介護報酬ってどんな仕組み?これからどうなるの?

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去る11月13日、全国老人保健施設協会の先導で、介護報酬の額を増やす様に求める署名活動が行われました。これに全国の介護系団体や日本看護協会までもが一丸になって協力するという前代未聞の事態となりました。社会福祉問題は正に激動の時代を迎えています。今回は話題の介護報酬を解説します。今後を考えて行きましょう。

 

介護報酬とは

介護報酬の基本

介護報酬とは、介護保険利用者に対して介護事業者が行ったサービスに対する報酬です。
介護保険の給付はサービスとしての現物給付となり、これに支払われるのが介護報酬なのです。
介護報酬のシステムは以下の条件のもと適用されます。

1)対象の利用者が、要介護認定を受けている
2)サービスを行うのが、都道府県知事の認可のもと設立された介護事業者や介護施設である
3)サービスの内容が、介護保険の規定範囲内である
4)サービスは現物支給である

介護報酬が適用されるのは、「要介護認定者に対し、都道府県認可を受けた介護事業者により、行使される介護サービス」なのです。

介護報酬が使われる流れ

介護報酬の利用を流れ図で見てみましょう。以下の順で介護報酬がやり取りされます。
1)介護保険被保険者:介護認定申し込み

2)市町村:被保険者を要介護認定する

3)介護保険被保険者:介護保険利用者となる。介護事業者に対しサービス求める

4)介護事業者:サービスを行い介護報酬計算

5)介護保険利用者:利用者負担分の費用を介護事業者へ支払う
(※ 利用者支払い分には、食費など介護保険外の料金もあり)

6)介護事業者:国民健康保険連合(以下、「国保連」と略)へ介護給付費を請求する

7)国保連、市町村に介護報酬請求

8)市町村、国民健康保険連合に支払い。利用者に関するデータ管理

 

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介護報酬の解釈、仕組み

介護報酬は、どういった意味合いを持つのか。どんな構造になっているかを解説します。

介護報酬の解釈

同じ介護保険でも、福祉用具の購入や自宅改修は、介護保険でも償還払いとなります。後で返還されるとはいえ、その場で手元に現金が無い場合は、金銭的負担となります。
そこで、急を要する問題となる介護サービスに関しては、本人への支払いが最初から負担分しか請求されない、介護報酬制度を適用するようになったと言えます。
またもうひとつは、後述の単位制によって、利用者はどの位、介護保険を使えるか、今まで使ったかを、管理する市町村側が把握しやすくなるとのメリットもあります。
介護報酬は、低所得者の援助となり、利用者に対する管理もしやすく、財源節約にも役立つと言えます。

介護報酬の仕組み

介護サービスは民間の業者によっても行われますが、独特の構造を持ちます

単位制

介護サービスは様々な種類がありますが、それらの費用の動きを定めた介護報酬制度では、「単位制」なるシステムが使われています。「このサービスは何円」では無く、「このサービスは何単位」との形になるのです。そして、その1点1点に値段が決められています。
この単位は基本1点につき10円と定められていますが、あくまで基本。全国一律ではありません。

各価格は国が設定

民間の業者も参入している介護サービスですが、価格は自由競争ではありません。
どれには幾らがかかるのか。他の事業なら提供する業者が設定しますが、こちらでは国によって設定されます。介護保険の範囲内では、介護サービスは公定価格となるわけです。
前述の単位の値段は後述の地域区分によって変動しますが、単位数自体は変わりません。

支給限度基準額

ひとりひとりの利用者が、どれだけ介護保険を利用できるかは、上限があります。
例えば要支援1なら5003単位、要介護5なら36065単位になるなど、要介護度によって単位数が決められています。
これを「支給限度基準額」と言い、社会保障審議会(「介護給付費分科会」)が介護保険の財源から意見・立案し、厚労大臣が決定します。

 

 

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介護報酬の加算、地域区分

「1単位10円」なる規定に調整が必要な部分があります。それへの対処が、「地域区分」・「加算」です。

地域区分

介護サービスに掛かる費用は全国一律にはなり得ません。地域ごとに経済格差があり、人件費も異なって来ます。結果、異なる賃金の提供者が同じ料金で行うとなると、サービスに差が出来てしまいます。
介護報酬の1単位に掛かる金額を、地域格差に合わせて調整するわけです。
現在の規定では、地域は地域即ち上乗せ料の高い順に1~7級、および上乗せのない「その他」の8段階に分かれています。
介護報酬のサービスが、値段でなく単位数で決め、後から金額換算する2度手間な事を敢えてしているのも、この地域差で値段が変わる問題に対処しやすくするためです。

