理学療法士ってどんな仕事?仕事場所は?

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理学療法士は、一般にPTと呼ばれています。それは、physical therapist(フィジカルセラピスト)の略です。事故にあった人や脳梗塞、脊椎損傷などの障害、高齢による機能低下などの人に対して、理学療法を用いて機能を維持、回復するための専門職です。高齢者が増えて、加齢や疾患で機能が落ちている人が多く、特に医療現場では大切な職業です。

 

理学療法士とは

理学療法士とは理学療法を用いて、加齢、事故などの身体の機能障害を回復するためにリハビリを行う者です。理学療法士は、国家資格の1つなので、国家試験に通らなくては資格を取ることができません。

理学療法とは

理学療法とは、病気、けが、高齢、障害などで、機能が低下した部分を改善し、維持できるように運動したり、温熱療法をしたり、電気療法をしたりすることです。最近では実際に運動機能が低下している人だけでなく、運動機能が低下する前に予防する目的で行われることが推進されています。

例えば、要介護にならないように高齢者の運動機能の維持、メタボリックシンドロームの予防、スポーツ選手への体の調整などです。

 

 

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理学療法士の仕事内容

理学療法士は、その人の体を熟知し、その人のリハビリ計画を考えて理学療法を施して効果的に身体機能の回復を図ります。理学療法には、運動療法、徒手的療法、物理療法があります。

①運動療法

運動要素を取り入れたリハビリを行うことによって、身体機能面に働きかけなどの、痛み症状や障害の症状の改善を図ることです。運動療法は機能低下の改善のために効果的で予防にも取り入れられています。
運動療法の手法として主なものは可動域訓練やストレッチなどです。

Ⅰ可動域訓練

関節の動きが悪い部分に対して、可動範囲の動きを滑らかにし、関節の可動範囲を広げることにより、動きやすくなります。血行が良くなるので循環系の改善に役立ちます。

Ⅱストレッチ

動きにくくなった筋肉や神経に対して、筋肉や神経を柔軟にするためのストレッチを行います。また、自分で動かせるようにストレッチ指導も行います。

②徒手的療法

身体の体性機能異常に原因がある神経的な疾患や整形外科的疾患、慢性通疾患の人に対して体の各分野を総合的に診断し治療するものです。

③物理的療法

身体に温熱、寒冷、電気刺激、光線、その他の物理的なエネルギーを加えて血行を良くして筋の緊張や痛みを軽減することを目的としています。
Ⅰ低周波治療器
Ⅱホットパック
Ⅲ牽引
Ⅳウオーターマッサージベッドなど

理学療法士と作業療法士の違い

作業療法士の仕事は食事や料理、遊び、スポーツなどを通して心と体の両面を見てサポートしていきます。理学療法士が主に運動機能の回復が主な仕事であるに対して、作業療法士は理学療法で機能が改善または維持している人に対して日常生活をよりよく送れるためにするための技術職です。

主に遊びやスポーツなどのレクレーションや体操をしたり、音楽を聴いたり、絵を描いたりといったリハビリを用いています。また、社会復帰に向けた職業訓練も行っています。それには作業をする能力や集中力、耐久性などを培います。

 

理学療法士の仕事場所

理学療法士が必要とされている場所は多岐にわたります。平成28年8月5日に行われた「理学療法士・作業療法士需給分科会」の資料によると、就職先で一番多いところが病院のリハビリテーションです。調査期間は平成26年7月5日~7月20日で理学療法士養成校や医療施設、介護施設の理学療法責任者にアンケートを行った結果です。
※平成9年までの一般病院区分に準じ、その他の回復期を含む一般病院と区分をしている
出典先:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120210_4.pdf

①医療サービス

上のグラフのように病院での就職が最も多く、特に一般病院が一番多くなっています。特に急性期医療病院では理学療法士が必要とされています。急性期には、脳梗塞などで倒れてマヒになり、出来るだけ早いリハビリを必要とする患者が多くいます。そのため、術後などの理学療法士の役割が非常に大切になっています。

