見当職障害の対応はどうすればいの?原因と症状は?対策は?

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ご家族に認知症の方がおられれば、この「見当職障害」という事は、お分かりかと思います。初めてこの言葉を聞かれる方の為に、これから更に深刻な社会問題となっていく「認知症の症状」のひとつで、この症状の出始めたら注意してください。今回はこれから深刻な問題の見当職障害を紹介させて頂きます。

 

見当職障害とは

いまや認知症は高齢者にとっては身近に襲ってくる「国民病」となっています。現在の日本国内の65歳以上の高齢者の約10%が認知症と言われており、更に詳しく見ていくと70歳迄の認知症の有症率は15%ですが85歳くらいのなると有症率が27%の高齢者が認知症の患者だと言われています。

認知症の症状「見当職障害」

認知症には日本人の発症者の中で、最も多い代表的な認知症がアルツハイマー型認知症で続いてレピー小対型、脳血管性認知症です。それらの認知症に共通している事が「進行性症状」「完全なる完治は現在は不可能」という点が挙げられます。その進行性症状のひとつが「見当職障害」です。では見当職障害はどうようになるか説明させていただきます。症状の発症の現れ方としてはよく言われるのが「最近物忘れが酷くなってきているので認知症では」と思っておられる方がいます。

それは100%否定はしませんが、現実の症状の現れ方は患者次第という事もあります。それは各患者の「脳のどの部位の神経細胞が変成しているか又委縮しているか」によって症状の現れ方が異なってくるからです。

症状の現れ方

まず脳内の細胞の変成や受けるダメージによって記憶力が低下したり、簡単な計算ができなくなる中核症状が現れます。更にそれから進行していくと、次は周辺症状(行動・心理症状)になって現れます。同時に自分が今何処にいるのか、何をしているのか分からなくなったりします。見当職障害は初期段階に現れる、中核症状の中のひとつです。中核症状としては次のような症状が挙げられます。
1. 記憶障害・2.実行機能障害・3.理解、判断力障害・4.計算能力障害、」最後に挙げられるのが見当職障害です。

■見当職障害

見当職とは「いつ」「どこ」の事で、この障害が現れるということは、今現在の時代や日時、居場所について理解できない状態になっています。
[症状の現れ方]
最初に分からなくなるのが時間の感覚、予定していたことができなくなったり、待ち合わせんの時間が覚えられなくなったり、近々の時間の感覚が薄れていきます。次に季節についての感覚が低下してきます。また「どこ」かわからなくなると外出したときに迷子になって自宅に戻れなくなってしまうこともあります。
このように認知症の初期の段階での症状でも、かなり大変で過酷な状態なります。しかし当事者は何も意図的な行動として行っているのではない事を周辺の方は、見守って欲しいものです。

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見当職障害の症状と原因

認知症はかかりたいと思っている人は皆無です。だからこそ未然に防止する為にも、症状や原因について理解していれば対応が敏速にできます。見当職障害になると「自分が」「自分で」無くなり、自分の置かれている状況、今日は何月何日か、今が何時か、今自分がどこにいるのか、誰と話をしているかなどが正確に認識出来なくなります。

見当職障害が原因に

見当職障害の元となる原因についてはまだ、明確になっていませんが、現在考えられる原因として見当識障害はいろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり(壊れてしまったり)、脳の細胞の機能が低下したりして、様々な障害が生じる疾患からが原因のひとつとしてあります。障害が生じる事で、日常生活に支障ができたり、困難が生じたりします。脳はヒトの活動をコントロールする司令塔ですから、脳細胞が死んだり、機能低下したりして脳の働きが悪くなれば、当然、精神活動にも身体活動にも障害が生じます。

