成年後見制度ってどんな制度?利用するには?

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成年後見制度と言う事についてどの位ご存知ですか?
もし両親が悪質な業者から、詐欺的に高額な商品を買わさる被害あったりした時や、障害や認知症の方が同じような問題にあった場合、援助してくれる制度です。
特に最近振込詐欺等の被害により、援助申し立てする人が増加してきています。
その実態について紹介致します。

 

成年後見制度とは

成年後見制度とは精神上の障害(知的障害・精神障害・認知症等)により判断能力が十分にできない方が不利益に怠らないように家庭裁判所に申し立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。
例えば、一人暮らしの老人が悪質な業者に訪問販売で騙されて高額の商品を買わされてしまう等の被害が最近よく報道でニュースになっています。そのような時に成年後見制度を上手く利用することによって被害を防ぐことができる場合があります。
また成年後見制度は精神上の障害により判断能力は十分できない方の保護を図りつつ自己決定権の尊重、残存能力の活用 、ノーマライゼーションの理念をその趣旨としています。よって仮に成年後見人が選任されても本人が必要な日常生活での行為は自由にすることができます。

成年後見制度申し立て状況

過去問5年間の成年後見制度への申し立て状況は年々増加しています。その内訳的には、圧倒的に高齢者の女性の申し立てが多くなっています。その主な原因となるのが高齢者を狙った「特殊詐欺」による被害の増加によるものと思われます。

高齢者の特殊詐欺被害状況

平成23年  24年  25年   26年   27年
被害件数   7,216 8,693 11,998 13,392 13,824
被害総額 204  364 489 565 482
(億円)
被害手口
「架空請求」「補償金」「融資保証金詐欺」「還付金詐欺」等の被害に合う高齢者があとをたたない状態で成年後見制度への申し立てを行い被害防止や事後対策等の相談や処置が上の実状の推移からみても増加していることがわかります。

これから日本では更に高齢者の増加や認知症の患者が増え続けてくる社会環境の中で、身体機能が大きく低下して判断能力が欠如していく高齢者を狙った犯罪もリンクして増えて来ることに、成年後見制度活用以前の対策を講じる必要性があるのではないでしょうか。

 

 

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成年後見制度の種類

成年後見制度は法定後見制度と任意後見制度からなり、法定後見制度はさらに後見、保佐、補助の3つに分けることができます。任意後見制度は本人の判断能力が衰える前から利用できますが、法定後見は判断能力が衰えた後でないと利用できません。

[成年後見制度]

(法廷後見)           (任意後見)
後見 / 保佐 / 補助     ※判断能力が衰える前
※判断能力が衰えた後

法定後見制度は、後見、保佐、補助の3つに分かれ、本人の精神上の障害の程度によって区別されます。なお、申立全体の約8割が後見で、保佐、補助は圧倒的に少ないです。

【後見】

ほとんど判断出来ない人を対象としています。
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)によって判断能力を欠く常況にある者を保護します。大体、常に自分で判断して法律行為をすることはできないという場合です。家庭裁判所は本人のために成年後見人を選任し、成年後見人は本人の財産に関するすべての法律行為を本人に代わって行うことができます。また、成年後見人または本人は、本人が自ら行った法律行為に関しては日常行為に関するものを除いて取り消すことができます。

【保佐】

判断能力が著しく不十分な人を対象としています。
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)によって判断能力が特に不十分な者を保護します。簡単なことであれば自分で判断できるが、法律で定められた一定の重要な事項については援助してもらわないとできないという場合です。家庭裁判所は本人のために保佐人を選任し、さらに、保佐人に対して当事者が申し立てた特定の法律行為について代理権を与えることができます。また、保佐人または本人は本人が自ら行った重要な法律行為に関しては取り消すことができます。

【補助】

判断能力が不十分な人を対象としています。
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)によって判断能力が不十分な者を保護します。大体のことは自分で判断できるが、難しい事項については援助をしてもらわないとできないという場合です。
家庭裁判所は本人のために補助人を選任し、補助人には当事者が申し立てた特定の法律行為について代理権または同意権(取消権)を与えることができます。

 

成年後見制度の利用シーン

成年後見制度はこんな時に利用される事が多くみられます。

利用例順位

第1位

預貯金等の管理・解約

第2位

施設入所のための介護保険契約

第3位

身上監護

第4位

不動産の処分

第5位

相続手続き

圧倒的に多いのが、本人の預貯金等の管理の時が多くみられます、最近は冒頭にも記述しました特殊詐欺等の被害にあい長年貯めてきた預貯の管理が必要になったり、被害のよる訴訟手続きの為に成年後見制度を利用するケースが増えています。それでは成年後見制度がどのような時に利用されているか、いくつかの具体例を挙げてみます。

成年後見制度の具体的利用状況

成年後見制度を利用するには一定の要件を満たす必要があります。また、成年後見制度は法定後見制度と任意後見制度の2つに分けられます。どういう時にどの制度を選択するのかについては医師等の鑑定も必要な場合もあるので判断が難しいのですが、ここでは簡単な事例を挙げてどの制度を選択できるのかを見ていきましょう。

■問題事例 1

年金生活の一人暮らしのおばあちゃんが訪問販売で必要もない高額な商品を買ってしまう
□対応制度
任意後見制度もしくは法定後見制度

■問題事例 2

夫に先立たれてしまい一人で過ごす老後が不安・・・夫が残してくれたマンションの経営や、将来お世話になるかもしれない老人ホームの入所手続を代わりにやってもらいたい
□対応制度
任意後見制度もしくは財産管理委任契約

