことでしょう。
胃瘻によって経口摂取できない患者の生命予後が改善されるという大きなメリットがありますが、様々な観点から胃瘻を造ることが問題視されています。それは寝たきりや重度の認知症にあって、意思表示ができない人たちにとって果たして胃瘻にして長く生きることが本当の幸せと言えるのかという観点からです。
そのような点から、近年ではメディアや雑誌でも取り上げられこともある胃瘻。
胃瘻について詳しく見ていきましょう。

 

胃婁とは

胃瘻とは、病気やけがなどで口から飲んだり食べたりできない人や、口に食べ物が入ると誤嚥(ごえん)を起こしやすく肺炎になりやすい人、または窒息など生命に危険が及ぶ危険がある人などに適用される栄養を投与するために胃に設けた穴のことを言います。
ちなみに胃がすでに切除されているなどで利用できない場合は腸に穴を設けることもあり、この場合は「腸ろう」とよばれます。いずれも直径数mmの穴にチューブ(カテーテル)を通して留置し、ここから栄養剤を注入します。
胃ろうの造設(手術)は、局所麻酔のもとで30分以内程度で済みます。

先に少し触れた胃瘻についての考え方の一つとといて問題提起されている内容の一つを紹介します。
日本では終末期の認知症日本老年医学会が「高齢者の終末期の医療およびケアに関する立場表明2012」を発表しました。その内容の中で、「胃瘻造設を含む経管栄養や、気管切開、人工呼吸器装着などの適応は、慎重に検討されるべきである。すなわち、何らかの治療が、患者本人の尊厳を損なったり苦痛を増大させたりする可能性があるときには、治療の差し控えや治療からの撤退も選択肢として考慮する必要がある。」と述べられています。

 

 

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胃婁の役割と特徴

まずは胃瘻の役割と特徴、取扱について見ていきましょう。

■胃瘻の役割

先天的または後天的な病気や外傷により、脳神経や口腔や咽頭や食道の機能に障害があり、口腔・咽頭・食道を経由して食物や水分や医薬品などの経口摂取が不可能または困難な嚥下障害がある場合、胃に穴を設けて人工栄養や水分や医薬品を投与します。
必要な栄養や水分や医薬品を胃瘻から注入することで患者の生命を維持しQOLを向上させる役割をもちます。胃瘻のよってご嚥性肺炎や栄養不良、窒息を未然に防止できます。

■胃瘻の特徴

・短時間で、胃瘻用カテーテルの挿入術が行える。患者への負担が少なく、比較的安全に行える
・合併症が少ない
・挿入後の経過は、良好であることが多い
[カテーテルの種類] 胃瘻のカテーテルは、体外固定板、胃内固定板で構成されています。
体外固定板には「ボタン型」と「チューブ型」があります。
胃内固定板には「バンパー型」と「バルーン型」があります。
体外固定板と胃内固定板の組み合わせによって「ボタン型バルーン」「ボタン型バンパー」「チューブ型バルーン」「チューブ型バンパー」の4通りがあります。
患者の状態や家庭環境など、個人によって最適な組み合わせを選んで使用します。

■胃瘻の取扱(手順)

・栄養注入前

注入口のふたを開けて、胃内の空気を脱した後、栄養剤を注入します

・栄養剤注入時

注入時には、吐き気や腹痛、腹部膨満感などを起こしやすいので、注入量や注入速度、腹部の症状を確認しながら注入します。

・栄養注入後

微温湯を注入し、チューブ内に栄養剤が残存することによる閉塞、栄養剤の腐敗を防ぎます。
注入に使用したチューブはその都度流水で洗い、10倍希釈した酢酸水や0.01%の次亜塩素酸ナトリウムに1時間つけてよく乾燥させ清潔を保ちましょう。

 

