認知症の割合について勉強したい!将来はどうなるの?

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日本は平均寿命が世界トップレベルの長寿大国です。
しかし、高齢者の中には認知症や寝たきりの状態にあるなど日常生活に支障のある人もたくさんいます。日本人の認知症発症率は同年齢のアメリカ人や東アジア人と比べて高く、世界一であると位置付けている著書もあります。日本における認知症の割合を世界レベルで考える時、文化的な違いやその他の国によって異なる要因もあるので一概に比較はできませんが、確かに日本は認知症の発症率そのものが高いようです。

日本における認知症の割合をみていきましょう。

 

認知症の割合とは

我が国における認知症の割合を知るときに現在よく参考にされているのが「認知症施策推進総合戦略(※新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~の概要(厚生労働省)」で示されている将来推計のグラフであります。
これは要介護認定の「認知症高齢者の日常生活自立度」の判定においてⅡ以上の認知症高齢者の割合を算出する方法で計算されています。年間のデータでは同一人物が1年間に複数回要介護認定を受けている場合も考えられるので、性別や年齢階級別を乗じて算出されているとしています。
参考までに「認知症高齢者の日常生活自立度」の状態について以下にⅠ~Мまでをまとめておきます。

【認知症高齢者の日常生活自立度】

Ⅰ・・・何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にはほぼ自立
Ⅱ・・・日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても誰かが注意していれば自立できる。
Ⅲ・・・日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ介護を必要とする。
Ⅳ・・・日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ絶えず介護を必要とする。
М・・・せん妄、妄想、興奮、自傷、他害等の問題行動が継続する状態等

認知症高齢者の日常生活自立度がⅡ以上になると、何かしらの介護が必要となっていることがわかりますね。

※新オレンジプランとは・・・

【概要】

「認知症の人の意思が尊重され、出来る限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らしを続けることが出来る社会を実現する」ことを目的に、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて策定されました。正式には認知症施策推進総合戦略といいます。
認知症の人は2025年には約700万人にのぼると言われており、環境整備は重要なポイント。認知症高齢者にやさしい地域づくりに向けて、認知症という病気に対する啓蒙も含め、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援を包括的にケアするための戦略です。

【7つの柱】

1.認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
→正しい知識と理解を持ち認知症当人や家族を支援する「認知症サポーター」を2017年度末までに800万人養成

2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
→医療・介護従事者の対応力向上を推進。かかりつけ医の認知症への対応力を向上させる研修の実施など
→できる限り早い段階から支援するための「認知症初期集中支援チーム」を2018年度までに全市区町村に配置
→地域の医療・介護などを連携させるコーディネーター(認知症地域支援推進員)を2018年度までに全市区町村に配置

3.若年性認知症施策の強化
4.認知症の人の介護者への支援
5.認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進

→徘徊などに対応できる見守りネットワークの構築、詐欺など消費者被害の防止など、安全対策を省庁横断的に推進

6.認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
→2020年頃までに、全国1万人規模の追跡調査を実施。認知症のリスクを高める因子(糖尿病等)やリスクを軽減させる因子(運動等)を明らかにし、効果的な予防法の確立を目指す
→2020年頃までに、日本発の根本治療薬の治験開始を目指す

7.認知症の人やその家族の視点の重視
(厚生労働省の報道発表資料より引用)

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認知症の割合の現在

厚生労働省の平成27年1月の発表によると、日本の認知症患者数は平成25年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。
認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI: mild cognitive impairment)」と推計される約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群ということになります。
医療機関を受診して認知症と診断された人や要介護認定を基に算出されているだけでもこの数字となっていることから、受診していないために診断名がついていない人や潜在的に認知症を患っている人を含めると、患者数はもっと多いのではないでしょうか。
ちなみに認知症高齢者の数は平成25年の調査時点で全国に約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見通しです。
厚生労働省の推計は5年毎で算出されているので、平成29年度現在、認知症の割合を見る場合はこの平成25年時点で行った調査結果の推計データが最新であると言えます。

 

 

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認知症の割合の過去

認知症の割合について過去のデータを紐解いていきましょう。
先ずは日本の高齢化率について先に触れておきます。

【高齢化率】

日本では、2013年(平成25年)、65歳以上の高齢者数が推計3,186万人となり高齢化率は25.0%を超えました。
20年後の2033年には人口の約4割が高齢者になると見込まれています。
ちなみに、高齢化率の割合によってその社会の呼称が以下のように変わります。

■高齢化率が7%を超えると→「高齢化社会」 1970年
■高齢化率が14%を超えると→「高齢社会」  1994年
■高齢化率が21%を超えると→「超高齢社会」  2007年

日本は1970年(昭和45年)に高齢化社会になり、1994年(平成6年)に高齢社会になりました。更に2007年(平成19年)には21.5%となって超高齢社会へ突入しました。

【認知症の過去の割合】

厚生労働省によると、65歳以上の高齢者の認知症有病率は平成14年には約8%、平成22年はほぼ2倍の15%となっており7人に1人が認知症になっているとされています。
更に2025年には、認知症高齢者は700万人を超え、高齢者の5人に1人が認知症になる計算です。日本は世界有数の長寿国であります。過去のデータからみても日本の高齢化率はどんどん進行しておりさらに上昇し続けると推計されていることから、認知症有病率も今後更に上昇していくと予想されます。

 

認知症の割合の未来

認知症割合の未来を考える上で、よく耳にする「2025年問題」と「少子高齢化」。認知症の割合のこれからを考えていくために、まずはこの2つのワードについて知りましょう。

【2025年問題とは】

「2025年問題」とは、団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達する事により、介護・医療費等社会保障費の急増が懸念される問題です。

【少子高齢化】

少子高齢化とは、総人口に占める子供の割合が少なくなる「少子化」と、高齢者の割合が増える「高齢化」が同時に進んでいる状況のことです。

少子高齢化が進む日本では、「認知症の高齢者の増加、介護の問題、医療の問題、社会保障費の問題、死の問題、住まいの問題」など、これまで問われることの少なかった多様な問題が、「2025年」を機に一気に表面化してくるのです。

このような問題を抱える中で、認知症の割合推計は以下とされています。

【2025年~2060年の認知症割合】

■2025年
団塊の世代が全員75歳以上になる2025年には675万人(最大で730万人※)に、高齢者の約5人に1人が認知症患者であると推計されています。そして、MCI患者数を加えると、約1,300万人にもなるのです。
■2060年
さらに、2060年には認知症患者が850万人に達すると予測されています。

 

 

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まとめ

介護が必要となる理由で認知症の発症は、脳卒血管疾患(脳梗塞、脳出血など)に次ぐ、2位となっています。長寿大国、超高齢化社会に突入している現在、我が国における認知症の割合は今後もますます高くなっていくことが予想されます。一方で少子化のために子供の数は減少しています。

高齢で介護が必要になってもその人らしく地域で生活していく社会の実現のために、地域包括ケアシステムの構築が始まっています。正に助け愛の社会が到来しているのです。

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