■問題事例 3

兄が認知症の母と同居しているが、どうやら兄が勝手に母のお金を使っているらしい
□対応制度
法廷後見制度

■問題事例 4

高齢のため体が不自由で要介護認定を受けているが、特に認知症ではない。出歩くのも大変なため預金の管理等が困難なので代わりにお金の管理をしてくれる人が欲しい
□対応制度
財産管理委任契約
このような利用の事例を挙げてみました。他にの金銭管理等で細かな相談や訴訟問題に直面したときにはこの制度を利用され価値は大いにあると思います。

 

 

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成年後見制度の利用方法

ここでは、家庭裁判所に成年後見の申し立てを行い、それからの利用方法を紹介します。なお、申立てから審判までの期間は事案にもよりますが、2ヶ月以内で審判に至るのが全体の約8割で、制度開始当初と比べると審理期間は大幅に短縮しています。

家庭裁判所申し立て方法

後見制度を利用して後見人を選択してもらう為には家庭裁判所に申し立申請を行わなければけません。その方法について紹介じゅ致します。

申し立て必要書類

・申し立て書(定型のの書式が家庭裁判所にあります)
・戸籍謄本(代理申請の場合)
・本人の戸籍謄本、登記付票、登記事項証明書、診断書各1通
・申し立て付票
・本人に関する報告書

申し立て費用 (収入印紙)

1.後見開始申し立て          800円
2.保佐開始申し立て               800円
3.保佐開始申し立て+ 同意権追加付与の申立て 1,600円
4.保佐開始申し立て+代理権付与の申立て    1,600円
5.保佐開始申し立て+ 同意権追加付与の申立て + 代理権付与の申立て 2,400円
6.補助開始申し立て+ 同意権追加付与の申立て 1,600円
7.補助開始申し立て+代理権付与の申立て    1,600円
8.補助開始申し立て+ 同意権追加付与の申立て + 代理権付与の申立て 2,400円

申し立て費用 (切手代)

各裁判所によって異なりますが、およそ3,000~5,000円程度です

申し立て費用 (登記費用)

成年後見制度では、その結果を登記する必要があります。そのための費用として収入印紙2,600円分が必要となります。

申し立て費用 (鑑定費用)

成年後見制度を利用する場合は、明らかにその必要がないと認められる場合を除いて、本人の精神の状況について医師その他適当な者に鑑定をしてもらう必要がありますが、 実際に鑑定がおこなわれるのは全体の約1割に過ぎません。鑑定費用の額は事案にもよりますがおよそ5~10万円程度です。

以上のような成年後見制度の利用方法について紹介させて頂きましたが、瞬時の判断能力や状況把握能力が低下しているか高齢者や障害者が悲惨な被害に合う前に、当事者によく状況説明を行うか、早い段階で財産管理を依頼して被害防止の安全対策を行うようにしていく事が重要です。

 

成年後見制度の注意点

成年後見制度は判断能力が不十分となった人の財産や権利を保護するための制度ですが、実はこの制度を利用することで生じる注意点もあります。これを予め知らずに成年後見の申し立てをしてしまうと、あとから取り返しのつかないことになる場合がありますので、認知症や痴呆、精神障害、発達障害、神経障害などのご家族がおられる方は注意が必要です。

成年後見制度注意点

まず注意すべき点としては「相続税対策」にあります。相続税対策の主な手法としては次のようなものがありますが、成年被後見人となってしまうと、これらすべての対策ができなくなります。ですから、できることなら成年被後見人になる前にできないことや問題点をしっかり見据え、以下の対策をしてください。

生前贈与

生前に自分の財産を家族に移転させることで相続財産をできる限り減らして相続税を引き下げます。
贈与には贈与税が課税されますが、贈与税には年間110万円の基礎控除枠や相続時精算課税制度、配偶者の税額軽減など贈与税を低く抑えることができる制度が複数あるため、これらを効率的に活用することで、贈与税の発生を最小限に抑えつつ、相続税を効率的に節税することができます。

〇成年被後見人になると生前贈与ができなくなるという注意点
そもそも成年後見制度は本人の保護を目的とする制度です。これに対し生前贈与とは本人の財産を「減らす」行
為に該当します。そもそも贈与とは売買とは違いタダで財産をあげることですから、成年被後見人である本人を基準に考えると、生前贈与をすることで本人には一切利益がありません。生前贈与を受けることで、将来的に相続税が節税できてトクをするのは本人ではなく相続人です。成年被後見人の財産は成年後見人が管理しますが、成年後見人が好き勝手にできるわけではなく、その事務については家庭裁判所に定期的に報告し家庭裁判所の監督を受けることになります。その際に、本人の財産管理状態を細かく報告しなければならないため、勝手に財産を生前贈与により移転することは許されません。つまり、成年後見制度を利用して成年被後見人となると、生前贈与によって財産を移転することはできないことが発生するわけなのです。

生命保険契約

相続税の納税資金対策として生命保険の死亡保険金を活用するケースがありますが、これについても成年被後見人となると、納税資金対策としての生命保険契約は難しくなります先程も言ったように成年後見制度は「本人の利益になるかどうか」という観点から裁判所が監督しますから、相続人のためとなる納税資金対策としての生命保険契約は認められない可能性が高いという問題点が発生します
相続税の納税資金対策として生命保険の死亡保険金を活用するケースがありますが、これについても成年被後見人となると、納税資金対策としての生命保険契約は難しくなります。
先程も言ったように成年後見制度は「本人の利益になるかどうか」という観点から裁判所が監督しますから、相続人のためとなる納税資金対策としての生命保険契約は認められない可能性が高いという注意点があります

 

 

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まとめ

高齢者や障害者で「自己主張」や「自己表現」ができない人も自分の残存機能をいかして、不具合な部分を自分自身で屈して、生きる喜びを味会われています。

そんな人達の法律関連の相談先としては「成年後見制度」は欠かせない、頼れる法律窓口という存在になってくると思います。

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