また、高齢者が入院した場合歩けなくなる可能性があるので、日常生活に戻れるようなリハビリやリハビリ室に行けない患者には病室のベッド上で四肢の訓練を施したりします。他に外来患者へのリハビリも行われています。

それ以外にスポーツ整形では、スポーツリハビリを行うところもあり、スポーツ選手のけがに対してのリハビリやけが予防のためのリハビリ指導を行うこともあります。甲子園野球では野球選手には理学療法士がついて筋緊張をほぐして予防のための指導を行う場合もあります。

②介護保険・介護予防サービス

通所リハビリテーション(デイケア)や訪問リハビリテーションなどがあります。介護保険を受けている人が対象で、機能が低下しないように維持・改善することが目的となっています。

特に、施策として要介護にならないように早めの機能回復を目的としたデイサービスには今後、加算が行われ、機能回復を目的としないデイサービスには介護報酬が下げられるという方針を打ち出しているため理学療法士はますます必要になってきます。

また、福祉機器の製造や販売に助言、執筆などで、企業でも活躍しています。

③特別支援学級などの行政サービスや障害者福祉サービス

特別支援学級の生徒や障害者福祉施設では、リハビリを行うことによって機能を保っていける児童や生徒・成人が多くいます。特に、脳性麻痺の児童や尖足の児童・生徒、ALSや進行性筋ジストロフィの児童・生徒などに対して機能回復や維持をするリハビリが必要です。

 

 

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理学療法士のなるには

理学療法士になるためには国家試験に受からなくてはなりません。国家資格を受験できる人は次の人です。

①高校卒業後、3年の理学療法士専門学校または短大を卒業見込みか卒業した人
②高校卒業後、大学の理学療法士養成課程4年を卒業見込みか卒業した人

学校では専門的な必須科目があり、在学中に勉強してしっかりと身に着けて単位を取得しておかなくては卒業できません。卒業後、国家試験を受けますが、国家試験の合格率が2017年は90,3%と高い合格率だったので、養成施設でいかに勉強していたかがわかります。それだけでなく、認定されなくては国家試験を受験できないのです。

国家試験を受ける場合、書類申請が4月上旬~8月末日で、書類審査が9月~10月頃になり、認定を受けて認定書交付されるのが11月頃になります。認定されないと11月頃に通知所が来ます。認定書が交付されて初めて国家試験を受験できます。ですから、合格率が高いのはあらかじめ審査で落とされた人がいるためと考えられます。

2017年度の国家試験は、筆記試験が2018年2月25日に、口述・実技試験が2018年2月26日に行われます。合格者の発表は2018年3月27日です。

 

理学療法士に向いてる人

健康で体力がある人

理学療法士は、介助をしたり、共に動いたりして体力がかなりいる仕事です。患者の機能を回復できるように動き回ることをしんどいと思わない人が向いています。

人とコミュニケーションをとることが苦でない人

理学療法士は、人と接する仕事なので人とコミュニケーションを取る必要があります。患者さんの状態を少しでも回復したいという思いが相手に通じます。特に、急性期の患者さんには、リハビリで機能回復することが非常に大切になるので、病状や症状に真摯に向き合えるだけでなく、その人が意欲を出せるようなコミュニケーションを取るために、前向きな考え方をしている人がいいでしょう。

患者さんに最後まで向き合えて自分のスキルアップをする人

患者さんのリハビリに責任をもって行える人が患者さんからも信頼を得られます。また、患者さんは、技術力のある人にリハビリをしてほしいと願います。そのため、スキルアップをしていくことは自分のためになります。

しかし、最初から何もかもできる人はいません。特に新卒の理学療法士の人は、経験を積んで学んでいきます。最初から自分はダメだと諦めてしまうのではなくて、理学療法士になってからステップアップしていけばいいでしょう。

 

 

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まとめ

理学療法士になるには、養成施設で3年以上勉強して審査で認定されてから国家試験を受験し、合格するとなることができます。独学で勉強すればなれるものではありません。
今後、高齢者が増加するにしたがって、ますます理学療法士は必要になるでしょう。

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