社会福祉士の難易度ってどうなの?合格率、合格人数の推移は?

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社会福祉士は、昭和62年において制定された 「社会福祉士及び介護福祉士法」で位置づけられた、社会福祉業務に携わる人の国家資格です。
「社会福祉士及び介護福祉士法」によると、社会福祉士とは「専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」とされています。
その相談相手は多岐にわたり、少子高齢化の進行や虐待問題など、多様な社会問題が存在する現代社会においては、社会福祉士に対するニーズが年々高まっています。
社会福祉士国家試験の難易度について詳しく見ていきましょう。

 

社会福祉士の難易度とは

社会福祉士国家試験の難易度について考えていくにあたり、社会福祉士国家試験の合格基準をまずは整理しておきましょう。

【合格基準(2017年現在)】

1. 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点がある。
2. 1を満たした者のうち、試験の19科目群(科目免除者は7科目群)すべてにおいて得点がある。配点は、1問1点の150点満点(科目免除者は、1問1点の67点満点)となる。

上記の2点が社会福祉士国家試験の合格基準になります。
150問中、60%程度正解しすることゼロ点科目(平成29年時点では全19科目)がないという条件がクリアできると合格となります。
例えば総得点のうち80%を正解して得点をとっても、得点できなかった科目があれば不合格となります。どの科目もまんべんなく勉強し、得点できるということが必要です。すなわち、得意科目で不得意科目をカバーできるということが不可能な試験なので、そのことが難易度に表れているかもしれません。一概に難易度が他の資格試験よりも高いとは言い切れませんが、決して難易度の低い試験ではないようです。

【19の試験科目】

参考までに試験科目である19科目について紹介します。

1.人体の構造と機能及び疾病
2.心理学理論と心理的支援
3.社会理論と社会システム
4.現代社会と福祉
5.地域福祉の理論と方法
6.福祉行財政と福祉計画
7.社会保障
8.障害者に対する支援と障害者自立支援制度
9.低所得者に対する支援と生活保護制度
10.保健医療サービス
11.権利擁護と成年後見制度
12.社会調査の基礎
13.相談援助の基盤と専門職
14.相談援助の理論と方法
15.福祉サービスの組織と経営
16.高齢者に対する支援と介護保険制度
17.児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
18.就労支援サービス
19.更生保護制度

なお、1~11までの11科目については、精神保健福祉士との共通科目となっています。

 

 

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社会福祉士の合格者人数、合格者率の推移

では、近年の社会福祉士国家試験の受験者数、合格者数、合格率についてみてみましょう。

【近年の合格率 (厚生労働省の発表による 合格者数/受験者数)人】

平成25年・第25回 18.8% (8,058/42,841)人
平成26年・第26回 27.5% (12,540/45,578)人

平成27年・第27回 27.0% (12,181/45,187)人
平成28年・第28回 26.2% (11,735/44,764)人
平成29年・第29回 25.8% (11,828/45,849)人

受検者数に対する合格率は30%を切る程度で推移しています。

ちなみに、平成29年度の三大福祉国家資格である「社会福祉士」「介護福祉士」「精神保健福祉士」の合格率は以下の通りです。

【3大福祉国家資格の合格率】

・社会福祉士 25.8%
・介護福祉士 72.1%
・精神保健福祉士 62.0%

合格率から比較すると、社会福祉士の圧倒的に合格率が低く、難易度が高いと言えます。

社会福祉士の難易度のこれから

社会福祉士国家試験の難易度とこれからについて考えていきましょう」。
社会福祉士の資格を得るためには、「社会福祉士国家試験」に合格しなければなりません。合格率はこれまで見てきたように、決して高くはありません。そして、社会福祉士国家試験では試験において得点することもさることながら、まずは試験を受ける権利を有することについても難易度が高いということも忘れてはいけません。
現在、社会福祉士国家試験を受けるまでには12の道のりがありますが、大きくは大学等で指定科目を履修する、短大等で指定科目を履修して実務1~2年を経験する、養成施設を経る、指定施設で実務を5年以上経験するという4つのルートに分けられます。
指定科目の履修のために働きながら勉強し、スクーリングに通う人もいます。そうなると時間的にも厳しい状況で必要科目の履修と国家試験の勉強を同時進行しなくてはなりません。
そのため、結果的に十分に勉強できない、理解が浅いという状況で本番を迎えることになり試験問題が解けない人もいるかもしれません。
試験問題の難易度もさることながら、社会福祉士国家試験では十分な勉強時間の確保が難しい層の受験者が多いことも難易度を挙げている一因かもしれません。
このことから、社会福祉士国家試験の難易度は、受験者の学歴や年齢、現に働きながら勉強している人が多いなどの要因が変化していけば今後は異なってくるかもしれません。
多様な問題を抱える社会にあってソーシャルワークや心理の分野の学部を設置した大学が増えてきています。
在学中に社会福祉士国家試験の受験に必要な科目を履修できる人や、インターネットが普及した今、自宅で勉強できる大学による通信教育を利用する人が増えてくれば社会福祉士国家試験の合格者も多くなるかもしれません。

最後に、社会福祉士の働く場の将来性について書いておきます。

【社会福祉士の活躍の場】

近年社会福祉士の有資格者率が増加傾向にある理由は、資格を得ることでのメリットや将来性が期待できると感じている人が多いからだと考えられます。
近年、社会福祉士の資格保有者を必要としている場は、主に病院などの医療ソーシャルワーカー、高齢者や障害者の生活相談員などが多くなっています。
以前は「社会福祉士の資格があった方がいい」という程度であり、同様の仕事を社会主事が担ってきたケースも多くありました。しかし、最近は応募条件として「社会福祉士の有資格者」とするところが増えてきたことが要因のひとつです。
また、同様に市町村の社会福祉事務所や地域包括支援センターで募集する機会も多くなっており、公務員として安定収入を得られる機会にも恵まれるようになった職種といえるでしょう。この傾向は今後益々増えていくことと思われます。

 

 

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まとめ

社会福祉士の活動分野は年々広くなってきています。
社会福祉士は、福祉に関する専門的な知識と技術を兼ね備えた人材として、期待されています。「将来性の高い資格」として注目が高まると、試験合格の難易度が今後高まることも考えられます。しかし、社会福祉士として必要な知識を学ぶ場も手段もまた増えています。
合格率から判断すれば難易度は高いと思われがちな資格ですが、社会福祉士国家試験の受験要件が自分はあるのか或いはどのルートで履修科目を得る必要があるのかが間違いなく確認でき、自分に合った効率的に方法で履修科目の取得と受験勉強できることで合格できる可能性は高くなると思われます。

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