弄便の対処法を教えて!原因と予防は?

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認知症が進行すると介護するうえで介護者が困るような症状がいくつか見られてくることがあります。それらの症状は日常的かつ繰り返し表れることが多いので、介護者はひどく追い詰められた気持ちになってしまいます。このままの状態がずっと続くのではないかと考えてしまうかしれません。
しかし、介護者を困らせるいくつかの症状には原因があり、対策もあります。相談できる専門機関もあります。また、症状は介助者や周囲の人の適切な対応でおさまっていくことが期待できます。
認知症の症状のひとつである「弄便」についてみていきましょう。

 

弄便とは

「弄便(ろうべん)」とは大便をいじったり、自分の体や寝具・壁などに擦りつける行為を言います。
弄便は繰り返される場合が多く、家族などの介護者が後始末に追われることもあるでしょう。弄便は介護者のショックが大きく精神的に追い込まれる場合があります。原因や適切な対応、予防策について知ることが大切です。

認知症の症状は大きく「中核症状」と「周辺症状」(BPSD)に分けられます。
※中核症状
一般的に「認知症の方なら誰でも現れる症状」のことです。「記憶障害」「見当識障害」「失認・失行・失語」「実行機能障害・判断力障害があります。認知症の原因となる疾患によって脳細胞が委縮したり変性するために起こると見られています。
※周辺症状
周辺症状(BPSD)は、中核症状が元となり、行動や心理症状に現れるものです。本人の性格や環境や心理状態によって出現するため、人それぞれ個人差があります。
認知症が進行しても、現実生活に適応しようとしたときに生じるとされています。具体的には「徘徊」「抑うつ」「失禁・弄便」「幻覚」「妄想」「睡眠障害」「暴言・暴力
などです。

「弄便」は認知症の周辺症状のひとつで、その行動の奥底には現実生活に適応しようとする心理が働いているようです。

 

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弄便の症状と原因と対策

では、弄便について詳しく見ていきましょう。

■弄便の症状

先に述べたように弄便(ろうべん)」とは大便をいじったり、自分の体や寝具・壁などに擦りつける行為を言います。
大切に何かに包んで引き出しなどの中にしまい込んでしまう場合もあります。

■弄便の原因

弄便の原因はいくつか考えられます。その原因と対策をみていきましょう。

原因1:おむつの中の不快感を解消したい

おむつ内に排便をした後に、不快感からおむつ内の便を触ることがあります。そうすると、便を触った手が汚れてしまうのでなんとか汚れをとろうとして、着ている服や寝具、壁などに擦り付けてふき取ろうとしてしまいます。
対策:おむつ内の排泄物に対して不快な感情があるのでその感情を抱かないように、若しくは解消する必要があります。
排泄の間隔やタイミングを知り、適時トイレ誘導をするなどしましょう。おむつ内に排便した場合は速やかに取り替えることが重要です。

原因2:便を認識できない・誤って認識している

弄便では便を大切に包んだり、しまったりすることもあります。便が何であるか認識できないために、大事なものと便を誤って認識してしまうことがあると考えられます。

対策:介護者は、便が大切に包まれていたり、しまってあるのを発見するととても驚き、大きな声を出したり慌てた様子をみせ、思わず責めてしまうかもしれません。
しかし、一旦落ちついた気持ちになり、何と誤認しているのかを聞いてみましょう。そこから解決策を民出すことができるかもしれません。介助者が取り乱すと、認知症の人は「怖い」「怒られた」という嫌な感覚は残り、症状が悪化してしまうかもしれません。

原因3:羞恥心の表れから

認知症の人の中には便や、便のついた下着をタンスや戸棚に隠してしまうことがあります。「汚してしまった」という羞恥心から隠してしまうことが考えられます
恥かしい思いがあるけれど、自分でどう処理して良いのかがわからないのでしまい込んでしまうのかもしれません。
対策:適時のトイレ誘導で汚染を回避することや、または汚染された物を見つけたときは声をかける場合は自尊心を傷つけないようにすることが大切です。

 

弄便の予防

ここまで、弄便に対してその症状や原因、起きてしまった時の対策についてみてきましたが、予防に関してはどのような方法が考えられるかをみていきましょう。

■弄便の予防

失禁、汚染を回避する方法

定期的に排便があり、おおよその時間もわかるようであれば、便が出る前にトイレで排泄できるように誘導するのが効果的です。
また、排便の習慣やペースを把握することの他に、トイレに行きたくなった時のサインに気が付くことが大切です。ソワソワと動き出したり、立ち上がるなどの様子の変化を見逃さないようにしましょう。
また、歩けなくなっても手が動くのであれば弄便がある場合もあります。ポータブルトイレに移乗できれば、ポータブルトイレを利用しましょう。移乗ができなくておむつを利用している場合も、汚れに早く気が付き速やかに取り換えるようにしましょう。

環境の工夫をする方法

壁に便を擦り付けられる場合は、擦り付けられやすい場所にビニールで作られた保護シートをなどを貼っておくと、汚れた時に掃除が楽になります。介護者の精神的な負担が大きいので使い捨てのシートでも良いでしょう。
床への擦り付けでは畳の目やフローリングの目地に便が入ってしまい取れないこともあるので防水のカーペットや、パーツを組み合わせるタイプのカーペットを使用し、汚染したパーツのみを取り換える方法も良いでしょう。
後始末がしやすくなると、介護者の精神的な負担が少し和らぎ、弄便してしまった相手を責める気持ちも和らぐでしょう。介護者が本人に対して適切な対処ができる心の余裕があるかによって、弄便行為がおさまっていく可能性も変わってきます。

 

注意点

弄便行為の注意点は、弄便によるストレスで介護者が倒れて心身ともにダウンしてしまうことです。
介助者は家族が弄便するということを恥ずかしくて人には言えないという気持ちから、家族だけで抱え込んでしまうかもしれません。その結果、介護負担がますます大きくなっていってしまいます。認知症の症状も進行してしまうかもしれません。
弄便行為をはじめとした認知症の周辺症状があって困っている人は医療機関やケアマネージャーに相談してみましょう。
デイサービスやショートステイなどの介護サービスを利用することも効果的です。介護の環境が整っている上に、介護の専門職が適切に対応してくれるので本人にとっても安心感を抱くことができる場になるかもしれません。
弄便行為は認知症の周辺症状です。周辺症状がおさまれば認知症があっても介護者の負担は相当軽くなります。

 

 

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まとめ

認知症の周辺症状は介護をしていくうえで介護者をひどく悩ませる言動を伴う場合があります。
介助者は、相手が認知症であることを頭でわかっていても弄便のような行動を目の当たりにしてしまうと「なぜ、こんなことをするのだ」、「わざと困らせようとしてやっているのではないか」という気持ちに襲われることもあるでしょう。介護疲れから介助者が鬱になってしまったり、知らない間に虐待をしてしまうという危険もあります。

認知症の周辺症状は専門的な機関に相談する、医療受診をする、症状の理解と適切な対応ができることで改善できます。
一人で抱え込むことをせず、介護される側と介助者が共倒れにならない方法を実践していくことが大切です。

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