シルバーハウジングってどんな役割 ?メリット、デメリットは?

Senior black couple standing outside a large suburban house

老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、様々な高齢者施設がありますが、その中の1つにシルバーハウジングがあります。シルバーハウジングは自立した高齢者や障害者のための施設です。この記事ではシルバーハウジングについて詳しくご紹介します。

 

シルバーハウジングとは

シルバーハウジングとは、政府の施策により、高齢者等の生活状況に配慮した公営の賃貸バイアフリー住宅のことです。また、公営住宅以外に賃貸のシニア住宅、シニアハウス、シニアマンションがあります。シルバーハウジングには生活援助員(ラウフアドバイザーLSA)が相談や安否確認、緊急時の対応を行っています。
ベビーブームの人たちが高齢者になる年が2025年で、若い人の子供を産む率が少ない最も少子高齢化が高い年とされています。そのため、政府は高齢社会になることを見越して、昭和62年に国土交通省と厚生労働省が管轄のシルバーハウジングプロジェクトが始まりました。平成5年に「ライフアドバイザー常駐型」と「福祉施設連携型」が追加され、平成8年には障害者世帯が入居対象者に追加されています。

 

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シルバーハウジングの役割

シルバーハウジングができた背景

自宅で暮らしている高齢者は要介護で80%、要支援や介護保険を受けていない人が90%だと言われています。自宅で生活するときに事故が起きる割合は、次のようになっています。

①事故の発生場所

居室・・・・・25%
階段・・・・・18%
台所・・・・・17%
庭・・・・・・7,5%
浴室・・・・・6%

②事故時の行動

歩いていた・・・29%
調理以外の家事・8%
調理・・・・・・7,5%
入浴・・・・・・5%
就寝・・・・・・4%
出典元:独立行政法人国民生活センター「病院危害情報から見た高齢者の家庭内事故」2008,9年

③住宅に起因する主な事故死の理由

浴槽内での溺死又浴槽への転落・・・・・・・・3,566件
スリップ、つまずき等同一平面状での転倒・・・1,167件
階段、又はステップからの墜落、転倒・・・・・・433件
建物からの転落・・・・・・・・・・・・・・・・403件
出典元:厚生労働省「人口動態統計調査」平成19年

このことから高齢者の事故は居宅内での事故が多いことがわかります。このような居宅内での
事故が多いので、安全な暮らしの提供を行うために「シルバーハウジングプロジェクト」を立ち
上げたのです。

シルバーハウジングでは、高齢者の孤独死の問題や孤立の問題をなくすために生活援助員を派遣しています。そして、居宅内での入浴中のスリップ事故や転倒事故、居室内での転倒事故などの事故を防ぎ快適な生活を送る住居としての役割をしています。

 

シルバーハウジングの特徴

シルバーハウジングは高齢者が快適に暮らせるように整備された公営住宅やシニア住宅などです。

バイアフリー住宅

住宅条件には、段差が解消されていてバイアフリーになっていることや通ることができる廊下があること、2か所以上の手すりが付けられていることなどです。物件によっては浴室やトイレに緊急用のブザーがつけてあるところもあり安心して暮らせます。

生活援助員による支援

生活援助員が居住している高齢者に対して必要に応じて生活支援サービスを行っています。内容は、都道府県、市町村によって異なりますが、安否確認、緊急時の対応、一時的な家事援助等を行っています。

福祉施設連携型

デイサービスセンターなどの施設と連携をしてサービスを提供しています。

大阪府のシルバーハウジングの例

①高齢者に配慮した設備・仕様

・1階は玄関までスロープがあり、段差がないバイアフリーです。各階にはエレベーターが設置
・廊下に手すりを設置。玄関扉等も引き戸で出入りがしやすい
・住宅は浴室以外、すべてバイアフリーになっている
・浴槽を半落とし込みで手すりを設置
・緊急通報ボタンを浴室、トイレ、居室に設置

