補助金支給で介助ロボットは普及する!?補助金制度の種類は?

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介護現場でもいよいよ介護ロボットが活躍するようになってきました。介護の現場は長年人材不足が続き、介護職の負担も高く、それらの問題を解消してくれる事に大きな期待をもっています。しかし介護ロボット導入については資金面や利用者の受け入れ等課題もあります。そこで今回は補助金による導入について報告させていただきます。

 

介護ロボット導入支援事業とは

介護業界の抱える問題は様々とあります。中でも長年続いている人材不足の問題は深刻という状態を越え「危機的状態」と言えるような状況で、団塊の世代の人たちが70歳になる2025年頃には400万人くらいの人材が不足すると予想されています。人材不足の要因については以下のような様々な事が取り上げられてといます。

介護業界の人材不足の要因

現在介護業界で働く介護職の状況を調査した介護労働安定センターによる平成27年度「介護労働実態調査」の結果を紹介致します。
[調査項目]     [回答率] (前年度)
1.従業員の過不足状況 不足(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)  61.3%(59.3%)
適当 38.2%(40.2%)
2.不足の要因 採用が困難である 70.8%(72.2%)
事業を拡大したいが人材が確保できない 20.3%(19.8%)
離職率が高い 15.8%(17.0%)
3.採用が困難な要因 賃金が低い 57.4%(61.3%)
仕事がきつい(身体的・精神的) 48.3%(49.3%)
4.介護サービスを運営する上での問題点
今の介護報酬では人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない 53.8%(49.8%)
良質な人材の確保が難しい 53.6%(53.9%)
5.過去3年間に介護を理由に退職した従業員の有無 介護を理由に退職した従業員はいた 23.5%

6. 労働条件等の不満 人手が足りない 50.9%(48.3%)
仕事内容のわりに賃金が低い 42.3%(42.3%)
有給休暇が取りにくい 34.6%(34.9%)

7. 採用率・離職率 1年間[平成26年10月1日から平成27年9月30日]
採用率の状況 20.3%(20.6%)
離職率の状況 16.5%(16.5%)

労働者の個別状況(個別調査結果)

8,945 事業所で介護労働に従事する者81,095人の状況。
1.平均年齢 全体 46.3歳(45.7歳)
訪問介護員 53.0歳(52.7歳)
介護職員 43.2歳(42.5歳)
サービス提供責任者 47.2歳(46.5歳)
介護支援専門員 48.9歳(48.2歳)

このように介護業界での雇用状況は決して落胆できるような状況ではありません、どの調査結果を見ても厳しい結果にみまわれています。中でも賃金が低い事による採用率の低さ、それと同等な離職率で採用した人材の大半が離職している状況で、その結果訪問介護員の平均年齢53歳という介護業界での高齢化の状態にある事がわかります。更に調査では介護員の高齢化の原因のひとつとして考えられますが80%近い職員が「腰痛」等の職業病に悩まされています。

人材不足への打開策

政府は介護業界の現在のこのような状態は、今後更に日本の環境は少子高齢化が進み超高齢化社会へとなっていくなかでの打開策として平成27年度補正予算で「介護ロボット導入支援特別事業」を閣議決定しました。

この介護ロボット導入支援特別事業の趣旨は介護従事者の負担軽減と人材不足への打開策が主目的で決定されましたが、一概に介護ロボットといっても導入する事業所や施設側とすると、様々問題がありその中のひとつが導入する為の高額な費用を負担できるだけの余裕がない状態に、政府として導入助成金として支援する事になったのが「介護ロボット導入支援特別事業」の始まりです。

 

 

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補助金の内容

介護ロボット導入計画は平成25年「日本再興戦略」の一環として「ロボット介護機器開発5ヶ年計画」として計画されたもので、これに基づき経済産業省と厚生労働省が共同で介護ロボット導入支援事業としてスタートさせたものです。主に経済産業省が開発支援を厚生労働省が開発の実用化の為の場所の施設等への導入支援を行います。導入の為の費用(購入・レンタル)の負担軽減の為の支援補助金制度が次の様に制定されました。

 

補助金支援制度の種類

■導入する側への補助金支援

介護ロボット導入支援特別事業

介護施設で介護ロボットを導入する為の補助金として1施設300万円の補助金として交付されましたが、応募施設が殺到して予算が93万円に減額されました。(2017年8月時点で終了となりました。)

導入実証研究支援事業

介護ロボット介護ロボット導入する為の施設としての場所の提供と共に研究を行う目的で上限額200万円迄補助金が交付
(2017年8月時点で終了となりました)

