介護保険の限度額が変わる!いつから変わるの?

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介護保険制度は2000年に制定されて以来3年毎に改正、見直しが行われています。内容的には決して利用者にとって喜ぶべき結果ばかりではありません。中でも莫大な社会保障費の赤字を高齢者が負担するような改正が制定され、益々高齢者の生活が困窮する状況にあり、更に大きな課題の一つとして利用者の毎月の利用限度額の見直しがあります。これからその問題について説明させて頂きます。

 

高額介護(予防)サービス費とは

介護が必要となり介護認定申請を行い、その結果認定区分の7段階の内いずれかの認定資格を受けると、それの認定区分における介護サービス、 施設サービス 通所介護などを受けることができます。そのサービスに毎月利用できる利用上限額というものが設定されており 、一般的にいう予算にあたります。その利用上限額の範囲内でサービスを受けてその総利用額の1割もしくは2割を自己負担として支払うようになります。
高額介護サービス費はこの利用限度額を超えた分が申請によって戻ってくる制度です。

区分毎の利用上限額

【介護サービス】        【外部サービス利用型】特定施設
[単位数] [月上限額(円)]    [単位数] [月上限額(円)]
要支援1 5,003 50,030       5,003 50,030
要支援2 10,473 104,730 10,473 104,730
要介護1 16,692 166,920 16,203 162,030
要介護2 19,616 196,160 18,149 181,490
要介護3 26,931 269,310 20,246 202,460
要介護4 30,806 308,060 22,191 221,910
要介護5 36,065 360,650 24,259 242,590
※利用金額は1単位10円で試算していますが地域によっては最高11.4円まで価格差があります。
※特定施設とは有料老人ホーム、ケアハウス、養護老人ホームこれらの特定施設を利用する場合は外部サービス利用型と言います。

介護サービス利用負担費用例

(設定条件)
①訪問介護サービス 45分以上(昼間 週3回 月4回)
②訪問看護サービス 30分以上60分未満(夜間 週2回 月4回 )
③デイサービス(通常規模 1回)
[負担額]
①訪問介護サービス 236単位x3回x4回= 2,832単位
②訪問看護サービス 830単位x2回x4回= 6,640単位
③デイサービス 817単位x1回x4回= 3,268単位
合計 12,740単位
1割負担               1,274単位 1,274円
2割負担               2,548単位 2,548円
要介護2上限額           19,616単位

その他福祉用具などをレンタルして上限額をこえた場合は「高額介護サービス費」を受けることが出来ます。

高額介護サービス

高額介護サービスは毎月の利用総額が自分の認定区分の利用限度額を超えた場合、超えた分が償還払いで還付されます。しかし高額介護サービスには利用者の所得状況に応じて上限額も決まっています。

⬛高額介護サービスの利用上限額(見直し前)

①生活保護受給者          15,000円(個人)
②世帯全員が市町村民非課税者    24,600円(世帯)
③前年度所得80万以下        15,000円(個人)
④世帯の誰かが課税者        37,200円(世帯)
⑤現役並みの所得者がいる世帯    44,600円(世帯)

 

 

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月額上限引き上げについて

介護保険は40歳になると保険料の支払い義務が出てきます。65歳で第一被保険者になり、保険料の支払いについては国民全員が対象者になりますが、介護保険のサービスの利用や利用者の世帯環境(親子同一世帯、第一被保険者及び世帯全員の所得等)にそれぞれ違いがあるために8月1日から医療・介護保険制度の見直しで、一定の所得がある高齢者は月ごとの自己負担額の上限が引き上げられます。世代間の公平を図り、社会保障費を抑制するのが目的です。

高額介護サービスの上限額引き上げ

介護保険では、「高額介護サービス費」の上限額が一部引き上げられます。対象は住民税を支払っている年収383万円未満の単身世帯(2人以上の世帯は年収520万円未満)で、月の上限が3万7200円から4万4400円に増額されます。
ただし、65歳以上が2人以上で全員の自己負担割合が1割の世帯は、急な変化に対処できないものとして年間上限額を3万7200円の12カ月分(44万6400円)のまま3年間据え置く事になりました。
現役並みの所得がある世帯は、来年8月からサービス利用時の自己負担割合が3割に引き上げられることに配慮し、上限引き上げは見送られ。生活保護などの低所得世帯も値上げ対象外になりました。

