睡眠障害の診断はどこでしたらいいの?受ける前にすることは?

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睡眠障害は、広く睡眠に関する病気全般を指す言葉です。
寝つきが悪い、すぐに目覚めてしまう、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの症状が続き、日中に眠気が強く日常生活に支障をきたすような状態は睡眠障害に陥っていると考えられます。
日本においては約5人に1人が、このような症状で悩んでいるというデータもあり、特に20~30歳代に始まり加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加するとされています。
睡眠障害について詳しく見ていきましょう。

 

睡眠障害の診断とは

睡眠障害には様々な症状があり、その原因は内的因性(体から生じる)、外的因性(環境的な状態や様々な病態によって生じる)、生活リズムの乱れによるものなど原因は個人によって異なります。そのため、診断にあたっては多方面からの検査が必要となります。

以下の検査が睡眠障害の診断に用いられる主な検査です。

■終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)

PSG検査は、脳波・眼球運動・心電図・筋電図・呼吸曲線・いびき・動脈血酸素飽和度などの生体活動を、一晩にわたって測定する検査です。
この検査では、睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢 (しし) 運動障害、睡眠時随伴 (ずいはん) 症などの睡眠障害の診断が可能となります。また、睡眠の状態も測定できます。

■入眠潜時反復検査(MSLT検査)

MSLT検査は、日中の眠気を測定する検査です。日中の決められた時間に(例えば9時、11時、13時、15時)、約20分程度眠っていただき、眠るまでの早さからどの程度眠気が強いかを判定します。

■睡眠日誌

睡眠日誌は、日常の睡眠習慣や生活リズムを把握するために、毎日自分で記録するものです。就床時刻、入眠時刻、起床時刻、離床時刻などを、朝起きたときに記録して下さい。中途覚醒や昼寝などもつけると良いでしょう。睡眠状態がよく分かり、睡眠障害の診断に役立ちます。

■アクチグラフ

アクチグラフは、小型軽量の、活動量を測定する装置です。活動量の経時的変化から、睡眠・覚醒のリズムを推定することが出来ます。腕時計型のものと腰につけるタイプのものがあります。入浴や水仕事、激しい運動以外の時間に装着します。

 

 

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睡眠障害を診断受ける前にすること

初めて不眠症・睡眠外来に行く場合、予め睡眠の状況などを確認しておいた方が、スムーズに診察を受けることができます。
先に診断の項目で紹介した睡眠日誌を日頃から記録しておくのも良いでしょう。
睡眠日誌はインターネットからダウンロードもできるので活用しやすいかもしれません。
また、睡眠中に自分に生じていることは自分自身ではわからないことなので家族からの情報もまとめておくと良いでしょう。
睡眠中に呼吸が止まっているようだ、無意識に体を動かしている、いびきの状態はどうかなどを家族から聞き、情報としてまとめておくとスムーズに診察も進み、より正確な診断が可能になります。
家族さんに診察に同行してもらうこともよいでしょう。

また、医療機関を受診するほどではないが睡眠に関して違和感があると感じる方は、自分でできる睡眠セルフチェックをしてみてはどうでしょうか。インターネットのサイトや睡眠外来を標榜している医療機関のホームページに掲載されていることもあります。

~睡眠セルフチェック(チェック項目の一例)~

Q1. 夜、よく眠れませんか?
(例:眠りにつきにくい、夜中に目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、熟睡できない)
また、よく眠れないために、昼間に不調を感じますか?
(例:眠気、だるさ、食欲不振、頭痛など)
Q2. 日中に強い眠気がありますか?もしくは眠りこんでしまうことがありますか。
Q3. 寝ている時に、いびき、もしくは呼吸が止まる、のどちらか1つでも指摘されたことがありますか。
Q4. 夜、寝床に着くと、次のような症状が1つでもありますか?
・足をじっとしているのがつらい
・足がむずむずする
・足がほてって苦しい

Q5. 寝ている時に、次のような症状が1つでもありますか?
・手足を動かしたり、歩き回るなどの行動がある
・興奮したり泣き叫ぶなど混乱した言動がある
・夢と関連した仕草や寝言がある

Q6. 睡眠のリズムに関して、次のような症状が1つでもありますか?
・遅寝が直せない、朝起きるのがすごくつらい
・昼夜逆転になっている

 

 

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睡眠障害の診断の科目

さて、睡眠障害では医療機関の何科にかかるのが良いのでしょうか。
実はこれはなかなか難しい判断になります。睡眠外来など明確に専門科目を標榜している医療機関であればよいのですが、それ以外では睡眠障害の原因によって受診する科が決まるからです。
明らかに最初から睡眠障害の原因がわかっている時は別ですが、そうでないときには、かかりつけの内科から、神経内科、神経科、心療内科等まで、幅広い選択肢があります。医療機関の分類は一般の人にはなかなか難しいでしょう。
これらのことから、大まかな区別を以下にまとめましたので参考にしてください。

睡眠障害の疑いを診断してくれる科目

■心療内科・・・ストレスが起因であると感じる場合
■睡眠外来・・・原因がはっきりしないが睡眠に関する診察を受けたい場合
■呼吸器内科・・・心療内科、睡眠外来を標榜していない場合

 

睡眠障害の診断する時に注意点

睡眠障害の診断で注意する点は、睡眠障害を起こしている原因を正確に知るということです。
不眠の原因はこれまで述べてきたように様々あり、ストレスなどの心因性のものもあれば、身体疾患によって不眠症状を伴うこともあります。
不眠が生じやすい疾患として心疾患,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患,胃潰瘍,十二指腸潰瘍,逆流性食道炎,糖尿病,高血圧,線維筋痛症,アトピー性皮膚炎などが知られています。既存の疾患に対する治療薬が不眠を起こすこともあります。このことから漠然と不眠を感じている場合は内科的な異常が生じていないかを考えることも重要です

また、睡眠障害に対する治療に関しての注意点として睡眠薬に関する事柄をまとめておきます。特に高齢者は睡眠薬を服用している場合が多いので高齢者の方に関してまとめておきます。

■高齢者への睡眠薬使用の注意点

高齢者への睡眠薬の使用は認知機能低下や過鎮静,せん妄,転倒・骨折,運動機能低下の危険性があるため慎重に用いる必要があります。
65歳以上の高齢者が睡眠薬を服用することにはリスクが伴いますがそれでもさまざまな事情で睡眠薬を用いることもあるかと思います。その場合は奇異反応に気をつけましょう。
不安感や焦燥感を取り除くために服用したはずの睡眠薬によって,逆に興奮し攻撃的になることがあります。これを奇異反応といいます。
また、高齢者に限らず、睡眠薬を服用したときや服薬内容が変更になった際は全身状態や行動の変化などに注意が必要です。

 

 

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まとめ

不眠に悩む方は様々な悩みや身体の不調を抱えていることが多いです。専門医に受診することが望ましいのですが、「睡眠セルフチェック」によって自分の不眠がどのような状態にあるのかチェックするという方法もあります。

睡眠障害に関する正しい知識を身につけたら、自分の体がどのような状態にあるのかを、チェックしてみるのも良いでしょう。

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