認知症は改善するの?改善例は?

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認知症を介護する家族の方で最も気がかりなのが「認知症は本当に改善しない」のかという疑問があり、将来どのようになっていくか先の読めない病気に対して、少しでも期待はもちたいものです。
そこで今回は認知症の最新の治療法や改善例などを紹介しますので現在認知症の家族の介護をされている方は必見です。

 

認知症の治療法はどんなものがある?

日本は2025年頃には高齢者の5人一人は認知症の患者で、国内で約700万人の認知症患者がでてくると予想されています。
この様な状態は世界の先進国の中でもあまり実例がないくらい日本は認知症大国と呼ばれています。認知症の治療や薬剤の開発でもトップレベルにあります。
そんな世界でもトップレベルの日本の医療技術をもちいても認知症を元の状態に戻す事は未だ完成されていません。認知症の治療方法は世界の医学・製薬会社の”重要課題”となっています。日本では官民一体となり「治療方法」「新薬の開発」に挑んでいますが。現状では認知症に対する治療法としては「薬剤」による、治療が最も効果的であるとして「新薬」の開発が進められています。

近い将来認知症患者への明るい期待

認知症の新薬を一般的に実用化するまでに、開発からおよそ15年以上の期間が必要とされています。
日本人の最も多いタイプの認知症がアルツハイマー型でその治療薬として2014年に実用化された「アリセプト(ドネペジル)」はアルツハイマー型、レピー小体型認知症の治療薬として実用化されたことに、世界の医療界に衝撃を与えました。

アリセプト(ドネペジル)に期待される効果

アルツハイマー型、レピー小体型認知症では脳に伝達する神経物質アセチルコリンが低下して「物忘れ」「思考能力の低下」が生じます、ドネペジルは坑認知症薬剤としてアセチルコリンを増加させ記憶障害や認知症関連の症状の改善薬として開発されました。その結果ドネペジルによる効果は・・
①進行が中程度であれば20%~30%の有効率があるとされています。
②有効性の効果としては症状が数か月前から1年ほど前の状態迄に回復します。

ドネペジルは決して「認知症」の特効薬ではありません。
病気の進行を止める事や完全に元の状態に戻す事ができるものではなく、あくまでも薬を服用することで進行を遅らせる事の薬剤治療だと理解してください。

他の新薬開発状況

製薬会社の認知症の新薬開発の意図は開発に莫大な開発費を投じても、それを上回る認知症の市場性が見込め、特に世界の製薬会社は日本市場への新薬の採用を日本の製薬会社との合弁事業として市場参入を考えて新薬の開発に取り組んでいます。
その先端を切ったのがエーザイ製薬株式会社が開発、実用化したアリセプト(ドネペジル)で世界の製薬会社の一歩先に出ています。そのような市場性を視野において世界の製薬会社は新薬の開発に挑んで新薬の開発での市場の拡大しています。
米国の製薬会社が開発する薬「アデュカヌマブ」は、アミロイドβに結合する抗体医薬で、抗体が旗振り役になって脳の神経細胞の働きを調節する「グリア細胞」を呼び、グリア細胞がアミロイドβを減らすと考えられています。臨床試験の最終段階に当たる第3相試験を実施中で、20年秋に臨床試験を終了予定。20年代前半の発売を目指して日本市場へ参入する機会を検討しています。
同じく米国のイーライリリーの「ソラネズマブ」も新薬として開発しています。
同社は昨年までの臨床試験の対象者よりも、症状が軽い段階の患者に対象を設定しなおして第3相臨床試験を準備しています。

日本の中外製薬も、親会社のスイス・ロシュとともに、アミロイドβを減らす抗体薬「ガンテネルマブ」の第3相試験の年内開始を目指して準備中で、同社の開発中の薬の中には、同じくアミロイドβの撃退を狙った抗体薬「クレネズマブ」も含まれた新薬として期待されています。

このように製薬会社は2,000億規模の市場とも言われている、日本の認知症の市場へのシェア拡大に「認知症新薬」と言う強力な商品の導入させる為の準備は進んでいるようです。

 

 

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認知症の改善例

アルツハイマー型認知症の最新の改善例としてMEND(matabolic enahancement for neurodegenaration)プログラムによる治療法の改善例を紹介いたします。MENDは米国UCLA(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校)のプレデセン博士により提唱された知的障害(MCI、初期型アルツハイマー病)進行抑制、改善プログラムです。

MENDプログラムの4つのステップ

①個人医療データを集める

遺伝子、臨床検査、生活週間、病歴、現在の投薬など

②原因の特定

医療データを元に約50の認知機能が低下する要因を特定

③個人の治療計画を確定

結果に合わせて治療、サプリメント、生活スタイルを最適化。3ヶ月毎に再検査をして、治療計画をアップデート

④治療計画を支援

指導者と話し合いながらゴールを決め、目的を達成

25の治療プロトコル

1.食生活を整える、単純炭水化物を減らす、炎症を抑える
低血糖食、低炎症食、低穀物食を選んでいく
2.オートファジー、ケトン体
12時間断食で例えば、夕食を8時にすませたとしたら、次の日の8時のまで朝食を食べない
3.ストレスを減らす
ヨガ、瞑想、音楽など、その人個人に合わせたストレスを解放する方法を考える。炎症性ホルモンコルチゾール、CSFを減少させる

