看取りの加算ってどうなってるの?施設の違いは?

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介護保険制度には、さまざまな「加算」があります。
「加算」とは、サービス内容によって本来のサービス料に付加される料金のことです。
「加算」は、厚生労働省が認める事業者の体制による体制やサービスについて、ある一定の条件や基準をクリアした上で、「加算」の要件を満たすサービスの提供ができていると算定できます。
今回は「看取り加算」についてみていきましょう。

 

看取りの加算とは

「看取り」では人の最期にあってどのような対応がされるのか気になる人も多いと思います。
家族や身近な人を介護しながら自宅で看取る段階にある、利用している介護施設で看取る方向にしているという人は多くいるのではないでしょうか。
介護分野における看取りの考えに基づくと、“「看取り加算」とは、医師が医学的知見に基づき回復の見込みがないと判断した利用者に対して、医師、看護師、介護職員等が共同して、その人らしさを尊重した看取りができるように支援する場合に算定される加算“とされています。
(厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索より一部抜粋)

在宅看取りを始めるまでの流れは以下のようになります。

【在宅看取りをするための】

まずは・・・
在宅で看取り介護を始めるには、医師の診断が必要です。終末期とは、冒頭で少し触れたように「心身機能の障害や衰弱が著明で明らかに回復不能な状態であり、かつ近い将来確実に死に至ることが差し迫っている状態」です。医師によって終末期であるという診断がされてはじめて、在宅での看取り介護が可能となります。

ⅰ本人や家族の希望を確認

人の意思と家族の希望を再確認しましょう。本人の意思を共有する手段としては、
「生前の意思表示(リビング・ウィル)」を記載するハンドブックなどが有効です。
本人がどんなに自宅で最期を迎えたいと思っていても、家族が対応するのが現実的に難しいというケースもあります。どこまで対応できるのか等を全員で話し合い共有する必要があります。

ⅱ要介護認定の再審査を受ける

要介護認定を受け、介護サービスを導入して在宅での看取り介護を行う準備や訪問看護などを依頼することができます。

ⅲ在宅でのかかりつけ医を紹介してもらう

在宅での看取り介護は、かかりつけ医が不可欠です。
在宅での看取り介護には、24時間、365日体制での訪問診療・訪問看護が欠かせないため、必ずかかりつけ医と連携をとれる体制を確保しましょう。

 

 

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看取りの加算の算定要件

看取り介護をしてくれる施設は限られています。
看取り介護に対応している介護施設は、特別養護老人ホームや介護付有料老人ホーム等です。ここではまず先に特別養護老人ホームと介護付き有料老人ホームでの看取り加算の算定要件を見ていきましょう。

【主な介護2施設による看取り介護加算の算定要件】

■特別養護老人ホーム

○ 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準
(平成12年厚生省告示第21号)(抄)【平成27年4月1日施行】より

・死亡日以前4日以上30日以下については1日につき144単位を、
・死亡日の前日及び前々日については1日につき680単位を、
・死亡日については1日につき1,280単位を
死亡月に加算する。ただし、退所した日の翌日から死亡日までの間は、算定しない。
(1)別に厚生労働大臣が定める施設基準
イ 常勤の看護師を1名以上配置し、当該指定介護老人福祉施設の看護職員により、又は病院若しくは診療所若しくは指定訪問看護ステーションの看護職員との連携により、24時間連絡できる体制を確保していること。
ロ 看取りに関する指針を定め、入所の際に、入所者又はその家族等に対して、当該指針の内容を説明し、同意を得ていること。
ハ 医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員その他の職種の者による協議の上、当該指定介護老人福祉施設における看取りの実績等を踏まえ、適宜、看取りに関する指針の見直しを行うこと。
ニ 看取りに関する職員研修を行っていること。
ホ 看取りを行う際に個室又は静養室の利用が可能となるよう配慮を行うこと。
(2)別に厚生労働大臣が定める基準に適合する入所者
次のイからハまでのいずれにも適合している入所者
イ 医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であること。
ロ 医師、看護職員、介護支援専門員その他の職種の者(以下この号において「医師等」という。)が共同で作成した入所者の介護に係る計画について、医師等のうちその内容に応じた適当な者から説明を受け、当該計画について同意している者(その家族等が説明を受けた上で、同意している者を含む。)であること。
ハ 看取りに関する指針に基づき、入所者の状態又は家族の求め等に応じ随時、医師等の相互の連携の下、介護記録等入所者に関する記録を活用し行われる介護についての説明を受け、同意した上で介護を受けている者(その家族等が説明を受け、同意した上で介護を受けている者を含む。)であること。

