アルツハイマー型認知症について教えて!症状は?対策は?

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アルツハイマー型認知症というと、さまざまな場面でよく耳にする言葉ではないでしょうか。
最近は高齢者だけでなく、64歳以下の年齢の人も若年性アルツハイマー型認知症として発症する人も増えてきています。
知っているようで知らないようなこともたくさんある「アルツハイマー型認知症」について、一つ一つ見ていきましょう。

 

アルツハイマー型認知症とは

1907年、ドイツの精神科医であるアロイス・アルツハイマー博士が初めて報告した病気で、博士の名前が病名につけられました。認知症には原因となる病気によって大きく3つに分けられます。

①アルツハイマー型認知症

正常な神経細胞が壊れ、脳萎縮が起こることが原因

②血管性認知症

脳梗塞や脳出血など、脳の血管障害が原因

③レビー小体型認知症

レビー小体というたんぱく質が脳にたまることで起こる脳の萎縮が原因

この3つが代表的な認知症であり、「3大認知症」と言われています。
アルツハイマー型認知症はこの3大認知症と言われている中の一つということになります。
その中でも、アルツハイマー型認知症は一番患者数が多いとされ、全体の約60パーセントを占めていると言われています。
国内では約100万人いると推定されており、これは65歳以上の高齢者の10人に一人という割合になります。
世界的にも年々増加の傾向をたどっています。
また、男性よりも女性に多くみられます。これは、女性のほうが一般的に長生きであるのと、エストロゲンの減少が理由ではないかと推測されます。
また、アルツハイマー型認知症の発症にはこれまで加齢や遺伝が関係すると言われていますが、それに加えて、糖尿病や高血圧などの方はアルツハイマー型認知症になりやすいこともわかってきました。

 

 

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アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマーの症状には進行状況に応じて4段階あると言われています。

4段階の進行状況

①軽度認知障害(アルツハイマーの前触れ)
②アルツハイマー第一期 (健忘期)
③アルツハイマー第二期 (混乱期)
④アルツハイマー第三期 (臥床期)

では、それぞれの段階についてもう少し詳しく症状を見ていきましょう。

① 軽度認知障害 (アルツハイマーの前触れ)

頑固になる、
自己中心的になる
情緒不安定
精神的不安
抑うつ
睡眠障害
幻視妄想
軽い物忘れ

何回も同じ話をくりかえす・迷子になる・物をなくすなど、加齢に伴う物忘れの症状とほとんど同じで日常生活に支障がないため気づきにくいのですが、この時期に病院で検査することがもっとも効果的です。

② アルツハイマー第一期 (アルツハイマー症状段階「健忘期」)

健忘症状
多動行動
徘徊行動
幻覚・妄想

物忘れの度を越え始める時期でもあり、家族や友人の識別ができなくなります。この頃から周囲も患者の異変に気付き始め、困惑してきます。

③アルツハイマー第二期 (アルツハイマー症状段階「混乱期」)

高度の知的障害
失語
失行 (方法はわかるのにできない、服の着方は知っているのに着ることができないなど)
失認 (目では見えているのに、見えていると認識できない)
けいれん・発作
錐体外路症状 (スムーズな体の動きが取れない)

初期の症状がさらに進行し、意思疎通が困難になります。
在宅での生活が難しくなってくる時期です。

④アルツハイマー第三期 (アルツハイマー症状段階「臥床期」)

失禁
拒食・過食
嚥下機能の低下
反復運動
けいれん
完全な失語

寝たきりになり身の回りのことがほとんどできなくなるので、日常生活を送るためには介護が必要となります。
医療との連携も必要になるので入院や介護施設での生活を選ぶ家族が多数を占めてきます。

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アルツハイマー型認知症の家族の対応

怒らない

同じことを何度も聞いたり同じ話を繰り返すのは、アルツハイマー型認知症の症状である「記憶障害」による物忘れのためです。
簡単なことが覚えられなかったりすると、患者本人もイライラして感情的になったりもします。
周囲はそんな状況に困惑し、つい怒ってしまいがちです。
しかし、認知症の人は質問や話をしたこと自体忘れているので、「初めて聞いたのに怒られた」と思い、自分自身を否定された気持ちになります。
感情の記憶は残ってしまうので、否定されたり怒られたりということが続くと、「この人は嫌いだ」という感情だけが残ってしまい、その人に会うだけで感情がよみがえり、イライラします。
同じことを繰り返し聞かれても、怒らないようにしましょう。

無理強いしない

患者は、「風呂に入りたくない」「食事をしたくない」など行為に関して拒否することがたびたびあります。でもここで無理強いすると介護者や行為そのものに対して悪い印象を持ってしまいます。
周囲は「患者が拒否するのには理由がある」と、食事をしたくないということに関しては、「入れ歯が合わず口の中が痛いために食べたくないのでは?」と、まずは拒否する理由があるのではないだろうかと考えてみるようにしましょう。

孤独にしない

できないことが増えたり、物忘れなどで一番戸惑って辛い思いをしているのは患者本人です。
「どうしてここにいるのだろう?」「自分はどこに行くつもりでバスに乗ったのだろう?」という不安な気持ちが症状のさらなる悪化にも繋がります。
周囲の人がすべてやるというのではなく、できれば一人にならないようにそばにいて温かく見守ることで患者本人が安心感を得ることができ、病気の悪化を防ぐことにも繋がります。

