作業療法士って国家試験なの?日程は?試験内容は?

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作業療法士というリハビリの専門職にお世話になり、低下した筋力や機能の改善に助けられた方は多くおられると思います。そんなリハビリのスペシャリストになる為には難関の国家試験を乗り越えなければ資格を取れません。
作業療法士の国家試験は介護関係の国家試験の中でも、比較的に合格率が容易な国家試験だと言われています。ではその事実について検証してみましょう。

 

作業療法士が国家試験になった経緯

日本では、1965年に「理学療法士及び作業療法士法」が制定された時に、作業療法という専門職が誕生しました。
日本において積極的に作業療法が治療に取り入れられ始めたのは、巣鴨病院でのことです。医学者の呉秀三は、1901年に巣鴨病院医長に就任し、治療法の改革を行いました。改革では精神病の患者に対しての、拘束具の使用の禁止などと共に、作業療法の積極的取り入れを始めました。この改革のもとに、巣鴨病院では精神科作業療法を始め、裁縫や野外作業などの作業療法を積極的に取り入れ、実践されました。呉は「日本の精神医学の草分け」とも呼ばれ、日本の精神医療に大きく貢献してきました。巣鴨病院はその後、世田谷区に移転し、松沢病院と名を改めました。呉以降も作業療法は積極的に治療に取り入れられ、治療体制が確立していきました。1945年以降(第二次世界大戦以降)には、国立武蔵野療養所の関根真一所長、小林八郎医師などが、作業療法を取り入れています。1963年に、国立病院機構東京病院付属リハビリテーション学院が創この学院が日本で初めての、3年制の理学療法士並びに作業療法士養成校となりました。1965年には、「理学療法士及び作業療法士法」が制定されますそして、翌1966年には第1回作業療法士国家試験が行われました。
ここに、国家資格としての作業療法士という職業が誕生しました。

 

 

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作業療法士が国家試験の日程

作業療法士は、3年もしくは4年の大学、専門学校を卒業したのちに国家試験を受験し、国家資格を取得してなれるものです。文部科学大臣が指定した学校、厚生労働大臣が指定した作業療法士養成施設を卒業しないと、受験資格は与えられません。作業療法の歴史は日本では比較的浅く、1963年に初めての3年制の養成学校が設立されました。国立病院機構東京病院付属リハビリテーション学院ですその後、1965年に「理学療法士及び作業療法士法」が制定され、翌1966年に初めての第一回作業療法士国家試験が行われました。試験科目には、筆記試験があります。筆記試験では一般問題として、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要及び作業療法について出題されます。
また、実地問題として運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要及び作業療法について出題されます。点字試験受験者は、実地問題を行わず、口述試験および実技試験が行われます。

■平成30年試験日程

1. (1)筆記試験
平成30年2月25日(日曜日)
2. (2)口述試験及び実技試験
平成30年2月26日(月曜日)

■試験地

1. (1)筆記試験
北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県
2. (2)口述試験及び実技試験
東京都

■試験科目及び試験方法

1.筆記試験

一般問題及び実地問題に区分して次の科目について行う。ただし、重度視力障害者(両眼の矯正視力の和が0.04以下又は両眼による視野が10度以内で、かつ、両眼による視野について視能率による損失率が95%以上の者)に対しては、実地問題については行わない。また、重度視力障害者に対しては、点字、試験問題の読み上げ又はその併用による受験を認める。弱視者(良い方の矯正視力が0.15以下又は両眼による視野について視能率による損失率が90%以上の者)に対しては、弱視用試験による受験を認める。

2一般問題

解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法

3.実地問題

運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法

4. 口述試験及び実技試験

重度視力障害者に対して、筆記試験の実地問題に代えて次の科目について行う。運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法

■合格者の発表

試験の合格者は、平成30年3月27日(火曜日)午後2時に厚生労働省及び8の(2)に掲げる各地の作業療法士国家試験運営臨時事務所にその受験地及び受験番号を掲示して発表する。

 

作業療法士が国家試験の問題内容

現在行われている作業療法士国家試験について作業療法士協会から担当省庁へ問題提起と試験問題について 意見が出され改善が求められていますその内容としては、次のようなことが指摘されています。

改善の指摘

■ 日本作業療法士協会から厚生労働省に意見書として出された原文です
2月26日に実施されました第5 2回作業療法士国家試験問題につきまして全国の作業療法士学校養成施設に問題の妥当性についてアンケート調査を実施しましたところ、186校( 199課程)中121校( 65 % )から「適切でないと思われる」とする回答がありましたので、それらの回答について次の3つの方針に基づいて検討を行いました。
( 1 )全国の作業療法士学校養成施設から寄せられた「国家試験として適切でないと思われる問題」のみを検の対象とすること。
( 2 )当協会担当部署においてさらに検討を重ね、「国家試験として適切でないと思われる問題」に限定して意見を具申すること。
( 3 )国家試験問題の範囲や難易度についての意見を具申するものではないこ
その結果、設問内容の適切さ及び出題形式(図や設問の説明)について下記の意見を述べさせていただきます。また、特に検討していただきたい8つの問題(午前2問題、午後6問題)につきましては、別紙に内容を記載し、併せて具体的な理由を付記いたしました。
ご検討の程よろしくお願い申し上げます。

