介護離職が高い介護施設を分析する

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最近社会的問題に取り上げられている介護離職と言う問題は、新聞の三面記事の片隅を埋める程度の問題ではないと思います。これからの高齢者社会に伴い家族の介護が増加してくると予想されるなかで介護離職という問題は当事者にとっては生活面を大きく変化させる深刻で問題です。そんな介護離職の問題はどこにあるか等を検証してみたいと思います。

介護の離職率とは

これからは、更なる高齢化社会及び認知症や難病の患者が増加してくることは事実として、避ける事ができない状況になってきます。そんな環境下で最も心配される問題が、「介護者」です。ホームヘルパーを始めとする介護職の業界そのものが、長年にわたり人材不足が続いて現実、今のサービスでも十分で満足できるサービスの提供ができているかは、明解な解答が出てこない状態です。

家族への介護の負担

現在の国の介護に対する基本的な方針は2025年完成を目指している「地域包括支援システム」によるように「住み慣れた町で介護を」というように施設介護から在宅介護に推進しています。そのような結果になると、様々な問題が浮上してくる事は明白です。平成24年度総務省「就業構造基本調査」によると
■勤務先で介護をしている従業員人は
①239万9千人(女性は137万2千人、男性は102万7千人)、
②全雇用者数に占める割合は女性5.5%、男性3.3%である。
③年齢別では、男女ともに最も多いのが「55~59歳」
■介護離職者の介護内容
①介護の為に離職した人でほぼ毎日生活支援(そうじ掃除、洗濯、買い物等)や身体介護(入浴等)を行っている人56.1%
②就労しながら介護をしている人、「ほぼ毎日」が35.5%で、「週に2~4日」が22.7%
就労しながら、ほぼ毎日、もしくは週に2~4日ほど介護をしている人の割合が58.2%と多いことから、気にかかるのが離職者数です。家族の介護や看護を理由とした転職、離職者数は1年間(2011年10月~2012年9月)で101,100人ありました。
■年間離職者状況
①男女別離職者数
[女 性]  81,200人(80.3%) [男 性] 19,900人(19.7%)
年ごとにやや差はあるもの、おおむね8~10万人が介護・看護を理由に退職し、その8割が女性であることがわかります。この数値はこれからの国の社会(福祉)保障問題の進め方次第により、更に増加することにり企業の生産性の面への影響も懸念されます。

家族から見た介護離職とは

両親のいづれかを利用者本人の意向や財政的な理由で在宅介護を選択した場合、介護をする人は配偶者および子どもということになりますが、通常、配偶者は要介護高齢者と同世代という可能性が高く、子どもが介護を担うことも少なくありません。大家族で、おまけに要介護高齢者と同居しているような場合ならともかく、同居していたとしても介護できる人間が自分だけ…という場合も多いものです。介護負担は全て自分一人にのしかかってくるようなケースの場合、時間的・金銭的・精神的な介護負担はかなり大きなものとなってきます。その上親の介護の為に勤務先を辞める事となる「介護離職者」になっていきます。
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介護施設の離職率とは

介護施設の職員を取り巻く環境はまだお世辞にも決していいとは言えません。施設には色々な種類があります。利用者の状態や周辺環境も当然違ってきますが、共通している在宅介護との違いが次のような事が考えられます。
① 利用者数が大きく違いひとえい一人で受持つ人数がかなり違う。
② 夜勤や残業が多く自分の予定がたてられない
③ ②を頑張ってやっても月の給与は低い
④ 施設での職場環境、人間関係が上手くとれない。
⑤ 利用者や家族から問題や文句を毎日のように聞かされる
一般的に施設での離職率が高い理由として上の項目のような原因がありますが、これは一概になるほどだと思う点が少ないかと思います。介護という仕事の「目的」や「意義」をすこしでも理解する事で介護の重要性というものが、わかり仕事に意欲も出てくることです。職場での人間関係による退職は施設だけではなく在宅の介護事業所でも同じような理由で入社後一年未満で退職している状況は、以前から問題視されています。この点と給与の水準が他の企業の水準より低い事で、求人率が悪く、離職率が高くなっています。 その具体的な要因には次のような点も更に考えられます。
① まともに生活できるだけの賃金が貰えていない
② 想像していた仕事よりもきつかった
③ 体力勝負なとこがあるのに女性が7割以上占める
④ 経営者などの運営側に不満がある
⑤ こうなりたいという理想像が職場にいない
⑥ これから先の人生に夢が持てない(給料など)
というようなことも先に挙げました離職の要因以上に当事者は深刻に思っているようです。確かに賃金が低いということも離職率が高い理由になりますが、それだけではないのです。働いている中で利用者さんと上手くコミュニケーションが取れなくて精神的に落ち込んでしまうこともあります、ミスを連発してへこんでしまうこともあります。
それに人手不足の事業所が多いので、一人にかかってくる負担が大きく後輩を指導できる人がいない、つまり人を育てる環境が整備されていないということもあります。そして、夜勤やサービス残業など頑張った結果、1カ月の評価としていただけるお給料はほんのわずかしか貰えない。
これでは給料が安く、右左も分からない新人職員が定着しないのが現在の施設介護の離職率が高くなる要因だと思います。施設での介護職員の離職ついては上に挙げました原因とは、別に親の介護を理由に、施設での夜勤や残業等がある勤務体系での働き方が続けられなくなり「介護離職」をする人が多くになっています。