ロボット介護機器開発・導入促進事業

ロボットの開発の為市販のロボットを介護現場に導入する為の費用として上限額2500万円補助金が交付
この補助金制度は 平成29年度は最後の年になります。

介護ロボット開発等加速化事業 福祉用具・介護ロボット実用化支援事業

開発中の介護ロボットなどを介護現場で使用し使い勝手のチェックなどを行うモニター調査事業モニターに協力した施設に対して15万円が交付されます。

地域医療介護総合確保基金(介護分)

介護の推進 、医療・介護従事者の確保、勤務環境の改善などを目的として設置された基金です。補助内容は自治体によって異なりますが機器一つにつき導入経費の1/2(上限10万円)が 補助されることが多いようです。

■開発する側への補助金支援

① ロボット介護機器開発・導入促進事業(開発補助事業)

開発補助事業として製品化を希望する企業へ開発研究費などの経費が助成されます。または補助対象経費の 1/2 さらに補助事業者が中小企業の場合2/3で上限が1億円 下限500万円となっています。

② ロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)

施設での導入実験 のだめ ロボットの購入費用及びレンタル費用を補助します。

このように 政府は介護現場での従業者の負担軽減の一環としてロボット支援事業を推進していますが平成29年度新規に移動支援分野 (野外移動分野・ 屋内移動分野)、排泄分野、入浴支援分野などのロボット開発の支援事業が立ち上げられます。

 

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支援対象とする介護ロボットは?

実際介護現場で活用する介護ロボットにはどのような種類があり、支援対象になるロボットはどのようなものか
を紹介したします。

支援対象介護ロボットの種類

■移乗・介助分野

[装着型]

介助者のパワーアシストを行う装着型の機器を指します。
介助者が装着して用い、移乗介助の際の腰の負担を軽減します。
介助者が一人で着脱可能であること。
ベッド、車いす、便器の間の移乗に用いることができること。

[非装着型]

介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器を指します。
移乗開始から終了まで、介助者が一人で使用することができる事。
ベッドと車いすの間の移乗に用いることができる。(※ベッドと車いすの間の移乗における使い勝手は、ステージゲー ト審査での評価対象となる点に留意すること。
要介護者を移乗させる際、介助者の力の全部又は一部のパワーアシストを行うこと。
機器据付けのための土台設置工事等の住宅等への据付け工事を伴わない。
⑤ つり下げ式移動用リフトは除く。

■移動支援分野

[野外型]

高齢者等の外出をサポートし、荷物等を安全に運搬できる歩行支援機器を指します。
使用者が一人で用いる手押し車型(歩行車、シルバーカー等)の機器。
高齢者等が自らの足で歩行することを支援することができる。搭乗するものは対象としない。
荷物を載せて移動することができる。
モーター等により、移動をアシストする。(上り坂では推進し、かつ下り坂ではブレーキをかける駆動力がはたらくもの。)
⑤4つ以上の車輪を有する。
⑥不整地を安定的に移動できる車輪径である。(※砂利道、歩道の段差を通行する際の安定性は、ステージゲート審査での評価対象となる点に留意すること。)
⑧通常の状態又は折りたたむことで、普通自動車の車内やトランクに搭載することができる大きさである事。
⑨マニュアルのブレーキがついている事。
⑩雨天時に屋外に放置しても機能に支障がないよう、防水対策がなされている。
⑪介助者が持ち上げられる重量(30kg以下)である。

[屋内型]

高齢者等の屋内移動や立ち座りをサポートし、特にトイレへの往復やトイレ内での姿勢保持を支援する歩行支援機器を指します。
一人で使用できる又は一人の介助者の支援の下で使用できるもの。
使用者が自らの足で歩行することを支援することができる。搭乗するものは対象としない。
食堂や居間での椅子からの立ち上がりやベッドからの立ち上がりを主に想定し、使用者が椅座位・端座位から立ち上がる動作を支援することができるものである。
従来の歩行補助具等を併用してもよい。
標準的な家庭のトイレの中でも、特別な操作を必要とせずに使用でき、トイレの中での一連の動作(便座への立ち座り、ズボンの上げ下げ、清拭、トイレ内での方向転換)の際の転倒を防ぐため、姿勢の安定化が可能であれば、加点評価する。

[装着型歩行支援]

高齢者等の外出等をサポートし、転倒予防や歩行等を補助するロボット技術を用いた装着型の移動支援機器を指します。 「外出用の装着型移動支援機器」は、すでに様々な企業から販売されている、今介護ロボット業界でもっとも注目されている機器のひとつです。介護ロボットONLINEでも取材記事を掲載しています。

■排泄支援分野

[排泄支援機器]