見当職障害の症状

見当識障害の症状は、➀時間、②場所、③人物 の順序で現れます。見当識障害は、まず時間認識に起こります。「今日が何月何日何曜日なのか」わからなくなります。高齢者は退職すると、日付や曜日がわからなくなることがよくあります。専業主婦でも、夫が退職すると、曜日を間違えることがよくあります。しかし、「今日が何月なのか」わからなくなることは、見当識が正常とはいえません。「今日が何月何日か」わからなくなるのが、見当識障害の初期症状なのです。日付がわからなくなると、長い間待ったり、待ち合わせ時刻を守ったり、予定に合わせて準備したりすることが、だんだん、できなくなります。見当識障害が進行すると、朝・

昼・晩の区別もつかなくなり、季節がわからなくなります。季節に合わせた服装を選ぶことができなくなります。

■自分が居る場所が、わからなくなる

次に、場所の認識できなくなります。外出先で、自分がどこに居るのか、急にわからなくなることがあります。病院に行ったのに、そこが病院であることがわかりません。外出して、迷子になることが、しばしばあります。やがて、徘徊するようになります。見当識障害が進行すると、よく知っている場所・見慣れている場所でもわからなくなります。自宅で、トイレの場所や自分の寝室がわからなくなったりすることもあります。

■その人がだれか、わからなくなる

さらに、人を認識できなくなります。アルツハイマー型認知症の場合、人に対する見当識は比較的長く残存しますが、認知症進行とともに人を認識できなくなります。家族の顔はわかっても、それほど親しくない人は、だれなのか、わからなくなります。また、家族でも、孫を実子と思い込むなど、相手と自分の関係を間違えることがあります。見当識障害が進行すれば、家族のこともわからなくなってしまいます。鏡に映る自分自身がわからなくなるような事もでてきます。

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見当職障害の対応と予防

見当職障害になると自分自身での判断力や周辺での異変等に対応が難しくなります。そこで重要になってくるのがまわりの見守りや予防対策が必要とされます。

見当職障害が原因による危険性

見当識障害によって徘徊する場合があります。自分がどこにいるのか認識できないため、徘徊してしまうのです。見当識障害に起因する徘徊の末、交通事故を引き起こしたり、行方不明になってしまう事件が実際に起こっています。また季節が認識できず、夏場でも冬と間違えて服を着込む方がいます。冷房などもつけずに暑い部屋で過ごすと脱水症状を起こす場合もあります。同居している場合、衣替えを行い季節に合わせた服を準備する、必要のない衣服はしまうようにするなどの対応が必要です。家族が遠方に住んでいる場合には、箪笥や衣装ケースに「夏物」「冬物」など記載して、訪問看護師やヘルパーにも分かりやすいように工夫して、衣替えを頼む事による対応が必要です。

■徘徊による事故を防止するために

見当識障害があるとわかったら、外出する際は誰かが付き添い、目を離さないように見守る事が大切です。近所でも迷うことはあります。名前と住所、電話番号を衣服に縫い付けたり、バッグにつけておくことも大切な防止方法です。また周りの方の協力も必要になります。近所の方や地域の民生委員、警察などに連絡して、もし外で見かける事があれば、連絡してもらうといった対策を早くから行うことが望ましい事です。 警視庁では、巡回連絡カードの記載を促しています。戸別訪問の際に警官に伝えるのも良い方法です。

■脱水症状を防止するために

夏場に服を着込んでしまっている場合、説得しても脱いでもらうのは難しいことがあります。そのような場合は、冷房をつけて温度調整をしたり、水分をたくさん補給するといった対応を心がけてください。

見当職障害の予防対策

見当職障害に成らない事は誰にも予想はつきません。しかし予防することで発症の防止に努める事や発症を遅らせるような措置は取れます。特に食事については食事の内容によって脳内への血流等にも関係してきますので、予防対策として試されてみてはいかかですか!!!

