言語聴覚士って国家試験なの?問題内容は?

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生まれた時から話す、聞く事に障害を持っておられる方は、健常者には分からないぐらいが苦労があると思います。そんな障害をもっておられる方に対して、言語能力や聴力を回復させるリハビリテーションを行い、機能回復をサポートするのが言語聴覚士です。 そんな言語聴覚士の資格を得るための国家試験までの道のりを紹介いたします。

 

言語聴覚士が国家試験になった経緯

言語聴覚士という資格は比較的出来てから新しい資格になります。
第一回国家試験が行われてからはまだ10年程度した経過していない資格です。言語療法士法が制定されたのが平成9年で、第一回の国家試験が実施されたのが平成11年ですから、まだ出来てから10年ぐらいしか経過していない、比較的新しい資格です。
言語聴覚士と並んで見られることが多い理学療法士や作業療法士に関する法律が定められたのが昭和40年なのですから、2つの資格と比較しても新しい資格だということがわかります。

言語聴覚士の資格自体は他の資格と比べても新しい資格なのですが、言語聴覚士また言語聴覚士が関わる業務が今までいらなかっただけというわけではけっしてありません。言語聴覚士という資格ができるまでは、現在言語聴覚士の作業をおこなう人のことは臨床言語士・言語治療士などという名前で呼ばれました。つまり、言語聴覚士という資格が成立する以前からその仕事に関わる人は存在していました。そんな中で診療報酬の項目に言語聴覚療法が追加されたのは平成14年です。

必要とされていながら法整備などができていなかったというのが実情だった為に、法整備や施設の基準が定まってきた今からが、言語聴覚士として、障害を持つ人を支援していくためさらなる良い環境を整えていく期間といえるかもしれません。

言語聴覚士の資格そのものがまだ新しいということもあり、言語聴覚士の合格者数も過去10年間を振り返って現在まで 約3万人 の合格者が登録されています。毎年約2000人の言語聴覚士が誕生していますが理学療法士 や作業療法士に比べてまだ受験者数も格差があります。それは資格の歴史的なものも考えられると思います。

 

 

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言語聴覚士国家試験の日程

言語聴覚士法第20回言語聴覚士国家試験を次のとおり施行されます。
なお、試験の実施に関する事務は指定試験機関として指定された公益財団法人医療研修推進財団が行います。

■試験期日

平成30年2月17日(土曜日)

⬛ 試験地

北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県及び福岡県

⬛試験科目

基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声・言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語障害学及び聴覚障害学

⬛ 受験資格

文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した言語聴覚士養成所において、3年以上言語聴覚士として必要な知識及び技能を修得したもの(平成28年3月15日(火曜日)までに修業し、又は卒業する見込みの者を含む。)など

■合格者発表

試験の合格者は、平成30年3月28日(水曜日)午後2時に、厚生労働省にその受験地及び受験番号を掲示し、公益財団法人医療研修推進財団のホームページにおいてもその受験地及び受験番号を掲示して発表する。

■受験に伴う配慮

身体、視覚、聴覚、音声機能又は言語機能に障害を有する者で受験を希望するものは、平成29年10月31日(火曜日)までに公益財団法人医療研修推進財団に申し出ること。申し出た者については、受験の際にその障害の状態に応じて必要な配慮を講ずることがある。

■受験手順

(1) 試験を受けようとする者は、次の書類等を提出すること。
(2) 受験に関する書類の受付期間、提出場所等

■受験手数料

受験手数料は、34,000円とし、受験手数料の額を公益財団法人医療研修推進財団が指定する銀行又は郵便局の口座に振り込む。
受験に関する書類を受理した後は、受験手数料は返還しません。

■受験票の交付

受験票は、平成30年1月31日(水曜日)に投函し郵送により交付します。

 

