言語聴覚士の年収はどうなの??年齢が変わると?

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言語聴覚士は、失語症、構音障害、吃音、伝音性難聴、感音性難聴の言語指導、嚥下障害の人の嚥下指導、高次脳機能障害や知的発達の遅れのための言語訓練などを行う職業の人です。言語聴覚士は専門的な勉強をして国家試験を受けてもらえる資格です。
そのため、それに見合う待遇や給料を実際には受けているのでしょうか。
言語聴覚士の年収やこれからについてをご紹介したいと思います。

 

言語聴覚士の待遇

言語聴覚士の医療関係従事者数は平成27年12月31日の厚生労働省政策統括官付保健統計室「平成26年医療施設調査・病院報告」によると、言語聴覚士の医療関係への従事者は14,252人です。それに対し、理学療法士は77,139,8人、作業療法士42,136,1人となっています。全国の言語聴覚士の人数は2017年で約28,000人です。東日本より西日本の方が言語聴覚士の数が多いですが、それは西日本の方は東日本より療養環境が良いためと考えられます。

言語聴覚士は他の二つの資格に比べて、資格を持っている人数が少なく、仕事場所によっては激務になっている言語聴覚士もいます。仕事としては安定していて今後ニーズは増加していく仕事です。言語聴覚士の資格を持っていると、需要が多いので次の職場を見つけやすく、年齢が高くても採用される可能性が高いです。

働く場所は、民間病院、大学病院、学校の生徒への言葉の支援、福祉施設、リハビリテーションセンターなど様々な場所で仕事を求められています。仕事は原則日中だけで、公的病院では託児所が完備されているところもあり、福利厚生は公務員に準拠しているのでしっかりとしています。正職員であれば、各種社会保険は完備され、交通費は支給されます。

また、病院の言語訓練の場合、忙しく嚥下指導が中心になることが多いです。特に脳外科などの急性期医療の病院では、早期の言語リハビリが後の言葉に左右するので激務になる場合があります。

施設勤務の場合、介護職のように夜勤はないですが、認知症の高齢者が多い施設では、言語聴覚士がリハビリをする意義を見失い、縦社会の中でメンタルをやられてしまう場合もあるようです。老人保険施設だと、リハビリの時間が短いため、たくさんのことはできません。あれもこれもしたいと思っても出来ないことが老健での言語リハビリの難しいところです。

女性の言語聴覚士の場合、病院でのリハビリだと拘束時間が長いため、出産後、正職員として続けていくことが難しくなり、短時間の勤務に変える人がほとんどです。そのあたりの待遇の整備が行われると、言語聴覚士の離職率が減ると考えられます。

待遇のいいところは、それが整備されている大企業なので、大企業と関係する病院への就職できると満足した収入や待遇を得られるでしょう。

 

 

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言語聴覚士の年収

言語聴覚士の年収は、働く場所によって異なります。成人に対するリハビリテーションか小児に対して行っているかによっても異なります。

規模別の言語聴覚士の年収と月給

大企業の病院の年収・・・400万~500万円
月給・・・平均33万円で大学卒の人より給料は高いです。
小規模の病院の年収・・・300万~400万円
月給・・・平均25万円

職場別の言語聴覚士の年収と月給

医療施設の年収・・・300万~400万円
月給・・・25万~30万円

福祉施設(高齢者福祉施設、障害者福祉施設、児童福祉施設)の年収・・・300万円~400万円
月収・・・20万~30万円

リハビリテーション施設の年収・・・300万~450万円
月給・・・20万~30万円

特別支援学校の年収・・・300万~400万円
月給・・・18~20万円

年齢別の言語聴覚士の年収と月給

年齢別の給料でみると、長く勤めていた人の方が給料は高くなり、年齢が高いほど給料は高いです。
20代~30代の年収・・・250万~400万円
月給・・・15万~25万円
40代~50代の年収・・・400万~550万円
月給・・・25万~35万円