■介護付き有料老人ホーム

・死亡日以前4日~30日 80単位/日
・看取り介護加算(新規) ⇒ 死亡日前日及び前々日 680単位/日
・ 死亡日 1280単位/日

※算定要件
・医師が医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であること。
・利用者又は家族の同意を得て、利用者の介護に係る計画が作成されていること
・医師、看護師又は介護職員等が共同して、利用者の状態や家族の求めに対して、随時、介護が行われていること。
・夜間看護体制加算を算定していること

(注)外部サービス利用型特定施設入居者生活介護費又は短期利用特定施設入居者生活介護費を算定している場合、当該加算は算定しない

また、近年ではグループホームにおける看取り加算の算定も認められましたのでまとめておきます。

■グループホーム

入居者本人及び家族の意向を尊重しつつ看取りの体制を構築し、看取りに向けた手厚い介護の実施を図ることを目的に導入された加算。

・死亡日以前4日以上30日以下 144単位/日
・死亡日の前日及び前々日 680単位/日
・死亡日 1280単位/日

※算定要件
・医師が医学的見地に基づき「回復の見込みがない」と診断した入居者に限り算定が可能。
・算定にあたってはPDCAサイクル(※)を推進することを要件とする。
・本人または家族の同意及び他職種(医師・看護師・介護職員等)協力のもと、利用者にかかる介護計画を作成する必要がある。
・短期利用共同生活介護費を算定している場合は、算定できません。

PDCAサイクルとは

看取り介護は、医師が回復の見込みがないと診断し、入所者およびその家族が看取りを希望しているケースにのみ行われます。
具体的には、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)の中で意図的な支援を行います。計画を周期的に改善、入所者の状態をみて臨機応変に対応しながら、医療など多職種と連携をとり看取りの方針を立てます。

 

 

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看取りの加算の注意点

看取り加算の算定では先に述べたように細やかに定められているので注意点はいくつもあります。特に「看取り」という観点から一番気になる24時間の連絡体制について詳しくまとめると共に、その他の必要とされる事項については列挙しておきます。

24時間連絡できる体制

「24時間連絡できる体制」とは、施設内で勤務することを要するものではなく、夜間においても施設から連絡でき、必要な場合には施設からの緊急の呼出に応じて出勤する体制をいいます。具体的には、
イ  管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、夜間における連絡・対応体制(オンコール体制)に関する取り決め(指針やマニュアル等)の整備がなされていること。
ロ  管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、看護職員不在時の介護職員による入所者の観察項目の標準化(どのようなことが観察されれば看護職員に連絡するか)がなされていること。
ハ 施設内研修等を通じ、看護・介護職員に対し、イ及びロの内容が周知されていること。
ニ  施設の看護職員とオンコール対応の看護職員が異なる場合には、電話やFAX等により入所者の状態に関する引継を行うとともに、オンコール体制終了時にも同様の引継を行うこと。といった体制を整備することを想定しています。

その他の確認、盛り込む事項

・入所者等への説明
・介護記録等への記録と情報共有
・入所者等へのインフォームドコンセント
・施設退所後の家族への指導や医療機関への情報提供
・個室又は静養室の利用

 

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まとめ

150文字程度
日本における死亡者数は年間約127万人(2013年)とされています。そのうち約76%が病院で亡くなっています。政府は、急速な高齢化に対して、2025年を目途に住み慣れた地域で人生の最期まで生活できる「地域包括ケアシステム」を構築すべく多様な施策を展開しています。高齢者の「看取り」はこれからの重要課題になっていくことでしょう。

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