加算

これ受けて、介護報酬の1単位の単価10円なる値段に上乗せが必要になります。これを「加算」と呼びます。
どの等級の地域には、どれくらいの金額を上乗せするのか。賃金格差を論点として取り上げられた問題なので、上乗せ分も、それを基準に立案されて来ました。
この割増の割合と区分は、最初は国家公務員給与の調整手当と同じ割合とされて来ましたが、改正が繰り返され、現在は地域手当の割合と同じくすると定められました
上記の等級に当てはめると、1級から7級まで順番に、+20%・+16%・+15%・+12%・+10%・+6%・+3%の上乗せとなります。
更にこの加算には、地域区分に加え、人件費がかかる割合のサービスの種類によって、3段階の加算区分があります。それぞれ、70%・55%・45%。となります。

1)70%:

◎訪問介護・訪問看護・訪問入浴介護・・定期巡回・居宅介護支援・夜間対応型訪問介護・随時対応型訪問介護看護

2)55%:

◎通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション・小規模多機能型居宅介護・認知症対応型通所介護・短期入所生活介護・看護小規模多機能型居宅介護

3)45%:

通所介護・短期入所療養介護・認知症対応型共同生活介護・特定施設入居者生活介護・介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・地域密着型特定施設入居者生活介護 ・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

例えば、1級地域で訪問入浴介護を行った場合、
20%(1級地域)×70%(訪問入浴介護)=14%
10(単位基本額)+14%=11.4
この地域の訪問入浴介護の1単位額は11.4円となります。都市部で訪問系の介護サービスを受ける回数が多いと、より多くの介護保険財源を消費する事になります。

 

介護報酬のこれから

被保険者負担の増加

高齢化人口増加に伴い、介護保険財源は減少。介護報酬は詰まる所、「所得に応じて負担増額」の方向性になります。

介護保険の負担割合

前回2015年8月改定では、第1号被保険者でも年金収入等で所得280万円以上あると、自己負担が1割でなく2割になりました。
来たる2018年8月には、単身世帯で340万あると3割負担となる、更なる負担が課されます。
介護報酬に定められた限度額を超えた、高額介護サービスでも、負担増加の動きが進んでいます。
課税世帯も現役並み所得者も従来は上限37200円であったのが、2015年から現役並み所得者に対し改定が始まり、2017年8月には両社とも44000円となっています。

第2号被保険者に対する介護納付金の総額報酬割導入

40歳以上医療保険加入者の第2号被保険者。今まで、介護納付金は、加入している各種医療保険から、各自一律額で集められていましたが、これでは所得の大小にかかわりなく、同じ額が義務付けられてしまいます
これに対し、加入者の所得額に応じた、負担額を設定する制度が取られる事になりました。

介護報酬の更なる請求

また、介護の現場では問題も山積みで、サービス向上のための資金や人件費とし報酬限度額のアップも必ります。

サービス向上の必要性

2017年には、介護職員の処遇改善のための介護報酬改定が行われ、人件費に割かれました。
介護職員は離職率が高く、応募も少ないが故の処置なのですが、3年ごととなっていた介護保険法の改定が、途中で更に改定される異例事態となったのです。
介護職員のみならず、日本看護協会も、介護施設勤務の看護士化するために、算の要望運動を行っています。

施設設備の充実

他の産業の収益差率が上昇しているのに対し、介護事業に関しては低下が目立ち、介護報酬プラス改定が求められています。
例えば、グループホームでは14年度の6.2%に対し、15年度では3.8%とのデータが出ています。
この事は健康を設備が使えなくなる事を意味します。

 

 

2月3日岡澤イラスト

 

 

まとめ

様々な工夫の元、日本社会を支えてきた介護報酬制度ですが、来年には負担額増加など、高齢化に伴う財源の枯渇が見えて来ています。
介護報酬について知ることが重要になってきています。

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