■食事での予防

脳血管性認知症を発症する原因は脳内の血管が詰まり神経細胞に十分な血液が行き届かなくなって発症します。
つまり糖尿病のため、高血糖のドロドロ血液がその主要な原因です。ですから血流を改善すれば脳内の血液の流れがスムーズになり神経細胞へのダメージを抑えることができます。血管が詰まってしまう原因となる血栓を溶かす作用のある食品や血流を良くする食物を積極的に摂取するような食事をされる事をお奨めします。

■禁煙

喫煙者はタバコを吸わない人と比較して50%も認知症の発症率が高いという研究結果が出ています。喫煙をすることで小さな発作が脳にダメージを与えて、認知症を誘発すると考えられています。認知症の予防にも禁煙は有効だと言う事です。

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見当職障害で起こる問題例

見当識障害が見られると、例えば人と会う予定を忘れたり、迷子になってしまったり、家族や友人をかたくなに知らないと言う場合があります。また症状が進むと、トイレを間違って別の場所で排泄したり、トイレまで間に合わず失禁する場合もあります。こういった症状が出ると、家族や周囲の人たちも驚きやストレスから「どうしてそういうことするの?」と怒ってしまうことがあります。うっかりでも、わざとでもなく、認識する機能が失われてしまっているという事を、家族が理解する事が大切です。

認知症の方を怒ったり責めたりしても、本人は怒られている原因が認識できていないため、余計に興奮させたり、自尊心を傷つける事になります。本人は約束の日が到来してる認識がなかったり、目の前にいる人が本当に誰か分からず困惑しているのです。
例えば、時間の認識が乏しい場合、文字盤が見やすい時計を枕元に置いたり、本人が生活する拠点となる部屋に置きます。また、外出の時間が近づいてきたら、「今日はどこに出かける日でしょうか?」「9時にデイサービスの車が迎えに来るので、そろそろ準備しましょう。」と行動を促すような言動を心がけましょう。

春なのに秋と認識している場合は、桜を見に行ったり、旬の食べ物をメニューに取り入れたり、季節を感じることを取り入れてみるなどの工夫もいい事です。名前を間違えられた場合は、やんわりと「○○ですよ。」と答えましょう。家族が自分の名前を間違えられるのは、非常にショックなことで、怒りや悲しみが湧いてくるのは当然です。しかし、その気持ちのまま介護を続けると、本人にも伝わり悪循環が生じます。一旦、冷静になる時間をつくりましょう。

 

見当職障害注意点

見当識障害は、認知症でも初期の症状です。患者自身も思い通りにならない心と身体に、不安や焦り、苦痛を覚えています。声かけするに当たっては次の「決してしない」に注意してくだい。

■決して怒ったり責めたりしない

見当識障害では、今日の日付や曜日が記憶から外れるため約束を取り違えたり、誰かと会う約束を忘れてしまったりします。場所の記憶が薄れるため、迷子になってしまいます。症状が進むと長年の知人すら「知らんな、こんな人」と平気で言います。こうした症状は病気のために起きているのです。認知症の初期の人に怒ったり、責めたりすると、かえって興奮させてしまいます。自尊心を傷つけ、良いことはなにもありませんので、怒ったり責めたりすることのないよう注意して接するようにしてください。

■決して本人を否定しない

自分の年齢を間違えたり、やがて介護士や看護師を家族と間違えたりするのは、見当識障害では当たり前の症状です。病院、施設にいるにもかかわらず「自宅にいる」と間違えることも多々あります。

患者の心のすべてが認知症になっているわけでありません。見当識が障害されていても正気な部分は残っていて、患者の側で無意識のうちに接する人が頼りになるか、ならないかをかぎわけているものです。決して患者本人の存在を否定したり、発言内容を頭ごなしに否定したりしてはいけません。

 

まとめ

認知症の初期症状である見当識障害は、数値で測れるものではなく、何気ない行動やしぐさから判断するしかありません。認知症の根治治療が確立していない現在では、見当識障害についても対症的な介護しかありませんが、認知症の方も生きている限り一人の「人」としての尊厳に重きを置いた上での対応が求められます。

 

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