認知症のBPSDって何?種類は?注意点は?

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長寿高齢化の進む現代、認知症を患う人の数も増えています。認知症の介護で介護者を悩ませる言動がいくつかあります。代表的な行動としては「徘徊」や「物盗られ妄想」などですね。これらが認知症の症状として現れていることを理解し、介護する側の注意点を押さえるようにしましょう。

 

認知症のBPSDとは

認知症の症状は大きく2つに分けられます。
認知症は、脳の病的な変化や脳の障害により脳の細胞が壊れます。その脳の細胞が担っていた役割が失われることで起こる症状を「中核症状」と言います。中核症状とは一般的に「認知症の方なら誰でも現れる症状」のことです。 主に記憶障害や見当識障害(年月日や時間、季節、場所、人物などが分からなくなる)、理解・判断力の障害、失語、失認(身体的には問題がなくとも状況を正しく把握することができない)、失行(今までの生活で身につけていた動作が行えない状態)。

一方、中核症状によって引き起こされる二次的な症状を「行動・心理症状」や「周辺症状」=bpsdと言います。
※BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)
周辺症状(BPSD)は、中核症状が元となり、行動や心理症状に現れるものです。本人の性格や環境や心理状態によって出現するため、個人差があります。
bpsdは周囲が適切に対応できると改善する場合もあります。

 

 

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認知症のBPSDの種類

bpsdについていくつかの種類をあげていきましょう。

■不安・抑うつ

認知症の人は中核症状が原因で起きた失敗を自覚した際に不安や、抑うつ状態が起こることがあります。
物忘れを自覚したことで、不安や焦りを感じ落ち込んだり、隠したいなどの感情が高まります。そのような場合に周囲の対応が不適切だと、さらに興奮状態になるなどの場合もあり、悪循環に陥ります。 「認知症」と「うつ」は混同されやすい症状であると共に、認知症となった後にうつを併発することもあります。

■徘徊

自分のいる場所や時間の見当識が障害を受け、これまでの生活習慣や性格等が影響して「徘徊」という形で元の場所に戻って来られなくなる症状を指します。
本人が求める目的や終点に一人で辿り着く事が難しく、介護者が傍に居なければ迷い、歩き続けてしまいます。その結果、脱水や転倒、交通事故、行方不明となる等で最悪の場合死亡することもあります。
徘徊には必ず「目的」や「理由」があるとされます。なぜその場所に行こうとするのかを本人に聴き、否定することなく受容することが大切です。

■せん妄

認知症を発症した後のせん妄の発生要因として、体調不良(体の痛みや疲れや、便秘等)より起こる事が考えられます。発生すると錯乱・混乱状態となりますが、発生要因に対して適切な治療や対応を行う事で精神状態をせん妄発生以前の状態に回復させることは可能です。 予防には日々の体調管理が不可欠です。

■幻覚と錯覚、妄想

幻覚とは、知覚の障害のことで、幻視、幻聴、幻触、幻味、幻嗅などがあります。認知症の場合、幻視がみられやすいと言われています。
錯覚とは、本来あるものを異なったものと見間違える場合を言います。夜間、暗闇の中で見間違えて驚いてしまう場合もあります。
妄想とは、誤った思い込みのことで訂正が聞かない状態を言います。妄想の中で、起こりやすいのは物盗られ妄想です。

■物盗られ妄想

認知症が進行すると、「お金・通帳・貴重品」をいつ、どこに、何をしまい込んだかを忘れてしまいます。失くしたと騒ぎ、タンスや引出しの中を1日中とめどなく探し回ってしまいます。それでも見つからず被害的な気持ちが出てくると、そのうち誰かが盗んだのではないかと思い込んでしまい、家族や介護者に疑いの目を向けるようになります。これが「物盗られ妄想」となります。

■不眠・睡眠障害・昼夜逆転

高齢者は一般的に眠りが浅くなります。更に認知症になると、睡眠や覚醒、体内時計の調節に関わる神経伝達物質の量が変化するので睡眠障害となる危険性が高いと言われています。そのため、日中に傾眠傾向となり、昼夜逆転が起きやすくなります。
昼夜逆転になると介護者にとっては夜中に介護量が増えるために大きな負担となります。夜中に大声で叫んだり夜中なのに仕事に行くなどの理由で外に出ようとしてしまいます。