言語聴覚士国家試験の問題内容

今年度行われた第19回国家試験の問題内容を紹介いたします。合格率70%代と他の国家試験と比べると、容易に通るとおもわれがちですが、けっしてそうではありません 今回の合格率は過去10年間の中でも最も高い合格率で平均的には50%から60%くらいですので、落ちることも結構あります。国家試験の高いハードルは簡単には乗り越えることはできません。日頃の勉強をしっかりやること、いとつでも多く過去の問題を理解することがポイントです。

言語聴覚士の国家試験の主な出題は過去の問題から出題率が高い傾向にあります。過去の問題集はネットででも多数出ていますのでそれで勉強してみたらいかがですか。
第19回 言語聴覚士 国家試験問題
言語聴覚士国家試験過去問題第19回午前

問題1 誤っている組み合わせはどれか。
a.緩和ケア ——————————患者の尊厳重視
b.ノーマライゼーション————コロニーでの生活
c.ユニバーサルデザイン————障害者用に限定
d.インフォームドコンセント——自己決定権の尊重
e.ICF(国際生活機能分類)————肯定的側面を包含
1. a、b  2. a、e  3. b、c  4. c、d  5. d、e

a:正しい。緩和ケアとは、「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価を行いそれが障害とならないように予防したり対処したりすることで、QOLを改善するためのアプローチである。」とWHOで定義されている。緩和ケアの目的は患者が死を迎えるまで積極的に生きていけるように支えることであり、患者の尊厳を重視しているといえる。
b:誤り。ノーマライゼーションの目的は、障害のある人ひとりひとりの人権を認め、取り巻いている環境を変えることによって、生活状況を障害の無い人の生活と可能な限り同じにして、「共に生きる社会」を実現しようとするものである。
c:誤り。ユニバーサルデザインとは、改善または特殊化された設計なしで、能力あるいは障害のレベルにかかわらず、最大限可能な限り、すべての人々に利用しやすい環境と製品のデザインである。つまり、障害者に限定されていない。
d:正しい。インフォームドコンセントとは「説明を受けた上での合意」という意味であり、医師が治療の目的や内容を十分に説明し、患者から同意を得ることである。つまり患者の自己決定権を尊重するものである。
e:正しい。ICF(国際生活機能分類)は、ICIDH(国際障害分類)と違って障害というマイナス面だけではなくプラス面を重視することが大きな特徴である。
問題2 誤っている組み合わせはどれか。
1. 神経細胞体 ——————— 細胞核
2. 無髄神経 ———————— 跳躍伝導
3. 樹状突起 ———————— 神経細胞体への信号入力
4. シナプス ———————— 神経伝達物質
5. 骨格筋 ————————— アクチン

1:正しい。神経細胞体は神経細胞の中で細胞核などの細胞小器官が集中し、樹状突起と軸索が会合する部位である。
2:誤り。跳躍伝導は有髄神経の特徴です。
3:正しい。神経細胞の多くは樹状突起をもっており、これが他のニューロンと接合して神経回路としてのネットワークを形成していきます。このネットワークこそが脳の神経活動を営む基本的な構造なのです。樹状突起は他のニューロンと無数のシナプスを形成し、いろいろな情報をやりとりして神経機能の調整を行っています。
4:正しい。神経伝達物質は神経細胞で作られ、神経軸索内を輸送されて、神経終末部にあるシナプス小胞の中に蓄えられます。ここに神経細胞から何か電気的刺激が伝えられると、神経伝達物質がシナプス間隙に放出されます。
5:正しい。骨格筋とは骨格筋繊維が束になったものを言います。骨格筋繊維の内部には筋原線維が集まっています。筋原線維の中には、ミオシンという蛋白質からなる太いミオシンフィラメントとアクチンという蛋白質からなる細いアクチンフィラメントが交互に配列しています。
誤っている組み合わせは2なので、答えは2。