この様な項目を25行い治療へおりこむ事でアルツハイマー型認知症の患者への効果が期待されており、既にアメリカでは実証されています。

最新経過報告 MENDプログラム臨床試験結果

(2017年8月)
・SCI(主観的認知障害) MCI(軽度認知障害)患者239名の被験者ほ ぼ全員が改善
・初期アルツハイマー病患者の50~88%認知機能を改善
・むずかしいと思われていた中期~後期アルツハイマー病患者にも反応 あり、改善するかどうかはプログラムの遂行能力に大きく依存する。
・参加者の75%が辞めざるをえなかった仕事に復帰

追試予定

・400~500名の追試が2017年中に予定
・カリフォルニア州政府による1000名規模のトライアルが検討中

このプログラムへ介入することによる改善例としてアルツハイマー型認知症10人のうち9人が何らかの改善が現れ、通常の仕事へ復帰できたという改善例も報告されています。

 

 

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薬を使わない治療法とは

薬を使わずに、脳を活性化して、認知機能や低下した他の能力を高める治療法があります。まず最初に取り組むことは、家庭内や地域で本人の自立性を高めることです。認知症が進行してくると本人の自立性が少なくなり、日常生活で「何もしないでもよい」状況を作ってしまいがちです。何もすることがなくなって、呆然として暮らすだけでは、認知機能はさらに低下してしまいます。そこで、たとえば、いっしょに買い物に行く、食器を片付ける、洗濯物をたたむなど簡単なことでも、役割や出番を確保することが自分の存在感を再確認するチャンスになり、自発性を引き出すことにつながります。

■回想法

認知症の本人は、最近の出来事を思い出すことは苦手ですが、若い頃の思い出など昔のことを思い出すことはできます。そこで、昔の苦労話や自慢話をしてもらい、共感を持って聞くことで、一体感が生まれ、認知機能が高まると考えられています。若い頃住んでいた場所を訪れる、若い頃に見た映画やテレビ番組を改めて鑑賞するなどの方法も回想法に含まれます。

■認知リハビリテーション

音読・書き取りや計算問題などのドリルは脳の活性化に役立つと考えられていますが、本人が積極的でないときに強要すると、かえって逆効果になることがあります。

■音楽療法、園芸療法

音楽を鑑賞したり、演奏すること、花や野菜を育てることは、感情の安定や自発性の改善に役立ちます。

このほかにも、ウオーキングや体操などの有酸素運動を取り入れた運動療法、絵画や陶芸などの芸術療法、動物とのふれあいを通じて感情の安定などを目指すペット療法などさまざまな方法があります。

 

注意点

先の項目で説明しないしたように現在認知症に関しての治療方法は薬剤投与の治療方法が 最も高価な治療方法として取り上げられていますが そこには問題も数多く蓄積されています。それは薬の副作用に耐えなければ行けない状態になります。ここで認知症の薬として前の項目でも紹介しましたアリセプト(ドネペジル)の副作用について紹介いたします。
アリセプトは中核薬と呼ばれる薬です、主に脳内のアセチルコリンを上昇させることで症状を緩和させる作用がある薬です。
脳内のアセチルコリンを増加させることで、記憶などに効果があることがわかっており、さらに幻視などの周辺症状を改善させる作用もあります。ただアリセプトですが、副作用も多く報告されています。内服した時にでやすい症状として、

副作用例

①「ちょっとしたことで興奮しやすくなる」
②「攻撃性が増す」
③「怒りっぽくなる」などの症状がでる場合があります。

ただし、なぜこのような症状がでるかはまだはっきりしておらず、また副作用かどうかも議論があるところのようです。
認知症の専門医によると一つは薬を飲むことで頭の回路が回るようになり、自分の物忘れなどに不安を覚えてしまい、不安の感情をうまく逃がすことができないため怒りっぽくなったりする可能性があるようです。
また純粋にアリセプト自体の作用として活気が出る作用があります。あまり強く効果が出ることで興奮性、攻撃性が増えるといった副作用がでてしまう可能性も否定はできません。何れにしてももともと怒りっぽい人やイライラしやすい人がアリセプトを処方された場合には注意が必要です。
症状はアリセプトを内服した当初からでる場合と増量時によくでることが知られています。
アリセプトが処方され服薬開始した時期には、周囲の人がしっかりと様子をみていく必要があります。

 

 

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まとめ

今や認知症は高齢者の誰にでも発症する可能性が高くなってきています。しかし問題は発症しても完全なもとに戻す治療方法がなく、進行を抑制するための治療方法だけですが、IPS細胞による治療や世界の製薬会社や研究機関で開発された治療法で一人でも多くの認知症患者が自立できる日が近い将来訪れる事に期待したいものです

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