認知症の定義について教えて!これからはどうなるの?

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認知症には、様々な症状や病気があり、その病気によって認知症の出方も変わってきます。
今日の認知症の定義とし広く使われているものが、世界保健機構によるICD-10やアメリカ精神学会によるDSM-3-RやDSM-IV-TRがあります。この記事では、認知症の定義に焦点をあてて解説していきます。

 

認知症の定義とは

認知症とは、脳が十分に発達してから、その後、様々な原因により、何かの原因で精神機能が慢性的に減退することです。世界保健機構のICD-10には、認知症の定義として「通常、あるいは慢性の脳疾患によって生じ、記憶・思考・見当識・理解・計算・学習・言語・判断等、多数の高次脳機能障害からなる症候群」としています。

認知症の定義は、以前は後天的に知能に障害が起きることや脳の病変により、元に戻らないものとされていました。しかし、近年、認知症の治療が進んできたために今までのような狭い意味での認知症の定義は当てはまらなくなってきました。最近では広義の意味で考える定義となってきています。

加齢とともに認知症になるリスクが増えてきます。65~69歳の人の認知症率は6,5%に対し、85歳以上だと27%にも達しています。2015年の65歳以上の認知症の人は250万人ほどで8%~10%にも達しいます。今後、高齢者が増えるに従い、認知症の人も増えてくると予想され、2020年には325万人に達すると言われています。

認知症の種類

①アルツハイマー病
日本で一番多い認知症がアルツハイマー型認知症で、認知症全体の63%にあたります。アルツハイマー型認知症は、アミロイドβというたんぱく質が脳に蓄積して、神経細胞が減少し、脳の萎縮が進む病気です。緩やかに進行し、次第に見当識障害、記憶障害などがあらわれてきます。

②レビー小体型認知症
レビー小体というたんぱくが脳に蓄積する病気です。幻覚、幻視、人物誤認などの気分の変化が大きくあります。

③前頭側頭型認知症
前頭葉と側頭葉の部分が徐々に萎縮が進行します。何度も同じ繰り返しや自分勝手な行動をとり、言葉が出なくなるなどの症状がでてきます。

④血管性認知症
この病気は認知症全体の19%です。脳梗塞、くも膜下出血などの脳卒中が原因でおこる病気です。歩行障害、言語障害、身体麻痺などの後遺症が残ることがあります。

認知症の定義をもとに専門家によって作られた認知症の診断基準の1つが、アメリカ精神医学会によるDSM-IV-TRです。その基準は、それぞれの認知症の病気ごとに定義が違いますが、共通した項目をあげていきます。

アメリカ精神医学会によるDSM-IVによる認知症の診断基準

●多彩な認知障害が現れる
①学習
障害(新しい情報を学習する、以前に学習していた情報を想起する能力の障害)
②次の認知機能の障害が一つ以上ある場合
失語(言語の障害)
失行(運動機能障害はないが運動行為に障害がある)
失認(感覚機能は正常だが対象の認識や同定が難しい)
遂行機能の障害(計画を立てる、組織化するなどの障害)
●上記の認知欠損が、その社会的又は職業的機能を著しく障害を引き起こし病前の機能水準
からの著しい低下を示す
●認知欠損はせん妄の経過中にのみ現れるものではない
●痴呆症状が原因である一般的身体疾患の直接的な結果であるという証拠が必要である

しかし、この基準は、初期の認知症患者の診断基準にはつながらないとも言われています。
そのため、軽度の認知症の診断基準も作成されています。

 

 

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認知症の定義はひとつじゃない

認知症の定義としてほかにあげられる診断基準が、世界保健機構のICD-10やアメリカ精神医学会のDSM-3-Rです。この認知症の診断基準もあげていきます。

世界保健機構の認知症診断基準(まとめたもの)

●下の二つの項目を認められる場合

①記憶力の低下
新しいことに対する記憶力の減退や重症になると過去に学習したことの想起もできにくくなる
②認知能力の低下
判断力や思考力、情報処理能力全般の低下、遂行能力の低下
①②により、日常生活動作や遂行能力に支障をきたす

●周囲に対する意識混濁がない認識が、上の低下症状を示すのに十分な期間が保たれてい
ること。但し、せん妄の症状と重なっている場合は認知症の診断は保留する。

●次の1項目以上がある場合

①情緒的易変性(気分が急に変わりやすいこと、気分が安定しないこと)
②易刺激性(些細なことですぐに不機嫌になること)
③無感情
④社会的行動の粗雑化

●記憶力の低下や認知能力の低下が6か月以上存在していて、認知症と確定診断される

アメリカ精神医学会のDSM-3-Rの診断基準(まとめたもの)

●記憶(短期・長期)の障害

●次のうち、少なくとも1項目以上認められる場合①抽象的思考の障害
②判断の障害
③高磁器質機能の障害(失語・失行・失認・構成障害)
④性格変化
●上の障害により、仕事・社会生活・人間関係が損なわれる
●意識障害の時には診断しない(せん妄は除外)
●病歴や検査から、脳の器質的疾患の疾患の存在が推測できる

この診断基準は、日常生活に支障がない場合は認知症と診断しません。前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症のような記憶障害を中核症状としない認知症疾患には適応が難しいとされています。初期のアルツハイマー型認知症のように、軽度の認知症障害診断もでてきています。

 

 

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認知症の定義のこれから

今後、認知症の治療が進むにつれて、認知症がクスリで治療できるか進行を抑えることができる治療法が出てくる可能性があります。早期に発見すれば、進行を遅らせるとか認知症の治癒の可能性も出てきています。

認知症の定義は、時代が進み、新薬が開発されるとともに広義の意味になってきており、今後、治癒する病気が出てくると、認知症の診断基準や診断ツールも変わってくるでしょう。高齢者だけでなく若年性認知症も増えてきています。

18歳以降44歳までに発症する認知症を若年期認知症と呼び、45歳以降64歳で発症するものを初老期認知症といいます。2006年~2008に5県2市でデータをとったところ、人口10万人中47.6人で、男性57.9人、女性36.7人となっています。全国での患者数はデータから推測すると3,780万人となりました。

認知症の中で、一番多いとされているアルツハイマー型認知症の研究は進んできていて、現在の認知症の治療薬は、アルツハイマー病に対する治療薬です。治療薬として用いられているのは、塩酸ドネペジルなどの抗コリンエステラーゼで、これは、多少進行を遅らせることができます。薬と共に非薬物療法であるデイケアや回想法などの治療が行われています。

アルツハイマー病の研究

アルツハイマー病に対する治療薬として期待されるものに、β-セクレターゼ阻害薬、γ-セクレターゼ阻害薬、ネプリライシン、アミロイドの抗原もしくは抗体療法があり、これはすべて老人斑を構成するアミロイドβを除く薬です。

アメリカでは2005年からADNIがスタートし、核磁気共鳴画像法(MRI)を用いた脳容積測定、ポジトロン断層法(PET)による機能画像評価などの神経画像イメージングと、血液・脳脊髄液などのバイオマーカー測定が継続して行われています。これは、軽度認知症からアルツハイマー病への進行を遅らせて、アルツハイマー型認知症を根本的に治療することの治験として行われています。

 

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まとめ

認知症の定義として、世界保健機構のICD-10やアメリカ精神学会によるDSM-3-RやDSM-IV-TRに基づいた診断基準が作られています。それぞれ、定義が違いますが、時代と共に認知症の定義が広義な意味へと変化しています。

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