I 複数の解が選択できると思われる5問題(午前70、午後1 5・29・5 5・94 ) について、複数の選択肢を正解を得る、ことが望ましいと考える。また、提示された選択肢からは解を選択する判断ができないと思われる3問題(午前1、午後8・59 )について、採点から除外することが望ましいと考える
Ⅱ その他の意見
用語や設問の表現が不適切であり選択肢の理解に戸惑う1問題(午前3 8 )、消去法や優先順位等から解は選べるものの他の選択肢も該当する可能性がある2問題(午前41、午後62 )があると考える。

これらのように今作業療法士の国家試験問題については様々論議が交わされています。担当省庁の。厚生労働省の問題の作成についてこれからの意見を重視し検討を行っています次のあげるのは問題とされている箇所の 前回の問題の一部を紹介いたします。
http://www.jaot.or.jp/others/html

■ 第51回 作業療法士国家試験問題

http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/sagyouryouhoushi/

 

作業療法士が国家試験の勉強方法

作業療法士の国家試験は、基本的に「一般問題(共通問題・専門問題)」と「実地問題(図や表がある問題、臨床に関する知識や思考力を問う問題)」の2種類で成り立っており、総得点で6割以上の正解+実地問題で43点以上正解すればほぼ合格といわれています。そのため、まんべんなく解けるようにしておくと同時に、とくに配点が大きい実地問題をきちんと解けるようにしておく必要があるといわれています。国家試験の問題は基礎的なものも多く、この部分を落とさなければ試験に受かることはできるといわれますが、カバーすべき範囲や量としては非常に膨大であり、短時間で勉強しようとすると、どうしても知識が偏ってしまいます。なかでも、一般的な医学知識を試す試験の範囲は知識を試すことになる問題が多く、「勘」で解けるものはほとんどありません。覚えておかないと手も足も出なくなる可能性があります。そのため、まず大切なのは国家試験に向けた勉強時間をしっかりと確保することです。過去問題集も多く出ているため、それらをできるだけ多く解き、どの分野が出題されるのかを自分で理解することで、効率的に勉強できるようになります。
作業療法士の専門性を問う問題は、知識だけでは対応できない場合もあります。一般医学の試験は、暗記すれば何とかなる部分もありますが、専門的な内容の問題は思考することが必要になります。実習などで行なってきたからといって、それを基にに答えを選ぶと間違ってしまうことも多いです。教科書にのっとったうえで、自ら考えて答えを導きだす必要があります。その点の対策をするためには、問題集を解きながら勉強をしていくなかで、自分の考えとは違う部分を重点的に勉強していくとよいでしょう。なお、専門問題については、共通問題で出される基礎的な
内容が理解できていないと、考えることも難しいといわれています。とにかく、すべてのベースになるのは基礎の部分です。まずは共通問題で高得点を取れるようにすること、苦手分野を徹底的につぶしていくことが大切です。

 

 

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作業療法士が国家試験の合格率

作業療法士国家試験の合格率は例年80%程度を推移しており、かなり高いものになっています。この数字だけを見ると、簡単に資格を取ることができそうな気もしてきます。しかし数字に惑わされないことが大切です。これは合格する実力がある人の中での80%ということになります。養成校によっては、在学中に実力が足りないと判断された人は、卒業できるかどうかに関わらず国家試験の受験資格を与えないという場合もあります。つまり、試験を受けてかなりの確率で受かるだろうといわれる人が試験を受け、その結果80%の合格率になっている可能性が高いということです。

平成29年2月26日(日)及び2月27日(月) 第52回作業療法士国家試験合格率

(出願者数) (受験者数) (合格者数) (合格率)
理学療法士 14,379人 13,719人 12,388人 90.3%
(うち新卒者) 11,300人 10,721人 10,319人 96.3%
作業療法士 6,150人 5,983人 5,007人 83.7%
(うち新卒者) 5,432人 5,303人 4,800人 90.5%
http://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2017/siken08_09/about.html

○合格基準

[作業療法士国家試験]
一般問題を1問1点(160点満点)、実地問題を1問3点(117点満点)とし、次の全てを満たした者を合格とする。
総得点  167点以上/277点
実地問題 41点以上/117点
作業療法士の国家試験は年に一度行われており、年度によって難易度が若干異なります。内容が難しい年度もあれば、そうでもないといわれる年度もあります。内容があまりにも難しすぎたり理不尽だと判断されたりした場合には、応急処置的なものが行われることもありますが、あまり期待することはできません。どのような問題でも、一定以上の点数をとることができる実力を付けておく必要があります。過去問を解いているとさまざまな問題に接することができるため、よい対策になるでしょう。
しかし、近年は作業療法士国家試験の内容が大きく変わることも多く、過去問があまり意味を成さないことも増えてきました。そのため、過去問を覚えるだけでは不十分になりつつあります。

 

 

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まとめ

国家試験は作業療法士の試験に限らずどんな国家試験でもハードルは高いものです。しかしハードルを越えた時に国家資格という国内最高の資格を得ることができます。

作業療法士はこれからの高齢化社会にとってますますリハビリの世界で重要視される職業です。障害者や要介護者にとってなくてはならない存在だと思います。

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