一般企業の介護離職

厚労省が実施している調査では働きながらの介護をしている30代から50代の人が増え続けており、普通はまだ企業の中軸として働く年代ですが、親の介護を続けると
いうことは、つまり、働きながらの介護を強いられているケースが一般的になってきます。
■男女別働きながら介護をしている年代厚生労働省「就業構造基本調査」
年齢 ~29歳 30代 40代 50代 60代 全体
総数 0.9% 1.7% 3.8% 10.1% 9.0 4.8%
男性 0.7% 1.3% 2.7% 7.2% 7.7% 3.7%
女性 1.1% 2.2% 5.3% 14.2% 11.1% 6.2%
いずれにしても介護施設も企業でも「介護離職」という問題は存続に関わるぐらい大きな課題です。この課題はいち企業やいち介護事業所で解決できる問題ではなく、これは国や都道府県が現在の現場の状況に適した対応策を講じていかないと、これからも益々介護離職者の増加を防ぐことができないのではないでしょか。
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離職率の高い施設の見極めポイント

一般的に会社でも店舗でも離職率が高いということは、そこに従業員が定着できない何らかの問題があるからではないでしょうか。更に離職率の高さが深刻な職場に就職してからは、「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、求人を探す段階から、離職率が高い職場を見分ける「目」を持つことがポイントでもあります。では、介護施設の場合はどうか見てみましょう

介護施設の介護離職の見極め方

離職率の高いか、低いかは中々外見や一部の資料では判断がつくものではないと思いますが「、色々な調査報告をっ集約すると次のようなポイントが見極める要因になってきているようです。
■求人時
① 職員数に対して採用人数が多すぎないか
例えば現在の職員が50人の介護施設・事業所が、10人の職員を採用予定にしている場合など。一定数の退職者が出ることを予想して、大量採用をしている可能性があります。ただし、新規立ち上げメンバーの募集等、正当な理由があって大量採用をしている場合も。転職支援サービスに登録している場合は、募集背景を担当コンサルタントから確認してもらうと安心です。
②絶えず求人募集を出していないか
ハローワークや求人サイト等で求人を探す時、「この求人、よく見るな…」「この間掲載終了したばかりなのに、また再開してる」と思ったことはありませんか? 中には採用基準が厳しく、人材を厳選している可能性もありますが、待遇の悪さか人間関係の悪さか、離職率が高く、採用活動に苦戦している場合が多いです。
③周辺の事業所と比べて、給与が高すぎないか
近隣事業所の同じ職種の求人と比べてみて、給与が高すぎる場合も注意が必要です。残業時間の多さや人間関係の悪さ等から、こちらも予め退職者が出ることを見越して、高給与を提示して人を集めようとしている可能性もあります。
④年間休日数が少なくないか
週や月の休日数に比べてイメージしにくいですが、年間休日数こそ休日の多さを知る大切な基準。厚生労働省の調査では、医療・福祉分野の年間休日数の平均は109.2日。介護職の求人を探す時は、年間休日110日を1つの目安にすると良いでしょう。(「年間休日」は一般的に有給休暇を含みません)
■面接・見学の時
①職員間の笑顔・コミュニケーションは活発か
利用者さんやご家族、見学者などの「お客様」に明るく声掛けをしていても、職員間ではどうでしょうか? 会話や笑顔が乏しく、慌ただしく走り回る、職員間だけでなく利用者さんにもキツい口調で話している… このような職場は、人手不足が深刻で余裕がなく、職員も利用者も大事にしない・できない環境かもしれません
②面接が短時間であっさり終わりすぎないか
簡単な質問を2、3点しただけで即内定。「いつから来られる?」と聞かれたことはありませんか? とにかく人手が欲しい状態で、人材を十分に吟味していない(する余裕がない)可能性も。労働条件や福利厚生の説明が全くなかったり、質問しても曖昧にされたりする場合も要注意。そうした面接ではミスマッチが起きやすく、離職率がさらに高まる悪循環も起きそうです。
③清潔感の無さ・汚物臭が気にならないか
玄関にスリッパが散乱している、詰め所が物で雑然としている、廊下にゴミが落ちている、オムツや排泄物の臭いが充満している等。そうした状況を放置しているということは、人手不足で気づけない状態・見て見ぬフリが常態化している懸念も。物品管理が乱雑だど、ヒヤリハットや事故につながる恐れもあるため、特に注意が必要
④施設長・管理者・リーダーが信頼できそう
見学や面接は、自然と施設長やリーダーと話せるので、上司になる方の人となりを知る数少ないチャンス。見学者や利用者に対して丁寧に接していても、職員に対する言葉遣いや態度はどうでしょうか? 職員が助けを求めても事務所に引っ込んだままであったり、職員によって態度を変えていたりしないか、注意深く観察を。
以上のような点を最低限見極めて、判断することが重要ではないかと思います、介護施設に限らず働く職場は快適に働く事ができ正当な評価のもとで頑張って働きたいものです。

