圧迫骨折を防ぐにはどうしたらいいの?原因は?対策は?

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高齢者に多い圧迫骨折。激しい痛みと繰り返し起きやすい厄介な骨折です。安静治療が多く、痛みに耐える姿は見ている方も辛いですよね。できればそうなる前に防ぎたいものです。圧迫骨折を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。今回は圧迫骨折の予防法を仕組みや治療法、後遺症などと一緒にまとめました。

 

圧迫骨折とは

どんな骨折?

圧迫骨折とは、普通の骨折が横からの力によってパキッと折れてしまう状態に対して、縦の力によって骨の硬さが耐えきれずにグシャッと潰れてしまった状態です。

どこに起きる骨折?

主に脊椎(背骨)に起きる骨折で、一般的に圧迫骨折といえば脊椎圧迫骨折、腰椎圧迫骨折のことを示している場合が多いです。

脊椎圧迫骨折と腰椎圧迫骨折の違いは?

診察の際にこの2つを言われることが多いのですがその違いは、脊椎は「頚椎」「胸椎」「腰椎」「仙椎」と背骨全体を示すのに対して腰椎圧迫骨折は脊椎の中の「腰椎」をピンポイントで示しているということになります。

どんな人に起きる骨折?

骨折自体は骨が耐え切れないほどの負荷がかかることによって起きるので子供から大人まで誰にでも起きうる骨折です。しかし骨に異常がなく普通の生活を送っている上ではそう簡単に起きる骨折ではありません。骨に負担のかかる動作を日常的に繰り返している人や骨がもろくなる病気、特に骨粗鬆症になりやすい女性や高齢者に多い骨折とも言えます。

どうやって治すの?

治療方法は主に安静治療と外科的治療の二つが挙げられます。安静治療は長期の安静やコルセットを使用するなど骨折箇所への負担軽減を行います。
外科的治療はボルトなど骨を固定する固定術と骨折箇所に骨セメントを注入する椎体形成術などがあります。

繰り返すことが多いのはなぜ?

脊椎の一部が潰れていることで骨にかかる負荷のバランスが崩れてしまいます。そのため別の骨に負荷が偏ってしまい、またそこが潰れてしまうことで繰り返しやすくなってしまいます。

 

 

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圧迫骨折の症状と原因

症状

圧迫骨折の痛みの特徴は動くと強い痛みがあるのに対して安静時には痛みが出にくいことが挙げられます。ただ骨折箇所や骨折の状態によっては痛みが出ず分かりにくかったり、安静の体制でも痛みが出ることもあります。

原因1 骨粗鬆症

脊椎圧迫骨折の最も多い原因は骨がもろくなっていることによって骨が潰れてしまうということです。骨粗鬆症により骨がもろくなっていると軽い転倒のほか荷物を持とうとしたりくしゃみなどの比較的軽い衝撃でも骨が潰れてしまったりします。

原因2 筋力の低下

体の重さを支えているのは骨だけではありません。その周囲の筋肉、足や腕など様々な筋肉が体の重さのバランスを取っています。強い衝撃が来た時にその衝撃を体のほかの部分へ分散したり、筋肉自体が骨の代わりに衝撃を吸収したりできるのですが、筋力が弱っていることで衝撃が骨に集中してしまいます。

原因3 負荷の蓄積

骨に負荷が加わって軽い損傷を起こし、それを繰り返していると骨の回復が間に合わず少しずつ潰れてしまいます。
骨粗鬆症の場合日常的に繰り返す動きの中で少しずつ骨が傷ついて潰れていったり、傷ついた骨にちょっとした衝撃が加わることで潰れてしまったりということが起きてしまいます。

 

 

