誤嚥性肺炎ってどんな症状?原因は?対策は?

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誤嚥性肺炎という言葉をご存知でしょうか?

その字のとおり、誤嚥することよって肺炎となってしまう病気で高齢者によく見られます。誤嚥性肺炎とはどういう病気なのでしょうか?防ぐ方法はないのでしょうか?健康でいつまでも暮らしていたとしても、誤嚥性肺炎で亡くなられる方もいらっしゃいます。今回は誤嚥性肺炎についてご紹介させていただきます。

誤嚥性肺炎とは

誤嚥性肺炎とは、その字のとおり「誤嚥」したことにより「肺炎」を引き起こしてしまう病気です。嚥下機能の低下により唾液や食べ物が気管に入ることで化学性肺炎を起こし、メンデルソン症候群とも呼ばれています。

嚥下状態の低下

嚥下(えんげ)とは、食べ物を飲み込むときの力のことを言い、普段、私たちは口から入れた食物は食道を介して胃へと運ばれていきます。しかし、物を飲み込む働きが衰えてしまうと、食道ではなく気管に入ってしまうのです。それを誤嚥といいます。誤嚥し胃食道逆流物※が気管に炎症が起こり、科学的に肺炎を引き起こしてしまいます。それを「誤嚥性肺炎」と呼ぶのです。高齢者がかかる肺炎はこの誤嚥性肺炎が多いと考えられています。
※ 胃食道逆流物(いしょくどうぎゃくりゅうぶつ)=胃の中の物が食道を通って逆流してしまうこと

誰に起こりやすいのか

誤嚥性肺炎は嚥下機能が低下している高齢者や脳梗塞を起こしたことがある人や寝たきりの人に多く発生します。高齢者だけではありません。脳梗塞の後遺症、パーキンソン病などの人にも見られ、寝たきりの状態近い人たちが誤嚥性肺炎になりやすいのです。
また、栄養状態が不良であることや免疫機能の低下なども発症に関与し、嘔吐などで食物と胃液と一緒に誤嚥して発症する場合もあります。

 

 

アルツハイマー型認知症で、誤嚥性肺炎

 

 

誤嚥性肺炎の症状

誤嚥性肺炎になった時、風邪のような症状から始まります。しかし、レントゲンを撮ると肺炎と同じく肺が真っ白になっているのが所見されます。

誤嚥性肺炎の症状

誤嚥性肺炎の場合、自覚症状が無いために発見が遅れるケースがあります。肺炎の症状である「発熱」や「咳」、「痰」などが症状として出てきます。しかし、高齢者はこれを自覚していないため、発見が遅れるだけではなく、誤嚥性肺炎に繰り返してかかってしまうことがあるのです。その為、食事中に気にかけなければならない注意点はたくさん出てきます。

気にかけたい点

誤嚥性肺炎の症状が出にくいからこそ気にかけたい点をご紹介いたします。

・食事中の変化

食事に時間がかかるようになったり食べる量が減ったり、水分を避けるようになった時は気にかけた方が良いでしょう。また、食事中や食後にむせ込みやガラガラ声になった場合、誤嚥になりかけている可能性が高いので、気にかけて見ていくことが大切です。

・食後の変化

食後に痰が増えたり口腔内に食べた物が残っていたりする時は注意して観察が必要です。また、常に喉がゴロゴロいっていたり、尿量が減ったりした時も注意して観察が必要となるのです。

 

誤嚥性肺炎の原因

誤嚥性肺炎の原因として大きく2つに分けられます。これらではなく、更に免疫力の低下が重なると誤嚥性肺炎にかかりやすくなるので、注意が必要です。

原因の種類

原因の種類は大きく分けて2つあり以下のとおりとなります。

・食べ物による誤嚥

食事中や嘔吐物で食道ではなく気管に入り、細菌により肺が炎症を起こしてしまうことで発症します。また高齢者の場合は口腔内にある唾液や残渣物で誤嚥が起きている可能性があります。

・胃食道逆流物

胃の内容物と一緒に胃液が食道を逆流することで発症します。もし、胃ろうなどをしている場合、栄養剤が逆流し誤嚥してしまうケースがあり、直接腸に栄養剤を送っている場合は、胃に送っている場合より誤嚥が起きにくいとも言われています。
これらによって誤嚥性肺炎が引き起こされてしまうのです。

