介護福祉士の実技試験ってどんなことするの?免除要件は?

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平成12年に介護保険制度が創設されて「介護」が一般的になってきました。それに伴って訪問介護員(ホームヘルパー)という言葉も広がっていきました。訪問介護員の色々な資格の中に優位の国家試験の介護福祉士があります。介護福祉士の資格取得について、特に今回は実技試験を中心に紹介させて頂きます。

 

介護福祉士の実技とは

介護・福祉の関連で三大国家試験と呼ばれるものが「社会福祉士」「介護福祉士」「精神保険福祉士」です。まず介護福祉士の国家試験について理解してもらえれば実技試験はどんなものか、わかって頂ける事だ思います。

介護福祉士の資格取得

介護福祉士の国家試験の合格率は以前は20%~40%前後と難易度の高い試験でしたが近年は受験方法の見直しなども行われ、60%くらいと取得しやすくなってきています。

■受験資格

実務経験(3年以上介護等の業務に従事した方)+(注1)実務者研修

(注1)平成28年度(第29回)試験から実務経験に加え、養成施設等における「実務者研修」の修了が必要になりました。

■従業期間・従事日数

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[従業期間] 実務経験対象となる施設での在籍期間
[従事日数] 雇用契約に基づき、実際に介護等の業務に従事した日数。

介護福祉士資格取得ルート

介護福祉士資格を取得するルートには「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「養成施設ルート」があります、実技試験はこの資格取得ルートによっては実技試験が必要な場合があります。

■実務経験ルート

実務経験が3年以上あり「実務者研修」を修了、その上で筆記試験に合格すると「実技試験」は免除されます。

■福祉系高校ルート

2009年以降入学者で新カリキュラムでの卒業者は、筆記試験に合格すると「実技試験」は免除されますが、2008年以前入学者で旧カリキュラムでの卒業者および特例高校等の2009年以降入学者で介護技術講習を修了していない人は、筆記試験の合格後に実技試験が必須となります。

■養成施設ルート

養成施設を卒業すれば、現状は「実技試験」を受験する必要がありません。(ただし、厚生労働省による2022年度以降の方針の変更も示唆されています。)
介護福祉士は訪問介護員の中でも資格の重要性をいかした、介護現場での中心的存在になって、色々な職員への専門的知識を生かした指導や、事業所では「安全管理責任者」という立場で事業所内でも重要事項の業務をこなす中心的な役割を担う立場になります。

 

 

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介護福祉士の実技試験の内容

実技試験の内容は毎年異なりますが、介護の現場において実際の仕事ができるかどうか、実践的な能力を問う内容となっています。試験ではまず実際の介護の現場で想定される介護のシチュエーションが提示されるので、制限時間5分

以内で適切な介助を行うことが求められます。例えば「一部機能の麻痺がある要介護者を想定し、その人が望む体勢にすみやかに移動させる」や「着替えなどの作業補助を行う」などの内容です。参考までに過去の試験問題を紹介します。

◆「第25回実技試験問題」

右上下肢に麻痺があります。歩行器型杖で自室に戻る途中、右膝に痛みを感じたので、歩いて自室に戻るのは「不安だ」と言っています。要介護者Aさんが歩行器型杖から車いすに移乗し、自室のいすに座るまでの介助をして下さい。

車いすの点検は済んでいます。
要介護者Aさんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。

◆「第26回実技試験問題」

要介護者Aさんは、2カ月前に視力を失い、生活全般に一部介助を必要としています。食事に行く準備を整え、身だしなみを気にしています。 居室の椅子に座っているAさんを食堂まで歩行介助して下さい。そしてAさんが食卓についてス

プーンを持つまでの介助をして下さい。本日の献立はカレーライスです。
Aさんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。(モデルはアイマスクを着用しています。)

◆「第28回実技試験問題」

要介護者Aさんは、右上下肢に麻痺があります。移乗は一部介助が必要です。車いすを使用して全介助で移動しています。 Aさんはテラスでレクリエーションを終えて、車いすに浅く座っています。Aさんは少し疲れたと言って、飲み物を希望しています。途中にある段差を超えて食堂まで移動して下さい。そして椅子に移乗して、飲み物をすすめるまでの介助を行って下さい。
Aさんの返事は「はい」または、うなずくだけです。

介護福祉士の実技試験はまさに、実際の介護現場での介護を極力現実に近い状況で行われれます。実際に介護の現場でサービスをおこなう事になったときに、要介護者へ的確なサービスが行えるように厳しい実技試験は必要な事です。

 

 

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介護福祉士の実技試験に通るためには

介護福祉士の実技試験で心配なことは、予測される課題が多岐にわたることです。 しっかりと勉強していたにも関わらず、想定外の出題内容に戸惑ってしまった、あるいは極度に緊張してしまう性格で、普段なら問題なくクリアできる課題に対してうまくこなすことができなかった、などの問題が生じることも考えられます。そのようなことがないように、自分の能力を発揮するためにもいろいろなケースの課題を想定し練習を積むことが大切です。繰り返し事例に取り組み、やってきたことに自信がつけば、おのずと試験時の緊張もほぐれます。

