高齢者の骨折注意!気をつけること4選を大紹介

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よくお年寄りに転倒しないように気を付けてと言います。それは、高齢者が骨折して入院すると寝たきりになるリスクが大きいからです。若い人は骨折しなくても高齢者はすぐに骨折します。
高齢者が骨折しやすい部位や骨折しないように何に気を付けたらいいのでしょうか。

 

高齢者の骨折とは

介護が必要になった原因の一つが骨折である

平成28年度の厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、高齢者で介護が必要になった主な原因を見てみると次のようになっています。

 

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出典元:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/05.pdf

 

これを見ると、要支援2になった人の原因の第1位が骨折・転倒で、要支援者の総数では第3位に上がっています。要介護4と要介護5の人で骨折・転倒は第3位に上がっています。つまり、骨折・転倒すると要介護4,5の寝たきりの状態になる可能性が高いということです。

若い頃なら、とっさに手を出して、何かにつかまったり、身体を支えたりして転倒を事前に防ぐことができました。しかし、高齢になるにしたがって反射神経が衰え、とっさの行動や判断ができなくなります。高齢者の運転で、誤ってブレーキと間違えてアクセルを踏んだり、高速道路を反対走行したりして事故を起こすケースがあるのはそのためです。
ですから、高齢になると転倒を予防する反射神経が鈍くなっていて、骨折に至るケースが多くなります。

救急要請された高齢者の割合

総務庁消防庁の調べによると、平成16年に救急搬送された人は500万人を超えて平成22年には急に増えて546万人になっています。平成22年に救急出動件数が増加した原因は高齢者の傷病の増加です。その割合は次のようになります。

 

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出典元:http://www.fdma.go.jp/html/intro/form/pdf/kinkyugyoumu_kentokai/houkoku/8.pdf

 

高齢者の傷病者を救急搬送した割合は80.9%に上っています。救急搬送された人の年齢を見ると、平成17年には成人が最も多かったが、平成21年には高齢者が49,3%となり4,9ポイント上昇しています。

高齢者が骨折する場所

高齢者が事故を起こす場所で一番多いところは居宅なのです。居宅内でも最も発生することが多い場所は居室内での事故です。

 

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出典元:内閣府平成127年度版高齢社会白書
居室内での65歳以上の事故は居室内が45%、台所、食堂が17,0%、階段が18,7%となっています。転倒して骨折した人が要介護認定される割合は全体の10%にも及びます。そのうち、骨折に至るケースは階段での骨折が一番多く、次に道路での骨折、建物内の床での骨折、床、風呂場での骨折です。

骨折事故に至った原因は、高齢者になるほどほとんどが転倒による骨折です。他には転落やぶつかる、挟むなどによる骨折です。ほとんど段差がない所でも高齢者がつまずいてしまうのは、反射神経が低下しているからです。わずかな段差だと段差だと認識していなくてつまずくということにもなりかねません。転倒しないように少しでもバイアフリーにすることが必要です。

 

 

 

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高齢者の骨折の原因

高齢者は、骨量が低下する骨粗しょう症になっている人が多くいます。その上、筋力やバランス感覚が低下して身体を支えきれなくなり転倒するリスクが増えてきます。

近年では女性の高齢者の骨粗しょう症が増えています。骨粗しょう症学会の調査によると2007年では男性が31,300人に対し、女性は116,800人もいます。女性は閉経後、骨量を維持している女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減るため骨粗しょう症になりやすいのです。

そのため、骨折事故も男性約30%に対し女性70%と女性の方が倍以上多いのです。

高齢者になると、骨折はつまずくとか滑る、落下するなどをきっかけに転倒することが多くなります。高齢になると、筋力が弱く段差が付いた場所や畳の縁などでつまずくことが多くなります。また、畳物上に置いてあった新聞紙を踏んで滑ったり、ワックスのかかったフローリングで滑ったり、スリッパを履いていて滑ったりして転倒します。階段やベッドから落下することもあります。

 

高齢者の骨折しやすい箇所

高齢者が骨折しやすい箇所は次の4か所です。

手首(橈骨遠位端骨折)

橈骨遠位端骨折は、転倒して手の平をついた時や自転車、バイクに乗っていて転んだ時に前腕の2本の骨の内橈骨が折れる骨折のことです。症状としては、手首が強く痛み次第に腫れてきます。手に力が入らず、ブラブラの状態になり、時には折れた骨とか腫れがひどくなり神経が圧迫されてしびれがひどくなる状態です。

肩(上腕骨骨折)

上腕骨骨折は、骨幹部、上部(近位部)、下端(遠位部)の骨折に分かれます。転倒など手や肘をついた時に上腕骨が骨折します。特に上腕骨近位部骨折は、高齢者の場合、比較的軽い負荷で折れてしまいます。

