臨床検査技師会ってどんな役割?入会するメリットは?

Technicians or medical staff in a laboratory working with test tubes in a rack reading samples under the microscope and recording results

臨床検査技師は、病気の診断や治療を目的として、医師の指示の下で各種検査を行う仕事です。臨床検査技師等によって構成される規模の大きな団体は衛生検査技師も含めた業界団体として「一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会」と呼ばれています。
県単位では臨床検査技師会が存在します。臨床検査技師会の中身についてみていきましょう。

 

臨床検査技師会とは

日本における臨床検査技師が属する会は、その名称を社団法人 日本臨床衛生検査技師会(Japanese Association of Medical Technologists:JAMT)といい、臨床検査技師と衛生検査技師で構成されています。
更に県単位で存在するのが臨床検査技師会となります。
の本臨床衛生検査技師会は昭和27年に発足した日本衛生検査技術者会が前身となり発展してきました。創立当初、検査技師に対する一般の認識は低いものでしたが、活動を通じ、高度な検査技術を持つ技師の重要性が広く社会に認知されてきました。各国の検査技師会との交流を通じ、医療の国際化に寄与していくとしています。
ここでは各県に存在する県単位の臨床検査技師会について詳しくみていきましょう。

【各都道府県 臨床検査技師会】

■主な事業活動

・県民(各都道府県)の公衆衛生の知識の向上に関すること
・地域保健事業の推進に関すること
・臨床検査技師の資質の向上に関すること
・関係省庁との連携に関すること
・国内外の関係団体との連携に関すること
・会誌の編集及び発行に関すること
・会員の共済(福利厚生)に関すること
・表彰に関すること
・医療安全対策に関すること

などが挙げられています。
臨床検査技師会は都道府県内の医療機関、保険行政、医療支援施設等で臨床検査業務に携わる職能団体として検査業務を正確かつ迅速に行えるよう、研修会や学会、講習会等を通じて検査技術及び学術的知識の向上を図り、地域医療に貢献できるような活動をしています。

■独自の取り組みの一例

各都道府県の臨床検査技師会では地域に貢献するような独自の取り組みやシステムを構築している場合もあります。
一例として、新潟県臨床検査技師会における「災害支援システム」について紹介します。

~災害支援システム・災害時メーリングリスト登録~
※以下、ホームページより抜粋(http://sinringi.or.jp/academic/mailinglist.html)
新潟県臨床検査技師会では、中越地震および中越沖地震の経験を生かし新潟県内で災害が発生し、施設が被害を受けて検査業務を行えなくなった場合に被害を受けていない会員が復旧に向かうシステムを整備しております。過去のメ-リングリストより問題があった部分を修正し、この度(一社)新潟県臨床検査技師会ではホームページを基軸としたメーリングリストを新しいシステムで構築いたしました。

※緊急連絡システム登録のお願い
災害時の被害状況把握および災害地支援連絡の迅速かつ確実な情報収集のために携帯電話及びPCのメーリングリストを活用しております。当サイトの専用フォームから登録可能となっており、いざという時に同じ検査技師で助け合う、共助を目的としたシステムです。
つきましては、多くの会員の皆様に登録いただき情報発信にご協力をお願いいたします。

…以下省略

このように、過去に災害が起きたときのことを教訓にして新たな取り組みをしている臨床検査技師会もあります。

 

 

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臨床検査技師会の役割

臨床検査技師会の役割についてみていきましょう。
臨床検査技師会としてこれからの日本の社会における役割は今の社会情勢を見ると以下のようなことが重要であると言えます。
日本では医療を取り巻く環境は、少子・超高齢化対応として2025年を見据え、より効率的で質の高い医療提供体制の構築を目指すため、医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実へと進んでいます。それは、臨床検査技師の業務範囲の拡大が進んでいることを意味するでしょう。
対象者の健康を守り、治療を進めるうえでチーム医療が当たり前の社会になった今、臨床検査技師は依頼時の説明から検査結果の説明までの一連の過程において、責任を持って患者様に検査の説明をするという役割があります。
また、近年では病棟業務推進や認知症検査等への取り組みも進んでいます。
これらのことから、臨床検査技師会としても臨床検査技師の医療現場における役割の大きさを重く受け止め、医療スタッフと協働・連携によるチーム医療の推進をさらに進めていくための環境作り、スキルアップの場の提案・実行が重要となるでしょう。

・学術活動を通じて臨床検査の精度向上と最新の医療の知識や技術を習得すること。
・ボランティアや検査健康展により、広く社会に臨床検査並びに臨床検査技師を知ってもらう活動を行いながら会の目的を達成していくこと。

この2点が現代の臨床検査技師会の役割と言えます。

 

 

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臨床検査技師会の入会メリット

臨床検査技師は、臨床検査を通じて医療並びに公衆衛生の向上に貢献しなくてはなりません。
この社会的責任を果たすため、日本臨床衛生検査技師会をはじめ各都道府県にある臨床検査技師会は生涯にわたる幅広い教育研修と職場環境の整備に努力しています。
臨床検査技師会に入会すると会員は主に以下の内容の特典を得られます。

【職務中の賠償責任保険に加入】

■補償限度額 (一例です)
対人1事故・保険限度額100万円(免責金額無し)
■年間保険料
(社)日本臨床衛生検査技師会等が負担
(団体割引25%適用)
(自己負担額0円)

【学会や研修会に参加】

■研修会・学会への参加
■県内各地で開催の地域健康イベントへの参加、HIV、乳がん予防啓蒙事業などへの
参加により、生涯教育制度の履修得点取得、医療職研修〈第1群〉糖尿病療養指導士研修単位の取得ができます。

【スキルアップ】

臨床化学・免疫血清検査研究班
生理検査研究班
一般検査研究班
血液検査研究班
病理検査研究班
細胞検査研究班
微生物・公衆衛生研究班
輸血検査研究班
情報システム研究班
などの各班開催の研修会に参加して更なるスキルアップを目指す環境があります。

参考までに日本臨床衛生検査技師の会の福利厚生制度について紹介します。
~日本臨床衛生検査技師会・JAMTの福利厚生制度~
■ショッピング
■レジャー
■サービス
※何れも会員には料金やサービス面での特典があります。

 

臨床検査技師会の入会方法と注意点

臨床検査技師会の入会は申込用紙による入会やインターネット(WEB)から入会手続きできることが多いです。

■入会にあたっての注意点

都道府県によっては「入会 ・退会 手続きは、日本臨床衛生検査技師会 (日臨技) のホームページから行ってください。本会の正会員となるに は、日臨技の正会員であることが必要です。」と明記されていることがあるので、自身の都道府県の案内をよく確認するようにしましょう。

 

 

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まとめ

医療・福祉、保健の現場には様々な専門職があります。今、社会は「多職種連携」の時代になりました。これまでは縁の下の力持ちであった職種も一人の人を支えるため、ひいては社会を支えるためにその役割が大きく変わろうとしています。
少子高齢化社会にあっては今後専門職種とそれを必要とする人々との受容と供給のバランスが保つことが懸念されています。
専門職種一人ひとりの力が十分に発揮できるよう、また新たな役割を担っていくこと不可欠です。

そのためにも臨床検査技師会のように臨床検査技師個人と臨床検査技師の社会における役割を支える組織の存在意義は今後ますます高まっていくことでしょう。

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