言語聴覚士の平均年齢は32.5歳で平均年収は300万~400万円、平均月額給与は20万円~30万円です。

管理職クラスの年収と月給

主任クラスの年収・・・350万円~450万円
月給・・・25万円
課長クラスの年収・・・500万~600万円
月給・・・35万円
部長クラスの年収・・・600万~700万円
月給・・・40万円

 

言語聴覚士の賞与

賞与は給料が多いほど多くなり、月給の4か月分ほど貰えるところが多いので、それをもとに算出しています。

規模別の言語聴覚士の賞与

大企業の病院の賞与・・・132万円
小規模の病因の賞与・・・100万円

年齢別の言語聴覚士の賞与

20代~30代の賞与・・・60万~100万円
40代~50代の賞与・・・100万~140万円

管理職の言語聴覚士の賞与

主任クラスの賞与・・・平均100万円
課長クラスの賞与・・・平均140万円
部長クラスの賞与・・・平均160万円

職場別の言語聴覚士の年収

医療施設の賞与・・・100万~120万円
福祉施設の賞与・・・80万~120万円
リハビリテーション施設の賞与・・・80万~120万円
特別支援学校の賞与・・・72万~80万円

 

 

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言語聴覚士のこれから

言語聴覚士の現状

1999年に第1回言語聴覚士国家試験が行われたときは4,000名しかいませんでしたが、現在は、28,000人くらいの言語聴覚士がいます。言語聴覚士の仕事は小児から高齢者まで幅広い人のリハビリをすることです。ですから、言語聴覚療法が必要な人に対して、言語聴覚士として従事する人の数が足りていません。言語聴覚障害を抱えている人は、日本の人口、1億3千万人の5%にあたる650万人ほどいるといわれています。そのため、36,000人ほどの言語聴覚士が必要ですが、まだ言語聴覚士の従事者はかなり足りていません。

2016年3月末の言語聴覚士協会の調査によると、言語聴覚士が働いている所属機関は、衣装機関が69,7%と一番多く、老健・特養が8,0%、福祉8,0%、福祉7,2%、養成校1,7%、学校教育1,9%、研究・教育機関1,1%となっていて医療機関で働く人が圧倒的に多いです。

また、2016年3月に言語聴覚士13,099人に対象領域の調査を行ったところ、「摂食・嚥下障害」が11,043人、「成人言語・認知」が10,980人、「発生・発語」が9,827人、小児言語・認知が3,615人、聴覚1,701人、その他477人となっています。小児領域では採用数が少なく、まだ、言語聴覚士の資格を生かせる場として状況が整っていません。言語聴覚士の不足だけでなく、障害領域の偏りが見られます。

言語聴覚士の今後の見通し

言語聴覚士たちの活躍が進んでいるアメリカの金融情報サイト「キップリンガー」は、「今後、10年で成長する職業と消える職業」についての記事で、成長する職業の10位に言語聴覚士を上げています。成長する産業は医療従事者とIT関連従事者とされています。

しかし、日本では言語聴覚障害への認識が低く、アメリカでは250以上の修士課程で言語聴覚障害の資格を取るために養成していますが、日本の大学の養成校はアメリカの1/20という現状です。

今後、高齢者が急に増えていくに従って、介護施設も増えてきます。嚥下障害や脳梗塞などによる失語症や口の運動機能のマヒなどの人もますます増えてきます。言語聴覚士は機能訓練指導員として働くことができ、言語聴覚士は買い手市場です。転職しても働く場はあるので、これからますます必要とされていく職業です。

 

 

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まとめ

言語聴覚士は絶対数が不足しており、理学療法士や作業療法士と比べると知名度が低い職業です。地域や働く場所によって違いますが、正職員であれば待遇や年収は理学療法士や作業療法士と同じくらいの待遇だと言っていいでしょう。今後、高齢者が増えるにつれて、ますます言語聴覚士は必要とされてきます。

そのためにも、言語聴覚士の育成が必要となってきます。

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