抑うつが出てしまった高齢者、どう対応すればいい?

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高齢になると、体が動かなくなる不安、先行きの不安、回りの人の死などで気が付かないうちに抑うつ症状になることがあります。いつも身体がだるい、何かすることが億劫だ、気分が憂鬱な気持ち、少しのことで泣くなどの症状が見られたら、それは抑うつ症状かもしれません。

 

抑うつとは

気分がいい時は体や頭もよく動きます。しかし、抑うつになると気分がふさぎ、何もしたくなくなります。「抑うつ」という言葉は、「うつ」と同じような意味になります。抑うつ症状は一般に言う「うつ症状」と同じです。「うつ」に対して、うつが改善することを「抗うつ」といいます。抗うつ薬は、「うつ」を改善するための薬です。
なぜ抑うつという言葉が使われているかというと、うつの中には躁うつ病があります。躁うつと分けるために、抑うつという言葉が使われるようになりました。抑うつ気分が続くと、精神状態や行動にも影響が出てきて、抑うつ状態になり長期化します。
抑うつ気分の場合は、身近な人の死や病気、ストレスや天候などの様々なことにより、気分がふさいで抑うつ気分になることは誰しもあることです。いずれ、立ち直り、気分が変わります。ただ、2週間以上続く場合、抑うつ状態が疑われます。抑うつには脳疾患等が隠れている可能性もあります。
厚生省の調査によると、高齢者のうつ病や双極性障害などの気分障害になる割合は、女性の方が弾性の2倍以上で高い確率で現れています。

 

 

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抑うつの症状

抑うつの症状になると、次のような症状が出ます。

精神的なものの抑うつ症状

●抑うつ気分

朝が特に憂鬱になることが多く、気分の落ち込みが強く見られます。

●自信がなくなり、自分を否定する

自分を責めて、将来の希望もない状態

●何に対しても意欲がなくなる

何もしたくなくなる、人と話したくない、大好きな趣味もしたくない、テレビも見る気がしな
いなど、何に対しても意欲がなくなる

●不安になり、落ち着かない

先行きの不安や焦りなどで、うつになると集中力がなくなり落ち着きがなくなる、健康を過度に心配し、元気でも不安になる

●死を考えるようになる

自殺やお迎えを考えるようになる

身体へ現れる症状

●体がだるく動かない

少しのことで疲れてすぐに横になる、身体がだるくしんどいとしきりに言うようになる、身体がしびれる、物忘れが増えた

●食欲がなくなる、逆に食べてばかりいる

なにを食べてもおいしいと感じなくなる、食べることも面倒で体重が減ってくる、逆に食べて
ばかりいて体重が増えてくる

●睡眠障害

なかなか寝付けない、寝ているけれど寝たという感覚がない、朝早く目が覚める、夜に何度も
目が覚める、1日中寝ている

●頭痛、関節痛、腰痛、胃部不快感などの不定愁訴、便秘、めまい、胸が苦しいなどの神経症状

 

 

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抑うつの原因

ストレスや不安

高齢になり身体が思うように動かなくなる、骨折で入院するとか、同じくらいの年齢の人がなくなっていく、家族と一緒でも孤独感がある、先行きの不安を考える、息子や娘に負担をかけているという気持ちなどが原因になっていることがあります。

疾患が原因

●パーキンソン病、アルツハイマー病、脳血管障害、頭部外傷などの中枢疾患が原因
●甲状腺機能障害、糖尿病などの内分泌疾患が原因
●インフルエンザ、ウイルス性肝炎、肺炎、AIDSなどの感染症が原因
●認知機能の低下
●抗がん剤、鎮痛薬、抗パーキンソン薬、抗精神病薬などの薬が影響

環境による変化

施設に入居したり、家族に引き取られたり、配偶者の死など、急な環境の変化により抑うつを発症することが在ります。周囲の人と楽しく過ごしてきた人には、特に不安感が強いかもしれません。

抑うつになりやすい性格

几帳面な人や正義感が強い人、仕事熱心な人、頑固な人や完璧に出来ないと気が済まない性格などが抑うつを引き起こしやすくなります。

 

抑うつの予防と対策

抑うつにならないように予防したいですね。抑うつ状態が続くと本人だけでなく、回りもしんどくなります。うつになる人はセロトニンの分泌が少ない傾向にあります。抑うつの予防にできることを日ごろからしていきましょう。

朝起きたら、太陽の光を浴びる

朝日は体にいいのはセロトニンの分泌を促すからです。日本で日照時間が一番少ない秋田県はうつの人が多いと言われています。朝、起きたらカーテンを開けて、太陽の光をいっぱい浴びます。
神経伝達物質のセロトニンは、脳の覚醒を促し、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を退け、精神状態が安定し、脳が覚醒して幸せな気分になるセロトニンの分泌を促します。秋から冬にかけて、抑うつの人が増えるのは日照時間が少ないためと言われています。

散歩をする

家の周りを散歩するだけでも太陽を浴びるのでセロトニンの分泌を促します。衰えていく筋肉を保つためにも適度な運動が必要です。

セロトニンの分泌を促す食べ物を積極的に食べる

セロトニンの生成に必要な栄養素がトリプトファンです。トリプトファンを含む食べ物であるチーズ、ヨーグルトなどの乳製品や豆腐、納豆、味噌などの大豆食品、カツオやマグロなど背の青い魚、バナナ、卵、アーモンド・ピーナッツなどのナッツ類などを毎日食べることによってセロトニンが生成されます。

親しい近所の人や友人と話をする

抑うつになってしまうと、人と話せず、ますます家に閉じこもりがちになります。そのため、普段から親しい人と一緒に話をすることは抑うつになりにくくします。

専門家の治療をうける

抑うつ状態の人には社会的な支援サービスをうけるとホッとする場合があります。高齢者の場合は、実質的な支援だけでなく精神的な支援が必要になってきます。頻繁に声をかけてあげると支えられているとわかってきます。
抑うつになると、回りが思っている以上に不信感を持ち、将来に対してかなり悲観的になっています。専門家の治療をうけながら、ゆっくりと休養させてあげましょう。専門家の治療には、薬物療法や精神療法があり、環境調整や社会的な支援をしていくことで抑うつ症状が改善しています。

●薬物療法

うつ病の人に対して用いられている抗うつ薬は、セロトニンやノンアドレナリンの量を増やし、抑うつを改善する薬です。主に、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン、ノルアドレナリン取り込み阻害薬)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的作動性抗うつ薬)などです。
薬の効果は徐々に効いてきて改善されていきます。最初の2週間ぐらいは、イライラや怒りっぽいなどの副作用が現れることがあります。

●精神療法

精神療法には認知行動療法と対人間関係療法があります。認知行動療法とは、行動するときや何かあった時に思い浮かんだ考えをバランスの良い考えに修正することです。対人間関係療法は、家族や近所の人などより身近な人との関係をもとに自尊心を回復していく療法です。

 

注意点

抑うつになっている人に対して、頑張れと励ますことや心配しすぎること、イライラして怒るなどは避けなくてはなりません。本人の言葉に否定するのではなくて、「それは辛いね」とか「今は休む時だね」と言ってゆっくりさせてあげましょう。
「死にたい」と言ったときには、肯定しても否定してもよくないので、「死にたいと思っているの」とオウム返しにして話を聞きます。そこまで考えるようになると、かなり進行している可能性もあるので、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。

 

 

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まとめ

抑うつ状態になることは高齢の女性に多い症状です。抑うつ症状が現れた場合は早めの受診を行い、社会的な支援を受けることで、良い方向に改善されるので、本人が安定してきます。

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