■帰宅願望

「家に帰りたい」と思う理由は、置かれた環境や本人の状態によって個々に異なります。例えば昔の記憶から「自分の家=実家」で、今家族や住んでいる家は自分の家じゃないと思い込んでいるかもしれません。女性の場合では「家事があるから」と、外に出て自宅にいるのに「家に帰らなくてはならない」と落ち着きがなくなってしまう方もいます。
このような症状が1日の中で特に夕方にかけて起こり易くなる事から「夕暮れ症候群」と呼ばれる事もあります。

■異食

認知症になると見当識が障害され、食べ物が目の前になっても食べられるかどうかが分からなくなる状態になる事があります。異食とは食べられない物を口にしたり、実際食べてしまう事を言います。
そのため、食べられない者や飲んではいけないものを飲んでしまうことがあります。
認知症の方の行動にも「理由」があります。帰宅したいという気持ちを受け止め、本人の立場に立った対応を心がけましょう。

■弄便(ろうべん)

大便を手で触れたり掴んだりして、自分の体や寝具・壁など至る所に擦りつける行為を「弄便」と言います。
弄便の原因としてはオムツ内に失禁したとしても認知症の進行により介護者に伝えることが出来ず、自ら何とかしようとおむつを外す、手をいれて掻き出そうとしたなどの結果が弄便に繋がると考えられます。

■失禁

認知症の方の失禁の理由はいくつかが考えられます。
一つは、トイレの場所が分からなくなることです。 トイレに行きたくても場所が分からなくなり、探しているうちに失禁してしまうということがあります。
二つ目はトイレの感覚が分からなくなることです。認知症になると尿意を感じる機能が低下し、トイレに行くための行動が遅れ失禁するようになります。

■食べない

レビー小体型認知症の方は、パーキンソン症状による摂食障害や嚥下障害がみられることがあります。パーキンソン病患者の死因は肺炎が最も多く、その肺炎の原因は「誤嚥性肺炎」による部分が多いと言われています。誤嚥や摂食障害があると食事をしようとする意欲が低下し、食事を食べなくなる事があるのです。
但し、「食べない」に関しては認知症であるからということだけにとらわれず他に病気があるということも意識することが大切です。認知症だから仕方ないと考えてしまうと他の病気の早期発見ができなくなってしまうからです。

また、他の病気によるものも考慮しなければなりません。認知症では本人から痛みや不調の訴えが出てこないことも多く、検査をして初めて事が重大だったと気付く事も多々あります(高齢者の場合、我慢して苦痛を口にしない事もあります)

 

 

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認知症のBPSDの注意点

bpsd(周辺症状)があらわれる根底には、不安や焦りの思いがあります。
「何とかしなくてはならない」「どうしていいかわからない」という気持ちがあるのですが、適切な行動に移せないために気持ちを整理することができないのです。
そのため、自分を守るために、何とか対処しようとした結果がbpsdとして現れるのだと考えられます。
常に高齢者に対しては尊厳を持った態度で接し、その発言に対してはまず肯定をして受容します。
高齢者は自分が受け入れられないと思うと、より強く自分の主張をして逆効果を招きます。高齢者が何を望んでいるかを考え、やさしく対応しましょう。
bpsdへの対応、注意点をまとめてみました。

■環境

認知症の高齢者は環境の変化を受け入れることが難しいです。環境の変化など変化があると混乱を招く可能性があるので、今までの生活を継続出来るような接し方や配慮が必要です。

■話し方・接し方

話しかける時は同じ質問を何度もされた場合も根気よく対応しましょう。話の内容のつじつまが合わなくても否定せずに受容して高齢者に安心感を与えましょう。例えば、実際の年齢が90歳であっても本人が50代の頃に戻っているような話の内容であってもその話を続けて頂き、一緒に共感します。

■言葉以外のコミュニケーション

認知症の高齢者と言葉での意思交流ができなくなってもジェスチャーやスキンシップ等でも意思の伝達は可能です。
微笑む、指をさす、やさしく体に触れる等で高齢者に安心感をもってもらうことができます。意思交流ができることはbpsdの症状を和らげることにも繋がります。

 

 

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まとめ

最後に、認知症の介護における介護疲れで介護者にストレスが溜まってしまうとbpsdに対しての適切な介護ができなくなってしまうかもしれません。介護は1人で悩まずに地域の介護者の仲間を作り情報交換や相談しあうなどの交流から精神的な疲労の解消ができるかもしれません。
今、地域では認知症カフェも広がりを見せています。
介護保険制度、認知症カフェのような社会資源も大いに活用していきましょう。

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