実技試験を通る為のポイント

実技試験は介護の3原則「安全・安楽」「個人の尊厳」「自立支援」に基づき、 以下の基本的なチェック項目に配慮し、与えられた課題の介助を展開していくことが求められます。制限時間内に必要な動作を行うことが重要となるので時間配分を考えて行うようにしましょう。

・利用者とのコミュニケーション
・利用者の健康状態の把握
・事前の説明と承諾
・身だしなみの確認など
・環境整備
・残存機能の活用
「車いすの操作」「体位変換」「移乗」などの介助が適切にできているか

平成29年介護福祉士国家試験から実技試験の廃止

厚生労働省は「介護福祉士国家試験の出題範囲等の今後の在り方について」において、平成29年度より介護福祉士国家試験の実技試験を廃止する方針を発表しました。

■主な変更内容

筆記試験の総出題数を平成27年度より120問から125問へと増やし、主に医療的ケアについて問題が増やされます。また「介護の基本」の問題を減らし「生活支援技術」の問題が増やされるようです。

実技試験については、福祉系高校卒業者がすべて新カリキュラム導入後の卒業者となることに加え、実務経験者ルートでも平成27年度より受験要件が変更となり、約450時間の「実務者研修」の受講が受験資格となるため、実技試験は廃止となります。

合格基準は養成課程で修得すべき知識・技能を備えているかを評価するという観点から総得点の60%程度を基準とし問題の難易度で補正するようです。

 

介護福祉士の実技試験が免除になることも?

「実務経験3年以上」の方は、「実務者研修修了」と合わせて受験資格となり、実技試験が免除されます。
福祉系高校(「特例高校」及び「旧カリ高校」)卒業の資格で受験される方は、「介護技術講習」を修了する必要があります。経済連携協定(EPA)の方は、「実務者研修」または「介護技術講習」を修了する必要があります。

年に一度の試験

介護福祉士試験が行われるのは年に一度だけです。試験は筆記試験と実技試験の2つの試験が行われ、筆記試験は1月末にq、実技試験3月上旬に行われます。つまり、今年の試験が不合格になった場合、次のチャンスは1年後ということになります。
仮にまず行われる筆記試験で不合格となった場合は、その後に行われる実技試験を受けることはできず本年度は不合格という扱いになります。そして来年に再度試験を受ける場合は、また筆記試験から受ける必要があります。実技試験で不合格になった場合も、来年度は筆記試験から受けなおしです。筆記試験の過去問題はインターネットqの様々なサイトで無料閲覧することが可能です。試験対策用の参考書も毎年多く発売されているので、独学で勉強することも出来ます。一方の実技試験は、対策用の参考書などはほとんどありません。過去にどういった実技試験が出題されたかは公開されますが、毎年意表をつく問題ばかりで、試験当日にならなければどういった問題が出題されるか、予想ができません。つまり、この実技試験こそが介護福祉士となる一番の難関となっているのです。現に筆記試験の合格率は毎年高いのですが、実技試験で一気に多くの介護士が不合格となっています。

2つの実技試験の免除方法

2015年迄は2つ実技試験の免除方法がありました。

■介護技術講習会受講

まず1つは介護技術講習会を受講する方法です。介護技術講習会とは、平成17年度から導入された介護技術講習制度で講習の修了認定者については、介護福祉士試験の実技試験の免除が受けられることとなっています。介護技術講習会を受講する費用は5万円程度で、受講時間は合計32時間ほどとなっています。

■実務者研を修了する

そしてもう1つは、新たに作られた実務者研修を修了するという方法です。実務者研修とは、平成29年に行われる第29回介護福祉士試験から、実務経験ルートの受験資格として必要なる資格です。ですが、それ以前の第28回試験までは経過措置として実務者研修の修了者は原則実技試験が免除されるようになっています。つまり、介護技術講習会と同様にあらかじめ研修を受けることで、確実に実技試験をクリアできる手段なのです。実務者研修の費用は無資格者だと15万円前後、受講時間は450時間(6ヶ月)となっています。

■介護技術講習会廃止

介護福祉士試験の実技試験を免除する方法は上記の2つとなっていますが、どう考えても介護技術講習会を受けた方が費用も安いし受講時間も短いのでいいですよね。しかし、介護技術講習会の受講による実技試験の免除は2015年で終了となりました。つまり2016年以降に、実技試験を免除するためには実務者研修を修了する方法しかなくなります。

 

 

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まとめ

これからの日本は益々の高齢化社会と認知症等の不治の病の患者が増加してくる事は間違いないことです。そんな環境のなかで介護福祉士のような専門的知識をもった、訪問介護員が多く必要になってきます。
介護の資格については初任者研修(ホームヘルパー)以外の資格取得には介護福祉士などは時間がかなり必要です。なるべく若いときに挑戦する事をおすすめします。

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