要介護者ってどんな人?定義は?どれだけの人がいるの?

54906616 - carer helping senior man to walk in garden using walking frame

近年、介護が必要な状態にならないための予防事業などの取組が多くの市町村で行われています。しかし、要介護認定者数は、高齢者数の伸びを上回る勢いでこれまで同様に増加しています。
介護保険制度の普及で、だれもが介護を受けられるようになり、早い段階からの介護サービスの利用が可能となる利便性があります。しかし、このメリットや単に制度の普及が進んだことのみが要介護者人数が増え続けている原因ではなさそうです。
少子高齢化問題や病気の発症など、要介護者を取り巻く現状についてみていきましょう。

 

要介護者とは

要介護状態にある65歳以上の人。または、政令で定められた特定疾病(末期癌・関節リウマチ・筋萎縮性側索硬化症・脳血管疾患・慢性閉塞性肺疾患など)が原因で要介護状態にある40歳以上65歳未満の人を要介護者と言います。
要支援1.2、要介護状態はその状態に応じて介護保険制度上では要介護1~要介護5までに区分されています。
日常生活を営むにあたって、何らかの支援や介助を要している人を要介護者と呼びます。
要介護認定における被保険者、要介護者の定義について以下に詳しくまとめていきます。

 

 

ojiisan_bed

 

 

要介護者の定義

介護保険制度における要介護についてみていきましょう。
まずは、被保険者の定義も併せてみていきましょう。

■「被保険者」の定義(法第9条)

(1) 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第一号被保険者)
(2) 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第二号被保険者)

■要介護状態、要介護者の定義

・「要介護状態」の定義(法第7条第1項)
身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。
※厚生労働省令で定める期間:原則6ヵ月

■「要介護者」の定義(法第7条第3項)

(1) 要介護状態にある65歳以上の者
(2) 要介護状態にある40歳以上65歳未満の者であって、その要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(※特定疾病)によって生じたもの

※政令で定めるもの(特定疾病):施行令第2条

①がん末期(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
②筋萎縮性側索硬化症
③後縦靭帯骨化症
④骨折を伴う骨粗しょう症
⑤多系統萎縮症
⑥初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)
⑦脊髄小脳変性症
⑧脊柱管狭窄症
⑨早老症(ウェルナー症候群等)
⑩糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
⑪脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
⑫進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
⑬閉塞性動脈硬化症
⑭関節リウマチ
⑮慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)
⑯両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

 

I_08_kaigo_syokujikaijo

 

 

要介護者の数

要介護者又は要支援者と認定された人(以下「要介護者等」という。)は、平成25(2013)年度末で569.1万人となっており、15(2003)年度末から198.7万人増加しています。
また、要介護者等は、第1号被保険者の17.8%を占めています。
また、65~74歳と75歳以上の被保険者について、それぞれ要支援、要介護の認定を受けた人の割合をみると、65~74歳で要支援の認定を受けた人は1.4%、要介護の認定を受けた人が3.0%であるのに対して、75歳以上では要支援の認定を受けた人は8.8%、要介護の認定を受けた人は23.3%となっており、75歳以上になると要介護の認定を受ける人の割合が大きく上昇しています。
高齢になると要介護認定をうける何らかのきっかけが生じることが伺えます。
ちなみに、要介護者等について、介護が必要になった主な原因についてみると、「脳血管疾患」が17.2%と最も多く、次いで、「認知症」16.4%、「高齢による衰弱」13.9%、「関節疾患」11.0%となっています。ちなみに「脳血管疾患」では男性が26.3%と特に多くなっています。

 

要介護者のこれから

平成26年4月1日現在の65歳以上の要介護認定者数は595人で、高齢者全体に占める割合は20.3%となっています。
このうち75歳以上の要介護認定者は556人で、要介護認定者全体に占める割合は91.7%となっています。要支援者の割合は、認定者全体の27.7%を占め、軽度者の割合が増加する傾向にあります。
今後は、要介護認定者については、高齢者の人口が横ばい状態から減少に転じるものの、単身世帯の増加などから要介護者は増加すると推計しています。要支援者
についても増加すると推計します。

内閣府の高齢化の状況報告では・・・

また、内閣府による平成28年版高齢社会白書の「高齢者の健康」の報告によると、「高齢者の半数近くが何らかの自覚症状を訴えているが、日常生活に影響がある人は約4分の1」という報告がされています。
そして、65歳以上の高齢者の健康状態を報告している一文について着目してみると、平成25(2013)年における有訴者率(人口1,000人当たりの「ここ数日、病気やけが等で自覚症状のある者(入院者を除く)」の数)は466人と半数近くの人が何らかの自覚症状を訴えているとされているのです。

このことから、まだ日常生活に影響を及ぼすほどではないが、自身の健康に不安を抱えて生活している高齢者が多くいることがわかります。そして、高齢になり次第そ
の不安が大きくなる、自覚症状が多くなる、実際に転倒や病気をしてしまう等して介護認定申請に至るものと思われます。

要介護者予備軍は身近にたくさんいるということが推測されます。

 

 

kurumaisu_ojiisan

 

 

まとめ

日本は、世界に類を見ない超高齢化社会であります。日本の高齢者の人口は2025年のピーク時には総人口の30%を超えるとされています。特に団塊の世代が後期高齢者に差に係る2025年までの間は5年単位で約200~300萬人増加するとされています。

少子化や核家族化の進行も影響して、日常生活に何らかの介助や支援が必要になったとき、介護保険サービスの利用に頼らなければならない人も多いことでしょう。
介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らす地域包括ケアシステムの構築の中では、予防、介護共に支え合う社会の構築が目指されます。現状ではサービスの量やボランティアの量に格差があります。

社会資源が十分に足りてない限りは、やはり要介護認定をし、介護サービスの提供がなされていくでしょう。このことから、要介護者は今後も当面は増え続けると考えられます。

qna