原因その他

食事中だけではなく、入眠中でも誤嚥になる場合があります。それは「唾液」でおこります。本人も周りの人も気付きにくく、気付いた時には「誤嚥」になっていた、という事があります。加齢とともに喉頭の位置が下がり、飲み込む力が弱まったり薬などにより嚥下機能が低下することによって誤嚥が起こるのです。普段、自立して生活を送れていたとしても、嚥下障害がある可能性があるため、注意が必要となります。

 

 

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誤嚥性肺炎の対策と予防

一度、誤嚥性肺炎を治療しても予防を怠ると再発しやすいと言われています。その為、誤嚥性肺炎に一度かかってしまった場合、しっかりと予防対策をとることが重要です。

普段から行える予防

普段から行える予防があります。それは以下の通りとなります。

・姿勢に気を付ける

普段、どのような格好で食事をしていますか?猫背であったり背筋が反っていたりするかもしれません。それらは上手く食道が開いてくれないために気道に入ってしまう可能性があります。また、食後すぐに臥床するのではなく、2時間くらいは座位を保つかギャッジアップすることが大切です。

・口腔ケア

口腔内に食べ物の残り(残渣物)がある場合、口腔内は細菌で溢れてしまいます。また、残渣物が気道に入ってしまう可能性もあるため、食後の口腔ケアはとても重要となります。
普段から行える予防はたくさんありますが、2点だけご紹介させていただきました。「姿勢」と「口腔ケア」をきちんと行うことで、誤嚥性肺炎のリスクを少しでも軽減出来るのなら実践する必要があります。

医師や訓練を利用した予防

上記に記載した予防の他に、専門機関を利用した予防もあります。

・薬物

嚥下機能を良くする薬や咳反射亢進のための降圧剤など、これらの薬を飲んでいる高齢者は少なくありません。これらの薬によって嚥下状態を緩和し、異物が気管に入った時に咳をして吐き出そうとしてくれる反射をしやすくしてくれます。そうして誤嚥を起きにくくします。

・嚥下訓練

デイサービスや訪問リハビリではすでに実践されている「嚥下訓練」ですが、専門家から嚥下訓練や嚥下トレーニングを受けながら自宅で摂食訓練を続けることが望ましいでしょう。

・免疫力を高める

誤嚥性肺炎も肺炎の一種であり、栄養状態が安定していないと免疫力も低下したままとなり、誤嚥性肺炎のリスクが減りません。その為、免疫力を上げることが大切です。

 

注意点

誤嚥性肺炎はなる前の予防が大切です。「良く噛む」「たくさん水分を摂る」など、普段、私たちには簡単に行えている事が高齢者には難しくなってきてしまいます。仮にミキサー食になったとしても、気にしなければなりません。

普段の注意点

誤嚥性肺炎には様々な注意点があります。「食事の姿勢」だったり「口腔ケア」だったりと普段から行っていることで予防出来ることがあります。しかし、食事の姿勢ばかりを気にかけてしまい、本人の食事形態が見合っていない場合もあるので、それらを見直すことも大切です。「良く噛みゆっくり飲み込む」ことが出来ていない可能性も高く、そうした場合は普通のご飯からお粥にするなどの変更も望ましいでしょう。

出来ること

普段の食事形態の変更が望ましいとご紹介しましたが、どういった時に変更した方が良いのかをご紹介させていただきます。

① ご飯をお粥に

固めのご飯、柔らかめのご飯など、ご飯の炊き方ひとつ好みがあります。いきなりお粥にするのではなく、「固めのご飯」から「柔らかめのご飯」、「軟飯」「お粥」と段階を踏むのが大切です。また、お粥になったことでストレスがかかり食事が摂れなくなる場合もあるため、行うのには注意が大切です。

② 刻み食

噛む力が弱くなっている場合、予め一口大にしたり刻んだりすることも大切です。

③ とろみ

お味噌汁など、サラサラしたものがむせ込むことがあるのなら、市販でも売っているとろみ剤でとろみをつけて飲んで貰うなどの工夫も大切です。

 

 

 

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まとめ

今回は「誤嚥性肺炎」についてご紹介させていただきました。誤嚥性肺炎は死を招いてしまうこともあるため、注意が必要不可欠です。日頃の食事の状態や食事形態などの見直しも必要となってくるため、「今どのような状態なのか?」をきちんと見て判断することが重要となります。

最後に書かせていただいた「出来ること」に簡易的にご紹介させていただきましたが、それらが日常的に見ていくことが出来るようになることが重要です。

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