臥位の状態の介護ってどんな風にするの?流れは?

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介護現場や医療現場では臥位という言葉がよく使われます。臥位と言われてもピンとこないですね。この記事では臥位とは何か、臥位の介護はどんな風にするのか、臥位の介護をするときに気を付けるポイントなどを紹介します。

 

臥位とは

人間がとる姿勢は、立位、座位、臥位に分かれます。臥位とは寝ている姿勢のことをいいます。臥位には大きく次の3種類に分かれます。

仰臥位

仰臥位は仰向けに足を伸ばして寝た姿勢で、接地面積が広く安定して寝ている状態のことです。人が自然に寝る姿勢が仰臥位になります。この姿勢は一番精神も安定させる姿勢だと言われています。仰臥位は介護や理学療法ではよく使われますが、レントゲンや整体では背臥位という言葉の方がよく使われます。

側臥位

側臥位とは横向きに寝ることです。左側を下にして寝ている状態を左側臥位、右側を下にして寝ている状態を右側臥位と言います。胃は左上から右下に伸びているので、右側臥位をすることによって逆流を防ぎます。嘔吐している時にも右側臥位にして誤嚥をふせぎます。

腹臥位

うつぶせに寝ることを腹臥位と言います。どうしても舌根沈下する人に対して腹臥位がとられることがあります。また、寝たきりの人に肺炎予防のために半腹臥位をとって唾液が器官に入らないようにする場合があります。

 

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 臥位の介護の流れ

寝たきりの人に仰臥位で安楽な姿勢にする場合の介護の流れ

1、声掛けをする
身体を動かすことの声掛けをします。
2、掛け布団やあててあるものをとる
3、身体を動かす
・寝たきりの人は食事の時などにギャッジアップをして食べるので、下にずれやすくなりま
す。下にずれている時は身体を頭側に水平移動します。
・身体を動かす場合は、出来るだけ身体を小さくまとめて動かします。
・また、横にずれている場合はベッドからの転落、怪我などを防ぐため身体をベッドの中央に移動します。
4、臀部に円座を入れる<
臀部の仙骨部分は褥瘡になりやすいので、仙骨が円内に入る位置にあてます。
円座がない場合はバスタオルを折って腰に挟みます。
5、頭の下に枕を入れる

6、肩から腕の下にクッションやバスタオルなどを当てる
クッションやバスタオルを折ったものを肩から手先の下にあてます。肩や肘は少し上げた方が安楽な姿勢です。
7、膝の下にクッションやバスタオルを入れる<
膝の下が自然に曲がる高さのクッションやバスタオルを折っていれ膝が上を向くようにします。脚関節を少し曲げることによって、足首から足先が下を向いて拘縮してしまうこと(尖足)を防ぎます。
8、かかとを付けたままだと褥瘡になりやすいので、小さな円座をかかとに入れます。その時に、両膝を少し開け安楽にします。
9、声掛けをしてかけ布団をかけます。

寝たきりの人の仰臥位から側臥位に体位交換する方法

1、声掛けをして、体位交換することを伝える
2、掛け布団や当ててあるものをとる
この時に介護者が腰を痛めないようにベッドの高さを調節します。当て物をとる順番は、手→足→体幹部になります。
3、身体を向く方向の反対側に少し寄せる
・身体を動かすときは、腕を組んでもらい、麻痺の足を健側の足にのせて出来るだけ小さくまとめると移動しやすいです。向く方向の反対側に寄せると側臥位になった時に転落を防ぐことができます。
・上半身にふんばる力が弱い人の場合は、上半身→臀部→足の順に行うと体の負担が少なくなります。枕を移動して頭の下に入れます。
4、側臥位にする(右側臥位なら右を下側に向ける。左側臥位なら左を下側に向ける)
利用者の健手で患手を保護するように胸の上で組み、利用者の膝を曲げて肩と腰を持ち、介護者の腕で利用者の大腿部から膝を支えるようにしてゆっくりと手前に向けます。
5、当て物をあてる
・腰を少し後ろに引き身体を安定させます。
・パッド、クッション、枕などを背部から臀部にかけて身体を圧迫したり動きを妨げたりしないように身体に沿わせてあてます。
・次に膝にクッションや枕などを挟みます。
6、くるぶし、かかとは褥瘡が出来やすいので小さな円座などを当てる
※上肢に拘縮がある場合は、抱え枕をして胸部の圧迫を避けます。
7、手指の拘縮を防ぐため、ハンドタオルを丸めて親指が下になるように握らせる
8、声掛けをし、掛け布団をかける