排泄物の処理に設置位置の調整可能な排泄支援機器を指します。
排泄物のにおいが室内に広がらないよう、排泄物を室外へ流す、又は、容器や袋に密閉して隔離する。
室内での設置位置を調整可能であること。

[排泄予測]

ロボット技術を用いて排泄を予測し、的確なタイミングでトイレへ誘導する機器を指します。★1.排泄予知ウェアラブルデバイス「D Free」などが当てはまると考えられます。

❓One Point Advice❓
★1.世界初の排泄予知デバイスで膀胱をセンシングして排尿のタイミングを図ります。膀胱は恥骨の上に乗るように位置しているので DFreeを恥骨の上端から20mmの位置に装着します。排尿前後のタイミングが来ると、お手持ちのモバイル端末に通知します。

[トイレ内動作支援]

ロボット技術を用いてトイレ内での下衣の着脱等の排泄の一連の動作を支援する機器を指します。

■入浴支援分野

[入浴支援機器]

浴槽に出入りする際の一連の動作を支援する機器を指します。
要介護者が一人で使用できる又は一人の介助者の支援の下で使用できる。
要介護者の浴室から浴槽への出入り動作、浴槽をまたぎ湯船につかるまでの一連の動作を支援できる。
機器を使用しても、少なくとも胸部まで湯に浸かることができる。
要介護者の家族が入浴する際に邪魔にならないよう、介助者が一人で取り外し又は収納・片付けをすることができる。
特別な工事なしに設置できる。

■見守り分野

[介護施設型]

介護施設において使用する、センサーや外部通信機能を備えた機器およびプラットフォームを指します。
複数の要介護者を同時に見守ることが可能。
施設内各所にいる複数の介護従事者へ同時に情報共有することが可能。
昼夜問わず使用できる。
要介護者が自発的に助けを求める行動(ボタンを押す、声を出す等)から得る情報だけに依存しない。
要介護者がベッドから離れようとしている状態又は離れたことを検知し、介護従事者へ通報できる。
認知症の方の見守りプラットフォームとして、機能の拡張又は他の機器・ソフトウェアと接続ができる。

[在宅介護型]

在宅介護において使用する、転倒検知センサーや外部通信機能を備えた機器のプラットフォームを指します。 複① 数の部屋を同時に見守ることが可能。
② 浴室での見守りが可能。
暗所でも使用できる。
要介護者が自発的に助けを求める行動(ボタンを押す、声を出す等)から得る情報だけに依存しない。
要介護者が端末を持ち歩く又は身に付けることを必須としない。
要介護者が転倒したことを検知し、介護従事者へ通報できる。
要介護者の生活や体調の変化に関する指標を、開発者が少なくとも1つ設定・検知し、介護従事者へ情報共有できる。
認知症の方の見守りプラットフォームとして、機能の拡張又は他の機器・ソフトウェアと接続ができる。

[コミュニケーションロボット]

高齢者等とのコミュニケーションにロボット技術を用いた生活支援機器をさします。いわゆるコミュニケーションロボットのことでしょう

 

 

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補助金申請時に必要な書類

まずこの補助金制度については各都道府県で内容などが多少ことなる場合がありますので申請の時には事前に担当窓口で確認される事をおすすめします。

必要書類・条件

条件

・介護スタッフの負担軽減の為の介護ロボット導入計画(=ロボット導入後3年間の達成すべき目標)、(導入すべき機器)(期待される効果)を作成する。
・ロボット導入によって得られた効果に関するデータ(=介護スタッフの負担軽減の度合い)を客観的な評価指標基
づいて報告書を作成する。

申請時必要書類

・交付申請書 ・役員等の氏名一覧表 ・所要額調書 ・事業計画書 ・申請者の概要を記した書類
・介護保険法により介護サービス事業所又は介護保険施設として、指定又は許可を受けたことを証する書類の写し(有効期限内のもの)・利用定員数が分かる書類 ・導入するロボットのカタログ等 ・見積書

報告時必要書類

・事業実績報告書  ・事業精算額報告書  ・補助対象事業に係る契約書又は発注書の写し ・補助対象事業に係る支払いを行ったことを証する書類の写し ・導入した機器の写真 ・口座振り込み申し出書

国の補助金制度は色々とありますが、税金を利用することで、全ての補助金制度には膨大な提出書類が必要になります

 

 

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まとめ

国の補助金による「介護ロボット」の開発支援について紹介してきましたが、ここで最も重要な問題として「介護の基本は人による暖まる温もり」を感じるような介護だと思っている利用者が殆どではないでしょうか、 そのような高齢

者の多い介護現場で介護ロボットによる介護が利用者に受け入れられるかの利用者側のソフトの面も調査する必要がおおいにあるのでは!!!

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