②その他の施設

・団らん室があり、居住者の交流の場となっている
・居住者の自立した暮らしを助ける生活援助員用の執務室を設けている

③生活援助員による福祉サービス

生活相談・安否確認・緊急時の対応・関係機関への連絡・生活関連情報の連絡

入居には一定の条件と抽選があります。当選者には勉強会に参加が義務付けられています。

 

 

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シルバーハウジングのメリット、デメリット

シルバーハウジングのメリットとは

シルバーハウジングでは、高齢者に配慮した設計になっているので、転倒リスクが高い高齢者でも安心して暮らせます。その上、生活援助員が安否確認や相談、緊急時の対応、簡単な家事援助などを行ってくれるので安心です。また、民間の賃貸住宅より家賃が安く済むことができるというメリットがあります。

シルバーハウジングのデメリットとは

シルバーハウジングは、バイアフリーに特化した住宅で、生活援助員による健康相談はできますが、医師の治療や介護サービスと連携はしていません。介護サービス等をうけるためには、別に介護保険の申請をしなくてはなりません。
入居の時は年齢や収入、家族構成に条件があります。親子で居住できないこともデメリットとなっています。また、入居するときは老人ホームと違い、自立している人が対象になります。シルバーハウジングは人気があり、抽選に当たらないと入れないことがあります。

 

シルバーハウジングの注意点

シルバーハウジングに入居するためには、次のような条件を満たさなくてはなりません。

シルバーハウジングに入居する時の条件とは

①年齢条件

・65歳以上の単身者、又は夫婦どちらかが60歳以上であること。
・障害単身者又は障害者とその配偶者の世帯
・高齢者(60歳以上)のみからなる世帯

②年収の条件

・公営住宅の場合は年収が一定以下であること
・UR賃貸住宅が運営するシニア住宅では基準月収が夫婦で33万円以上、単身の場合は25万円以上または一定額の貯蓄があることなどです。
※シルバーハウジングによって異なります。

③健康な人で介護が必要な人は入居できません。介護サービスが必要でも自活できる人が対象です。

供給不足の問題

シルバーハウジングは施設によっては非常に人気が高く、需要が多くて入居できないという問題があります。高齢者施策の対象となっている介護・生活支援サービスの付いた高齢者の住まいは約131万人分で、その中でシルバーハウジングの平成20年3月の供給戸数は22,561戸で、全高齢者施設のわずか1,72%に過ぎません。

入居申し込み方法

各都道府県・市町村の役所で所定の申込用紙を受け取り、必要事項を記載し、申し込み期間内に申し込みをします。その後、選考と抽選が行われ、当選すると入居できます。例え、外れても次回に再度申し込めます。シルバーハウジングは供給数がかなり少ないため、抽選になることが多く、倍率が人気のある所では高いです。

シルバーハウジングとサービス付き高齢者住宅との違い

シルバーハウジングとサービス付き高齢者向け賃貸住宅と似ていまが、前者は自治体や公共団体が供給者になっていますが、後者は民間企業が供給者になっています。サービス内容は、前者の場合、生活援助員が見守りや緊急時の対応、簡単な家事などを行いますが、後者の場合は安否確認や生活相談サービスがあります。
入居条件は全者が自立した高齢者又は高齢者夫婦に対して、後者は要支援や要介護でも入居することができます。家賃は、前者は安いですが、後者は初期費用がいり、さらに毎月の費用が掛かります。

 

 

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まとめ

シルバーハウジングはバイアフリーの賃貸住宅で、供給者は自治体や公共団体なので家賃が安いです。バイアフリーの上、手すりがついているため、自活した高齢者が安心して暮らすことができます。その上、生活援助員が安否確認や緊急時の対応、簡単な家事等をしてもらえるので孤独死や孤立を避けられます。
しかし、供給が少ないため、抽選に当選しないと入居しにくいというデメリットがあります。

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