 

 

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臥位の介護でのヒヤリハット

介護現場で起こる可能性があるヒヤリハットについてあげています。

ヒヤリハット事例1

腰の負担を考えてベッドの高さをあげて介護者側の柵をとって側臥位にしますが、柵を外している側に向くとき、向ける方向と反対側に身体を寄せてから側臥位にしなかったため転落しそうになってヒヤッとしました。幸い、何とか支えられたので転落はしませんでした。

ヒヤリハット事例2

寝たきりで糖尿病の人の介護をしていた時に、かかとに小さな円座をしていなくて、足のかかとが赤くなっても当て物をしていなかったので、ついにかかとに穴が開いて匂いがしてきました。診察を受けると、褥瘡が深いとのことで入院になりました。もっと早くかかとに円座を当てておくべきでした。

ヒヤリハット事例3

仰臥位から側臥位にするときに、利用者の身体を小さくまとめずに寝たままの姿勢で、自分の腰に力をいれて側臥位にしたために腰を痛めてしまい、しばらく仕事を休まなくてはいけなくなりました。ベッドの高さが低く、腰を曲げるように介助をしたことも腰を痛めた原因の1つです。

 

臥位の介護の気をつけるポイント

安楽な体位にする

・麻痺がある人と麻痺がない人では安楽な体位が異なります。利用者の意識がはっきりしている場合は、本人が楽だと思う姿勢にしてあげます。
・自分の意思を示せない人の当て物を当てる位置
①仰臥位の場合・・・臀部に円座、麻痺がある人は麻痺側の肩を少し上げるように肩から腕の下にパットやクッションでささえます。膝の下にはクッションやパッド、かかとに小さな円座を当てます。尖足防止のために、足底にも足部が下腿部と直角になるように座布団などで支えます。

②側臥位の場合・・・腰を少し後ろに引き身体を安定させて、パッド、三角マットなどを背中に沿わせるようにあてて身体を安定させます。当て物をすることによって身体を圧迫しないように、また動きを妨げることがないよう気を付けます。膝と膝の間、くるぶし、かかとに当て物をします。体の拘縮具合で抱え枕をしたり、ハンドタオルを手に握らせたりします。

介護者の腰の負担を軽減する

・ベッドの高さを調節し、腰をかがめて介護しないようにします。
・利用者の残存機能を使い、介護者の負担を軽減するとともに利用者の残存機能の保持できるようにします。
・ボディメカニクスを利用します。
①脚幅を前後左右に広げて、腰を落として立った状態を安定する(足元の面積を広げ、支持基底面をひろくとります)
②利用者の身体にできるだけ近い介護をします。(利用者と自分の重心を近づけます)
③利用者の腕を組み、膝を立てます。(利用者の腕を組み、膝を立てます)
④介護者は、膝を少し曲げて腰を少し落とし、大きい筋肉を動かして介助します(背筋、腹筋、大腿筋、臀部筋などの大きい筋肉を使います)
⑤利用者を移動するときは持ち上げないで、自分に向かって引き寄せるように移動します(水平移動)

寝たきりの人は褥瘡に特に注意する

寝たきりになると、血行が悪くなったり、食欲不振で栄養障害になったり、皮膚が排泄物で汚れ
て不潔な状態になったりしがちです。その上、同じ姿勢で寝ていると、身体の一部の組織に血液
が通わなくなり皮膚が崩れていき褥瘡になります。
褥瘡が出来やすい部位は、仰臥位の場合、後頭部、肩甲骨部、脊柱部、肘頭部、仙骨部、仙骨結腸部、かかとです。側臥位の場合は、耳介部、肩関節部、大転子部、膝の接触部位、外かかと部です。

褥瘡の予防は、仰臥位、側臥位と体位変換を2時間ごとに行い、同じ部位の圧迫時間を少なくします。エアマットや無圧布団、円座、枕などを使用します。そして、入浴や清拭などで皮膚の清潔保持と皮膚のマッサージやオンシップを行い皮膚が蒸れないように気を付けます。パジャマやシーツなどの清潔保持にも気をつけます。栄養状態にも注意を払います。

 

 

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まとめ

臥位には仰臥位、側臥位、腹臥位があります。寝たきりの人は血行が悪くなり、栄養状態も悪くなりがちなので褥瘡ができる可能性があります。

安楽な姿勢を保持し、清潔な状態にし、体位を変えてあげることが必要です。

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