背骨(脊椎圧迫骨折)

脊椎圧迫骨折は高齢者に一番多い骨折です。高齢になると、骨粗しょう症になり、ほんの少しのことで脊椎が支えられずに押しつぶされて骨折します。知らないうちに骨折しているので、気が付かないことがあり、「寝返りを打つ時に背中が痛い」とか「腰が痛い」「背中が曲がってきた」などの症状がでて気が付くことが多いです。

骨粗しょう症のひどい人は寝返りを打った時や少し重いものを持った時でも圧迫骨折をしてしまいます。痛みを辛抱してそのままにしておくと、脊椎の他の部分まで骨折する可能性があるので早めの診断が必要です。

股(大腿骨頸部骨折)

大腿骨近位部骨折とは、足の付け根の部分の大腿骨の骨頭を支える骨頭のすぐ下(頸部)の部分が骨折することです。骨粗しょう症の人は次第に骨が弱くなり、徐々に骨折する(大腿骨脆弱性骨折)ことがあります。高齢者が転倒して立ち上がれない時は、この骨折が考えられます。自分で動かすことができず、人が動かすとかなり痛みを訴えます。

 

 

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高齢者の骨折の注意点や予防

高齢者が骨折しないように気をつける点として次にあげた4点があります。

居住環境を整備して転倒に気を付ける

住宅の中では床はバイアフリーにできるといいのですが、工事費もかかり大変です。出来る限り躓きやすいものを取り除いてあげましょう。
・長い電気コードは、壁に這わせるようにとりつけるか、まとめて通らない位置に置く
・こたつ布団は端をこたつの中に入れ込むようにして歩いた時につまずかないようにする
・トイレや廊下等は夜間でも明かりをつけておく
・階段の段に蛍光テープを貼り、階段の段が見えやすくする
・トイレ、階段、玄関、浴室、浴槽などに手すりを付ける
・ベッドの幅はゆとりがあり、座って足の裏が床につくくらいの高さにする
・スリッパやサンダルを履かない
・トイレマットや風呂マットは下に滑り止めを敷くか滑り止めの付いたものにする
・住居内での動線場所の整理整頓をして物をあまり置かない
・外に出かける時の靴は、転倒しにくい靴にする

バランスの良い食事をとり、骨粗しょう症のリスクを減らす

骨粗しょう症を予防するためには、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどが必要です。カルシウムとビタミンDを一緒にとると、カルシウムの吸収が良くなります。
・カルシウムの含まれている食品
牛乳、チーズ、ヨーグルト、小松菜、小魚、大豆製品など
・ビタミンDが含まれている食品
鮭、さんま、イサキ、カレイ、卵、シイタケ、きくらげなど
・ビタミンKが含まれている食品
ニラ、ブロッコリー、納豆、ほうれん草、小松菜、キャベツ、レタスなど
ビタミンDは日光浴でも体内で作られます。夏の直射日光は良くないですが適度な紫外線を浴びることはいいことです。

・逆に避けた方がいいもの
たばこはダメ。スナック菓子、インスタント食品、コーヒー、アルコールの多量摂取は避ける

筋力をつけ、転倒を予防する

適度な運動は骨を作る細胞が活発になり骨を強くします。散歩を日課にしたり、階段の上り下りなどをしたりして出来るだけ運動量を増やしましょう。朝のテレビ体操やラジオ体操をするのもいいでしょう。
・太ももの筋力向上する運動
椅子に座って、両足を床につけます。そして、片脚ずつゆっくりと膝を伸ばしてゆっくりと元に戻します。呼吸を止めないようして心臓の負荷を減らします。1日に10回を1セットとして行います。

・タオルをつかむ
タオルを床に敷いて、それを足でつかみ手繰り寄せる練習です。縦方向、横方向の両方行います。その時にかかとをしっかりとつけます。

・片足立ち
両手を広げ、目を開けたまま片脚立ちをキープします。不安定な人は壁やテーブルにつかまって行います。バランス感覚が鍛えられて転倒予防になります。

定期的に骨密度を測定する

骨密度は定期的に検査しておくと、早い段階で気づくことができます。骨粗しょう症と診断されるとカルシウム剤や注射による治療などをうけることができます。

 

 

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まとめ

高齢者の骨折は転倒による事故が一番多くなっています。特に、居室内での事故が多いという調査報告がなされています。骨折すると介護が必要になる可能性があるので転倒しないよう気を付けることが大事です。骨折しないように居住環境を整備して、バランスの食事をとり、適度な運動で筋力をつけましょう。骨密度を定期的に測ることは、骨粗しょう症の予防につながります。

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