 

年間の自己負担額の上限額について

世代間・世代内の公平性を確保しつつ、制度の持続可能性を高める観点から、
① 高額介護サービス費の「一般区分」の月額上限額を医療保険並みに引き上げる。ただし、1割負担者のみの世帯にいては、年間上限額を設定。(37,200円×12か月:446,400円) (3年間の時限措置)
【平成29年8月施行】
② 2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を 3割とする。ただし、月額44,400円の負担の上限あり【法案提出予定。成立した場合、平成30年8月施行
世代間・世代内の公平性を確保しつつ、制度の持続可能性を高める観点から、
① 高額介護サービス費の「一般区分」の月額上限額を医療保険並みに引き上げる。ただし、1割負担者のみの世帯につ
いては、年間上限額を設定。(37,200円×12か月:446,400円) (3年間の時限措置) 【平成29年8月施行】
② 2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を 3割とする。ただし、月額44,400円の負担の上限あり法案提出予定。成立した場合、平成30年8月施行
【年間利用者負担上限額】 【高額介護サービス費】
(年間時負担割合) (年間利用上限額)
①年金収入等 340万円以上 2割 ⇒ 3割 現役並み所得相当(※3)44,400円
②年金収入 280万円以上 2割 一般    37,400円
③年金収入 280万円未満 1割 ➡  44、400円
+ 年間上限額の設定
(1割負担者のみの世帯)
市町村民税世帯非課税等 24,600円
年金収入80万円以下等   15,000円

1割負担者に対する年間上限額の設定
1割負担者(年金収入280万円未満)のみの世帯については、過大な負担とならないよう、年間の負担総額が現行の負担最大額を超えない仕組みとする。
(3年間の時限措置)年間上限額: 446,400円 (37,200円×12)

【対象者数】
【利用者負担割合】
受給者全体:496万人
3割負担となり、負担増となる者:約12万人(全体の約3%)
現行制度の2割負担者:45万人

 

注意点

今まで説明してきましたように、介護保険サービスの自己負担額が、またまた引き上げられる事はよくおわかりいただいた事だと思います。「あれ?また上がるの?」と思った人も多いはずです。なにしろ一昨年2015年に負担額が1割から2割になったばかりです。
今回の引き上げ対象者は一部の人だけですが、他にも変更事項がありますので、皆さんは正しい判断で対応してください。
制度改正案が2018年8月からスタートします。

負担額見直し時に注意する事

試しに、見直し案が実施された場合の具体例を考えてみましょう。
例えば、4人家族で母が介護保険利用者、父親が市民税を納めている世帯(第4段階に相当)が、それまで介護保険を月額42,000円分利用していたとします。今までなら上限額の超過分4,800円が払い戻されていたわけですが、2018年8月からはこれが全額自分持ちとなります。莫大な金額ではありませんが、月々の生活費を考えれば約5,000円の差額は大きいかもしれません。
ただ、ここで注意すべきなのは、「なんだかよく分からないけど、負担が増えるなら今後介護保険は利用を控えよう」と誤った判断してしまうことです。介護サービスを控えてしまうことは、利用者の症状の悪化を進行させてしまう可能性にもつながるのです。
介護を取り巻く状況が刻々変化し続けていて、疑問を感じることや不安に感じることが多くなった人もいるかもしれません。介護保険はこれから益々高齢化になっていく社会環境のなかで、保険料を納める年齢なども40歳から引き下げられてくることは確実にやってきます。国は社会保障費の財源不足を消費税の値上げで考えていましたが、現内閣では先送りになって財源の確保ができず、その影響が医療費や介護保険の見直しでの自己負担等の引き上げになってきています、今後も保険料をはじめとして様々な面での見直しに要注意です。

 

 

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まとめ

これからの介護保険は第一被保険者の増加などにより介護保険の適用者が、更に増えてきます。その反面収入源となる介護保険料の納付者は現在の状態からはかなり減ってくる事は確実です。今後の介護環境は財源不足、人材不足となって逆の「満足」というサービスができていくのでしょうか。2018年の介護保険の見直しでどのような驚くべき事実が示されるか不安な状態になります

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