社会的入院ってどんなこと?原因は?対策は?

hospitalization

社会的入院という言葉をご存知でしょうか。在宅でも治療は可能なのにも関わらず入院しなければならない人がいます。そう言う人たちが入院することを「社会的入院」と言いますが、なぜ、入院しなければならないのでしょうか。

どんな人たちが入院しているのでしょうか。今回は「社会的入院」についてご紹介させていただきます。

 

社会的入院とは

社会的入院とは、医学的には入院の必要性が低く在宅でも療養が可能であるにも関わらず、病院で生活している状態のことをさし、これ以上病院にいる必要が少ない人が少なくありません。一体、なぜこれ以上入院の必要を迫られていないのに、入院をしているのでしょうか。

ケアの担い手がいない

社会的入院をしている人に多く見られるのは「ケアの担い手がいない」ということです。全くいないというわけでもなく、家庭の事情や引き取りを拒否したり介護者の休養、後遺症があるなどと言う理由から、社会的入院をしている人が少なくありません。よって、高齢者の寝たきりや精神障害者の社会復帰を阻害となり、悪循環がループしているのです。

厚労省の対策

2004(平成16)年厚生労働省は精神医療を入院中心から出来るだけ自宅で療養出来る様に転換するために、各都道府県で数値目標を立てて社会復帰を支援する計画を作るなどした改革ビジョンを策定し、その取り組みが注目されています。診療報酬上の政策誘導によって、平均在院日数の短縮化をも図っているのです。

要介護の高齢者や精神障害者の慢性的な入院についてもいい、病床が不足しているだけではなく介護・医療保険などが増大となっていることからも社会的な問題となっています。

 

 

byouki_oldman

 

 

社会的入院の定義

入院とは本来病状が継続的な治療や看護をするために医療機関に留め置く措置ですが、病状が快復すれば退院し必要に応じて外来診療に移行することが本来のあり方です。しかし、「担い手がいない」ことから、病状が快復しているのにも関わらず入院し続けていることを社会的入院といいます。

社会問題にもなっている社会的入院

不必要な入院が招く社会問題としてベッドが満床になるために緊急患者を受け入れることが出来ずに、救急医療にも影響が出ており「救急難民」が発生しています。社会的に入院はそのベッド数を減少させている原因のひとつにもあげられているのです。また、医療費が増大になっていることも問題として挙げられています。近年、医療費の増大は国家財政を圧迫していますが、社会的入院はその原因のひとつになっています。本来ならば入院する必要がない人が入院しているために、医療費がかかってきています。その医療費は国がお金を出しているので、医療費が増大になるのは当然のことといえます。

長期入院3.9万人を削減へ

厚生労働省は統合失調症などで入院している患者を2020年までに全国で最大約4万人を削減する目標を発表しました。日本の社会的入院の患者は精神科に入院する人が多く、慢性的に入院している患者が多いことが分かっています。その為、自宅での生活が出来るように様々な視点からサポートすることにより、入院患者を減らす目標を立て遂行され始めているのです。

 

社会的入院の原因

一体、なぜ社会的入院が増えているのでしょうか?なぜ、介護の担い手がいないから入院患者数が増えているのでしょうか。

退院できるけどしない?

まず、「退院できるけどしない」と言う人が増加していることがあげられます。病院とは本来、病状が快復したら退院することになっていますが、様々な事情により退院出来ない場合があるのです。高齢者世帯で誰も見る人がいない、家族が家にいないなどの理由から「退院したくても出来ない」ということから、入院を余儀なくされることがあります。

診療報酬が絡んでいる

病院は治療することが無くても診療報酬というものを患者から診療代として貰うことが出来ます。それが一部の病院では大きな収益となっているのです。ベッドの空きがたくさんあるよりかは満床になっていることの方が病院には収益が多くなってきます。その方が病院は良いのです。その為に、「退院させなくてもいい」という結論になってしまっているのかもしれません。高齢者が増えている近年では社会的入院は増しています。収益が上がる病院と担い手不足で看られない患者の利害関係が一致してしまっていることも社会的入院が増えているのかもしれません。

 

 

toubyou_enmei

 

 

社会的入院の対策

以前、下記のような記事を読みました。
「社会的入院」を解消するため、厚生労働省は、入院の必要性がないのに6カ月以上、入院を続けている患者を対象に、入院費用分については医療保険からの給付をやめ、患者の自己負担とする方針を固めた。患者には負担増となるが、医療保険財政が厳しさを増すなか、本来は必要でない医療費を節約するという意味で合意が得られると判断した。ただ、退院して自宅に戻ることが難しい人のために、介護保険と連動した対策などが必要となるため、論議となりそうだ。 厚労省の推計では、全入院患者の2割にあたる約27万人が社会的入院とみられる。

6か月以上の入院を避ける

以前は病院というと「3ヶ月で出される」と言われていましたが、それでも何かしらの病状を作り出すことによって慢性的に入院をしていました。しかし、本策では退院を余儀なくされてしまうために、退院することはするでしょう。しかし、退院して自宅に戻ることが難しい人からの抗議などもあると想定できるだけではなく、また繰り返し再入退院を繰り返すのではないでしょうか。

病院に近い介護施設を

現在、特別養護老人ホームなどでは待ち時間が非常に長くなっています。入所待ちで入院している人も多くいるので、特別養護老人ホームなどの入所見直しや民間の介護施設とも連携して行っていくのはいけないものなのだろうか、と考えたことがあります。病院とその都度連絡が取り合える施設を増やしていくことで、社会的入院が減るのではないでしょうか。

 

社会的入院の注意点

社会的入院のすべてが悪いわけではないのです。なぜ、そう思うのか、下記にてお話しさせていただきます。

入院患者を減らすだけではいけない

社会的入院は決して良いとも悪いとも言い切れないのが現状です。医学的には「自宅でも療養が可能」と判断されたところで、医師の所見ではまだ入院の必要があると判断しての入院となっている可能性もあります。その為、「社会的入院患者を減らす」だけでは意味がないのです。なぜ、入院しているのか?その部分は厚生労働省は見ておらず、厚生労働省が見ているのは「医療費」と「ベッド数」だけなのです。社会的入院かもしれませんが、医師は双方を見た上での入院措置をしているため、社会的入院すべてが悪いとは言い切れないのです。

病院はホテルではない

担い手がいないから病院へ入院するのではなく、介護施設も上手く活用することが大切です。短気ステイやデイサービスなどを上手く利用すれば日中の手薄な場合でも介護を受けることが出来ます。施設に入所することが出来るのなら、入所すれば担い手の必要はありません。色々な視点から考えることで、担い手が少なかったり家庭の事情だったりがあったとしても、介護は可能なのです。

 

 

medical_nyuin_family_woman

 

 

まとめ

今回は「社会的入院」についてご紹介させていただきましたが、この問題は十人十色という言葉がしっくりくるくらい病状と現状が変わってくると思います。病院の収益だけではなく、患者自身のメリットもあっての入院となってしまっているため、一概には「ノー」とは言えないのです。

病院だけではなく介護施設も上手く活用してもらえないのだろうか、と考えています。

qna