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圧迫骨折の予防と対策

骨粗鬆症予防

圧迫骨折の原因として最も多いのが骨粗鬆症です。圧迫骨折の予防にはまず骨粗鬆症にならないようにすることが大切です。

栄養を摂る

高齢になると特に食事量も減り栄養も偏りがちになってしまいます。ご飯に梅干、漬物、味噌汁だけのような食事では十分な栄養が取れません。そのため骨粗鬆症が進行したり、骨を支える筋肉が弱ってしまいます。
小魚や乳製品に含まれるカルシウムは骨の形成に必要ですし、肉や魚などの蛋白質は筋力の維持に必要です。野菜などに多いビタミンは体の調節や栄養吸収の補助などの役割もあります。いりいろな食品をバランスよく摂ることが大切です。
高齢になると量を食べることが難しいので栄養補助食品などの使用も合わせて考えていくと良いかもしれません。

日光を浴びる

日光を浴びると体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDはカルシウムの吸収に必要な栄養素ですので骨の強化、骨粗鬆症の予防になります。

適度な運動

体を支えるのは骨と筋肉ですのでこの2つを強くすることで圧迫骨折を予防します。骨は刺激を受けると丈夫になります。刺激がないと体が必要でないと思い弱くなってしまいます。筋肉に関しても同じように適度な運動は圧迫骨折の予防になります。
ただ「適度」というところが難しい点もあります。調子が良いからといってやりすぎてしまうとかえって負担となり圧迫骨折を引き起こしてしまう場合もあります。年齢や体格、個性に合わせた運動をすることが大切です。

定期的な骨密度検査

自分の骨が今どういう状態であるかを知ることで適切な予防法や日常生活でどのくらい気をつけたら良いのかなどの目安にもなります。定期的な骨密度検査を受け今の状態を知ることも予防としては効果的です。

 

圧迫骨折の注意点

痛みが軽くても油断しない

圧迫骨折によっては痛みが軽かったり分かりにくいものもあります。また悪化した場合後遺症が残る場合もありますので注意が必要です。痛みが軽いからといって自分で解決しようてしないで、医師に相談しましょう。

後遺症例1:脊椎湾曲

圧迫骨折によって潰れた骨をそのままにしてくと背骨が曲がってしまうことがあります。曲がった骨は神経の痛みを引き起こしたり、ひどくなると手術が必要になることもあります。

後遺症例2:神経麻痺

潰れた骨が動いて神経を圧迫してしまうことがことがあります。それによりしびれや神経麻痺などの症状が出ることもあります。

後遺症例3:逆流性食道炎

圧迫骨折によって背骨が曲がり、胃を圧迫されることで胃液が食道へと逆流しやすくなってしまいます。逆流した胃酸は強いので食道に炎症を起こしてしまいます。胸焼けや嘔吐を引き起こし食事も低下しやすくなり、栄養不足からさらなる圧迫骨折や体力低下の原因になってしまいます。

後遺症例4:膀胱直腸障害

膀胱直腸障害は神経が圧迫されることによって尿意や便意を感じにくくなってしまいます。失禁や便秘、肛門が閉まらないなどの症状が出ます。

認知症と圧迫骨折

安静にしておくことが難しい認知症の人は圧迫骨折の治癒には時間がかかる場合が多いです。痛いのに歩いてバランスを崩してさらなる骨折を起こす場合もあります。こうした場合に病院では身体拘束や精神薬を使用されるケースもありますが、治癒後に筋力低下で歩けなくなったり、認知症が進行してしまうこともあります。全ての薬や治療のための身体拘束が悪いわけではありません。その人の性格や状態、治癒後の生活も十分考慮して治療方法を相談しましょう。

 

 

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まとめ

圧迫骨折の予防は骨を丈夫にすること、筋力を維持することが大切です。食事や運動を急激に変えてもかえって体に悪いこともあります。本人に無理なく楽しみをもって継続できるようにすることで生活の張りもでて健康な体作りにもつながります。
後遺症は全ての人がそうなるわけではありませんが、早期に対応することで防げることもあります。おかしいなと思ったら早めに受診しましょう。

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