薬の副作用に注意

薬の副作用の影響で、症状が悪化してしまう可能性があります。服用前と服用後の状態を注意深く観察し、異変が見られた場合はすみやかに受診しましょう。
また、患者は一人ではきちんと服薬できないことのほうが多いです。
飲み忘れるだけでなく飲んだこと自体忘れて更に飲んでしまう危険性があります。
薬の飲み忘れや飲み過ぎは症状悪化にも繋がりますので、周囲が薬の管理をすることが必要です。

できることを積極的にしてもらう

アルツハイマー型認知症になったために、できなくなったことがたくさんありますが、できることもまだたくさんあります。
積極的にできることはやってもらうようにすれば、患者本人にもやる気が出て、病気の悪化の防止にも繋がります。

身の回りの管理

アルツハイマー型認知症になると、今まで普通にできていたことができなくなります。
外出や通院などはもちろんですが、トイレや食事など生活面の手助けなど、身の回りを管理してあげましょう。
先ほどの薬の服用に関して言えば、カレンダーと併用して1回分毎に分けるなどの工夫をしましょう。

生活しやすい環境作り

伝えたいことなどは、カレンダーやボードなど分かりやすい場所に大きくメモをしてあげたりして、嫌な気持ちにならないような環境作りを心掛けましょう。

介護保険制度や介護サービスになどの情報収集

介護保険制度は複雑で、頻繁に制度の内容も変化しています。
自治体によって受けられるサービスも様々です。
まだ必要ではないと思っても、情報収集をしておけばいざというときに慌てることもなく、落ち着いて対応できるでしょう。

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アルツハイマー型認知症の予防

アルツハイマー型認知症は、脳の中に「アミロイドβ(ベータ)」という老廃物が溜まり、脳が萎縮することが原因で起こります。
そのため、原因となる「アミロイドβ」を溜めないようにすることで、予防が可能ではないかという考え方が最近注目されています。
原因となる「アミロイドβ」を分解してくれるのが「インスリン分解酵素」というものですが、この「インスリン分解酵素」が正常に働いてくれれば、体内にアミロイドβが溜まらないように分解してくれるということになります。
しかし、血液中のインスリンが増大すると、インスリン分解酵素の働きが低下してしまいます。
ということは、体内にインスリンが多い人は、アルツハイマー型認知症を発症する危険性も高くなると言えます。

体内にインスリンが多いとされている人は以下の方々です。
・糖尿病
・肥満
・運動不足

ということは上記のような状態になることを普段から防ぐような生活をすることにより、アルツハイマー型認知症を予防することができるのではないかということになります。

では、具体的な対策を見ていきましょう。

5つの対策

①食事

脂質や糖質のとりすぎに注意する。

②運動

有酸素運動が良いです。ジョギングや体操などが脳を活性化させる効果
があります。無理のない範囲で取り組みましょう。

③昼寝

長時間だと夜の睡眠に悪影響を及ぼすので、短時間の昼寝が効果的だと
言われています。

④生活習慣

飲酒、タバコは控えましょう。

⑤趣味を持つ・料理を作る

趣味が同じ人との会話で感情の共有ができるの
が大きいです。
また、趣味や料理を作るという行為は、脳の活性化 に効果的だと言われています。

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アルツハイマー型認知症の注意点

うつ病の併発

アルツハイマー型認知症の初期の患者の中で「うつ病」を併発してしまう人がいます。気付かずにそのままにしておくと症状がすすんでしまうので、通常のうつ病に対する治療も必要になります。なぜ、アルツハイマー型認知症の人はうつ病を併発してしまうのでしょうか?
うつ病は、真面目な性格・几帳面な性格・責任感の強い人などが発症してしまう傾向にあります。アルツハイマー型認知症の主要な症状の一つに「物忘れ」があります。認知症になるとさまざまな事を忘れてしまいます。真面目な人や責任感の強い人は、忘れてしまった自分を強く責めます。

「忘れてしまう」という症状は、アルツハイマー型認知症の症状であるので仕方のないことなのですが、患者本人にとってはそのことに納得できないのです。
いつの間にか怒りの矛先が自分自身に向かってしまい、自分を責めて落ち込むのです。そして、うつ病が悪化していくのです。

次のような症状がある場合は、うつ病になっている可能性もあるので、医療機関を受診しましょう。

うつ病の可能性の症状

1ぐっすり眠れない
2身体がだるい
3無気力になる
4 将来を悲観する
5 不安になる
6 体重が減る
7 趣味を楽しむことができない
8 自分には価値がないと思う など。

感染症

アルツハイマー型認知症を発症すると、数年のうちに別の感染症などが原因で死亡するケースが多いといわれています。
ですから、アルツハイマー型認知症の初期段階で適切な治療を受けることが患者にも家族にとっても重要になってきます。

 

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まとめ

アルツハイマー型認知症は、初期の対応が非常に大事です。
根治するのは難しい病気ですが、できるだけ早く発見し適切な治療を受けることで、症状を改善させたり進行を遅らせたりすることができます。
早期発見や早期治療のためにも、周囲の人は注意深く、そして温かい目で接していきましょう。
そして患者や家族・周囲の人みんなが悔いのないような人生を送りましょう。

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