胃婁の人の介護の注意点

胃瘻の人の介護で必要な注意点は胃瘻の管理ということになると思います。胃瘻の管理についてみていきましょう。

■胃瘻の管理のポイント

ポイント1:胃瘻、胃瘻周囲の観察を行う

胃瘻周囲の皮膚は、異物である胃瘻チューブが当たったり、栄養剤や胃液の漏れた液などにより皮膚トラブルを起こしやすくなっています。皮膚を観察し、発赤や腫脹の有無を確認しましょう。

ポイント2:バルーンの管理

胃瘻とチューブは、チューブに付属している風船(バルーン)を水で膨らませることによって固定されています。しかし、日が経つにつれてその水が少なくなってくる可能性があります。1~2週間に1度は、固定水の量を確認し、減っているようであれば適宜追加しましょう。固定水の量は製品によって違うため、医師や看護師の指示を仰ぐようにします。

ポイント3:胃瘻チューブの交換

胃瘻のチューブは、定期的に交換が必要です。前回交換してからの日数、次回交換までの経過、皮膚症状などの有無などを考慮し、交換の計画を立てます。

ポイント4:胃瘻抜去に注意

胃瘻は、チューブが一度抜けてしまうと、徐々に閉塞してしまいます。そのため、万が一胃瘻が抜けてしまった場合はすぐに元の穴に押し戻したうえで、病院に連絡して指示を受けるようにしましょう。認知症の人が自分でチューブを抜いてしまうなどのトラブルが起きることもあります。

 

胃婁で使う器具の種類

胃瘻に用いる器具の種類を見ていきましょう。
胃瘻への栄養剤注入で必要な器具等は以下の物になります。
・栄養剤(医師に指示されたもの。缶やパックのタイプがあります。バックタイプもあります。)
・注入容器(缶、パックタイプの物の中身を移し替える※バックタイプはそのまま直接セットできます。)
・カテーテルチップ(注射器のようなもの チューブに薬を注入するため)
・カテーテル(チューブ・管、栄養剤が通る管のこと)
・懸濁ボトル(チューブに薬を注入するため)
・シリンジ(栄養剤や薬がチューブ内に残らないように水、微温湯をチューブの中に流し込むための道具)

 

胃婁のメリット、デメリット

最後に胃瘻のメリットとデメリットについてみていきましょう。

■メリット

メリット1:本人、介護者の負担面
胃瘻のメリットは、鼻からチューブを入れる経鼻経管で栄養補給するよりも利用者の痛みや体への負担が少ない点です。また、介護者にとっても食事介助にかかる時間や手間が少なくなるため、負担が軽くなります。

メリット2:生命に関わるリスクの軽減

嚥下障害による誤嚥性肺炎や窒息のリスクを軽減できます。高齢者にとって肺炎は命にかかわる病気であるため、これは胃瘻の大きなメリットといえるでしょう。

■デメリット

デメリット1:皮膚のトラブル

胃瘻の周辺の皮膚がただれたり、まれに注入した栄養剤の逆流を起こしたりすることがあります。免疫が低下している時などは特に注意が必要です。

デメリット2:手間と費用

胃瘻の取り扱いについて本人ができない場合、家族や介護スタッフによる取扱・管理が必要です。また、胃瘻専用の栄養剤の処方、カテーテルの交換など、費用がかかる点もデメリットとして挙げられるでしょう。

デメリット3:カテーテルが抜ける、自己抜去のトラブルなど

認知症の人などは、自分でカテーテルを抜いてしまうことがあるため、注意が必要です。
一度カテーテルを抜くと、たった一晩で穴がふさがってしまうこともあり、その場合は再手術をすることになります。

 

 

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まとめ

近年、胃瘻を延命治療のために使用することに疑問を唱える風潮にありますが胃瘻は、口から栄養を摂取できない高齢者にとって、安心して栄養補給できる方法の一つであります。
本人の意思、意向や状況から総合的に判断しメリットとデメリットをよく把握した上で、胃瘻が本人・家族の望む暮らしの一助となるのであればそのニーズに応え得る効果的な方法として今後も需要はあると思われます。

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