問題3 膝蓋腱反射で誤っているのはどれか。
1. 脊髄性単シナプス反射である。
2. γ(ガンマ)繊維が筋伸張を伝える。
3. α(アルファ)運動神経が筋繊維を収縮をさせる。
4. 筋紡錘が関与する。
5. 反射亢進は錐体路症状である。

1:正しい。膝蓋腱反射は脊髄の反射の一種で、ただ1個のシナプスだけが関与する単シナプス性の伸張反射です。
2:誤り。γ繊維は筋紡錘からの刺激を受けて筋収縮を助けます。
3:正しい。α運動ニューロンが興奮することにより筋肉の収縮が生じます。
4:正しい。感覚器に相当するのは骨格筋に含まれている筋紡錘です。
5:正しい。反射亢進の場合は反射中枢より上の錐体路障害(脳梗塞などの脳血管疾患)を示します。
誤っているのは2なので、答えは2。
このような問題が午前中100問 午後100問回答しなければいけません。言語聴覚士国家試験の受験者数は、2,200人から2,500人前後の間を推移しています。平成27年度の受験者数は、前年よりも若干増加し2,553人となりました。

 

 

 

言語聴覚士国家試験の勉強方法

国家試験は基本的に過去と似た問題が出て来ます。なのでここ10年分の過去問を繰り返し解いて、それぞれの選択肢がなぜ正解なのか、誤りなのか説明できるように教科書等で調べていく方法が有効です。周回していれば考えなくても解けるようになってしまいますが、説明できるようになっていれば本番で違った形で出題されても対応できます。

勉強方法を試験の時期、内容をよく見る

言語聴覚士テキストから出題されることが多いので調べるときに使うといいです。一から読み込むのは非効率なのでおすすめしません。在学中の方は年末まで実習があり集中的に勉強できるのは一月からで、試験は7割5分取れて合格という結果もありました。過去問を解いていく勉強法で良いですが、大事なのは正解できるようになることではなく、なぜその選択肢が正しいのか、なぜ他の選択肢は誤りなのかを説明できるように勉強することが大切です。過去の問題で出題のない所もいくらかは出るでしょうが、そんな問題は間違っていいのです。なにせ六割取ればいい試験ですから。過去の問題を勉強するのは効率よく点数を取るためです。
あと、言語聴覚士の国家試験は、 毎年2月に行われますがその時期をよく考えて勉強の調整するようにしてください、試験の時期を忘れるとせっかく勉強したことを活かしていくためにも国家試験の日付と勉強のペースをうまく調整しながら効率良く対策を行わないと、試験問題が解けなくなりますので十分注意してください。ひとつの方法として考えられるのは意味的な関連が薄く覚え辛いもの(臨床心理や生涯発達の人名と説、検査の対象年齢、発達段階の出来る様になる事と年齢等)が苦手であれば表にしておいて試験開始前に試験会場で丸暗記するといくらか回答出来ますようです。

 

言語聴覚士国家試験の合格率

言語聴覚士の合格率は、だいたい65%前後を推移しています。同じリハビリテーションの資格である「理学療法士」や「作業療法士」と比較すると、やや低い合格率となっています。
一見、合格率は低いと感じないかもしれませんが、あくまでも国家試験に向けてしっかりと勉強をしてきた人たちが出している数字です。それを考えると、やはりそれなりの努力が必要なことがわかると思います。
また、年度によって難易度が大きく変わってくることもあります。たとえば、一番難しいといわれる年度では、合格率が50パーセントを切ったケースもあります。

 

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https://www.jaslht.or.jp/trend.html

 

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まとめ

高齢化社会が進み続けるなか、高齢者の言語障害や、「食べる」「飲む」などの能力に問題を抱える人が増えてきています。
今後もこの傾向は続くと考えられ、とくに福祉の分野において、言語聴覚士の需要は高まっていくでしょう。
また、今後は病院やリハビリテーションセンターだけでなく、地域で高齢者を支えていく活動も重要になり、自宅訪問などの仕事も増えていくと考えられます。

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