 

 

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こんな施設は離職率が低い

人手不足の職場では、利用者に行き届いたケアを提供したくてもできません。そうした現状にジレンマを抱える介護職の方はとても多いはずです。離職率が低い職場は、人間関係が良好で、職員も利用者も大切にし、頑張った分を正当に評価してもらえる職場です。そうした介護施設も確かに実在しています。ではどういう施設が離職率低い施設か紹介致します。

離職率の低くなる施設造りとは

■あえて難しい仕事も積極的にやらせ、自分で考えさせてみる
介護の現場は、原理原則が同じであっても、それぞれの施設で細かい決まりごとがあります。早く仕事を覚えてほしいからと手取り足取り教えたり、簡単に対応できる利用者ばかりを担当させていたりしていませんか? これでは簡単な仕事だけに慣れてしまい、何かトラブルがあったときにすぐに辞めてしまう結果につながります。あえて対応が難しい利用者のケの担当につけて、どうすればいいのか自分で考えさせるようにしましょう。
もしここで耐えられず辞めるなら、その社員は遅かれ早かれいつか辞める人材だったということで割り切りましょう。早期離職を防ぐためにあえて社員を逆境におきます。そうすることにより、自分で問題を解決する能力が身につき、多少のミスでは離職しない、強い心を育てています。このやり方を介護現場に応用することで長期的に働く優秀な人材を育てることができるのではないでしょうか。
■外へ募集をかけるより、パート職員を活用しよう
介護施設で多いのが、一人辞めたらすぐに一人の求人をかけるということ。しかし、雇った一人を教え込むために何人もの人材が割かれ、その教え込んだ人材がすぐに辞めて、また新たに一人雇ったところで同じことを繰り返すとなれば、時間と労力の無駄となります。そこで、パート職員へ目を向けてみてはどうでしょう。パート職員は、社員同様に一生懸命働き、かつ優秀な人材も多くいます。本人の希望を取り入れつつ、社員へキャリアパスを提示すると、モチベーションもあがり、長期的に働いてくれる可能性がぐんと高くなるでしょう。

 

 

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介護業界の今後の離職率の動向

厚生労働省が発表している「雇用動向調査(平成27年)」を見てみると、医療・福祉関連の離職率は14.7パーセント。全産業の平均離職率は15パーセント、もっとも離職率の高い宿泊業・飲食サービス業が28.6パーセントですからそれほど高くないように思えます。介護事業所に対して毎年行われている、公益財団法人 介護労働安定センターの「介護労働実態調査(平成27年度)」を見てみても、離職率は16.5パーセント。平成20年以降20パーセントを下回り、全産業比率とそれほど変化はありません。
■介護職種別動向
介護職と一言で言っても、正規・非正規といった働き方の違いや訪問介護か施設介護かといった職種の違いがあります。同じく「介護労働実態調査(平成27年度)」では、職種・雇用形態別の離職率も調査されており、もっとも離職率が高いのは非正規の介護職員で21.7パーセント。次いで正規の訪問介護員で15.8パーセントとなっていました。訪問介護員と介護職員とを比較すると、介護職員の離職率が17.6パーセントであるのに対し、訪問介護員の離職率は14.1パーセント。雇用形態別にみると、非正規職員の方が離職率が高い傾向にありますここで、注目したいのが1年未満で辞めていく人の割合。離職者のうちで1年未満に辞めていく人が一番多いのは職種は介護職員(41.6パーセント)、雇用形態では非正規職員のうち常勤スタッフ(46.2パーセント)が多くなっています。また、1年以上3年未満の離職者は離職者全体の34.6パーセント。「1年未満」「1年以上3年未満」を合計すると74.8パーセントの人が3以内に辞めていることがわかります。こうした現状は、介護の仕事を始めてみて「理想やイメージと違った」と早々に仕事を辞める人が多いことが予想されます。

まとめ

長年勤めてきた会社を突然両親の為に離職しなくてならない状況になった時に、自分の生活をすべて犠牲にするような事になることもあり得ます。現在 国の対応策として 介護休暇や介護休日等の制度を設けましたが、このような制度では解決できない為、苦渋の決断で離職する結果になってきているようです。現在の日本のトップが3本の柱の方針として「介護離職者0」はどういう事だったのでしょうか。

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